定期航路フェリーでマルタ島(10)ロープウェーでエトナ山に登ったら山頂駅で取り残され、月面探査の車両みたいなバスで麓に戻る。

2006/06/14 - 2006/07/02

慌ただしいタオルミーナの滞在でしたが、懐かしい思い出にも浸れました。集合場所の駐車場からバスに乗ってエトナ山に向かいます。到着時がすでに夕方の４時過ぎで、これからロープウェイで昇る人は我々ツアーのメンバーだけでした。それも８人ほどだけで他の人は麓で待っているとのことでした。さっさと登って噴火口を散歩して戻ろうとすると、先に降りていた妻が手を振って叫んでいます。なんとロープウェイは停まってしまいました。係員に事情を聴くとバスで降ろしますとのことなので安心しました。バスなんてどこにあるのだろうと辺りを見るとホットロッドのバスがありました。ここから麓までの下り道はとても面白かったです。月面で探査する車に乗ったらこんな気分だろうと思えました。一緒に乗り遅れたツアーの親子が、下にいる奥さんに電話していたので安心して乗ってられました。遅れたお陰で面白い体験が出来ました。
夕暮れ時にツアーは終わり、エスキモーアイスの保冷車に見送られマルタに戻りました。とても長い一日が終わり、ヴァレッタに着くとワールドカップサッカーのドイツ大会で、日本がブラジルに負けた瞬間でした。

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 観光バス 船
• 航空会社: キャセイパシフィック航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

タオルミーナを出発したバスはエトナ山の中腹の駐車場に止まります。時間はあるのですが、ロープウェイで上に登る人はあまりなく、我々のほかに５人ほどでした。

過去の大噴火で記録に残るものは1669年の噴火で、カターニアの町の一部を溶岩が流れ、海にまで流れ込みました。近年では1983年と1991年から1993年にかけて大噴火しています。

ロープウェイからの景色は絶景で、新しい火口が２つ見えました。一番最近の噴火は2005年で、この旅が2006年ですので１年前には噴火していたのです。

高度が上がっていくとまだ雪が残っていました。と言う事は・・・。

寒い。1.5ユーロで防寒着を貸している程でした。Ｔシャツだけではダメダメです。麓とは気候がまるで違います。

別料金でバスに乗ってもっと上まで行けるようですが、残念ながら時間がありません。

リフトの支柱が溶岩石に埋まっています。

冬場はここでスキーが出来たようですが、現在も使われているかは分かりません。

全部同じように曲がっています。

山頂にはまだ雪が残っているようです。

良く見ると石を並べて文字を描いています。富士山だと禁止されていますがこれも自然破壊でしょうか？2013年6月に富士山と同じ年に世界遺産（富士山は文化遺産ですがエトナ山は自然遺産）に登録されました。草木は一本も生えていません。

子供が絵に描いたような形の山です。

登っていると暑いくらいですが、少し立ち止まって写真を撮っているだけで寒くなります。

甥と探検しているうちに妻は先に下ってしまいました。この姿はサントリーニ島の沖のネア・カメニ島で見た姿と一緒です。あそこも活火山島でしたが、さすが富士宮生まれの女は火山が似合います。

下で妻が叫んでします。降りてみるとロープウェイが停まっています。係員がやってきて「これに乗ってください。下まで送ります。」エッ乗っていいの？

同じロープウェイに乗って下るより、このバスに乗れる方が何倍も楽しいです。

麓では出発時間になっても戻ってこないので心配しているかもしれません。そう思っていたら同じツアーの子供連れの男性が下のバスに残った奥さんに電話を入れていたので、置いていかれることは無さそうです。

少し下った辺りから見上げたエトナ山は美しかったです。ロープウェイだと景色はあまり変化しませんが、バスだと蛇行して高度を下げるので景色がどんどん変わっていきます。

何台ものバスが連なっているということは、意外に取り残された人は多かったようです。

いくつもの噴火口の後が残っています。迫力のある景色です。

月面探検でもしている気分です。砂利道の揺れが面白いです。

荒涼とした景色ですが、かなり下ってきたので低木の緑が見えてきました。ロープウェイ乗り場で無事にバスに乗ることが出来て、全員でポッツアーロに向かいます。

バスに乗っても車窓の景色は荒涼として、１年前の噴火で発生した火砕流に流された家が見えました。

噴火の恐ろしさがあちこちに残っています。

緑が沢山見えてくると安心します。

ポッツアーロの港に着くとツアーは解散して、マルタへ帰る船がスタンバイしています。

エスキモーアイスのトラックがお見送りです。

イタリアから出国してマルタ島へ向かいます。入口にいたスタッフの女性は南イタリアでは見かけないような背の高い美人でした。往路と同じ1時間30分のクルーズですが、表は真っ暗なので何も見えません。

真っ暗な港からトボトボ歩いてホテルに戻ります。今日のドイツワールドカップサッカーの結果は日本惨敗だったようです。スポーツバーのモニターが見えました。

足取りが余計に重くなります。が、甥っ子の大好きなサッカーを見に行く旅行にしなくて正解でした。この年のドイツのワールドカップでは中国の旅行会社を始め、詐欺まがいのツアーが沢山あって大変だったようです。2002年の日本のワールドカップはベトナムのハロン湾で開幕戦を見たことを思い出します。

ヴィクトリアゲートを越えて坂を登ればホテルです。マルタから日帰りでシチリアを往復する長い一日が終わりました。