定期航路フェリーでマルタ島(13)ヴァレッタの博物館で勉強した後はハジャール・イム神殿とムナイドラ神殿を巡る。

2006/06/14 - 2006/07/02

マルタ島の滞在も残り少なくなりました。今日は郊外の古代遺跡とブルーグロットに行くことにしました。遺跡の見学の前に国立考古学博物館も見ておくことにします。ここには小さな神殿や遺跡から発掘された石像も収蔵されています。残念ながら妻は少々疲れたようで、ホテルで1日お休みです。我が家の個人旅行中での約束は、1週間の旅程のうち半日のお休みが取れるようになっています。今回は約3週間なので、1日半取れることになります。
6月のマルタの最高気温は40℃を越えることもあり、咳喘息の具合が悪くなっていたので仕方ありません。ヴァレッタのバスターミナルから30分ほどで最寄りのバス停に到着しました。
ハジャーイム神殿(Hagar Qim Temple)からムナイドラ神殿(Mnajdra Temple)のある海に向かう1本道を歩いていると、すれ違う人に「日本は気の毒だったね。」なんて言われる始末です。2002年の日本のワールドカップサッカーではヴェトナムのハロン湾の海上で、開幕のフランス戦を白黒テレビで観ましたが、2006年のワールドカップドイツ大会は残念な戦いをマルタで知ることになりました。

エリア その他の観光地(マルタ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 5.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 徒歩
• 航空会社: キャセイパシフィック航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

この日は朝から風もなく暑くなりそうな予感がしました。マルタで発症した咳喘息のせいで、妻は1日お休みすることになりました。甥と2人で国立考古学博物館を見学してからハジャーイム神殿(Hagar Qim Temple)とムナイドラ神殿(Mnajdra Temple)に行くことにしました。その後はブルーグロットまで足を延ばします。

この日入港してきたクルーズ船はアジアからインド洋を渡り、紅海からスエズ運河を旅してきたスタークルーズの船でした。

ヴァレッタの旧市街にある「国立考古学博物館」の見学から始めます。博物館は1565 年のマルタ包囲戦の後でバレッタに築かれた最初の建物の 1つ、オーベルジュ・ド・プロヴァンスの中にあるので建物も見逃せません。マルタの巨石神殿で最古のものはゴゾ島のジュガンティーヤ神殿で、紀元前3600年前に築かれました。これはエジプトの大ピラミッドより1000年ほど古く、驚異的な古代建造物です。

通称マルタのビーナスと呼ばれる古代の女性女神像は豊かな身体つきのものが多いのですが、特にマルタでは巨大で印象的な体形の像が多く、当時の美意識を感じさせます。マルタに伝わる伝説では、こうした巨女が巨石を運んで神殿を造ったと言われます。

お腹に添えられた左手に恥じらいを感じました。

博物館の至宝は通称スリーピングレディです。洗練された曲線で構成されており、マルタの古代芸術の最高傑作と呼ばれます。この女神像はハイポジューム地下神殿から発見されたもので、なぜ横たわっているかについては諸説あります。これもミステリーですが、なんか家の居間で見慣れた形でもあります。

昔はマルタ島にもこんな動物がいたのでしょうか？レリーフに残されている動物は山羊と豚と羊です。

これらは犠牲獣でもあるので宗教的な意味合いがあるのかも知れません。島の外から連れてこられたのだと思います。早めに博物館の見学を終えてバスターミナルに向かいます。

いつものバスロータリーでバスを探します。

今日の運転手はジョージさんです。

バスを降りてしばらく荒涼とした風景の中を歩きます。そんな場所にハジャーイム神殿(Hagar Qim Temple)があります。

どうやって切りだして積み上げたのでしょうか？

ハジャーイム神殿は周囲に比較する物が無いので大きさが分かりにくいのですが、巨大な岩の塊です。柔らかいグロビゲリナ石で建造されているため、近年風化が進んでしまったため、現在は神殿は巨大なテントで覆われているのである意味貴重な写真かもしれません。

岩のパネルに開けられた開口部など石工の技術も高かったのだと分かります。

次のムナイドラ神殿(Mnajdra Temple)への下り坂です。ここですれ違った観光客に前日の日本の敗戦「残念だったね。」と声を掛けられます。2006年のワールドカップは残念でした。

ムナイドラ神殿も巨大な岩を組み合わせたものでした。

ここも現在はテントで覆われてしまってるようです。

細かいノミの跡を見る事が出来ます。

宗教的な儀式が行われたであろうことは想像できます。

ハジャーイム神殿の石とは違ったライムストーンで構成されているので、保存状態はこちらの方が良いそうです。

大洋がほとんど真上にあるので、影が真直ぐ下に出来ています。そして気温は40℃を越えていると感じられます。

遺跡の入口の小屋では犬が死んだように寝ています。それくらい暑い時間帯でした。そういえばマルタ島はマルチーズの原産地ですが、一度も見掛けることはありませんでした。クロアチアを旅していてもダルメシアンに出会わなかったのと同じですね。
そろそろバスに乗ってブルーグロットに向かいましょう。