2016/07/06 - 2016/07/21
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motogenさん
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帰りの日程を煮詰める時期となった。
その時、ウボンではローソク祭が始まると聞いた。
ローソク祭となれば、ホテルやゲストハウスは満室になるという。
ウボンからの早朝出発の鉄道チケットはとってあるので、前夜はウボンに宿泊しなくてはならない。
早めにウボンに到着して、ゲストハウスを確保する必要がありそうだ。
そんなわけで、デット島にもう一泊しても良いのだが、パクセに向けて出発することにした。
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暑くて寝苦しい夜だった。
目覚めるとまだ夜中だ。
月が出ている。
遠くからエンジン音が近づいてきて、舟が岸にぶつかる音がした。
子供がはしゃぐ声も聞こえてくる。
テラスに出ると、7〜8人の家族が舟から降りて、岸に上がってくるところだった。
大きな荷物を持ち、このバンガローに泊まるようだ。
月を見ながら夜風に当たって、テラスでぼんやりして過ごした。 -
朝になると、乗り付けた舟があった。
この舟でやって来た家族は、どの部屋で過ごしているんだろう。 -
帰ることにした。
パクセ行きのチケットは、昨日手に入れてある。
チケットは、ツアー代理店やゲストハウスなど、どこでも売られている。
我がバンガローでも売っている。
町中の看板は、パクセまで70000キップとなっているが、我がバンガローのチケットは50000キップ(650円)と、ぐっと安い。
安すぎて心配になる。
人が集まらないと言って、欠航になってしまうのではないか・・・?
すぐ故障するようなバスではないのか・・・?
そう考えてツアー代理店で買ったのだが、70000キップと表示してあるのに、金を払うと50000キップだった。
あらあら・・・ -
ボートの出発は11:00だ。
それに間に合うようにバンガローをチェックアウトする。
センさんが名残惜しそうに見送ってくれた。 -
舟着場に行くと、次々と荷物を背負った欧米人が集まってくる。
かなりの数になった。
町中ではあまり見なかったのに、どこに居たんだろうと不思議になった。 -
対岸から舟がやってきて、新しい観光客が降りてくる。
その舟に私たちが乗るようだ。
乗ろうと思ったら、チケットの提示を求められ、行く手をさえぎられた。
「トラベル・エイジェンシー・・・ディファレント!」
何?
会社が違う?
乗り込んでいく人もいる。
その中に、声をかけてくれたおじさんが混ざっていた。
「この島にも日本人がいたんですねえ・・・一緒にお話、したかったなあ・・・」 -
その一団が去っていくと、別のボートがやってきた。
置き去りになっていた私たちは、それに乗せられる。 -
ボートがデット島から離れていく。
ここにきて、名残惜しさが湧いてきた。
あのネコはしっかり子どもを育てられるだろうか。
イヌたちは元気でいてくれるだろうか。 -
エンジンの弾けるような音が高くなり、涼しい風がヒューと髪をなでていく。
先に出たボートを追いかけるように、どんどんスピードをあがる。
私たちの方が人数が少なくて軽いためか、しだいにその距離が縮まってきた。 -
対岸のナカサンが近づいてくる。
船着場にはたくさんの舟がごちゃごちゃ停まっている。
ボートはその中に滑り込んでいった。 -
上陸すると、一緒にボートに乗ってきた仲間は、一本道を足早に歩いていく。
ナカサンの様子を眺めている余裕はない。 -
到着したのは一軒の店だった。
ここで待てばパクセ行きのバスが来るようだ。
ところがなかなかそのバスは来ない。 -
しばらくすると、別の一団が私たちに加わって、人数は20名あまりとなった。
その中に品の良さそうな日本人が、スラリとした若い娘さんを連れて突っ立っている。
娘さんの身長は180cm以上はあり、欧米人の間に入っても目立つ高さだ。
鼻筋鋭く、あごの線も精悍だ。
多分日本人ではないだろう。
たとすると、この2人はどんな関係なんだろう? -
20分も待って、やっとバスが来た。
大型のバスではなく、4列シートのミニバンだった。
とても20名は乗れない。
私は運よく出入り口近くの席に座れたが、日本人紳士たちは身動きできない奥の席に詰め込まれてしまった。
乗れなかった2名ほどは置き去りとなるようで、わめきながら怒っている。 -
乗ったはいいが、バスはなかなか動かない。
運転手が乗ってこないのだ。
運転手は雑貨屋の前でぶらぶらと遊んでいる。
何してんだ!
車内は暗黙の怒りで爆発しそうだ。
暑さに我慢できず、降りてしまう者もいる。
バスが動き出したのは、それから20分後だった。 -
バスの冷房はほとんど効かなかった。
車内は蒸し風呂同然となる。
誰かが窓を開けると、涼しい風が入ってきた。
外気は暑いはずなのに、なんと涼しいこと。 -
窮屈な姿勢でいるために、腰が痛くなってくる。
車のスピードをGPSアプリで測定してみると、90km以上だ。
しかし時々、急停車する。
牛が道路を横断しているのだ。 -
検問所もあった。
免許証の提示をするのでもなく、互いにニコッと合図して、それでおしまい。 -
それ以外は一本道を走るのみ。
乗客は押し黙ったまま。
早く自由に身体を動かせる状態になりたい・・・
そんな顔つきをしている。
ミニバンは早いけど、ソンテオの方が比べようもないほど楽しいと、来た時のソンテオが懐かしく想いだされた。 -
ソンテオが3時間以上かかった道のりを、ミニバンは2時間たらずで走りきった。
パクセの町だ。
どこで降ろされるのか?
町からかけ離れた場所だと困るな・・・
と心配していると、町中の見知らぬターミナルで一時停止となった。
「ウボン・・ウボン・・チェンジ・・チェンジ・・」
ウボン行きの人はここで乗り換えのようだ。 -
ウボン行きの人の荷物が降ろされる間、みんな降りて足を伸ばす。
日本人と娘さんの話を聞いていると、娘さんも日本人のようだった。
もしかしたら親子かな・・・ -
ウボン行きの人たちは、不安な表情で
「この後、どうすればいいんだ・・?」と聞いている。
しばらくここで待たなくてはならないようだ。 -
再出発したミニバンは、10分後に終着点に到達した。
町中で良かったが、ここはどこだ・・・? -
「ここならホテルまで歩いて行ける・・・」
「じゃ、一緒に歩こうか・・」
日本人の声が聞こえる。
2人は親子ではなく、泊まるホテルも別々のようだ。
Gマップを開くと、ホテルはすぐ近くだった。
「日本の方ですね・・」
と話しかけると、コン島で遊んで来たことが分かった。 -
なんとクリーンで涼しい部屋なんだろう。
再びやって来た『Lankham Hotel』の一室で、幸せな気分にひたっていた。
ウボンからやって来た時には、暗くて殺風景でお粗末な部屋だったのに、デット島から戻って来た今は、極上の部屋に見えている。
エアコンからの乾いた風が、肌のムズムズ感を開放していく。ランカム ホテル ホテル
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水も濁っていない。
お湯もしっかり出る。
不満なんてあるはずがない。 -
さっそく向かいのインドカレー屋さんで、チキンカレーとナンを食べて・・
ジャスミン インディアン レストラン インド料理
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セドン川のほとりを散策してみる。
はだしで駆け回る子供たちの後を追いかけて・・ -
お寺の中に入ってみると、小坊主さんたちがテーブルや椅子を運んでいて・・
ワット ルアン (パクセ) 寺院・教会
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子どもは子どもらしく遊んでいる。
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一見、ストリートチルドレンにも見えるけど、これがパクセの平均的な子どもの姿なんだろう。
無邪気に遊ぶ子どもの声や姿は、年寄りの癒しになると言われている。
それは真実のようだ。
老人ホームは保育園の隣に設置する国もある。
日本では保育所が近くにできることを、うるさいと拒む人たちがいる。
その心境が、私にはさっぱり理解できない。 -
お寺の一角にあるこの古い建物は、文化的価値のあるものらしく、5〜6人の役人姿の人たちが、あっちこっちと写真を撮り、議論しながら奥に入っていった。
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なるほど、屋根が美しい。
私も真似してカメラに納めた。 -
お寺の南隣にはカレッジがあり・・
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銀行もある。
ここがパクセで一番両替レートの良いと評判の、『ラオス外商銀行 (BCEL)』だ。
残念ながら、今日は土曜日で銀行はお休み。ラオス外商銀行 (BCEL) 散歩・街歩き
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その隣には銀行のATMがあり・・
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最新式の預け払い機が並んでいる。
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南に下っていくと、大きなバスターミナルがあった。
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二階建てのVIPバスが駐車している。
ビエンチャン、ルアンパバーン行きの長距離バスは、ここから出発するようだ。パクセー チッパソンVIPバスターミナル バス系
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セドン川はメコンに合流するし場所に、ボート乗り場が見える。
メコン ボート乗り場 船系
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川岸の道路には路上レストランが点々と並び・・
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庶民価格でラオス料理が提供されている。
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ここは食事をするだけではなく、楽しいかたらいの場でもある。
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草葺のレストランには・・
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白い塩が噴く香ばしい魚が焼かれている。
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水上生活する人々もいるが・・・
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道路の向かいには立派な政府関係の建物がそびえている。
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遠くかなたに日本橋が見えた。
歩いて渡ってみたいとは思うけれど、往復すれば2時間以上はかかってしまうとあきらめた。 -
日本橋を渡った山の中腹には、ワットの塔が見える。
どなたかの旅行記にここに登った体験話がある。
このワットに登ってみたかったのだが、今回は行けそうにない。 -
ホテルへの帰り道、教会の塔を見つけた。
清楚でセンスの良い塔だ。 -
広場に入っていくとほこらが作られていた。
マリア像の前にベンチがある。
ほこらの中にも椅子があって、小さな集会ができるようになっていた。 -
礼拝堂はこじんまりとしていて、素朴で、なかなかセンスが良い。
ステンドグラスを観ていると・・ -
端正な青年が現れて、案内しましょうと誘ってくれた。
聞けばベトナム青年で、この教会もベトナムからの資金援助で運営されているとのこと。
それを、きれいな英語で説明してくれる。 -
室内も質素な造りの礼拝堂だった。
中から見るステンドグラスが、ほの暗い礼拝堂の中で輝いている。 -
女性に抱かれているのは、幼いイエスなのだろう。
ここに置かれた像は、とても魅力的に見える。
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壁の上部には、イエスの物語が絵画となって並んでいる。
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だが何より感動するのはこの青年そのものだ。
誠実さ、優しさ、礼儀正しささ・・・
何と表現したら良いのだろう。
得たいの知れぬこんな年寄りの私に、こんなに親切に案内してくれるとは・・・
宗教には興味がないが、カトリックも、パクセという町も、大好きになりかけていた。
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この旅行記へのコメント (2)
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- trat baldさん 2016/08/31 18:04:22
- こりゃあ神様の仕業だな!
- 僕が知らないだけでコン島、デット島、パクセは日本人の旅人にとって普通なの?
有名観光地や夜の盛り場を徘徊する観光客とは一線を画する人達である事は間違いないけど悠久の時を楽しむ日本人が居るんですねぇ、、、、
行きと違って写真や記事文が理路整然としてmotogenさんの余裕が見える様な気がする。
- motogenさん からの返信 2016/08/31 22:54:58
- RE: こりゃあ神様の仕業だな!
- シーパンドンのデット島やコン島で出会った日本人の特徴ですが、独善的に考えると、まずは一人旅です。
家族旅行やグループ旅行ではありません。
そして団塊世代みたいに暇がある人で、1週間以上は海外をほっつき歩ける人です。
旅行経験も豊富で、それも買物旅行とかグルメ旅行ではなく、世間から逃避してみたい人なのかな・・・と。
シーパンドンは、そういった旅行通の日本人には名の知れた場所かも知れませんし、もしかしたら今回の日本人に出会った体験は、きわめて偶然のできごとだったのか・・?
分からないことだらけです。
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