ブルネイへの小さな旅

2012/06/02 - 2012/06/03

嘗てアラブと中国を結んだ海のシルクロード。
その中継交易で栄えたブルネイ王国。
その名残を感じに私はブルネイに小さな旅に出ました。

エリア ブルネイ

香港でロイヤル・ブルネイ航空に乗り換えブルネイに向かいました。
運航の無事を祈るアッザーンが気分を盛り上げてくれました。

朝一にはやっぱり朝市です。

朝市があれば、朝定食屋さんもあります。
お気に入りの店を見つけました。

国王が市民にプレゼントした、ショッピングモール、ヤヤサン・コンプレックス。

オマール・アリ・サイフディン・モスク通称オールド・モスク

モスクの前の池に浮かんだ御座船が嘗ての海のシルクロードで賑わった時代を偲ばせます。

ロイヤル・レガリアは博物館。
嘗て海のシルクロードの中継交易で、インドネシアからフィリピン周辺まで勢力圏を広げたブルネイ王国の歴史に浸れます。

郊外にテクテク歩いてジャメ・アスル・ハッサナル・ボルキア・モスク、通称ニューモスクに向かいました。

まるでアラビアンナイトの世界に紛れ込んだかの様です。
いや嘗て此処は海のシルクロードのど真ん中。
正にアラビアンナイトそのものの世界観だったのかもしれません。

ブルネイならではの水上集落に向かいます。
地域はオールドモスクの脇付近と街の対岸に広がっています。

長い長い桟橋が続いています。手摺も無ければ、街灯もありません。
モスリムはお酒を飲まないから心配無用ですが、酔ったら帰宅出来そうにありません。

水上集落が見えてきました。

おっと危ない！

あと一息です。
落っこちない様に頑張りましょう！

水上生活と言うと貧困層をイメージしてしまいますが、ブルネイは裕福な国、外観は古くても、生活水準はとても高いそうです。

教育と医療は無料、自国で治療が出来ないで海外で治療となった場合も国が負担してくれると言います。

ブルネイは熱帯なので暑さが半端ありません。
だから海風によって少しでも涼がとれる水上に家屋を建てる様になったそうです。

水上集落は生活感に満ちています。
桟橋を買い物袋下げたオバチャンがのしのし歩き、お父さんは糸を海に垂らし夕食のアップグレードを狙っています。
アッサローム・アレイコムと声をかけるとワレイコム・アッサロームと元気よく返ってきます。
「貴方が平和であります様に！」
と言う意味がある、アラブの挨拶。
私の大好きな挨拶です。

水上集落最深部には水上モスクがありました。

水上集落の向こうに王宮が見えました。

モーターボートに乗って、街の対岸の水上集落に向かいました。

水上集落の一部では新築ラッシュが始まっていました。
現代建築はエアコン完備で、水上に暮らし涼をとる必要性は無い筈ですが、人にとって、生まれ育った場所はかけがえの無い場所。
だから彼等は水上に暮らし続けるのでしょう。

世界がグローバルの波に飲み込まれ、世界のどの街に行っても、無機質なコンクリートの高層ビルになってしまったなら、その時私は旅を続けているのでしょうか？
いつになっても、時代が変わっても、水上に暮らし続けるブルネイの人々は素敵だなと感じました。

ブルネイの水上集落は、世界各地の旧市街同様、人情深い、暖かい雰囲気に満ちていました。

帰り道は、水上集落をクルーズして貰います。

自動車が無かった頃は、多くの人を運ぶにしろ、物資を運ぶにしろ、陸路より水路で船を利用した方がアドバンテージがあった事でしょう。

でもそれは今になっても変わりません。
モーターボートは、地元の人々にとって、通勤、通学の足。
渋滞知らずのストレスフリーです。

でも、モーターボートはちょい暴走族(笑)

幼い頃ワクワクしながら見た007気分でした。

水上モスク。

ガソリンスタンドも水上です。

一日が終わろうとしています。
オールドモスクの前に戻って、ゆったりとした時間を過ごしました。
流れるアッザーンが心地良かった。

トワイライトのこの空の色が好きです。
時を忘れて、時空の中に旅してしまいそう。
遥か昔、海のシルクロードが繁栄した、あの時代に。

モスクが黄金に輝き夜が更けていきました。

良い一日でした。

二日目の朝も勿論朝市から。
市場の活気を頂きます。

二日目の朝も勿論、おばちゃんの屋台です。
大好きになったおばちゃんのナシチャンプル。

常連さんの猫ちゃんとも仲良くなれました。

大きめのボートに乗り、ウル・トゥンブロン国立公園へ行きました。

赤茶けたブルネイ川を遡ってボートはジャングルを進みます。
幼い頃の探検心が甦ります。

キャプテンの腕は抜群です。

ロングボートに乗り換えて、エコツアー出発です。19才の愛らしい少女がガイドしてくれました。

ジャングルの中を分け入っていきます。

ガイドさん、危機一髪(笑)

大自然を満喫出来ました。

ガイドさんがいたずらっ子的な笑みで、滝壺に入って見てください！
と言います。
まさか滝打ち修業？
恐る恐る入って見れば、足が！
滝壺には無数のドクターフィッシュがいました。

大きな水上の建物は学校です。

一日を学び終えた学生さんが、水上集落に帰宅します。

二日間はあっという間に過ぎ去って、日が沈んでいきました。
オールドモスクに赴いて、とっておきの場所に向かいます。

ブルネイ、とても素敵な国でした。

最後まで御覧になって下さり、どうもありがとありがとうございます。