2016/07/06 - 2016/07/21
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motogenさん
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メコンの対岸に見える山々はカンボジアだ。
この山の頂は、いつも雲で煙っている。
この時期はきっと雨が降り続いているのだろう。
メコンの流れはゆるやかで、波もたたず、せせらぎの音も聞こえない。
小さな小さな、島とは言えないような砂州の草木が、川面から無数に浮き出ている。
葦の先だけが出ている島もある。
まさにシーパンドン(4千島)だ。
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昨夜はものすごいスコールがあった。
そのせいか、朝の空気はひんやりしている。
目覚めてテラスに出ると、犬が椅子の上で寝ていた。
しっぽを振って甘えてくる。 -
どこかで泣き声がする。
洗濯場を見ると、ゲストハウスのちびっ子が、すねたように泣いている。
少したつと泣き止むが、うろうろしていて、また泣きだす。
しばらくそんな状況が続いていたが、泣き飽きたのか静かになった。
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静かな川に、突如ボートのエンジン音が響き渡る。
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スピードボートが去った後は、今度は幅広の屋根付き舟と、色んなボートが通り過ぎていく。
川は住民の動脈のようなもの。
人を運び、荷を運び、人々の生活を運んでいく。 -
レストランの調理場から飯を炊く臭いが漏れてくる。
朝食を食べに出向いてみる。
すると調理場から子猫と親猫が現れた。
親猫はすり寄ってくるが、子猫は逃げ隠れてしまう。 -
もう朝食どころではなくなって、子猫を追ってシャッターを押しまくる。
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子猫と遊んでいるとセンさんも現れて、チーズパンとフライドエッグを注文することにした。
「時間がかかるよ・・・今からあのお姉さん、材料を調達しに行くんだから・・・」
そんなセンさんの冗談が本当かと思うほど、なかなか朝食は出てこない。 -
この家の子供がやって来た。
川岸のレストランは子供の遊び場でもある。
ここの家族構成はどうなってるんだろう・・・
子供は5人以上はいるようだ。
女の子が2人、男の子が3人。
右が長女で、左が末っ子の三男、まだヨチヨチ歩き。 -
おしゃまな長女は受付台で、伝票付けの真似ごとなんかして、将来の女将になるためのお勉強だ。
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長男は工作好きで、木工作業に余念がない。
やすりや包丁で木を削り、しだいにボートの形が出来上がってきた。
飽きもせず、毎日削り、磨き、微調整している。 -
甘えん坊で泣き虫だが、しか宿泊客と笑顔でお喋りできるのはこの次男だけ。
その後方に洗濯している娘さんは、お手伝いさんなのだろうか。
朝早くから飯炊きや洗濯や食器洗いで、休む暇なし。
調理場で宿泊客の食事を作るのもこの娘さんだ。
夕方には外で水浴びし、家族とは違っている。
いつも無口で笑顔なし。 -
庭で仕事をしているのはこのお婆さん。
お婆さんは働き者で、野菜の世話、落ち葉掃き、洗濯とかいがいしい。
小僧さんへの朝のタンブンを終えて、今からに水まきだ。 -
雑草だらけの畑の中で、野菜の収穫。
香辛料の葉っぱと、なすの実だろうか。
働いているのは、このお婆さんと無口の娘の二人だけ。
ゲストハウスを取り仕切っているお母さんは、家事と育児で家の中。
金勘定とバンガローの管理で、時々顔をのぞかせる程度。
私を招いたお父さんの姿は、めったに見ない。 -
そのお母さんがネコのために残りご飯を持って来ると、イヌがそばから顔を突っ込んで、みんな食べてしまっている。
親ネコはやせこけている。
これで子ネコ3匹にお乳をあげなくてはならないのだから、かわいそうと、やっと運ばれてきた卵焼きを、少し残してネコにあげた。 -
近くの店で自転車を借り、島を一回りすることにした。
スコールのせいで、道はどろどろ、ぬるぬるだ。
サドルの一番低い自転車を借りて助かった。
膝が曲がったままて疲れるが、すぐに両足がつける。
転びそうになって、何度も危機を脱出した。 -
この島には高地はなく、中央部は小規模ながらも田畑として活用されている。
牛や水牛が大活躍している。 -
その田んぼの中で、子供たちがあっちこっちと走り回り・・
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大人はせっせと田植えに汗を流す。
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田植えのついでに貝も捕る。
これだけあれば、今夜はごちそうなんだろう。 -
周囲に気をとられていると、タイヤが滑って、ドボンと靴が泥の中に浸かった。
ぬるぬるの中では、ペダルに力を入れ過ぎてはならないことを学習する。
後輪がスリップするのだ。
ここは自然豊かな素晴らしい島で、女房を連れて来てあげたいが、はたして女房はこんな道を走れるだろうか。
茶色の水でシャワーを浴び、顔を洗えるだろうか・・・ -
島民の移動の主役は、バイクや車ではなく自家用の舟で、島のあちこちに船着場がある。
このあたりのメコンは蜘蛛の巣状になっていて、隣の島もすぐそこで、舟なら自由自在に移動できる。 -
旅行記で見た鉄道施設の跡があった。
フランス帝国主義の支配下にあった時代の、荷物運搬用の残骸だと言う。 -
陸から荷物を上げるのに、なぜこんな高さのものが必要だったのか・・・
右から左、前から後と見て回ったが、どのように使われたのか、原型はどうなっていたのか、さっぱり推測できなかった。 -
島の数少ない観光遺跡なのに、分かりやすい説明図や案内はない。
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その隣はソンテオやカートの駐車場だった。
観光シーズンには、これに乗って島巡りをする客がいるようだ。 -
河川から離れ、田園地帯の中をのろのろと走っていく。
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右も左も水をたたえた静かな田んぼだ。
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遠くに見えるのはベトナム風の三角帽子。
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藁の切れ端を持って水の中を歩く少年。
いつの頃からか、日本では見られなくなってしまった風景だ。 -
女の子はひもを引いて、牛の親子を移動させている。
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日陰で休みがら弟の子守をしているお姉ちゃんが、私をじっと見つめる。
お父さんは牛に犂(スキ)引かせて田を耕している。
「サバイディ・・」
私の挨拶も様になってきた。
お姉ちゃんもかわいい声で「サバイディ・・」 -
そうこうしているうちにメコンに架かる橋に出た。
鉄道橋としてフランスが造った橋だ。
向こう側はコン島で、確かここに料金所があるはずだが・・ -
対岸には、コン島のゲストハウスが見えている。
あの辺が観光客が集まる場所らしい。
今日のところはこれくらいにして、引き返そうか、進もうか・・・? -
やって来るトライシクルが過ぎ去るのを待って、料金所手前までは進んでみることにした。
川に落ちないよう中央を丁寧に走る。
写真を撮るときは自転車から降りる。
こんな所で川に落ちるわけにはいかない。
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この川下には巨大な滝があると聞いている。
高低さの少ないこの土地に、なぜ雄大な滝があるのか不思議に思う。
滝と言っても、流れが速いというだけではないのか・・?
誇大広告ではないのか・・・? -
黄色の点々の道を走って、鉄道橋に到達しました。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2016/08/21 18:19:08
- 我々が失ったものがそこに有るような、、、、、
- 1950年代までの日本の田舎がそっくりそのまま再現されているみたい。
食うや食わずで毎日を過ごしたけど少なくとも精神的に病む事は無かった時代がここにあるような気がする。
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