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鳥籠に隠された真実~狂気が渦巻く王宮~

  • 5.0
  • 旅行時期:2015/05(約11年前)
ウェンディさん

by ウェンディさん(女性)

イスタンブール クチコミ:47件

オスマントルコの贅を尽くして建てられたトプカプ宮殿。
そこには、各地から集められた大理石の柱が並び、緑あふれる庭園が広がる空間が広がり、庭では、大きな孔雀が羽を広げている。
何処を見ても豪華絢爛で美しい宮殿なのだが、何かが足りない。

宮殿に足りないものは女性の姿。
王宮であるのに、女性の姿・形、その笑い声すら聞こえてこない。
宮殿内で女性たちが生活をするのはハレムと呼ばれる区域。
そこは、スルタンと黒人宦官のみしか足を踏み入れることのできない禁じられた場所だ。

ハレムに住まう女性たち。
彼女達がハレムで生き抜くための道はただ一つ。
たった一人のオトコであるスルタンの寵愛を得ること。
スルタンに一夜召されるという幸運を得るために、女性たちはその色香を競い合った。

王の愛を得、彼の息子を産んだ女性だけが手にすることができる妃の称号。
しかし、その称号と引き換えに彼女たちにもたらされる代償は、狂気。

妃が産む次世代のスルタン候補生である王子たち。
王子たちの未来に待つのは、スルタンという輝かしい椅子。
だが、正気を保ったままその座へとたどり着けた子供の数は非常に少なかった。

妃となった女性が産んだ男の子ども達。
彼等は乳離れをするとすぐに後宮の中にある「鳥かご」と呼ばれる区域に幽閉された。
要らぬ跡目争いによる国内の紛争を避けるために、先代のスルタンが亡くなると「鳥かご」の中の最年長の王子が次のスルタンとなる制度。

黒人宦官とのみ接し、「鳥かご」の中で帝王学を学ぶスルタン候補生の王子たち。
己よりも年上の異母兄がいる限り、自分にはスルタンの王座は巡ってこない。
様々な工作が裏で行われたことだろう…。
幼くして母親から、外界から隔離された王子たちの幽閉生活は、彼らに狂気という新たな素質を植え付けることになった。

トプカプ宮殿に存在したハレムという特異的な空間。
そこは、スルタンの家族の館であると共に狂気が渦巻く王宮でもあった場所…だ。

施設の満足度

5.0

利用した際の同行者:
友人
観光の所要時間:
1-2時間
アクセス:
5.0
アヤソフィアやブルーモスクと徒歩圏内
コストパフォーマンス:
4.0
ミュージアムパスが待ち時間もないのでお勧め
人混みの少なさ:
2.5
かなり混むので朝イチがよい
展示内容:
5.0
見学して損はなし!

クチコミ投稿日:2015/07/09

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