2010/03/19 - 2010/03/23
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kojikojiさん
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「碑林博物館」を見学した後は鐘楼と鼓楼を抜けて化覚巷に入って「清真大寺」に向かいました。昼間の化覚巷は観光客で賑わって、子供の頃に両親に連れられて行った浅草の裏通りみたいな印象でした。両脇にお土産物屋が続き、初日の晩に農民画の絵を買った店を抜けると版画の店がありました。立寄ろうとしましたが欧米人のお客で忙しそうだったので先を急ぎ、回教の寺である「清真大寺」の見学に行きました。賑やかな通りから小さな門を潜って境内に入るとそこは静かな別世界でした。孔廟にある大和元気坊のような門も意匠は同じでも彩色が全く違います。木造部分は左右対称に配置され孔廟のようですが、所々配置された石造りの建物が独特の風情を醸し出し、ここが仏教寺院では無いことを感じさせます。今までの日本を始め中国や韓国や東南アジアの寺や伝統建築をいろいろ見てきましたが、そのどことも違った不思議な感覚に襲われました。そしてトルコなどで見たイスラム教のモスクで感じるものとも乖離した感覚を体験しました。
お寺の見学の後は歩いて来た化覚巷を戻って、丁済堂(ディン・ジータン)さんのギャラリー(土産物店にしかみえませんが)に立寄りました。ここについては偶然通りかかって見つけた店で事前の知識はありませんでしたが、見た途端にその魅力に取り付かれました。比較になるか分かりませんがキース・ヘリングの色使いやタッチを感じさせるものがありました。(もちろん彼の方が昔から作品を作っているし、生前のキースがディンさんを知っていたとも思えませんが。)日本のガイドブックには全く紹介されていませんでしたが、店にあった欧米のガイドブックには写真入で紹介されていましたので、欧米人のお客が多い理由が分かりました。一緒に店を切り盛りしている娘さんは英語を話されるのでいろいろお聞きすることも出来て旅の最後を締めくくるには良い買い物が出来ました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- タクシー
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
- 利用旅行会社
- クラブツーリズム
PR
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針金の束を何に使うのかと思っていたら頭部のマッサージ器でした。効果はあるとは思えませんが、以外にみなさん熱心に試しています。自分の子供の頃にもお祭りなどで訳の分からない物売りを見掛けたなと懐かしく思い出しました。
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「鼓楼」の北側の北院門街には行ってすぐに脇道の化覚巷に入ります。この辺りは毎晩のように来ているので勝手知ったる通りですが昼間に来るのは初めてです。
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浅草の仲見世の裏通りのような、カッコ良く言うとパリのパサージュのような屋根付きの通りが続きます。そのほとんどが中国の観光客向けのお土産物屋のようです。
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厳めしい煉瓦積みの照壁が現れると「清真大寺」に到着です。建築素材は中国の仏教寺院と同じですが、ここは回教寺院です。
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「清真大寺」のすぐ脇までお土産物屋が迫っています。
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表の喧騒とは裏腹に境内はとても静かです。碑林博物館になっている「孔廟」の中にあった「大和元気坊」と同じような造りの門がありました。仏教と回教の違いはあっても建築の境はあいまいです。
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西安大清真寺は742年に唐朝の玄宗時代に当時シルクロードの東の端であった長安で創建され、今日現存している主要な建築物は明朝の洪武帝の治世のもとで建てられました。明朝建築風なものですが、その後も何回か改築が行われているそうです。
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黒とブルーを基調にした何とも言えない色使いですが、建築様式は仏教寺院と全く同じに見えます。
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中国寺院風ですがアラビア文字が回教(イスラム)寺院であることを感じさせます。
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寺院全体は東西に細長い形で、メッカの方向を遙拝するために建物全体が東向きに作られています。建物群の間は4つの中庭によって仕切られており、第1と第2の庭には大門と牌楼とその他の付属施設が配されています。第3の庭には八角平面で重屋根を持つ「省心楼」と呼ばれるミナレットがあります。
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煉瓦の壁の部分を額絵のように設えてあります。ここだけ見ると回教の面影はありません。
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左右対称に配置された境内を置くに進みます。良く見ると植え込みから鉢植えまでもが鏡に映ったようです。石碑坊を見ると仏教寺院に思えてしまいます。
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壁に嵌め込まれたアラビア語のレリーフが不思議な感じがします。
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建物は独特の色遣いで、西域に通じる色なのでしょうか?後年中国東北部の瀋陽の回教の方が住むエリアに行ったときには行ったレストランはこのような鮮やかな青色に塗られていました。中央アジアのウズベキスタンのイスラム寺院や神学校の鮮やかな青いタイルにも通じるのかもしれません。
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第2院には沖天彫龍碑が左右対称に置かれてありました。
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南北両側に建つ竪立冲天と沖天彫龍碑は明の万歴34年に宋代の書家の画く「道法参天地」文字が納められています。
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このような建物は初めて見ました。
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屋根から軒にかけての装飾の美しさに心奪われます。
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敕修殿は中国の回教の歴史上最も早い殿宇で、殿内に曾つてこの寺院長だった小西寧の撰写したアラビア語の「月碑」があり、その内容はイスラム教に因る斎月計算方法が記され、陝西イスラム教の発展史で極めて貴重な価値のあるものだそうです。
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中には「月碑」が納められていましたがよく見るとアラビア文字でした。回教なので偶像は禁止されているせいか贔屓には乗っていないのでしょうか?そんなことを感じました。
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アラビア語は全く読めません。
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寺院の敷地の中間くらいの所に美しい省心楼がありました。三層八擔八角の楼が立つ姿は壮観です。南側に宮殿と北側に講経堂が配されています。俗にいうイスラム寺院のモスクでいうところのミナレットと呼ばれる尖塔に変わるものがこの楼になります。
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美しく花鳥が彫られた扉も見事です。
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省心楼の脇には沐浴のための浴室や応接室などの部屋がありますが、その前には体を清めるためのウドゥまたは小浄と呼ばれる場所があります。このような井戸の形は初めて見ました。コーランには「アッラーは、悔悟して一図に帰する者を愛でられ、心と体が清潔である者を愛でる」と書かれてあります。
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左右対称の美しさを感じるために中央の参道を進みます。
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細かいディテールを見るとイスラム風な感じもしますが、全体はそこはかとなく中国風です。
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礼拝の時間からずれているのでしょうかお参りする人の姿もまばらです。観光客の姿もあまりないのでじっくり建築を見てまわる事が出来ます。この建物は鳳凰亭と呼ばれ、鳳凰が翼を広げた形に見立てられています。京都の宇治の平等院の鳳凰堂のミニチュアみたいな感じがしました。
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石門の先の一番奥が本堂ですが、扁額の文字がアラビア文字なのが不思議です。故宮などでチベット文字などの扁額を見たことはありますが。良く見ると床の石には龍が彫ってありますが、イスラム教で禁じられた偶像はがあっても良いのでしょうか?
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御簾の先が礼拝堂になっています。
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1日の5回の礼拝時刻を知らせる看板が礼拝大殿の前に掲げられています。看板の中にはメッカのカーバ神殿の写真が貼られています。右側にはアラビア文字が縦に並べられています。
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立派な石の壁で彫刻が見事でした。モチーフも中国的でありながらカリグラフィーが美しく融合しています。
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そんな美しい壁はトイレの入口にありました。礼拝殿の前廊(ターラール)と礼拝殿堂、後窰殿を見学します。後窰殿には講壇(ミンバル)と礼拝窰龕(ミフラーブ)が設けられていました。今まで見慣れた西方のドームのあるイスラム寺院とは全く違く空間でした。
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「清真大寺」の見学の後は丁済堂さんの店に戻ります。先ほどまでいた欧米人の観光客も買い物が終ったようで誰もいませんでした。「打冬棗」という題名の版画はほのぼのとした作品です。農民画を更にシンプルにしたような作品です。
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作家の丁(ディン)さんは作品集にサインをする時も彫刻刀で掘り込むように文字を書いていきます。
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一文字一文字丁寧に書いていただきました。
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完成しました。
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とても良い記念になりました。
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こんな素敵な版画がたくさん並んでいました。
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イチオシ
「高原農家」という作品です。
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ご本人に「山間公路」を持っていただきました。1993年の日本でのエキシビションで制作された作品です。これをいただきました。
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「収柿子」柿を収穫する様が生き生きと描かれています。これの赤地の物をいただきました。キース・ヘリング風だと思いませんか?これは帰国後に額装したらとても立派になりました。生前キースに書いてもらった絵の額と並べて飾ってあります。
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丁済堂さんご本人と娘さんと記念写真です。楽しい時間をありがとうございました。
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