2014春、韓国旅行記27(25/25：補遺)：海軍士官学校展示室(2/2)、亀甲船内部、李舜臣

2014/04/05 - 2014/04/09

　鎮海（チネ)にある海軍士官学校展示室の紹介です。桜見学のため、2014年は4月1から10日まで一般開放されていました。

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『トクチョンギ(督戦旗)』です。『凡軍臨敵不用命者処斬』の文字が記されています。敵前逃亡を厳しく戒める文言のようです。

『トペ(桃盃)』です。英訳deは李舜臣将軍がワインカップとして用いたとされていました。また『桃盃』の訳は、『Peach Shaped Cups』となっていました。実際に注がれたのはワイン以外のお酒だったかもしれません。

『明朝八賜品』と記された展示品のコーナーです。明朝第14代皇帝の神宗(在位1572〜1619年)の時の下賜品と記されていました。万歴帝とも呼ばれました。文化は栄えたものの、治世を疎かにし、明朝衰退のきっかけを作ったと評価されている皇帝です。

『ドクソンサ・ピョンプ(讀宋史・屏風)』です。1597年に李舜臣(イ・スンシン)将軍が揮毫したものです。

『ドクソンサ・ピョンプ(讀宋史・屏風)』の漢文(上)と、そのハングル表記(下)です。漢文は、『嗚呼　茲何等時　而綱欲去耶　去又何之耶　夫人臣事君　有死無貮』で始まります。

李舜臣(イ・スンシン)将軍の陣中詩の一節のようです。少し擦れた陰陽が反転した文字は、『盟山草木知』の拓本のようです。

『統制吏　贈諡　忠武李公　廟碑』のタイトルがあった大型の展示品です。オリジナルは、1661年に造られたようです。

年代も地域も入り混じった展示品のようです。石器、ブーメラン、刀剣、青銅容器や木彫品などです。地図の中には、黄海道(ファンヘド)の文字がありますから、この地域出身の安重根との関係があるかもしれません。

士官学校内で行われていた大会のトロフィーと優勝旗か応援旗のようです。左右に儀仗兵の服を着た人形もありました。

『MK9』と呼ばれる爆雷です。火薬は抜かれたでしょうが、実物のようです。朝鮮戦争時代のものかもしれません。

朝鮮戦争時の連合国各国の海軍制服の展示のようです。1950年6月25日に始まり、1953年7月27日に休戦となり、現在も休戦状態のままです。

朝鮮戦争時の連合国各国の海軍制服の展示のようです。国際連合軍は、韓国、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、オランダ、ベルギー、トルコ、タイ、フィリピン、ルクセンブルク、ギリシャ王国、コロンビア、オーストラリア、エチオピア帝国と南アフリカ連邦の各国です。

赤さびたヘルメットの方には、『Soviet　Union　Steel　Helmet』の文字がありました。スターリン時代のソビエト連邦は、 朝鮮戦争時に北朝鮮に顧問団派遣及び物資支給を行ったとされます。

こちらも朝鮮戦争時代の遺品のようです。持ち主がいなくなった自動小銃です。『PPSH−41』の型名が記されていました。

鄭海軍提督の遺品展示です。ネット検索では、プロフィールは分かりませんでした。

鄭海軍提督の遺品展示のパネルです。難しい文字ですから、そのままアップしました。

金一乗(キム・イルピョン)海軍提督の遺品展示です。アルバムを中心にした、制帽や刀剣です。

金海軍提督の遺品展示のパネルです。『乗』の漢字が少し違っていました。

ここからは、屋外に展示されていた亀甲船の紹介です。全長34.2メートル、船幅10.3メートル、船高6.4メートル、排水量150トン、乗員130名、速力6ノットなどの諸言が紹介されていました。ただし、現存する亀甲船はなく、史書の『李忠武公全書』にある約700字程度の記述と絵図を現代の造船学に当てはめて造られたものであり、実在したとされる亀甲船とは大きく異なる軍艦との指摘もあります。

亀甲船のシンボル、船首の龍の飾り物です。海軍士官学校の学生は、在学中に一度は必ず亀甲船での航海を体験するようです。史実に元ずいて再現された軍艦ではなく、観光の目玉となっているようです。

亀甲船への乗船見学です。見学時間がおしまい近くになりましたので、空いていました。それにしても屋根の上の剣は異様です。手漕ぎと帆船の併用ですが、帆船作業は命がけに見えます。

船室内に置かれた大砲です。案内看板には、カノン砲を14砲搭載と記されていました。鍵型に開いた穴から砲弾を打ち出すようです。

壁にはカノン砲の鍵型の穴が見えますが、船内に置かれているのは碇のようです。木製部分が多く、金属で補強と重さ調整がされているようです。

亀甲船の船内光景です。左手に合図用のカラフルな太鼓が見えました。時代を意識した備品のようです。

3基纏めて並べられたカノン砲です。現代の兵器から見れば、おもちゃの大砲のようにも見えます。

蝋人形かと思って写真を撮ろうと思いましたら、蝋人形が動いて、笑顔とＶサインが出ました。一瞬びっくりしましたが、笑顔でお礼を返しました。船長役の士官学校生さんでした。

亀甲船の見学中に、見学終了のアナウンスが入りましたので、出口に向かう途中での船内撮影です。滑車で吊られた中央の物体には『舵』の表示がありました。

同じく、出口に向かう途中の船内光景です。ぎりぎりまで記念撮影する人の姿もありました。

最後に紹介する銅像は、鎮海の海軍士官学校の展示室ではなく、釜山の龍頭山公園の李舜臣(イ・スンシン)将軍の銅像です。文禄・慶長の役において朝鮮水軍を率いて日本軍と戦い活躍したことで知られます。讒言によって兵卒に落とされて不遇をかこつなど、浮き沈みが激しい生涯でした。

同じく、李舜臣(イ・スンシン)将軍銅像の頭部のアップ光景です。李舜臣将軍(1545年〜1598年)は、露梁海戦で島津水軍に討たれて戦死しました。韓国の英雄とされ、死後に贈られた謚は忠武公です。龍頭山公園のほか、ソウル中心街の世宗路、韓国南部の木浦(モッポ)にも銅像が建てられています。