2017/03/08 - 2017/03/13
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binchanさん
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3月10日金曜日、阿里山見物、最後は神木線乗車です。
神木線は元来本線の最終区間であるはずの路線です。このとおり一つ手前の駅は二萬平になっていますね。しかし2009年以来奮起湖から先は運休が続いています。2010年に神木・阿里山区間を神木線として開通させ、かれこれ7年、すっかり「支線」としてのイメージが定着してしまった感があります。
かつて、神木站の傍らに、「神木」と呼ばれるそれはそれは大きな紅檜がありました。
1940年代から、阿里山の森林は乱伐ともいえる伐採で、大木と言える檜はほぼなくなっていたと言われます。樹齢3,000年と言われる神木自身は伐採されることなく生き残ったのですが、周囲の木々が伐採される中、それは天然の避雷針となり、1953年、1956年と二度にわたって落雷を受け中が焼けてしまいました。のちに上に若苗を植えて二代木化を図ったり、朽ちて倒れてこないように固定してみたりと、なんとかその雄姿を残そうと努めたようです。しかし3,000年の重みを支え切れるものでもなく、1998年には倒壊が避けられないと判断され、完全に切り倒されました。現在は元の場所にそのまま横たえられています。
神木線といえばもう一つ避けられないのが、2003年に起きた事故です。
神木・阿里山間は林鐵全線でもっとも斜度が大きい区間です。死者17名を出した脱線転落事故は、林鐵史上最悪の死者数。この事故はブレーキの「角旋塞」の開け忘れという人的ミスが原因だったため、運転士2名と検車士が有罪判決、検車士が後に自殺をしてしまうという、なんとも痛ましい最後となってしまいました。
「阿里山森林鐵路癸未車難記事」という慰霊碑が事故現場にあるそうですが、今回は訪ねることができませんでした。
※角旋塞を日本語でなんというのでしょう?調べきれませんでした。ご存じの方コメントお願いいたします。
もう一点、今回探訪できなかった隣の駅「二萬平」について。
写真の站牌では「二萬坪」になってますよね。開業当時は「二萬平」で、現在も林鐵のHPでは「平」が使われています。しかしネット上の記事や現地の表示は「坪」なんですよね。憶測ですが、2008年の民営化あたりから「坪」化しているようです。
もともと「二萬坪ほどもある平らな場所」ということで「二萬平」と名付けられたそうで、日本語だと「○○だいら」という表現が地名としてなじみがよく、華語では面積を表す「坪」がしっくりくるようです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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15:12、神木站へ向かいます。
時間が迫っているけど、200mならなんとかなりそう。 -
その200mがほぼすべて階段です。
阿里山・神木間は1.5キロで標高差78mですからね。思った以上に下りです。 -
急ぐ道ではあるのですが、雄大な樹木が林立していてついつい足を止めてしまいます。
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百姓祠。庶民のための廟でしょうかね。
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立派なお墓がありました。どういった方のものなんでしょう。
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こんなつづら折りの階段を下りていきます。転びませんように。
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この木もマイ神木にしたくなる威厳があります。
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これは何を撮影したのかというと、木々のあいだにうっすらと線路が見えたんですよね。写真には全く写ってないですが…。神木から二萬平、あるいは二萬平から屏遮那区間のものだと思います。ホント、天気がいい時にまた来たい。
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地形によってはちょっと登りもあります。
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5分ほどで下に線路が見えてきました。
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慈雲寺からここまで私は誰も見かけなかったのですが、神木站付近には観光客がたくさんいました。
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線路が迫ってきました。
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奥が神木站、手前に切り倒された神木がありますね。
周囲には何もなく平らな土地が少なくて、昔はスイッチバックポイントだったことが思い起こされます。 -
阿里山神木遺跡、という説明看板がありました。
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大地に身を横たえた神木は、まさに自然に帰るべく苔むし草木に覆われつつあります。
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やがてこの根にも新たな種子が根を下ろし、次の世代を紡いでいくことでしょう。人間の短い生涯ではそれを見届けることはできませんが、自然を観察することによって100年後、1000年後の姿を想像することはできます。
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神木と線路を挟んだ対面にあるのが介壽亭。蒋介石氏の阿里山訪問を記念して建てられたとのこと。
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亭の中には、1953年に蒋介石氏の67歳を祝って記された神木頌。
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立派な建物ですが注目度は低め。
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神木線の切符を購入。
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もう列車が到着しています。
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阿里山と神木の往復運転。
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駅の先は現在行き止まりですが、この先嘉義まで線路があるのです。
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駅舎はありません。切符売り場とホームがあるだけです。
15:30、神木站出発です。 -
車内はのんびりした雰囲気。この平和な区間で実は2003年と2011年の2度、合計22名もの死者を出す事故があったんですね。
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天井には梅のプリント。ちょっと固い感じの車内に色を添えてます。
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15:37、阿里山站着。
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駅からバス停へ。
喫煙スペース発見。 -
なかなか広いですね。霧が晴れていたら眺めもいいでしょう。
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バス停隣のレストランで遅めの昼食。
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竹筒飯と筍スープを注文。
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ローカル感あふれる店内。
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メニューを改めて見てみると、おすすめマークがついてないものばかり頼んじゃったなあ~。
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でもどっちもとってもおいしかったです!(^^)!
7時間弱の阿里山滞在。全く時間が足りませんでした。最低1泊、好い天気に巡り会いたければ数日は滞在しないとダメですね。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 浮浪雲さん 2017/11/14 15:06:12
- 「角旋塞」について
- こんにちは。
某JR会社で運転に携わっているものです。
「角旋塞」は日本語では「肘コック」といいます。
ありさん鉄道の鉄道車両は自動ブレーキと云うブレーキ装置を採用しているようです。
自動ブレーキは先頭車両から最後尾車両までブレーキ菅で繋ぎ(ブレーキ菅が貫通した状態と言います。)、そのブレーキ管内の空気圧力を運転席の操作で増減させることで全車両にブレーキを効かせる、あるいは緩めるというブレーキ制御を行います。
車両を連結した際にはブレーキホースも各車両同士で接続しますが、2003年の事故は連結時にブレーキホースは接続したものの、コックを開け忘れたため貫通状態とならず、また発車前にブレーキ試験も実施しなかったため本線で運転開始するまでミスに気づかなかったものと思われます。
発車後に運転士がブレーキ操作(ブレーキを利かせるにはブレーキ菅圧力を減圧します)をしたもののコックが閉塞されていたため全車両に減圧が行われずブレーキ軸数の不足(制動力不足)が生じたものと考えられます。
最悪は先頭車両しかブレーキが効かない状態となり、こうなると運転士は成す術がありません。
ちなみに日本(おそらく世界中)の鉄道では本線を運転するために車両を連結した際には(列車の組成といいます)は必ずブレーキ試験が義務付けられており、ブレーキの貫通およびブレーキ菅の空気漏れのチェックをする事となっています。
この基本的な確認を怠った故で生じた痛ましい事故は鉄道マンとして考えられない、運転士と検車士の致命的ミスと言えます。
ヒューマンエラーの根絶は難しいものが有り、事故を憎んで人を憎まずとは言いますが検車士が後に責任を感じて自殺してしまったことは心情的には理解できます。
日本の鉄道では有得ない事故の事例と言って良いと思います。
- binchanさん からの返信 2017/11/14 16:03:47
- RE: 「角旋塞」について
- 浮浪雲さん、コメントありがとうございます。
丁寧な解説ありがとうございます!おかげさまで仕組みはよくわかりました。旅行先で鉄道に乗った時だけの「エセ鉄道好き」なので、わかったと言ってもうわべだけなんですけど…。
「鉄道 ブレーキ 肘コック」で検索すると画像などもたくさん出てきました。あんな細い管を通る空気がブレーキの効きを左右するんですね〜。
当然といわれていることをやって、普通に運行することはとても大変なことだと思います。「普通に」できていることはあまり評価されませんが、当たり前のことができていることに人々はもっと目を向けないといけないですね。私も利用者として、「当たり前のこと」に必要なコストや時間、不便をちゃんをわきまえていないといけないな、と思います。
日ごろそんなことを考える機会は少ないですが、好きな旅行を通していろいろなお話が聞けるのは有意義です。ありがとうございました。
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