春の南欧・歴史＆地中海紀行2011 / ９日目(4/28) 前編

2011/04/28 - 2011/04/28

内容盛りだくさんの今回の南欧の旅。
９日目はアヴィニョンから日帰りでプロヴァンスの美しい港町「カシ」まで足を伸ばします。

カシはプロヴァンスに住む人に最も人気のある港町。
カシからマルセイユにかけては「カランク」と呼ばれる、長年の水と風の浸食で独特の海岸線の風景が見られます。
この「カランク」をクルーズで海から、ハイキングで陸から攻めてみたいと思います。
前編は、クルーズ編です。

エリア カシ(フランス)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 船
• 航空会社: フィンランド航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

カシまでの日帰りは、今日か明日のどちらか天気の良い方に行こうと考えていました。

朝起きてみるとここ２日の好天が今日も続きそうな感じだったので、今日決行することを決めました。

アヴィニョン駅前から見えた朝焼けも、今日の天気を約束してくれている気がしました。

7：20発のマルセイユ行きの列車に乗り、マルセイユで１度乗り換えます。

カヴァイヨンという駅を過ぎる頃、近くに岩山が接近しその向こうには青空が広がっています。

マルセイユが近くなってくるとやがて右手に地中海が見えてきます。

ちょっとかすんで見えますが天気は良さそうです。

マルセイユはパリに次ぐフランス第二の都市というだけあって、マルセイユ・サン・シャルル駅もかなり大きな駅です。

カシに停まる列車は9:33発でAのホームから。

ちなみにカシは「CASSIS」と書きますがカシスとは言わないそうです。
「PARIS」をパリと言うのと同様です。

10時前にカシの駅に到着。

カシの駅から港のあるカシの中心地までは約3kmの距離ですが、タイミングの合うバスがないので歩くことにします。

カシの駅では何人か降りて2〜3のアベックやグループが街に向かって歩いて行きそうなので、とりあえず前を行くアベックについて行くことに。

出発前にグーグルマップをプリントアウトして来たし、ストリートビューでどんな道なのかイメージトレーニングしていたので、途中からアベックを追い越して単独で歩いて行きました。

右手には農作業をする人、そしてその向こうには丘の斜面に集落が見えます。

唯一気をつける分岐はここぐらい。

標識も右を差しているので間違いありません。

10:35頃、順調にカシの港に到着。

いかにも港町らしい明るい風景が広がります。

午前中はまず予定通りクルーズから。

クルーズは次の3種類。
３カランク45分：14ユーロ
５カランク１時間5分：17ユーロ
８カランク１時間30分：20ユーロ

迷わず８カランクを購入。

８カランクは11時に出発予定。

こんなクルーズ船です。

クルーズ船にはすでに多くの人が席に着いていましたが、今回も運良くちゃっかりと船首付近の席をゲット。

席が埋まったからか、定刻より10分早く出航しました。

結構、海岸の崖上に家が建っていたりします。

優雅にヨットが走る。

10分もすれば最初のカランクに入って行きます。

もうすでにハイキング道を行くハイカーの姿が何人も見られます。

1つ目のカランク「PORT-MIOU」の奥はヨットハーバーになっています。

海の色がこの角度から見てもエメラルドグリーンっぽい。

早く上から見下ろしたい。

なにか朽ちた建物っぽい跡。

この後のハイキングも楽しみ。
つーか早く歩きたい！

いやいやクルーズは始まったばかり、これからですよ。

２つ目のカランク「PORT-PIN」に突入。

こちらの奥はちょっとしたビーチになってるようです。

ここにヨットを停泊させてなにかマリンスポーツを楽しもうってわけかな？

マリンスポーツというより泳いでます。

まだ４月なんですけど・・・

岩肌に松が生えているところなど、ちょっと日本人には親近感があります。

このあたりの松は「アレッポ松」というらしい。

３つ目のカランク「D'AN VAU」に入って行きます。

だんだん断崖絶壁が険しくなってきましたよ。

３つ目のカランクは両側が険しくしかも奥が深そう・・・

望遠で見ると、この奥にもビーチがありますよ。

しかもその背後にはすごい絶壁がせまってます。

人影も結構見えてます。

より近付くと、いやいやいっぱい人いてる。

白い岩肌に松ってなんかなじむな〜。

船上はカメラマンがいっぱい。→「船上カメラマンいっぱい」


「せんじょうカメラマン」って言いたかったんでしょ。ハイハイ

おお、ほとんど垂直岬登場！

垂直岬をぐるっと回り込みます。

次々に絶壁が登場してきますよ〜

なんか今度はぎざぎざ岩が出てきた。

縦方向の割れ目が「柱状節理」っぽいけど、全然違うんだろうな・・・

なにゆえ松はそんな険しい所を選んで生えようとするのか・・・

高くなったと思ったら低くなったり・・・

変化があるのもまた面白い。

４つ目のカランクがどこだったのか、もはやわからない。

どうやら４つ目以降のカランクは奥行きがあまりないのかもしれない。

でも、この断崖絶壁度はますます迫力を増してきます。

峰の上に雲がわき立っています。

スゴーく拡大すると崖っぷちに人が二人見えます。

とんがり峰とかも見えてきた。

カヌー発見。

今度はロッククライマー発見。

これだけ断崖があればロッククライマーもほっとくわけないよな。

実はカランクはロッククライミングのメッカでもあるのです。

こちらにも発見。

カヌーはロッククライマーのサポーターなのか？

それとも、ただのギャラリーなのか？

うわっ、凄い！

普通の人間から見れば、上の赤い二人はもはや神業。

人間ばかり見ていたら、いつのまにやら海食崖は海食洞門にまで発展していました。

ひょっとしてカヌーで通り抜けできるのかも。

なかなか変化に富んでます。

カランクのどこかには「コスケ洞窟」と呼ばれる約２万年前に描かれた洞窟壁画があるらしい。

あんな上の方には窓がある。

これまたえらい所を上ってますよ。

オーバーハングしているので、下の人は宙ずり状態。

もはや上ろうとしているのか、下りようとしているのかよくわからない。

ますます断崖が高くなっていきます。

比較するものがないのでスケール感が麻痺します。

断崖絶壁を見ながらのクルージングといえば、個人的には「フィヨルドクルーズ」を思い出しますが、スケールはフィヨルドに劣るものの見た目の変化とダイナミックさは劣ってはいません。

最も高そうなのが見えてきました。

断崖と言うべきか、山と言うべきか・・・

チンクエテッレのクルーズも良かったけど、こちらも凄いな・・・

「フランス版海上アルプス」とでも言おうか・・・

フランス第二の都市マルセイユからわずか10kmそこそこでこの景観ですよ。
日本で例えるなら大阪市の隣の堺市に陸中海岸があるようなもの。
例えが変？

明らかに地層が斜めになっています。

ここだけなぜ？

すれ違うクルーズ船。

カヌーも楽しそう。

ここでもやっぱり泳いでいる。

くどいようですが、まだ４月。
フランス人、気が早い・・・

とんがり峰。

出航したカシ以来、初めての集落が見えてきました。

右側の断崖の下にかわいい家発見。

集落の手前まで行ったところで折り返して、復路は少し沖合を飛ばします。

出航してから集落の手前で折り返すまでの往路は１時間少々でした。

そろそろお昼時でもあるので、断崖の上ではピクニックしているのかな？

折り返してからの復路は20分少々でカシの町が見えてきました。

もう30年近く前のテレビドラマ「スチュワーデス物語」の第６話でマルセイユの港のシーンがあるそうですが、ロケはこのカシで行われたらしい。
堀ちえみ、風間杜夫、片平なぎさ他、日本のロケ隊が30年近くも前にここで名演技（迷演技？）を撮影していたんですよね。
この灯台のシーンもあるそうです。

新藤真理子「浩、あなたがあたしを愛さないなら他の女に渡したっていい。だけどこの松本千秋にだけには絶対に渡さないわ」　・・・

今度レンタル屋でDVDでもみつけてしまったら借りてしまいそう。

12:20過ぎ、約１時間半のクルーズ終了。

実にエキサイティングなクルージングでした。


「春の南欧・歴史＆地中海紀行2011 / ９日目(4/28) 後編」　に続く。