2025/10/24 - 2025/10/24
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たのちゃんさん
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仙岩峠(せんがんとうげ)は岩手県雫石町と秋田県仙北市にまたがる峠です。
明治維新三傑の1人、大久保利通により命名されたそうです。
峠名の「仙岩」は当時の仙北郡、岩手郡の頭文字をとっています。
(最下段に参考用地図あり)
岩手県と秋田県の県境にあたり、奥羽山脈を横切っていて、JRの田沢湖線(秋田新幹線)と国道46号線が峠越えをしている。
しかし、あと15年後には新しいルートが出来、峠越えは見られなくなるかもしれない。
この区間は秋田新幹線の車両は1日18往復以上運転されていますが、仙岩越えをする田沢湖線の普通列車はわずか4往復のみです。
さらに晩秋の日の短い時期は、日中の明るい時間帯に走るのは1往復のみです
この数少ない普通列車に乗って、峠の様子を撮影してきました。
写真:仙岩峠サミットにある、田沢湖線仙岩トンネル。3915m
この区間に新たに15キロのトンネルを掘り、峠越えをやめる計画が進行しています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
田沢湖線は1922年に軽便鉄道として開通したローカル線で、東京ー秋田のミニ新幹線計画により電化・改軌され秋田新幹線として1997年に開業しました。
しかし、線形はSLの走る明治時代のままでカーブと急こう配が多く、他の区間が130キロまで出せるのに対し、赤渕ー田沢湖間の仙岩越え区間では55~90キロの速度制限区間が続きます。
全線が単線のままです。
写真:志度内信号所(秋田県側)で交換する「こまち」
*新幹線とは200キロ以上で走行する路線という定義なので、田沢湖線区間は、「新幹線の車両が走る在来線」という位置付けです。
田沢湖線区間のみ乗る場合には「在来線の特急料金」が適用されます。 -
田沢湖線の赤渕~田沢湖間は北海道を除いては駅間距離が一番長く、18.1キロもある。1駅で田沢湖~角館の距離よりも長い。
この間で仙岩越えを行い、途中 大地沢信号場、志度内信号場の2つがあり交換に使われている。
大曲方面<ーー〇ーー●ー)- - - - - -(ー●ーー〇ーー> 盛岡方面
【秋田県】 田沢湖 ↓ 仙岩トンネル ↓ 赤渕 【岩手県】
志度内信号場 大地沢信号場 -
田沢湖駅は何とも不思議な駅名標で、田沢湖線と秋田新幹線が別の線のように書かれています。
しかし、実際の線路は1本で同じ線路を走っています。 -
岩手県側、赤渕駅の時刻表
仙岩越えの田沢湖方面は1日4本しかなく、5:51分の次は9時間後の15:01まで間が開くというトンデモダイヤ。。奥羽本線の板谷越え以上です。
反対方向の盛岡方面は7本あります。 -
続いて秋田県側の田沢湖駅の時刻表です。
仙岩越えの赤渕方面は、やはり1日4本のみで朝7:41のつぎは15:53と8時間開く。
しかし、赤文字は秋田新幹線でほぼ1時間に1本の運転であるが、早朝の6、7時台には無い。 -
では田沢湖発15:53の普通列車840Mで仙岩越えをしてみましょう。
大曲発盛岡行き、なんと最終列車の1本前です。 -
701系秋田色の2両編成で、軌間を新幹線と同じ標準軌に改造した5000番台の車両です。車内はローカル仕様のセミクロスシートでトイレもあります。
⇒運転時刻は最下段にスタフ掲載田沢湖駅 駅
-
田沢湖を発車すると、わずか3分で民家は途絶え野獣しかいそうもない山間に分け入ってゆきます。
ずっとゆるい登り坂が続いてゆきます。峠に向かって130m登坂します。
昔はSLだったので、そんなに急こう配には出来なかったのでしょう。
秋田新幹線の開業時に田沢湖線は電化されていますが、ずっと単線のままです。 -
左上には国道46号線の桂巣橋が見える。線路よりも90m高いところにある。
この辺までは田沢湖線と並行しているが、これから先国道46号は大きく北回りとなり1975年に開通した延長2544mの仙岩トンネルを抜け竜川に沿って赤渕に至る。
道路トンネルは田沢湖線の3915mよりは短い。 -
仙岩峠ライブカメラより。
第二生保内川橋梁を渡るE6系こまち。(田沢湖ー志度内信号場間) -
この位置を車窓から見上げると、「仙岩峠の茶屋」が見えました。
絶景とおでんが有名です。
上の写真は恐らくここから撮られたのでしょう。仙岩峠の茶屋 グルメ・レストラン
-
車窓には生保内川の渓谷美が続きますが、厳しい自然環境にも晒されています。
第四生保内川橋梁から見た砂防ダム。 -
山間いの渓谷は突風が吹くこともあるため、風速計と落石検知器が設けられ、風規制の標識があります。(左のS標識)
瞬間最大風速20mで徐行、25mで運転見合わせになります。
風光明媚な区間は鉄道にも過酷な条件となります。 -
第二生保内川(おぼないがわ)橋梁を渡ると、最初の相沢山トンネルが見えてきます。
田沢湖線には、赤渕ー田沢湖間には15のトンネル、田沢湖ー刺巻間には2つのトンネルがあります。
赤渕から
1.第一岩沢T 54.1m
2.第二岩沢T 131.1m
3.松倉T 41.6m
4.炭焼T 58.8m
5.大坪山T 45.6m
6.高倉T 640.6m
7.大地沢T 204,6m
8.第一船越T 102.6m
9.第二船越T 101.6m
(大地沢信号場)
10.仙岩T 3915m
11.第二志度内T 937.5m
12.第一志度内T 170.9m
(志度内信号場)
13.下木取T 72.3m
14.堀木T 78.4m
15.相沢山T 500m
(田沢湖)
16.第一刺巻T 150m
17.第二刺巻T 180m
(刺巻)
刺巻から先、秋田まではトンネルはありません。平坦地です。 -
このように短いトンネルが数多く点々とあり、くねくねと山肌を縫うように進むのが明治・大正期に開通した路線の特徴です。
-
第三生保内川橋梁の普通列車
-
これは2月に撮影。
雪の第二刺巻トンネル(田沢湖ー刺巻)
冬季はかなりの積雪です。 -
生保内川を渡るE6系上りこまち。(田沢湖ー志度内信号場間 下木取橋梁)
6月に撮影
このすぐ先にある志度内信号場で停車して下りこまちと交換するので、黄色信号でゆっくり走っている。
これらの橋が老朽化していることも、新仙岩ルート付け替え計画の理由の1つ。 -
上の写真と同じ場所、下木取橋梁。
この先スノーシェルターを抜けると、志度内信号場が見えてきます。
この列車は信号場で交換があるため場内信号は「注意」です。 -
田沢湖ー赤渕間には仙岩トンネルを挟んで2つの信号場(交換施設)が設けられています。
秋田県側の「志度内信号場」です。
こちらで下り「こまち25号」と交換します -
通過側が減速しなくて良いよう、1線スルー型の配線です。
シェルターの向こうから対向列車がやってきました。
退避列車は待避線で止まり、通過列車は直線側を通過します。 -
写真は2026年1月の、志度内信号場
ここは秋田県有数の豪雪地で、除雪が間に合わず運休となることがが度々あります。
これも新仙岩トンネル掘削を必要とされる理由になっています。 -
シェルターを抜け、シトナイ沢橋梁手前のあたりがR100の最急カーブになっていて
普通列車50キロ、新幹線60キロの制限がかかっていました。
これではスピードアップ出来ないわけです。 -
志度内信号場を発車すると、間もなく現在の分水嶺、仙岩トンネル3915mにやってきました。ここの標高は375m地点。
昔に建設された峠越え路線なので、130m登って頂上付近であまり長くない分水嶺のトンネルを通り、抜けるとまた赤渕まで120m標高を下げて行きます。 -
仙岩トンネル内では直線が4キロくらい続くので、それまで60~70キロでトロトロ走っていたのがいきなり108キロくらいまで加速した後に惰行。
普通列車の最高速度は110キロ。新幹線は130キロです。 -
仙岩トンネルを岩手側に抜けます。
出口にある場内信号は注意、中継信号は横一の停止現示なので間もなく停車します。 -
岩手県側の「大地沢信号場」が見えてきました。
ここも山間の秘境にある交換施設で国道からは遠くはなれています。
このあたり付近に道路は全くなく、鉄道以外では近寄れない場所です。
もし駅に昇格したら秘境駅なわけですが、乗客は熊、猪、猿だけだったりして。
乗務員用の簡易ホームだけあります。
この辺は豪雪地帯なので、前後のポイントはスノーシエルターの中です。
左の側線に入り停車します。出発信号は赤です。 -
停止位置目標がたくさんあります。
「Z」はE6系新幹線。(新こまち車両)
「秋」はE3系新幹線。(旧こまち車両)
「4」「2」は普通列車4両または2両。
今回ここでは交換はなく、信号が青になったら発車します。(カラ退避)
連休繁忙期等で臨時列車(こまち289号)の運転があるときはここで交換します。 -
この区間の運行状況を理解するために、盛岡ー田沢湖のダイヤグラムです。
(クリックで拡大されます)
赤線が新幹線、黒線が各駅停車で臨時列車が全部運転された状態です。
盛岡ー雫石間は普通列車は多いけど、その先は急に少なくなっています。
黄色のマークの所が2つの信号場で、殆どがどちらかで交換しています。
*写真は「信号場応援団」ページからお借りしています。
出典:https://yonkaku.com/sss/sss3tohok.html -
岩手県側の志戸前川を何度も縫うように渡ります。
この先、急カーブなので新幹線65キロ、普通列車60キロの速度制限です。
写真を見ても、とても新幹線が走る線路とは思えませんんね。 -
ゆるい下り坂が長く続きます。
速度超過しないよう発電ブレーキを弱く当てながら下ってゆきます。
ここでは新幹線は100キロ、普通電車は85キロの制限速度です。
このように速度制限箇所が数多くあるので、「秋田新幹線は遅い」と言われています。
線路の砂利が新しいのは、土砂崩れを復旧した直後だからです。 -
雨規制の解除標識も見えます。
降雨レーダにより規制値を超すと運転見合わせとなります。 -
谷の下を見ると、眼下にやっと道路が現れてきました。そろそろ秘境を抜けて人里に近づいてきたことがわかります。
-
この区間、最後のトンネルです。
-
田沢湖駅を出て23分、やっと赤渕駅に近づきました。
18.1キロの仙岩越えも終盤です。
JR東日本では1駅の駅間距離が一番長いところです。赤渕駅 駅
-
おや、ホームにはお客さんは誰も待っていません。
このあたり、民家は少ないようです。
だから1日4往復で済むのか・・・
*この駅の乗降人員は公表されていません。 -
2025年の運転士スタフ画面です。タブレット端末になりました。
田沢湖⇒盛岡間は、交換停車を除く運転時分は42分ですが、新幹線でも実質36~44分かかっていて普通列車と大きく変わりません。
速度制限などで新幹線でもいかに遅いかがよくわかります。 -
岩手山が見えてきたら、そろそろ終点盛岡です。
高架の途中で分岐します。
左は高架上の新幹線ホームへ、右は地平にある在来線ホームにつながっています。岩手山 自然・景勝地
-
盛岡駅では地平にある標準軌の8番線に到着します。
ここからは、田沢湖線の普通列車と東京から直通でない秋田新幹線が発着します。
(臨時の盛岡発秋田行きなど)
東京直通の新幹線は高架ホームから発着します。盛岡駅 駅
-
連結器脱落事故(2025年)のときは、この8,9番ホームから秋田行きの新幹線車両が発車したことがあります。
-
仙岩峠付近の地図です。参考用
-
【コラム】除雪車警標
雪国の鉄道に乗っていると、写真のような標識を目にします。
これは、除雪車(ラッセル)運転時にホームや橋脚、トンネル、踏切、ATS地上子などの設備を破壊しないための警戒標識で、上が「ウィング使用禁止標」下が「フランジャー使用禁止標」です。
なおこの2つは必ずセットで使われるわけではありません。
支社によって若干色、形が違うことがあり写真左が盛岡支社、写真右が秋田支社のものです。
ウィング:左右に広げる羽根
フランジャー:線路間に降ろして軌道面の雪を除去するもの -
さて、秋田県とJR東日本は、新仙岩トンネル整備計画に調印しました。
現在、スピードアップのネックとなっている赤渕ー田沢湖間に新たにトンネルを掘り約3キロ短くして更に速度制限をなくし、7分のスピードアップを図るというものです。新トンネルは160キロ走行可能だとか。
わずか7分に見えますが長大トンネル化により豪雪、大雨、強風など自然災害や動物衝突などによる運休も減り、安定した輸送体制の確保が望めます。
これから計画、施工すると早くても15年後の2040年以降の開通になりそうです。
リニアといい勝負ですね。
*写真は秋田県発行のパンフより転載。 -
実は、山形新幹線の「板谷越え」」区間も全く同様の問題を抱えており、庭坂ー関根間に23キロの長大トンネルを掘る構想もあります。
しかしこの区間には「米沢八湯」のうち3つが存在し、沿線人口もゼロではないので簡単に廃線というわけに行かないでしょう。
秋田県と山形県との温度差もあって、実現の可能性は「仙岩越え」よりも低いのではないでしょうか。
*写真 峠駅を通過する山形新幹線 -
この区間はいつもは秋田新幹線で居眠りしながら通り過ぎていたのですが、予定を調整して初めて普通列車に乗って見ました。
鶴の湯温泉のチェックアウト時間を調整してこの列車に合わせました。
紅葉の最盛期ということもあり、素晴らしい景観、秘境感で大満足でした。
15年後、新ルートが開通するとこの光景は見られなくなりますので、今のうちでしょう。日中の列車がないので青春18だと敷居が高いですが、夜行バスで盛岡に来て朝一5:17発の列車に乗るとか、東北を周遊して大曲14:45発に乗るかの2択くらいしかなさそうです。
是非この厳しい自然と、風光明媚な仙岩越えを体験してみてくださいね。 -
秋田県にはなかなか良い秘境があります。
乳頭温泉郷 秘湯 鶴の湯温泉 宿・ホテル
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