2015/05/01 - 2015/05/09
31位(同エリア4378件中)
ウェンディさん
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青い海マルマラ海を見下ろす丘の上にその建物はあった。
イスタンブールを眼下に納め、蒼玉の様に輝く海を背景に建つ白い城壁に囲まれた建物は、スルタンの城であるトプカプ宮殿。
宮殿の門の脇には正装をした兵士の姿。
門の隙間から宮殿の中をそっと覗くと、忙しなく動き回る小姓や宦官の姿が見える。
小姓たちは、どの少年も見目麗しい。
彼等はスルタンのために、トルコ各地に居住するキリスト教徒の子弟から選ばれた頭脳明晰な少年たちで、将来はオスマン帝国の幹部になるべく教育を受けている。
そして、小姓たちに付き添う様に歩く宦官たち。
トプカプ宮殿の宦官には白人宦官、黒人宦官の二つの区別があり、白人宦官は内廷での政治的な事柄、黒人宦官はハレムに関する事柄を司っていた。
オスマントルコの贅を尽くして建てられたトプカプ宮殿。
各地から集められた大理石の柱が並び、緑あふれる庭園が広がる空間。
庭では、大きな孔雀が羽を広げている。
何処を見ても豪華絢爛で美しいのだが、何かが足りない。
足りないものは女性の姿。
王宮であるのに、女性の姿・形、その笑い声すら聞こえてこない。
宮殿内で女性たちが生活をするのはハレムと呼ばれる区域。
そこは、スルタンと黒人宦官のみしか足を踏み入れることのできない禁じられた場所だ。
ハレムに住まう女性たち。
彼女達がハレムで生き抜くための道はただ一つ。
たった一人のオトコであるスルタンの寵愛を得ること。
スルタンに一夜召されるという幸運を得るために、女性たちはその色香を競い合った。
王の愛を得、彼の息子を産んだ女性だけが手にすることができる妃の称号。
しかし、その称号と引き換えに彼女たちにもたらされる代償は、狂気。
妃が産む次世代のスルタン候補生である王子たち。
王子たちの未来に待つのは、スルタンという輝かしい椅子。
だが、正気を保ったままその座へとたどり着けた子供の数は非常に少なかった。
妃となった女性が産んだ男の子ども達。
彼等は乳離れをするとすぐに後宮の中にある「鳥かご」と呼ばれる区域に幽閉された。
要らぬ跡目争いによる国内の紛争を避けるために、先代のスルタンが亡くなると「鳥かご」の中の最年長の王子が次のスルタンとなる制度。
黒人宦官とのみ接し、「鳥かご」の中で帝王学を学ぶスルタン候補生の王子たち。
己よりも年上の異母兄がいる限り、自分にはスルタンの王座は巡ってこない。
様々な工作が裏で行われたことだろう…。
幼くして母親から、外界から隔離された王子たちの幽閉生活は、彼らに狂気という新たな素質を植え付けることになった。
トプカプ宮殿…。
そこは、スルタンの館であると共に狂気が渦巻く王宮でもあった場所…だ。
☆★☆★☆★☆★旅程 2015/5/1〜2015/5/9☆★☆★☆★☆★
□5/1 成田22:30 -TK0053-
□5/2 イスタンブール 04:40 / 09:50 -TK2026- カイセリ11:10
カッパドキア観光
□5/3 カッパドキア観光
□5/4 カッパドキア観光
□5/5 ホームステイ
□5/6 カイセリ6:00 -TK2023- イスタンブール07:25
アヤソフィア、エジプシャンバザール、リュステム・パシャ・ジャミィ、イェニ・ジャミィ、ガラタ塔、セマー
■5/7 トプカプ宮殿、ルナ・テラス、ブルーモスク、グランドバザール、ヴァレンス水道橋、シェフサーデ・ジャミィ、スレイマニエ・ジャミィ、リュステム・パシャ・ジャミィ、ボスポラス海峡クルーズ
□5/8 地下宮殿、カーリエ博物館、テオドシウスの城壁、ミフリマー・スルタン・ジャミィ、 考古学博物館
□5/9 イスタンブール 01:15 -TK0052- 成田18:30
☆★☆★☆★☆★ ファティマとアイシャの旅 旅行記☆★☆★☆★☆★
【1】日本人の知らないカッパドキアへ☆ソーアンルの岩窟修道院:
http://4travel.jp/travelogue/11010564
【2】ウフララ渓谷は赤目溪谷だった!?:
http://4travel.jp/travelogue/11012680
【3】男の村マズにある真実の地下都市とバルーン・ライド:
http://4travel.jp/travelogue/11013325
【4】時に忘れられた村;ジェミルへ:
http://4travel.jp/travelogue/11015647
【5】Forgotten Cave Churches☆ローズ・バレーをトレッキング:
http://4travel.jp/travelogue/11017310
【6】女の修業!度胸でチャレンジ♪ホームステイでお料理教室:
http://4travel.jp/travelogue/11018186
【7】スター・ウォーズの世界へ☆ギョレメパノラマをハイキング:
http://4travel.jp/travelogue/11019510
【8】貌のない天使を探して
http://4travel.jp/travelogue/11024303
【9】スルタンの秘められた世界;狂気を孕む王宮へ
http://4travel.jp/travelogue/11028013
【10】点と線を楽しむイスタンブール街歩き
http://4travel.jp/travelogue/11039360
【11】メドゥーサの微笑み☆美味い話にウラは無い!
http://4travel.jp/travelogue/11050701
【12】マリア様はSuper Girl
http://4travel.jp/travelogue/11094540
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
トルコ6日目の朝。
ホテルの展望レストランで朝食をとりながら、母と共にこの日の街歩きの作戦を練る。
イスタンブールには見所が沢山あるが、緩急をつけて観て行かないと、頭が飽和してしまう。
明日は金曜日。
イスラム教では金曜日には金曜礼拝という特別な長時間の礼拝がある。
明日はどこのモスクも混みあい、観光客の見学時間は短くなるだろう。
だから、どうしても行っておきたいモスクはこの日、木曜日に行っておかなくては…。
という訳で、この日の最初のターゲットはブルーモスクに決定。
ホテルからブルーモスクまでは歩いて10分もかからない。
(写真:ホテルの朝食会場から眺めるブルーモスク)バーキン ホテル ホテル
-
ブルーモスクへ行く途中のローマの大競技場跡には、大きなオベリスクが立っている。
このオベリスクは、もともとはエジプト・ルクソールのカルナック神殿に建立されていた記念塔で、エジプトのファラオであるトトメス三世が建てたものだ。
トトメス三世はかなり数奇な運命をたどったファラオで、継母にいじめられ、継母の死後は彼女のレリーフの顔やカルトゥーシュ(名前)を全て剥ぎ取ってしまったというお方。
トトメス三世について語りだすと、長くなってしまうのでここでやめておくが、何故、このオベリスクがここ、イスタンブールの地に建てられているのか。
実は、その理由は分かっていない。
ローマ皇帝が運ばせたものとの口承は残っているが、誰が命じて、エジプトから遥か遠いトルコまで運んできたのかは未だ明らかにはなっていないそうだ。
ただ、トルコのコンスタンチノーブル(今のイスタンブール)に運ばれてきたのは4世紀の終わりということは分かっている。
つまり、このオベリスクに描かれたヒエログリフの文字は、イスタンブールの辿った不思議な歴史をつぶさに見てきたことになる。
(このオベリスクは通称テオドシウス1世のオベリスクと呼ばれているが、それはテオドシウス1世の在位期間;379〜395年が、オベリスクがこの地に来た年代と重なるためで、確たる証拠はないということだ)テオドシウス1世のオベリスク モニュメント・記念碑
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ブルーモスクは朝陽を浴びて輝いている。
時間はまだ朝早い8時半。
団体ツアーの人達はまだ朝ご飯の時間の筈だから、ブルーモスクも空いているだろう…。
そんな甘い期待を持ち、ブルーモスクの入場口へと向かう。
入場口で母と私が見たモノ。
それは、入場を待つ観光客の長蛇の列。
ざっと数えて100人以上は並んでいる。
観光客の入場時間は8時から9時頃と云われているが、8時半過ぎのこの時間で開いていないならば、入場は多分9時近くになるだろう。
その時間まで並んで待っても良いのだが、あと30分あれば並ぶ観光客の数は倍以上に膨れ上がるだろう。
200人以上の観光客が一気にブルーモスクへとなだれ込む様子を想像し、此処は一旦退却し、朝一番の観光客が少なくなった頃、もう一度出直すことにした。
世界一美しいモスクと云われるブルーモスクの人気を舐めていた様だ。 -
ブルーモスクは後回しにして、最初の目的地はトプカプ宮殿に変更。
ブルーモスクからトプカプ宮殿までは、歩いて行ける徒歩圏内だ。
歩いて5分で、トプカプ宮殿の第1の門である皇帝の門へと向かう。皇帝の門 建造物
-
その途中で、ニャンコとワンコを見つけた。
この日は花曇りの天気だが、気温は朝からウナギ登りに上昇している。
そんな朝日を浴びて、猫は優雅にお散歩。
犬は、少しでも冷たい道に躰を押し付け朝寝。
一般的に、犬と猫では猫の方が怠惰なイメージがあるが、イスタンブールでは猫の方が元気かもしれない。 -
皇帝の門の前の小さな建物の前で、ガイドさんが何かを説明していた。
そっと聞き耳を立ててみる。
この建物はアフメット三世が建てた公共水道でアフメット三世の泉と呼ばれるもの。
イスラム教ではワフクといわれる宗教寄進財産制度が盛んで、富める者は喜んで公共事業に自分の富を費やした。
それはスルタンも商人も同じ。
イスタンブールの地下水の水質は昔からあまり良くなく、ローマ・ビザンツ時代から水道橋を用いて給水が行われていた。
この水道も、その給水施設の一つで、地域の人々の生活に役立っていたそうだ…。
しかし、外観がなんとなくコリアンっぽいと思うのは私だけだろうか。 -
皇帝の門はトプカプ宮殿の入場時間前でも、くぐることが出来る。
その上部には、オスマントルコを示すカリグラフィーとコーランの一節。
誰もコレには目を留めずに素通りしていくが、すごいと思うのだけど…。 -
時刻は9時過ぎ。
トプカプ宮殿の実質的なゲートとなる中門(挨拶の門;表敬の門)へと到着する。
トプカプ宮殿の見学は9時半からなので、30分の待ち時間がある。
10人弱の列が出来ていたのでその後ろに並び、待ち時間である30分間を利用して母と一緒に勉強タイム。
イスタンブールに関してはそれなりに本を読みこんではきたが、さすがに全てが頭に入っているわけではない。
だからトプカプ宮殿、特にハーレムに関する部分のみを重点的に読み返す。
トプカプ宮殿の中門であるこの場所。
ここは、オスマン時代には重罪人の処刑の場で、この門の右手にはその首を晒すための「警告の石」が置かれていたそうだ。
現在は、もうその石は置かれていないが、かつて処刑場であった場所で入場待ちをする…と言うのも変な気分だ。表敬の門 建造物
-
中門から中の宮殿庭園には、許されたモノしか入ることが出来なかった。
つまり、この門が実質的なトプカプ宮殿のゲートだった。
この門を馬に騎乗したまま通ることが出来たのはスルタンその人のみで、その他のどんな貴族も中門の前では下馬しなくてはならなかった。
門の内側の装飾もこんなに豪華。
ただの門なのに…という感じだ。 -
9時半、開場の時間だ。
観光客の多くは、宝物殿の方へ流れていく。
でも、母と私は宝物殿とは反対の方向へ向かう。
庭園内にはチューリップが咲いている。
実はチューリップというとオランダというイメージが定着しているが、チューリップが産まれ、様々な品種改良がおこなわれたのはトルコの地だ。(1年前に訪れた中東ヨルダンの砂漠でも原種のチューリップが砂漠の中にワイルドに生えていた)
そして、オスマン時代にはチューリップは帝国の花、皇帝の花として様々なシンボルに用いられていた。
これは、トルコについて調べるまで私も知らなかった話だ。 -
花が咲き、緑が溢れ、とても平和そうに見える庭園だが、角々に見え隠れするのは機関銃を持つ兵士の姿。
この風景を目にすると、紛争地帯に隣接する国だという意識が、再び湧き起ってくる。トプカプ宮殿 城・宮殿
-
どうやら、朝一番にハーレムへと入場するのは母と私が最初の様だ。
まだ誰もいないハーレムの中へと足を踏み入れる。
ハーレムと云うと女の園をイメージするが、ハーレムの最初の区画で私たちを待ち受けていたのは黒人宦官たちの居住区。
宦官(かんがん)、とは…説明するのが難しいのだが、去勢手術を受けた男性のことを指す単語で、オスマン時代の宦官には黒人宦官と白人宦官が存在し、ハーレムで仕事をしていたのは黒人宦官。
その彼らの住居が、この一角となる。
黒人宦官はそのほとんどがエジプトのヌビア地方の黒人奴隷で、当時のエジプト総督によりイスタンブールの地へと送り込まれてきた。
宦官になることが彼らの望みであろうとなかろうと、連れてこられたヌビア人たちは手術を施され、その手術に耐え、生き延びた者だけがハーレムで黒人宦官としての仕事を与えられた。 -
黒人宦官のハーレムでの仕事は、ハーレムに住まう女人たちのお世話と外部との通信交渉。
また、黒人宦官にも位があり黒人宦官長まで上り詰めれば、それは全ハーレムの長となることを意味し、ハーレムの全権限を掌握できた。
オスマン時代の末期には、黒人宦官長はハーレムのみならず白人宦官をも従える後宮・内宮全体の長としての力を持っていたそうだ。
写真は、黒人宦官の個室の様子。
壁には青いタイルも貼られ、それなりに装飾も施されているが、独房のような雰囲気を感じる場所だ。 -
ハーレムの本当の意味の入口であるメシュクハーネ門を潜る。
ハーレムに買われてきた女性たち。
一度この門からハーレムに足を踏み入れれば、お役御免となるまで二度と外界へは出ることが出来なかった。
唯一の例外としては、宮殿内の庭園の散歩は許されていたが、その時も女性たちの周りには、背の高い幕が張られ、外からは一切女性たちの姿を見ることが出来なくなっていたとのことだ。
日本の江戸時代の大奥のイメージだと、ハーレムの女性たちの出身は裕福な町民や貴族の娘たちと考えがちだが、オスマントルコでは違う。
彼女達は買われて、ハーレムにやって来た。
つまり、奴隷市場で女奴隷として売られていたという事だ。
奴隷市場でもその美しさで評価の高かったコーカサス地方の女性たちがハーレムの女性の中でも一番割合が多かったそうだ。 -
メシュクハーネ門の床には、玉石で模様が描かれていた。
-
ハーレムの中はところどころ修復中の場所があり、ガイドブックに書いてある地図があまり役に立たない。
ハーレムの通路も美しいタイル細工で飾られていて見所満載なのだが、そこまで紹介していると旅行記が進まなくなってしまうので、見どころのみをピックアップ。
最初の紹介はスルタンの母である母后の部屋。
水色のタイルで覆われていた部屋は一見質素なイメージだが…。 -
部屋全体として眺めると、女性らしい明るい装飾の部屋で、自由に外に出て気晴らしが出来ない母后のために壁には疑似窓が描かれ、窓の外にはマルマラ海が広がり、部屋の中に閉じ込められていても明るい気分になれる様な工夫が施されている。
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天井の円ドームには、ブドウや木の実が描かれていて、女性の住まう空間らしさが溢れている部屋だ。
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部屋に作りつけの洋服ダンスの扉も鼈甲と螺鈿細工で手が込んだものだ。
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こちらはスルタンの大広間と呼ばれる部屋で、トプカプ宮殿の中で最も華やかな部屋であり、スルタンが家族や親しい友人たちとのひと時を過ごした部屋だ。
元々あったアラビックな装飾に、更に18世紀に欧州のロココ様式の装飾が加えられている。
先ほどの母后の部屋に比べて、豪華絢爛度が倍以上な感じだ。 -
天井からシャンデリアが吊るされ、天井ドームも壁も緻密なアラベスク模様で覆われ、キラキラ度はかなりのモノ。
このスルタンの大広間にはある秘密が隠されている。
その秘密はスルタンが座る天蓋付の玉座にある。
実はこの玉座の脇には秘密の通路があり、曲者がスルタンの大広間に進入した際には、スルタンはその通路を通り外に逃げることが出来たという。
当時はその秘密の通路は鏡で隠されていたそうだ。
秘密の通路を探したかった私は、かなり念入りに玉座の周りを観察したのだが、扉のような継ぎ目は見つけることが出来なかった。
かなり念入りに偽装してあるみたいだ。 -
スルタンの大広間の前には控えの間(基本的には通路の様だが)があるのだが、そこのタイル細工がもの凄い。
この控えの間は別名“タイルの間”とも呼ばれ、イズニック・タイルに覆われた4面の壁は圧巻の光景。 -
基本は青色なのだが、ところどころで赤や黄色の色が差し色となっている。
青の色は鉱石のコバルト、黄色は花のサフラン、赤は珊瑚を原料として発色させている。 -
イチオシ
離れてみていると壁に描かれた絵画の様だが、近づいてみれば、10cm四方位のタイルを組み合わせて作られたタイル画であると分かる。
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天井の円ドームの模様も素敵だ。
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こちらはステンドグラスが色鮮やかで、採光のとても良い部屋。
アフメト三世のサロン(もしかしたらムラト三世の広間)…だと思うのだが、その真偽は自信がない。 -
部屋の中には水道の蛇口が何カ所もあり、蛇口からはパフォーマンスのためなのか水が流れ出ている。
オスマン時代は、水道は非常に貴重なモノ。
水を豊富に供給できる施設があるということは、当時は富の象徴だったに違いない。 -
水道の脇には飾り棚があり、飾り棚の中にも美しいタイルで装飾が施されている。
この飾り棚は、厨房から運ばれてきた食事を一時置きする時の棚だったそうだ。 -
白い窓枠と青のタイルが印象的なこの部屋はムラト三世の読書室。
建築家であるシナンによって手がけられた部屋で、トプカプ宮殿の中でも一番美しい部屋だ。
シナン(スィナン)はモスクを作らせたらその右に出る者はいないとされるオスマン時代の建築家で、現在の細い尖塔を持つモスクの姿はシナンの手によりデザイン化され、建築されたのが始まりと云われている。 -
イチオシ
青い窓が印象的な部屋。
説明書きには王子たちの勉強室と書いてあった。
将来、偉大なるスルタンになるために、王子たちが帝王教育を学ぶための部屋。
ステンドグラスも部屋の雰囲気もとっても素敵なのに、なんだか心がざわつくのは何故だろう。 -
その理由は、この部屋が鳥籠と呼ばれる牢獄だったから。
要らぬ跡目争いを避けるために考案されたスルタンの年功序列制。
自分がスルタンになるためには、自分よりも年齢が上の異母兄たちに長生きされては困る…。
様々な工作が行われたことだろう…。
この一角の区域に幽閉された王子たち。
スルタンという栄光の座を手にする前に、正気を失ってしまう王子たちの数は多かったそうだ。ハレム 博物館・美術館・ギャラリー
-
壁に埋め込まれた象嵌と螺鈿細工の調度。
その調度の素晴らしさが、かえって当時の王子の生活の様子を想像させ、心が苦しくなる。 -
ハーレムを外から眺める。
建物の窓枠には星形の針金で美しい模様が描かれている。
様々な青を使い描かれたタイル張りの外壁も美しい。
でも、これは王子たちを幽閉していた鳥籠の外壁。
美しい窓枠の模様も外部との接触を妨げ、逃亡を防止するためのもの。
美しいハーレムに隠された陰の部分;鳥籠。
歴史の裏側に存在する真実。
一見、豪華絢爛に見えるオスマン朝のハーレムだが、その内には狂気を孕んでいたのだろう。 -
此処へ来る前は、美しいタイルが織りなすハーレムを見て、満足するかと思っていたのだが、そんなことは無い。
旅の前に本で読んだハーレムでの生活が、空想物語ではなく、ここで実際にあったのだ。
今は主もなく、ただのガランとしているハーレムの部屋だが、部屋を飾る美しいタイルに染みついているかのような女性たちのざわめきと衣擦れの音が耳の中に鳴り響く。
そして、王子たちが過ごした狂気の部屋;鳥籠…。
なんだか、自分までその世界に取り込まれてしまいそうな気分になった。
だから、外の風を浴び、今のイスタンブールの景色を見て、太陽の光を受けて、心を現実へと呼び戻す。
トプカプ宮殿の庭から眺める新市街の町並み。
なんだが、現代に呼び戻されたみたいでちょっぴりほっとした。ガラタ塔 建造物
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トプカプ宮殿にはまだまだ見所がある。
様々な地域産の大理石の列柱が並ぶ建物は、内廷と呼ばれる白人宦官とルタンに仕える小姓たちの仕事の場だった場所。
現在はこの場所には、宝物館があり、スルタンの秘宝と云われる金銀財宝が山ほど展示してある。
金銀財宝に興味がない…と言えば嘘になるが、ハーレムの煌びやかさと物言わぬ重い空気に圧倒された母と私は、とても宝物殿なんて見る気にはなれなかった。
だから、宝物殿はパス。
見たくなったら、またここへやってくればいいだけだ。宝物館 博物館・美術館・ギャラリー
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両肩にハーレムの亡霊を載せた様な気分のまま、トプカプ宮殿を出て、歩き出す。
そして、次に母と私がいたのは、ある建物の屋上。
マルマラ海が目の前に広がる場所だ。
実は、トプカプ宮殿を出たところで、日本語を話すトルコ人のオジサマに声をかけられた。
日本語を話すトルコ人には要注意!と思っていた私達。
オジサンにはそっけない返事を返したのだが、実はこの方は正真正銘の日本語ガイドさんで、会議の通訳兼エクスカーションの御守りとして、今日は添乗しているとのこと。
この時間はフリータイムで暇だったので、如何にも詐欺師のカモになりそうな日本人の母娘を見かけ、心配して声をかけてくれたのだった。
オジサンは私たちに、女性が近づかない方が良い地名を教えてくれ、そしてとっておきのカフェの場所も教えてくれた。
それが、眼下にイスタンブール歴史地域を見下ろすこの屋上カフェだ。イスタンブール歴史地区 旧市街・古い町並み
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イチオシ
屋上カフェから見えるのは、ブルーモスク。
目の前にブルーモスクがどど〜んとそびえる。
オジサンに教えてもらわなかったら、こんな素敵な景色を見ることのできるカフェの存在は知ることは無かっただろう。スルタン アフメト モスク 寺院・教会
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そして、反対側にはアヤソフィアの姿。
カフェはアヤソフィアとブルーモスクのちょうど中間地点ぐらいにあり、眺めの良いテーブル席に座り、二つの見所をお茶を飲みながらじっくりと楽しめる。
店員さんの雰囲気も良かったので、なおさら好印象なカフェだった。アヤソフィア 寺院・教会
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マルマラ海、アヤソフィア、ブルーモスクの3か所を一度に楽しめるこのカフェの名前はEN LA LUNA TERRACE。
SEVEN HILLS HOTELの屋上にあるカフェ・バーだ。
折角なので、親切なガイドのオジサンが教えてくれたイスタンブールの危険個所を挙げておく。(主に女性向けの情報で、特に暗くなってから女性が近づかない方が良い場所)
・新市街のタクシム広場周辺(ひったくり等が多い)
・新市街のガラタ塔の裏通り(歓楽街)
・アジア側のユスキュダルの木造建築街(治安が悪い)
・金閣湾沿い
・テオドシウスの城壁沿いの住宅街(住民の柄があまり良くない;危険を感じた時に逃げ道がない)
また、アヤソフィアやブルーモスク周辺は、夜も治安は問題ないが、たちの悪い客引きが多いので、徹底的に無視するようにという事だ。セブン ヒルズ ホテル ホテル
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SEVEN HILLS HOTELの場所を説明するのは難しいのだが、ブルーモスクとアヤソフィアを結ぶ海側の道であるカバサカル通りから1本入ったところにある。
写真のクリーム色のビクトリア朝っぽい建物がSEVEN HILLS HOTELだ。 -
心地よい海風を浴びながらお茶をして、ハーレムの亡霊から解き放たれた私たちが次に向かったのは、ブルーモスクことスルタン・アフメット・モスク。
この日の朝8時半に見たような長蛇の列はさすがに解消されているが、それでも多くの方が並んでいる。 -
ブルーモスクは宗教施設なので、男性でも女性でも露出部の多い服装をしている人は、そのむき出しの部分を、モスクが貸し出している青い布で覆ってからでなければ入場は出来ない。
青い布は女性が髪の毛を隠すためだけに使うのかと思っていたら、男性用の巻きスカートにもなっていた。
この貸出し用の青い布だが、男性貸出し用、女性貸出し用と分かれているのかどうかは分からないので、その使用用途が気になる場合は髪の毛を包む大判のスカーフかストールは持参する方がお勧めだ。 -
多くの観光客が並んでいるとはいえ、実際に入場までにかかった待ち時間は10分位。
人気のモスクなのでもっと長時間並ぶことを覚悟したのだが、わりとすんなりと中に入ることができた。
ブルーモスクという名は通称で、正式名称はスルタンアフメット・ジャミィと云う。
スルタンアフメット・ジャミィはアフメット(一世)王により建築された建物で、建築年は1616年だ。
ちょうど、その頃の日本ではキリスト教の禁教令が江戸幕府によりだされ、鎖国と云う名の閉じられた文化が始まろうとしていた頃。
その頃のアジアの西端のトルコで、こんな素敵なモスクの建築ブームが始まっていただなんて、極楽浄土に行ってしまった家康さんだって想像しなかっただろう。 -
6本の尖塔と丸いドームを持つブルーモスクはその外観も美しいが、モスクに入り、室内から見上げるその色使いは、他のモスクとは一線を画す色合いだ。
天井のドームは丸い中央ドームと半円の副ドーム、そしてその周りを小ドームが囲む構造となっている。
様々な形のドームが連なる天井空間は芸術的にもとても素敵なのだが、この小さなドームたちは中央ドームを引き立てるための脇役ではなく、ちゃんと役割を持っている。
それは、縁の下の力持ち的なお仕事。
装飾的な飾りに見える小さなドームたちだが、彼らは、中央ドームの頂点に力が集中しない様に力を分散する役割を果たしている。
そして、写真の中の大きな大理石の柱。
これは、小ドームたちが集めた屋根を支える力のつっかえ棒で、通称“象の足”と呼ばれる直径5mの柱だ。
ブルーモスク内には、太い象の足が4本、建てられている。 -
ブルーモスクの中心部の天井には、ひときわ細やかな装飾の中央ドーム。
コーランの一節が描かれているドームの模様は、イスラムの信者でなくとも感動してしまう程美しい。 -
イチオシ
そして、縁の下の力持ちの半円ドームと、その下に輝くステンドグラスから差し込む光。
ステンドグラス越しの柔らかな光がモスク内を照らしだしている。
モスクの中って、こんなに光が溢れる場所だったんだ!スルタン アフメト モスク 寺院・教会
-
モスクの中では観光客が入ることのできるエリアは決められていて、柵で区切られている。
その柵の近くまで行き、少しだけ腰を下ろして、ゆっくりと天井を見上げる。
アラベスク模様がこんなに綺麗だったなんて…。
知らなかった…。 -
スルタンアフメット・ジャミィがブルーモスクと呼ばれる理由。
それは、ブルーモスクの中にふんだんに使われているイズニック・タイルの装飾のため。
イズニック・タイルとはトルコのイズニック地方で作られる手書きのタイルのことで、コバルトブルーの顔料で描かれたその模様が有名だ。
イズニック地方でとれる透明感のある白い粘土から作られるタイルは、歴代のスルタンに愛され、モスクにも多く使われている。
特に白磁に描かれた青色をベースとする植物模様が有名で、その青色の美しさから、このモスクがブルーモスクと呼ばれるようになった。
400年も前のイズニック・タイルは、ところどころひび割れ修復の跡が見られるが、それでもなお、美しい。 -
そして、壁に描かれた模様からも目が離せない。
同じモチーフを繰り返し描いているだけなのだが、色味を押さえた図柄なのにその存在感の大きさを感じる。
描かれているのは、トルコの花々や植物。
オスマントルコというとトルコ行進曲の様に勇ましいイメージがついて回るが、実は植物を愛する繊細な文化だったのかもしれない。 -
床に目を移すと、絨毯の模様もトルコを代表するチューリップなどの植物。
旅の前のイメージとはまた異なるトルコの新しい一面だ。 -
モスク正面のステンドグラスは、観光客が入れるエリアからは遠く、その模様の詳細までは見ることが出来ない。
でも、その雰囲気は、なんとなく仏教芸術と似ているところがあるような気がする。 -
モスクの中では、明るい色彩の色合いに目を奪われがちだが、日光が差し込む方向とは反対側の壁面。
そこの色彩もまた、心が落ち着く美しさだ。 -
青を基調としたステンドグラスには、植物をモチーフとした柄が描かれている。
-
イチオシ
こちらのステンドグラスも植物柄なのだが、先ほどとはまた異なる雰囲気だ。
イスラム教では1日5回の礼拝を行い、金曜日の礼拝時には家族でモスクに行き礼拝する…とされている。
きっと子供たちは、週に1回は美しいモスクの中でお祈りをし、美術の感性が自然と養われていくのだろう。
イスラム教というだけで、怖い・恐ろしい・危ない…と言うイメージが先行するが、実際はそんなことは無いのだろう。
こんなに美しい芸術作品のようなモスクの中で、心を無にして祈るという行為。
その中から、無差別殺戮や遺跡破壊なんていう考えが沸き起こってくるはずはない。 -
でもね…。
イスラムの教えの中には、私には受け入れがたい部分もある。
それは、この写真の木の格子の中で覆われた小部屋。
イスラム教では、美しいモスクの中央でメッカに向かいお祈りが出来るのは男性だけと定められている。
女性は…というと、モスクの隅っこの小さな部屋に女性専用のお祈り部屋が設けられ、その中からしか祈りには参加できない。 -
各国からの老若男女の旅行者たちが、観光客エリアからモスクの美しい装飾を眺めることができるのに、なぜイスラム教を信仰する彼女たちは、格子の中、鳥籠の中に閉じ込められていなければならないのだろう…。
モスクの美しさに感動した心の片隅に、突き刺さる小さな棘。
文化の違い…という一言で片づけることのできない何かがある…と思う。 -
トプカプ宮殿とブルーモスク。
とても素敵な場所だったが、色々と考えさせられる場所でもあった。
時刻はまだ11時台だが、朝からフルスロットで歩き回っている母と私は、お腹が空いてきた。
イスタンブールの街を歩きながら、街角でゴマパンのスィミットを買って、おやつタイム。 -
トラム通りを歩いて、次の目的地へと向かう。
-
イチオシ
次なる目的地はイスタンブールで最大の市場であるグランド・バザール。
5000軒もの店舗がひしめくラビリンス。
まるで、光の洪水の中へ飛び込んだかの様な世界が広がっていた。
アラビアンナイトのお話の続きは、また次の旅行記で…。
前の旅行記【8】貌のない天使を探して:
http://4travel.jp/travelogue/11024303
次の旅行記【10】点と線を楽しむイスタンブール街歩き
http://4travel.jp/travelogue/11039360グランド バザール 市場
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この旅行記へのコメント (13)
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- tomohumi syzukiさん 2015/07/31 13:02:39
- 共和国記念日2
- トルコに着いた日と共和国記念日にイスタンブールの街歩きをしました
-
- Mieさん 2015/07/12 09:52:29
- なるほど♪
- ウェンディさん、こんにちは
見どころの多いイスタンブール。
見たいものを絞り、じっくり堪能されてきたのですね
トプカプ宮殿は、たしかに予備知識ないと、「綺麗だった」という感想で終わってしまいそうですよね。もちろん綺麗なのだし、それでもいいのでしょうが、せっかくなら「物語」を感じながら歩きたいですね。
オーディオガイド、実は一度も借りたことがなかったので
次回またイスタンブールに再訪する際は借りてみたいなと思いました。
私も70台の母といっしょに旅行したいなぁ(^_-)
そういう想いからもウェンディさんの旅行記楽しく読ませてもらってます。
では。
- ウェンディさん からの返信 2015/07/20 11:09:12
- RE: なるほど♪
- Mieさん こんにちは。
Mieさんの旅行記を旅の前に拝見し、イスタンブールの中で行きたいところが一気に増えてしまった私達。
エディルネもその一つでした。
天気が良ければ…と考えていましたが、3日間の滞在期間中1日が雨で結局行けなく、次こそは…と思っています。
そして、昔の隊商宿があったValide Hanも行きたかった場所の一つでした。
すぐ近くまで行きHanの昔の建物の外周までは行けたのですが、中へ入る入口が見つからず、ギブアップ。
Mieさん、よくみつけられましたね〜。
私も母もイスタンブールの魅力に取りつかれています。
日本からはそんなに遠くないので、近いうちに再訪したいな〜と考えています。
母を連れての旅は、あまり冒険的なことは出来ないですが、でも楽しいですね。
Mieさんも是非、母娘旅にチャレンジしてみてくださいね。
今まで見えて居なかった母親の別の面が見えてきて、へぇ〜なんて思う事もしばしばでした。
昨日、夏旅のスペインから帰国したばかりで、暫くの間、旅行記はトルコとスペインを交互に入れていくつもりです。
イスタンブール編もまだまだ続くので、お時間のある時に遊びに来ていただけたら、嬉しいです。
ウェンディ
-
- こあひるさん 2015/07/05 12:27:45
- ハーレムの真実
- ウェンディさん、こんにちは。
今回もまた・・・王宮に隠されたお話に・・・とっても興味を惹かれました。
今まであまり考えたこともなかったハーレムですが、宦官たちがいて・・・ハーレムに閉じ込められた女性たち・・・そして、鳥籠の中の王子たち・・・。そんなところだとは想像したことがなかったです。
ハーレムの女性たちも、奴隷市場で買われてきた者たちだったんですねぇ。
子どもを産んでも産まなくても・・・閉じ込められた生活は変わらず・・・産んだ子供たちも、閉じ込められ見張られ、駆け引きの中で暮らす・・・。抜け出しようがないようで苦しくなってきますね。
跡継ぎが決まって、王位を誰かが継承して、その王の子供が出来たら、ほかの王子たちは鳥籠から解放されたのでしょうか・・・?
こあひる
- ウェンディさん からの返信 2015/07/05 22:11:22
- RE: ハーレムの真実
- こあひるさん こんばんは。
ハーレムの鳥籠の中の王子たちですが、王位継承権が変更になった場合ですが、私が探した書物には記述がなかったのです。
多分ですが、どんなに順位が下がってもスルタンにつながる血を引いているので、外に出してしまったらどんな悪巧みに巻き込まれ帝国に禍を引き寄せる可能性があるので、一生、鳥籠の中だったのでは無いかと思います。
一方、スルタンの母君や妃たち女性陣ですが、スルタンが替ると、ハーレムを追い出され、トプカプとは異なる旧宮殿に追いやられてしまったそうです。
でも、彼女たちにしてみれば、そこからが本当の自由な時。
豪華な生活はできなくとも、自由を謳歌したのでしょうね。
ハーレムは豪華絢爛でしたが、建物やタイルに染みついている何か得体のしれないモノ…。
そんなものを感じてしまいました。
ウェンディ
-
- pedaruさん 2015/07/05 06:49:03
- トプカプ宮殿
- ウェンディさん お早うございます。
素晴らしいトルコ旅行記を拝見しました。以前行ったpedaruのトルコ旅行も
ウェンディさんの旅行記を見ていたら、もっと深い旅行になったと思います。
もっとも、時間差はどうにもなりませんが・・・
行く前に充分知識を身につけて行くべきなのは正論ですが、それが逆なのが
私の常です。
改めてトプカプ宮殿の詳しい説明を読んで感心しています。ウェンディさんの旅行記は抜きん出て素晴らしいものと認識を新たにしました。
pedaru
- ウェンディさん からの返信 2015/07/05 20:23:03
- RE: トプカプ宮殿
- pedaruさん こんばんは。
旅の前には、pedaruさんの旅行記にも何回かお邪魔し、プランニングの参考にさせていただいていました。
今更ですが、ありがとうございます。
トルコに行く前は、カッパドキア、エフェス遺跡、パムッカレにアンタルヤ…と行きたいところが沢山あったのですが、いざ調べ始めてみたら各々の場所はそこそこ距離も離れているし、何より1日いた位では満足できそうにもないくらい興味深いモノが沢山あるところで、今回の旅ではカッパドキアとイスタンブールの2か所に絞り込んで旅のプランを組みました。
2か所に絞り込んだおかげで、図書館の文献検索もそんなに手を広げずに済み、トルコ、イスタンブールに歴史を掛け合わせた単語で検索した書物を片っ端から読んで(半分は眺めて)旅の情報取集に励みましたが、トルコの歴史は難しいですね。
キリスト教時代にも東ローマや西ローマがあったり、その後のイスラム教徒のキリスト教徒の攻防戦、そして、十字軍…との戦い。
本によって書き手の立ち位置がキリスト教派だったりイスラム教派だったりして、最初は歴史の流れを掴むのに苦労しました。
数多く読んだ割には最終的に自分で購入した本は4冊だけでしたが、人間の歴史は、興味深いですね。
調べだす前は、ハーレムは王様用の女の園位にしか考えていませんでしたが、実際はもっと昏くドロドロとした世界。
そして、勇ましく怖いイメージのあったオスマントルコのスルタンの中には、お花好きの女たらし…がいたとか…。
旅の後に他の方の旅行記を拝見して、なるほど…と思う事もあります。
旅は一粒で三度(旅の前、最中、後)美味しい、アーモンドグリコみたいな存在です。
-
- konomiさん 2015/07/04 14:23:40
- 素晴らしいですね!
- ぜひ一度行きたいと思っている場所です。
美しいですね。それにその歴史も面白いし。
以前フランスの映画で、ハレムが廃されたのちの側室たちの人生を描いたものを見たことがあります。
何の保証もなく放り出されたそうですが、ヨーロッパ出身の側室が頭になって、「オスマン帝国のハレム」と題したダンスなどの興行ををして生活をしたのだそうです。
このブログを拝見して、いろいろなことを思い出しました。
また、お邪魔しますね。
- ウェンディさん からの返信 2015/07/04 16:59:33
- RE: 素晴らしいですね!
- konomiさん こんにちは。
ハレムが廃止された後、ハレムの女性たちは何の保証もなくイスタンブールの街角に追いやられた…。私が読んだ本にもそのように書いてありました。
奴隷市場から連れてこられ、無理やりスルタンの妾とさせられ、そして必要が無くなったら捨てられる…ではあまりにひどいと思いますが、女性はやっぱり強いのですよね。
彼女たちが考え出した生活の糧を稼ぐ方法は、宮廷で学んだ舞踏を披露するショー。
幸いにもハレムの女性の多くは外国の出身者が多くイスラムの戒律に囚われなかった。
だから、後宮で身に着けた色気を生かす服装もお手の物。
ハレムの女性たちの舞踊はイスタンブールで大好評の興業となったそうです。
ハレムの単語は、彼女達が後宮から自由になってから、彼女たちの手により、禁断の場所という意味に加えて、女の楽園的な意味が加えられたそうです。
ウェンディ
-
- 備前屋ねこさん 2015/07/03 21:06:21
- 美しい・・・(*´Д`)
- ウェンディさん、こんばんは♪
モスクの装飾が美しい・・・ため息が出ちゃいそうです。
シンメトリカルな模様のタイルやステンドグラス。
ウェンディさんに同じくイスラムは私も受け入れがたい部分はあるものの、それでもイスラムの建築や装飾はとっても魅力的で大好きです。
目の前にブルーモスクがどどーんと見えるカフェ。
いいお店を教えてもらいましたね♪
女性に危険な場所まで教えてくれるとは親切な人ですね。
旅先でいきなり日本語で話しかけられたら最初は「絶対何か目的がある!」と思って警戒しちゃいますよね。
最後の写真はグランドバザールで売られているランプ達かな?
こんなのを見てしまうとランプを買いにトルコに行きたくなってしまいます。
素敵なランプがいっぱい!!
明日から私もちょっと旅に出てきます♪
また帰ったら続きを読ませて下さいね♪
備前屋ねこ
- ウェンディさん からの返信 2015/07/03 23:29:31
- RE: 美しい・・・(*´Д`)
- 備前屋さん こんばんは。
イスラムのアラベスク模様は、ホントに息をすることを忘れてしまいそうになるほど美しいですね。
あの模様を生み出したイスラムという文化。
貴重な遺跡に地雷を仕掛け、有翼ライオンの像を破壊しているどこぞの組織と同じ流れをくむ宗教だとは考えられません。
グランドバザールはその昔は庶民の市場でしたが、そのショバ代の高さから、現在は観光客相手の市場となっていましたが、それでもオスマントルコ時代の建物の名残が残り、史跡としても十分に興味深いところでしたよ。
色とりどりのランプが飾られた空間は、モロッコのランプ市場とはまた異なる雰囲気で、アラビアンナイトな世界でした。
次のイスタンブール旅行記で市場の様子を紹介しますね。
備前屋さんは、明日から旅立ちとのこと。
今度は何処へ行くのでしょうか。
体調に気を付けて、楽しんできてくださいね〜。
ウェンディ
-
- きなこさん 2015/07/03 12:58:57
- 素晴らしいモスク
- ブルーモスクのタイルは本当に素晴らしいですよね
首が怠くなるほど見上げていました
旅行記の最後に「アラビアンライトのお話は・・・」とあり気付いたんです
小さい頃枕元で読んで貰ったお話の中で一番好きだったのがアラビアンライトのアリババのお話でした。
だからかなぁ〜何故か心惹かれます
もう直ぐですね、楽しんで来て下さい
きなこ
- ウェンディさん からの返信 2015/07/03 22:41:01
- RE: 素晴らしいモスク
- きなこさん こんばんは。
スペイン旅が近づいている中、未だにイスタンブールの旅行記を書いています。
次の旅までに書き終えるかな?なんて甘く考えていたら、書きたいことがありすぎて、あっという間に9冊目。
今までの旅行記の中で最長シリーズとなりそうです。
ブルーモスク、さすが、世界一美しいモスクと云われることもあり、圧巻でしたね。
ブルーモスクと云う名から、全体が青っぽいのかと思っていましたが、どちらかというとピンク色ですね。
でも、イズニックタイルの青が多い部分は、本当に蒼の世界。
素敵なところでした。
できれば、朝早く、日の出の時間の頃のブルーモスクをモスクの中から見てみたかったです。
千夜一夜物語は私も大好き。
中でも、アリババやシンドバッドの冒険シリーズは、子供にはもうワクワクしっぱなしのお話で、私も幼かった頃に絵本で何回も読んでもらった覚えがあります。
その時に覚えた【開けゴマ!】。
この言葉は私にとって魔法の言葉。
行き詰った時に、この言葉を心の中で唱えると、解決策が浮かんでくることもあります。
ウェンディ
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