2016/07/06 - 2016/07/21
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motogenさん
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ゲストハウスに荷物を置くやいなや、自転車を借りて出発しようとすると、突然暗雲たちこめて、激しいスコールが荒れ狂った。
10分ほどで雨はやんだが、まだ小雨がちらついている。
道路は水溜りだらけだ。
「大丈夫」
タイヤに空気をつめながら、ゲストハウスのオーナーが励ましてくれる。
傘を持ったし、カッパも持った。
出発しよう。
-
香ばしい焼きバナナを売っている店があった。
臭いにつられてのぞき込む。
5本で2000キップ(26円)。
1本おまけしてくれて、6本となった。
笑顔の可愛いお姉さんに、こちらも笑顔で「コップ・チャイ」 -
あっ、こんな所に事故死の犬。
本当に死んでるのか?
いやいや、寝ているだけだった。
トラックがやって来たが、犬はそのままで、トラックが徐行して避けて通った。 -
道はメコンに沿っていて、家々の隙間からその流れが見える。
対岸ははるかかなた。
雄大なメコンだ。
自転車はアライメントが狂っているのか、どうも不安定で、ギコギコキーキーと変な音もする。 -
直進性が悪い自転車なので、橋を渡る時は緊張する。
車がやって来ないか、心配しながら渡る。 -
自転車はフラフラするが、カラフルなお寺が気分を盛り上げる。
-
頭を雲に隠している山々も、清々しさを運んでくる。
-
道はメコンから離れて、西に向かう。
ワット・プーまでは10kmのはずなのに、遺跡はなかなか見えてこない。
走っているつもりでも、歩くより少し速いくらいだからだ。
あの山のふもとがそうなのかな・・・? -
-
農作業をしている家族がいた。
ベトナムみたいに三角帽子をかぶっている人もいる。
自転車を降りて歩いてみた。 -
苗代があって、その稲を田に移しているようです。
種を直播きするのではなく、日本のように苗代方式だ。
苦労しても収穫をあげる律儀な人たちです。
おばあちゃんの横で、恥ずかしそうにモジモジするお嬢ちゃんは、小さな声で「サバイディ・・・」 -
家族総出で田植えの準備だ。
「サバイディー。」
「サバイディー。」
Vサインまでしてくれる。 -
大事に育てられた苗は、天秤棒で田んぼに運ばれていった。
-
Vat Phou まで2.2kmの標識があった。
Vat でワットと読むようだ。 -
この店で一休み。
ソイミルクを買い、先ほどの焼きバナナを食べて、ランチタイム。
ソイミルクは(豆乳飲料)はタイからの輸入品で、タイより高く4000キップ(52円)。 -
寄り道しながら走ること1時間半、ついにワットプー遺跡の入り口に到着した。
-
自転車を樹木にチェーンでしばりつける。
駐車場には10台ほどのバイクと、数台の4WD車とミニバン。
行き違いに欧米人たちが現れて、バイクに乗って去っていった。 -
入場料は50000キップ(650円)だった。
-
無料電動カーが停まっていた。
乗客が集まるまで待つのかと思ったら、私1人を乗せて出発してくれた。
目の前に博物館が見える。
入場チケットに料金は含まれているとのこと。
帰りに見ることにしよう。 -
長方形の人口貯水池の脇を、山のふもとまで走っていく。
700mほどで電動カーは終わり、その先は歩きのみ。 -
最初はリンガ(男根像)の建ち並ぶワットプー本殿への通路だ。
盛大に男根が並ぶ文化というのは、いったい何であろうか。
日本人の『性』の根源は、「秘められ行為」「恥ずかしさ」「非日常性」だと言う人がいる。
隠されたものだから覗きたい・・
いやらしいもの、禁じられたものだから、欲望をかきたてる・・・
そんな日本文化と違って古代ヒンズーの世界では、『性』は堂々と顕示するもので、開放的で、力を入れて推奨されるものだったのか。 -
日本人の常識や日常感覚とは、全く異なった世界がここにあったに違いない。
リンガの石畳通路を過ぎると、崩れかけた建造物が見えてきた。
右と左に配置され、参拝者をお迎えする寺院だ。 -
右の建物の方が崩れは少ないが、危険で内部には入れない。
-
その造りは、ピマイやパノンルンの遺跡と酷似している。
古代ヒンズー寺院だから当たり前だ。 -
左の建物は修復の真っ最中だった。
新しい石を切り削り、欠けている部分に補充している。
作業をしているのは学芸員と、その道の修復プロなんだろうか。
修復に観光客からの入場料が役に立っているのなら、高い入場料も惜しくない。 -
それを過ぎるとまたリンガの通路が続く。
突き当たりには聖なる丘が待ち構えている。 -
ここからが急斜面。
小さなほこらがあって、信心深いラオス人たちは膝まづいてお祈りしていく。 -
一段高くなった岩盤の上には、参拝用のお飾りや線香まで売られていて
-
剣を持った王様の前には、それらがぎっしり供えられている。
チャンパサック王国の、この地を守った名な王様なんだろう。 -
ここから勾配はきつくなり
-
最後は足を滑らせそうな急階段か立ちふさがる。
この茂る大木の根元をすり抜ければ、勾配はゆるやかになると思ったら -
まだまだ急勾配の石段が続いていた。
日ごろ鍛えた健脚を、今こそ発揮する時だと張り切ってはみるものの、息はあがり、膝ががくがくする。
景色を眺めながら一休みしていると、ひ弱そうな娘がひょこひょこと、息も乱さず追い越していった。
自信損失。
歳には勝てない。 -
それでもばてずに登っていくと、家族連れが写真を撮っていた。
広場は丘の5合目にも達していないが、その奥は巨岩が屏風のように突っ立っていて、ここが登れる最終場所だ。 -
樹木の茂った広場には、ワットプーの壊れかけた神殿が、ひっそりと建っている。
思いのほか小さな神殿だ。 -
登ってきた道すじを振り返ってみる。
-
長方形のため池がアンコールワットを連想させる。
ワットプーはミニ・アンコールワットだ。
このため池で、このあたりに米作りを広めたんだろう。
アンコールワットは有名になり過ぎ、観光地化され過ぎた。
だがここは、観光客も少なくて、自然豊かで静寂で、商売人はいないも同然。
こここそヒンズー遺跡、世界文化遺産にふさわしくないのだろうか。 -
時々冷たい風に乗って霧のような雨が舞ってくる。
ラオスの平原が霞んでいる。
女房にも子供たちにも、ぜひ見せてあげたいラオスの景色だ。 -
遺跡に足を向けてみた。
-
ヒンズー教について、多少学習してやってきた。
勉強してくると、遺跡の見方が少し変わる。 -
三つの頭のある象に乗るのは、インドラ神だ。
インドラは日本に伝わると帝釈天となった。
寅さんが産湯に浸かったという帝釈天だ。
ヒンズーの神々は多種多様で大衆的。
歴史的には土着宗教とバラモン教が融合して発展したもので、聖典はなく、創始者もいない。
諸々の神話を包括した総称らしい。
仏教もその一派だともいう。 -
ここはクメール民族が建立したヒンドゥ寺院なのに、今では仏教徒が信仰する聖地となっている。
現地の人たちは、そんなことはどうでもいいようで、おおらかで大雑把なヒンズー教聖地に似合っている。
この仏像もゆるキャラ的でどこか間抜け顔なのに、お参りしている人たちは大真面目で真剣そのもの、素晴らしい世界だ。 -
本殿の裏側に回ってみる。
-
大きな岩が行く手をさえぎっていた。
天然の屏風岩だ。
この寺院の元は山城で、堅固なる要塞。
なるほどと思わせる。 -
屏風岩の根元からは冷たい湧き水が漏れ出していた。
小さなほこらも作られていて、この湧き水を口に含んだり、手足を清めたりする場となっている。 -
それとは反対側の森林にもうっすらと道がある。
草を掻き分け侵入していくと -
奥にあったのは巨像がレリーフされた巨石だった。
-
これで一応全てを見たようだ。
お供え物を売っているおばあさんたちと一緒に、森林の霊気を楽しむことにする。
おばあさんたちは無口だけど、この地に生きてきた命の重みがにじみ出ているようで、近くにいるだけでありがたさが伝わってくる。 -
みんなのために飯を炊いている人もいる。
-
観光客は見学するとすぐに帰ってしまうのに、じっと景色に見入っている欧米人がいた。
かっこいいなあ。
私もこんな人になってみたい。 -
でも、いつまでもいるわけにはいかない。
急階段を手をつきながら、一段一段降りていく。 -
その途中でお歳よりに出会った。
足元に頼りなさが見られるが、それでもこの危ない階段を一歩一歩登っている。
75歳だという。
ここに暮らす人たちは、苦労のせいか歳よりも老けて見えるが、それでいいのだ。
商業主義に踊らされ、若作りに励む日本人よりも、自然でよい。 -
こんな石段にもレリーフがほどこされている。
一つ一つの石に開いた穴は何だろう?
見ればほとんどの石に穴がある。 -
リンガの通路を通って帰る。
ここに再び来ることがあるだろうか・・・
来るとすれば、今度こそ女房を連れて来なければ・・・・
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2016/08/13 14:41:12
- ここまで来た以上の価値が有る!
- 物価が1/10と考えるとやや高額な入場料ですがこの希少な遺跡に関わる人達が生きていくには必要な金額でしょう。
有名になりすぎて金儲け主義がはびこり霊気を失った某南アジアの観光地(遺跡)なんかは屁だね!でもmotogenさんはよく知っていたねぇ、、、、
欧米人に先着されていたのは止むを得ないとしても秘密の場所であって欲しい!
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