2007/06/23 - 2007/06/24
95位(同エリア408件中)
さっくんさん
もう10年前になってしまいましたが、ボロブドゥールで眺めた朝焼けは、まるで昨日の事の様に鮮明に記憶に残っています。ボロブドゥール遺跡に憧れて、写真集だったか、ホームページだったか、それとも此処でだったか、そこで見つけたボロブドゥールの朝焼けに憧れて、私はボロブドゥールに旅立ちました。
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ボロブドゥールは何故、何の為作られたのか未だハッキリとは解っていません。寺院にしては内部構造が無く、墓と思っても遺骨、遺品は見つかっていません。仏教の世界観を表す曼荼羅を立体化したものとも言われています。
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ボロブドゥールの構成を見てみましょう。基壇の上に5段の方形壇が築かれ、其処に4層の回廊が儲けられています。更にその上に三段の円形壇が設けられ、頂上には巨大なストゥーパが鎮座しており、基壇を含め全部で9段のピラミッド状の建築となっています。
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この建築全体で仏教の三界を表していると言われます。基壇の部分は欲界。淫欲、食欲、物欲…欲の塊…即ち人間の住む世界。一つ上のステージに登って方形壇は色界、欲や煩悩は断ち切ったものの物質的条件や肉体には未だ束縛された状態の世界。そして登り詰めた円形壇は無色界。物質的条件や肉体の束縛さえ超越して、心の働きである受、想、行、識からだけなる世界。
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この事からボロブドゥールは参拝者が登る事によって、菩薩が欲望に溢れた罪深い世界から禅定に達した世界へと悟りを開く迄の修業を追体験出来る装置でもあったのです。さて、私は悟りを開けるのか?では遺跡を登って見ましょう!
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我々の世界から遺跡の最下部の基壇迄は欲に満ちた人間の暮らす欲界。其所には因果応報を諭すレリーフで覆われています。
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その中でも有名なものに「醜い顔」と呼ばれるレリーフがあります。人は悪い噂話や悪口が大好きな生き物ですが、れを行う時、人は醜い顔になっていると言う諭しが籠められているそうです。
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ユーモラスな狛犬が出迎えてくれました。
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では基壇を上がり欲に満ちた人間界を離れ色界である方形壇に入りましょう。
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右回りで四つの回廊を下から上へと巡っていきました。その回廊にはビッシリと仏教のレリーフが彫られています。
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そのレリーフは4層の回廊全体で2500面以上、登場人物1万人。第一回廊から右回りに第四回廊まで追っていく事で、仏陀生誕から仏陀が悟りを開く迄の壮大な物語が完成します。
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この回廊には等身大の仏像が432体も納められています。
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そして建築の東西南北、方角によって仏像の手の印の結び方が違います。
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仏教芸術が好みの方なら一週間いても時間が足りないのでは無いでしょうか?ボロブドゥールは仏教芸術の美術館でもありました。
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各階を登る毎にカーラと呼ばれる鬼面を潜ります。すると巡礼者の過去の災いが飲み込まれると言います。では最後のカーラを潜って無色界である円壇に登りましょう。
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円壇まで登ってビックリしました。これまでレリーフと仏像に囲まれた視界の効かない閉鎖された世界から、遮るものの無い世界へ!正直仏様の有り難いお話にも頭が痛く感じてきたこの瞬間にジャワの大平原を眺められると言うこの演出!ボロブドゥールの作者は意図していたのでしょうか?現代人の私が驚くのだから、高層ビルなんて有り得なかった昔の人々はさぞ驚いたに違いありません。正に天に昇った気分だったのではないでしょうか?
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円形壇は三段から成っており、下から32基、24基、16基、全部で72基のストゥーパが設けられ、それぞれ無数の小窓が設けられ、其処から中に安置されている仏像を拝める様になっています。
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ストゥーパの下の二段の小窓は菱形をしており、人の不安定な心を、最上部の一段は正方形をしており安定に達した人の心を表しています。そして最上部の巨大なストゥーパには窓も設けられていなければ、中にも何も入っていない。これつまり仏教界の最高の到達点、無の境地、即ち「空」此処に遺跡の到達点と仏教の到達点が結実するのです。
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なんだか悟りを開けた。そんな気持ちになってしまいます。
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あるストゥーパの小窓から腕を突っ込んで仏像の薬指に触れることが出来ると願い事が叶うと言います。地元の人々と共に腕を伸ばし合って、明日の御来光拝める事を祈りました。やっぱり煩悩は捨てきれませんでした。(現在は遺跡保護の為、禁止されている様です。)
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日が暮れていきます。明日綺麗な朝焼けが見れます様に!仏様と一緒に夕陽に向かい手を合わせました。
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朝陽を眺める為、私にとっては奮発して泊まったマノハラ・ホテルでは民族楽器による演奏が行われていました。
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その向こうにはライトアップされたボロブドゥールが闇に浮かんでいました。折角久しぶりの個室のホテルなのに、明日朝焼けが見れるかと言う不安と、遂に明日朝焼けが見れるかもしれないと言う期待で、まともに寝付けない夜を過ごしました。
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未だ日が開けぬ頃、懐中電灯の灯りを頼りに遺跡を登りました。
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天候はベスト・コンディション。旅の神様は最高の舞台を整えて下さいました。それをきちんと写真に納められるかどうかは自分次第、言い訳は効きません。ゴクリと唾を飲み込みました。
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一番鶏に触発されて、鶏が一斉に朝の到来を知らせます。遠くでアッザーンが静寂を破りました。
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イチオシ
周囲からはアメイジングと言う囁きが漏れます。
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でもウカウカとはしてしていられません。ゴツい一眼抱えたカメラマンさん達が三脚立てて陣取りを開始。片や私は安物のコンデジ一丁。でも気持ちだけは絶対に負けません!
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早起きの鳥が仕事に向かいます。
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イチオシ
やがて、その瞬間が近づいてきました。ボルテージが最高潮に達します。
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ある旅人は瞑想に耽ります。
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イチオシ
そして私達は一斉にファインダーを覗きます。
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渇いたシャッター音のみが木霊しました。
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イチオシ
旅の神様ありがとう!
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また一つ願いを叶える事が出来ました。
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朝陽を浴びて、仏様も輝いているかの様です。
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仏様にもただただ感謝。ボロブドゥール、本当に素敵な瞬間を見せて頂きました。
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朝靄が消えてゆく頃、下界から雲霞の如く観光客が階段を登ってきました。名残惜しいですが、逆側の階段を降りてボロブドゥールを後にします。
ボロブドゥールよ、ありがとう!
そして最後までみてくださっ見て下さった皆様ありがとうございます。
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