2007/09/30 - 2007/09/30
10位(同エリア107件中)
さっくんさん
私の知人がアフリカ人に「何故アフリカは紛争ばかりなのか?」と心無い質問をしました。アフリカ人はそんな不謹慎な質問にこう応えました。
「武器や弾薬が流入しなければ、すぐ終わりますよ。」
そうなのです。アフリカの様な経済基盤の弱い国々が数年に及ぶ武器や弾薬をストックする事も生産する事も出来ません。ある思惑の元、武器や弾薬を大量にアフリカに横流ししているから紛争が終わらないのです。そこでそれを調べて見て驚愕しました。順不同で並べますが、そのトップ5はアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス…なんと国際連合常任理事国揃い踏みです。その5つの国がアフリカで儲けた武器の金額は、彼等がアフリカに支払ったODAの総額を遥かに上回るそうです…嗚呼なんと闇が深い…。どんなに美しく、所作も完璧な異性に惹かれても、その裏の顔を知ってしまうと…。国も一緒の事です。
閑話休題。
今回は07年に訪れたチベットのラサをポタラ宮を中心に紹介します。本来太古よりチベット仏教を信仰するダライ・ラマが納める国、しかしながら現在残念ながら中国により実効支配されています。現地には中国政府が発行する特別な許可が必要となります。でも思い入れこそが旅のキモの私。今回はチベットを旅するのであって、微塵にも中国を意識せず旅立ちました。
PR
-
中国が実行支配しているチベット・ラサに到着しました。高度が高い地域特有の抜ける様な青空が出迎えてくれました。
-
黄金のヤク像。空港からラサ市内は成田とタイマンを張れる程距離がありました。
-
ラサに到着しました。何分富士山と同じ位の高度の街。慌てない事が大切です。
-
麻雀の様なゲームを楽しんでいました。
-
先ずノルブリンカを訪れました。
-
ダライ・ラマの夏の離宮です。
-
ダライ・ラマ14世が過ごしたタクテンミギュ・ポタン。
-
美しい花々で着飾られていました。
-
ノルブリンカのチョキル ポドラン。
-
セラ寺を訪れました。ツォクツェン(大集会堂)
-
ズラリと並ぶマニ車。
-
白い肌で琵琶を奏でる持国天。
-
チェ・タツァン(セラ・チェ学堂)
-
セラ寺は問答修業でも有名です。多くの修業僧が問答対決を繰り広げられます。これぞ禅問答の極意?ひろゆきさんの様なお坊さんがいっぱいいるのでしょうか?
「それって、貴方の感想ですよね?」 -
富士山と変わりない標高です。ちょっとした登りでもいつも通りにはいきません。
-
日本の寺参拝の気分で赴いたので、余りの巨大さに驚きました。
-
チベットの紋章。格好良いです。
-
遥か遠くにポタラ宮。
-
デプン寺が見えてきました。
-
地元の子供達とカケッコしました。完敗しました。空気が薄過ぎて…。いや、言い訳です。
-
デプン寺門前。
-
セラ寺同様多数の僧院を持ち、寺院全体がまるでひとつの村の様な巨大な寺院です。
-
ラマの壁画。
-
ラサの郊外の街並みが米粒の様に見えます。
-
独特の様式の建築が幾棟も連なっています。
-
此方はどんな施設でしょうか?僧院だから当然ですが、商店の様な施設はありませんでした。規模が巨大な寺院ですし、山に位置しますので、生活品や食料等はどうしているのでしょう?
-
こりゃ迷子になりそうです。
-
ダライ・ラマの寝殿、ガンデン・ボタン。
-
山はもう森林限界を迎え木々は生える事が出来ません。
-
山の斜面に幾つもの建物が並び建っています。まるで大学でしょうか?此処で僧が暮らし、僧が学び、そして祈ります。
-
ツォクツェン(大集会堂)
-
チベットのシンボルです。
-
ツォクツェン内部、美しいです。
-
テラスに登りました。爽快です。
-
迷いそうになる原因は建物は独特の様式なのですが、どれも似通った造りなので一度方角を見失い慌てると、とどれも同じに見えてしまい迷います。
-
それでも、いや、だからこそ楽しいのです。街の散策は迷ってナンボのものです。
-
此処は何と言う施設でしょう?余りに類似的な建築が多いので、旅からだいぶ時が過ぎた今、頼りの綱のグーグル・レンズでも確かな判定が出ません。
-
寺はツォクチェン(大集会堂)ガンデン・ボタン(寝殿)タツァン(学堂)カンツァン(僧坊)で構成されています。
-
最盛期には1万人もの僧侶を抱えていたと言われます。
-
20万㎡の広大な敷地を持ち寺と言うより一つの街といった風情があります。
-
ひとつの村の様ですが、行き交う住人は僧侶のみです。
-
世界の何処でも狭い路地裏を歩くのが大好きです。
-
だいぶ降りてきました。
-
此処もお坊さんやお坊さんの卵さん達が暮らしているのでしょうか?
-
一つの山村を訪れた程見所盛り沢山の寺院でした。帰りは此処から乗り合いバスに乗りましょう。
-
ポタラ宮を見学するにはプレミアムがつくと迄言われるチケットを手に入れなければなりません。早朝に赴きトップグループに入る事は出来ましたが、安心は出来ません。中国人が列を守るとは思えないからです。一人ではどうしようもありません。だからトップグループの人々と仲良くし、共闘が必要です。運良く日本語を話せる女性がトップ集団にいました。日本人を連れてラサを訪れている様ですが、その日本人が高山病の症状が出て動けないので代わりに並びに来たそうです。そんな彼女の存在もあってトップグループ同士に繋がりを持つ事が出来ました。
-
10月とは言え高度が高いラサの早朝はとても寒く、そんな中彼女は屋台で温かいものを屋台で買って皆に差し入れしてくれたり、トップグループのムードメーカー的存在でした。彼女と私は日本語で意思疎通が出来ますが、他の中国人とは意思疎通が出来ません。でもそんな中国人も私の存在には興味津々だった様です。彼女が中国人達とひとしきり談笑した後私にこう言いました。
「彼等ね、貴方の事少数民族の人だと思ったみたい。確かに私も最初日本人とは思わなかったけど!」 -
そんなこんなで楽しい時を過ごしながら無事ポタラ宮のチケットを手に入れる事が出来ました。
-
只ふと思う事があるのです。この宮殿は、ベルサイユ宮殿の様に歴史上の宮殿ではありません。チベットの宮殿として現役に活躍していたものを、中国政府との悶着により主はインドへと亡命せざる得ない状況に陥り宮殿は主を失いました。
-
これは、例えば日本が他の国に占領され、天皇一家が国外へ亡命し、皇居を観光地として他の国が運営している様なものなのです。なんか納得がいきません。
-
建物はやっぱり本来の役割を果たしているからこそ生きるのであり、主を失って遺跡と化してしまいます。この素晴らしい建築を殺してしまう様な愚かな事は辞めて欲しいと思います。
-
でもやっぱり見学したいと言う気持ちには勝てませんので、せめて、ダライ・ラマ氏とチベット文化に最上級の敬意を払って、拝見させて頂こうと思います。
-
イチオシ
ポタラ宮は何処から眺めても格好良いのですが、薬王山へと続く仏塔から眺めるポタラ宮がお気に入りです。
-
ポタラ宮の裏側に来ました。
-
ポタラ宮裏に建つルガン寺院。
-
ルガン寺正面。
-
裏ポタラです。
-
いまは殺風景な広場と化した、昔日はポタラ宮に勤めていた人々の住居があっただろう場所からポタラ宮を眺めました。
-
花と緑の向こうにポタラ宮。
-
逆さポタラ宮が映りました。
-
ポタラ宮に入場します。昨夜夜明け前に並んでプレミアムがつくと言うチケットを手に入れました。
-
幾ら待っても、チケット購入時にお世話になった中国人女性は現れませんでした。4時から並んで手に入れた時間指定のプレミアムチケット、来ない訳がありません。多分引き連れて来た日本人観光客が高山病の症状が出ていたと言うので悪化してしまったのではないでしょうか?残念ですが単独で挑みます。
-
マニ車です。右に回すとお経を読んだ事になります。
-
この様に設置されたものと、個人所有の手持ち出来るものもあります。
-
いよいよ近づいてきました。心臓が脈打つのは高山病の症状だけでは無いでしょう。
-
ポタラ宮を見学する為階段を登ります。
-
徐々にラサの市街の見渡しが拡がります。
-
息を上げない様にゆっくり坂を登っていきます。
-
ダライ・ラマの眺めていた風景。
-
いよいよです!
-
さて、これから本堂を見学します。残念ながら内部は撮影禁止なので写真は此処迄です。
-
ポタラ宮から眺めた景色です。前面の何も無い広場、本来は宮に使える役人達の住宅群でしたが、中国政府に撤去され、何も無い広場にされてしまいました。ウイグルのエイティガル・モスク前も同様です。各々のシンボリックな場所の前は常にそうされます。何かあったら装甲車で轢き殺せますからね。あの時の様に。
-
濃密な世界を堪能出来ました。
-
只、拝見させて頂きながら言うのもどうかとも思いますが、やはり本来此処はチベット政府が存在するべき場所であり、観光向けの客寄せパンダでは無いのです。本来の主を失って、ポタラ宮も寂しそうです。
-
ズームアップするとド迫力です!嘗てダライ・ラマのいたところ、そしていつか戻るべきところ。
-
旧市街の中心、ジョカンの前にやって来ました。
-
イチオシ
バルコルと呼ばれるジョカンの周囲を囲う様に造られた道があります。今では商店街となっています。
-
観光客も皆チベットの慣習に習って右回りに散策します。
-
これだけの通りでみんな同じ向きに歩いている風景は何故か不思議を感じます。
-
一目見てチベットだと解る独特の建築様式を持っています。
-
路地裏も素敵です。
-
アニツァンクン尼寺。ラサ旧市街唯一の尼寺です。
-
未だ一番チベットの庶民の息吹を感じる事の出来る事の出来る界隈です。未だと記さなければならないのが辛いです。いまもそうでしょうか?
-
拉薩清真大寺。モスクです。
-
ギュメ・タツァン。ラモツェのギュトー・タツァンと共にラサの二大密教学堂のひとつです。
-
路地の向こうにポタラ宮が見えました。
-
ラモチェ寺
-
ワチャワチャ人が騒々しく集まっています。どうやら八角街を一周してジョカン門前に戻ってきた様です。
-
一周してジョカン門前へ戻ってきました。
-
一旦近くの建物の屋上からジョカンを眺めました。
-
ジョカン門前には数多くの屋台が軒を広げ賑わっています。
-
ジョカンの前の賑わい。
-
ジョカンを訪れました。ポタラ宮がチベットの政治の中心なら、ジョカンは宗教の中心です。
-
欧米から来た観光客と中国人の観光客が自慢の一眼レフで、五体投地して礼拝している信者さんを上から覆い被さる様に撮影していました。
「まさか動物を写している訳ではあるまいに…。」
時にモスク観光の時に白人が半パン姿で入場しようとして制止されてる姿良く見かけますが、正直こうした連中って頭弱いんじゃないかな?と思います。
自分の墓参や礼拝時にそんな姿で赴かないでしょうし、自分が断りも無くそんな風に写真撮られたら嫌だと思います。他人事でも胸糞悪いので本当にやめて頂きたいです。訪れる国にレスペクト出来ない人間は旅する資格はありません(キッパリ) -
正式名称はトゥルナン寺。ジョカンは本来、本堂部分を指す名称です。因みに中国語では大昭寺です。
-
屋内から本殿がチラリと見えました。
-
屋上に出ました。
-
ジョカンから眺めるポタラ宮。
-
ジョカンのチベット仏教の紋章とポタラ宮。
-
美しい主殿のシェイプです。
-
ポタラ宮は何処から見ても美しく、そして迫力があります。
-
ジョカンの門前、右奥にポタラ宮。
-
この美しい寺院がいつまでもチベット市民の心の支えとして機能する事を心から願います。
-
チベットの人々が五体投地と呼ばれる独特な礼拝をポタラ宮の前で繰り返していました。
-
宮の主がインドへと亡命せざる得ない状況となった今、主はいなくともチベットの人々の祈りは途切れる事はありません。暴力で祈る心は止められません。
-
ラサの一日が終わります。沢山のものを見ました。今度は腹を満たしにいきましょう。腹を満たすと言えば、回族の店に行きましょう。
-
屋台街を訪れました。その殆どは回族のお店です。
-
回族の屋台に入りました。青椒肉絲を頼むとご飯では無くナンが付け合わせで出てきました。
-
満腹になり来た道を戻れば、ポタラ宮がライトアップされていました。
-
イチオシ
漆黒な闇に白く浮かび上がるポタラ宮は凄い迫力がありました。
-
薬王山に建つ巨大マニ塚。
-
巨大マニ塚に描かれた仏画。
-
摩崖石刻。
-
洞窟寺院パラルプ寺。
-
西蔵博物館。
この旅でストレスとなっていたのは支配層の漢民族の態度。何を尋ねてもどいつもこいつも吐き捨てる様に
「No English!」
奴等が英語が話せないのも理解してますし、此処は中国が実行支配している場所なので、中国語でアプローチするのが筋でしょうが、それにしても言い方ってものがあります。だからしつこい中国人商人に中国語で何度も言い寄られた際、我慢の限界を超えて
「No Chinese!」
と怒鳴ってやりました(笑)
中国商人はひきつった笑いを残しながら後ずさりしていきます。回りはチベット人ばかりでしたしね。自分が言われたら嫌な言葉は使っちゃ駄目だよね(笑)スッキリさせて頂きました。 -
ラサ川の向こうに聳えるチベットの山々を眺めました。
-
今、チベットは深刻な危機に陥っています。侵略は単なる軍事介入には留まりません。寧ろそれは序章に過ぎないでしょう。今、チベットの学校ではチベット語に変わり中国語による教育が行われています。この同化政策が進み、代替わりが続けばいつしかチベット人は自分達の言葉を失ってしまいます。同化政策と言おうか、民族浄化と言うべきか…。
-
私はもしかすると、ひとつの民族が消されていく過程を見る旅をしていたのかもしれません。だとしたらこの旅は、余りにも、余りにも、哀しき旅です。
-
いつまでもマニ車よ回って欲しい。そう思わずにはいられません。
-
帰国の為のトランジットで広州で夜を過ごしました。素晴らしい文化を見る事が出来た旅でした。しかし一方その文化の消えゆく姿を見てしまった旅だったのかもしれません。
最後までご覧になってくださり、ありがとうございました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
東、東南アジアの旅
-
ちょこっとタイ
2007/02/01~
アユタヤ
-
ボロブドゥール・サンライズ
2007/06/23~
ボロブドゥール遺跡周辺
-
ジョグジャカルタ及びブランバナン周辺
2007/06/23~
ジョグジャカルタ
-
ちょこっと香港、澳門
2007/08/31~
マカオ
-
ちょこっと香港
2007/09/01~
香港
-
マニ車よ!回り続けろ!永遠に! チベット・ラサ
2007/09/30~
ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群周辺
-
ちょこっとラオス
2007/10/26~
ビエンチャン
-
ちょこっとシンガポール
2008/07/09~
シンガポール
-
ちょこっとマレーシア
2009/01/15~
クアラルンプール
-
ブルネイへの小さな旅
2012/06/02~
ブルネイ
-
トランジット香港
2012/06/05~
香港
-
トランジット香港
2012/09/17~
香港
-
トランジットでソウル
2013/10/05~
ソウル
-
マンダレー
2014/12/18~
マンダレー
-
マンダレー近郊三つの古都を、バイクタクシーで疾走しました。
2014/12/20~
マンダレー
-
バガン・ダイジェスト
2014/12/21~
バガン
-
ヤンゴン
2014/12/24~
ヤンゴン
-
台北
2014/12/26~
台北
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群周辺(中国) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 東、東南アジアの旅
0
120