2015/11/18 - 2015/11/19
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たのちゃんさん
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この旅行記のスケジュール
2015/11/18
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飛行機での移動
羽田空港 ⇒ 釧路空港 Air Do
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釧路湿原
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ニッカウヰスキー 余市工場
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北一硝子
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電車での移動
寝台特急カシオペア 札幌16:12 ⇒ 上野9:25
-
カシオペアダイニング
2015/11/19
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この旅行記スケジュールを元に
☆☆これは2015年のおはなしです☆☆
JRでは最後に残った国内唯一の寝台特急「カシオペア」
青函トンネルの新幹線工事開始のため、翌2016年3月で廃止になるとの報道が全国を駆け巡りました。
すでにこの前年廃止になった「北斗星」には5回乗っていましたが「カシオペア」には未乗車だったのです。
ついに3月20日限りで廃止が確定となり、もう今乗らなきゃいつ乗るの??って状態に追い込まれました。
もはや日本国内で食堂のついている営業列車*はカシオペアだけなのです。
(クルーズトレイン、レストラン列車など非定期列車は除く)
昨年3月の北斗星とトワイライト廃止のときの喧騒がアタマを過ります。
テンバイヤーが寝台券を買いあさり、30万円超えでヤフオクに出てましたね。
年が変わったらもう激戦状態になり大金を投じない限り乗車は不可能となるでしょう。
というわけで、『閑散期の11月・平日・上り列車』、これっきゃない!と早朝から駅に並びました。ライバルは少なきゃ少ないほうがいい。
寝台列車はネット予約出来ないのです。
*営業列車:時刻表に公表されていて、きっぷを買えばだれでも乗れる列車のこと。
-------------------------
乗車当時はまだ4トラは知りませんでした。
「カシオペア」の乗車記は「食べログ」「じゃらん」他に掲載していましたが、定期列車の廃止により「掲載保留」になっています。
別のレストラン列車の乗車旅行記を書いたところ、「貴重な体験なので移植したら?」というご意見を頂きました。
6年も昔の話を掘り返す趣味はないのですが、何かのご参考にでもなればと以前の資料を引っ張り出して想いだしながら移転させました。
(2021-12-18記 12-20写真8枚追加、文見直し)
写真:2000年のJR東日本パンフレットより
- 旅行の満足度
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- JR特急 AIR DO
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
朝5時前からみどりの窓口に並んで先頭をキープ。コンマ何秒の勝負なので2人目だったら絶対に買えません。
幸い「10時打ち」が成功して寝台券ゲット!しかしダイニングの食事予約券が係員の不慣れから操作に10分もかかってしまい売り切れ・・・(+。+)
以後30日間毎日数回、みどりの窓口詣でが始まります。
発売から3日目、1枚だけキャンセルが出ますがもう1枚はついに最後までキャンセルは出ませんでした。
しかし食事券の照会って指定券と違ってなんて操作が大変なんでしょう。慣れた人でMARS端末に最短14タッチ20秒、
不慣れな人はマニュアルを見たり、奥に聞きに行ったり空席の確認に10分以上もかかることはザラです。いろんな係員がいるんですよね。
列車の指定券とイベント券とではホストが違い操作も全く異なるそうです。
写真:JR駅みどりの窓口のMR52型MARS端末
条件設定を済ませ、10時justにEnterキーを押す。 -
これってプラチナチケット??
食事券はイベント券扱いです。
指定券とは全く様式が違いますね。
個室寝台は1枚で1室2人分になっています。もし1人で乗る場合にも2人分の料金が必要なんですよ。 -
せっかく北海道に行ったので、釧路⇒余市⇒小樽と回ってから午後札幌入りしました。(スケジュール参照)
今回はカシオペア乗車が主題なので、和商市場やマッサンウヰスキーなどの話は書きません。札幌駅 駅
-
発車の5分前、カシオペア号が2両のDD51型ディーゼル機関車に引かれてホームに入ってきました。「北斗星色」と呼ばれるブルーに金のエンブレムです。
そう、函館本線と室蘭本線の東室蘭~長万部間は電化されていないので電気機関車は走れないのです。
札幌駅のホームは長くないので、止ってからでは先頭が撮れません。入線中にパチリ。寝台特急カシオペア 乗り物
-
これが、これから乗る1号車の展望室です。
上り列車の展望室人気が低いのは、函館ー青森以外は機関車の次位で展望が開けないからでしょう。
でも青函トンネル内は最後尾になるので、よく見えそうです。 -
DD51は貨物用の機関車ですが、途中山越えをするのと寝台列車は速度が速くないので北斗星、カシオペア、トワイライトともにこれでした。
「函」は函館運転所所属,
「重」は重連総括制御付き 1人の機関士が2両の機関車を連動させて操作します。 -
寝台特急カシオペアはJR北海道と東日本の豪華寝台列車として1999年に誕生し、全室2人用個室A寝台で、内スイートが8室です。
E26系というJRになってから新製された客車を使用しており、1編成しかないので上りと下りが交互に運転されています。
当時、下りは火金日、上りは月水土で木曜は点検整備のため運休でした。
毎日運転されないので臨時列車扱いで、8009、8010という列車番号が与えられています。 -
1号車の廊下をデッキから。
突き当りドアが1番の展望室で、左側に向こうから2番、3番、4番とスイートの部屋が3室続きます。
部屋のキーは暗証番号式です。
展望室以外の部屋の窓はすべて海側を向いています。 -
展望室の室内。
おや~、ホームからみんながのぞいたり写真を撮ったりして行きますね。 -
発車するとすぐに、食堂車のお姉さんがウェルカムドリンクを持って来てくれました。
これはスイートルームだけのサービスです。
車掌さんが検札に来られますが、指定券チラ見だけでした。乗車券は見なかった(笑)
みんな記念に持ち帰るのでスタンプは押しません。 -
さあ、夕食はもう食堂車に泣きつくしかありません。
最悪、1人前のフレンチを2人でシェアするか、そもそも席が2人分あるのか、折り畳み椅子でも持参するか席がなきゃヒザに乗せるか(笑)なんて不毛の議論を繰り返した結果、札幌で乗車したらすぐにダイニングカーに行き事情を話しました。
食堂長とおぼしき人が、厨房のシェフに聞きに行ってくれ
「ああ、今日は1人前なら予備があるのでどうぞ」とまさに神の声!
この1か月間連日のみどりの窓口通いは一体なんだったんだ~~、、と一気に全身のチカラが抜けました。 -
あっけなく食事券問題が解決したので展望スイートに戻り、
改めてウェルカムドリンクのウイスキーで乾杯。
暮れゆく千歳空港の夜景がミョーに美しく感じました。 -
北海道なのにマッサンのニッカではなく、サントリーの「響」12年ものなんですね。
NREの上野営業所が担当だから?
以前寝台特急北斗星が3往復だった頃は、上野担当の列車と札幌担当の列車と別れていたっけ。 -
改めて室内を見回します。
奥側には大型のツインベッド、右奥にシャワーとトイレがあります。
左のドアは出入り口。
展望室は唯一、壁一枚で隣室ということがないので大声を出しても問題ありません。 -
ベッドから車端側。函館までは機関車のお尻が見えます。
2人分のソファーがあり正面にテーブル、左に電話とモニター、右にBGMや照明のコントロールパネルがあります。 -
モニターにはBS放送と有線の映画のほか、GPSによる現在位置表示、停車駅案内などが表示されます。
殆どが山間部を走るので地上波TVは入りません。 -
窓のすぐ下にはロゴの入ったクロスが掛けけられていますが、この下には鍵のかかった蓋があって、その中にはブレーキ弁と警笛ボタンがあります。
推進(バック)運転のときには、ここに保安要員が乗り進路や信号を確認し、緊急時に停車させるためです。
この装置のおかげで上野駅~田端の車両基地間の運転でも45キロまで許され、他の列車への影響を防止しています。 -
ベッド枕元にあるコントロールパネル。
照明のスイッチ、空調のコントロール、BGM、目覚まし時計などがあります。
BGMはポップス、クラシック、演歌のチャンネルが。 -
トイレです。左に洗面台があり正面左はドライヤー。
トイレは水洗ではなくJR東車両便所独自のバキューム吸引式です。
悪臭は全くしないのですが、洗浄のとき「ズバッ」という大きな吸引の音がするので夜中に流すとうるさいですね。 -
洗面台は折り畳みで、使うときには便器の上にせり出す構造。
中に水栓とコップ台が隠れています。
唯一苦しい設計だな~と思いました。
居住スペースをより広く、利用頻度の低い洗面とトイレを犠牲にしています。
うわぁ広角レンズ持って来るべきだった。。。
コンセントは写真左上の1口のみで室内には無いので注意。
客車寝台の中では最新でも1999年設計なのでE5系新幹線などと比べると古さを感じます。パソコンやスマホ充電には10mの延長コード持参が吉! -
トイレの右半分がシャワールーム
防水カーテンで仕切られています。 -
シャワーの操作パネル
10分間お湯が使えますが、リセットボタンを押すとあと10分間、タンクの湯がなくなるまで何度でも使えるという不思議な仕様。
共用のシャワーは6分だけなのにスイートは優遇されているなあ。
結局1回しか使わなかったけど。 -
さて、食事の予約時刻が近づいたのでダイニングカーへ。
クチコミによると、先着順に良い席から案内される、と聞いていたので開始時刻より10分前に入口で待つと、すぐに席へ案内して頂きました。
営業時間夕食(予約制)
[1回目] 17:15~18:15(懐石御膳)
[2回目] 18:30~19:50(懐石御膳、フランス料理)
[3回目] 20:10~21:30(懐石御膳、フランス料理)
パブタイム(フリー)
夕食終了後~23:00(ラストオーダー22:30)
朝食(フリー)
6:30~8:30 -
案内されたのは山側の1段高くなった2人席です。眺望が邪魔されないように配慮されています。
カシオペアの食堂車は2階がダイニングで、通路と厨房が1階です。
トワイライトや北斗星などの食堂車はは国鉄時代のサシ481からの改造車なのでテーブル中央が通路で、食事に関係ない人が通り抜けますが、カシオペアではそういうことがないので落ち着いて食事ができます。
100系新幹線の食堂車も2階、0系新幹線では通路が山側でしたね。ダイニングカー 寝台特急 カシオペア グルメ・レストラン
-
間もなくディナー開始のご案内放送が入り、続々とお客さんがやってきます。
入室時からずっとビデオを撮り続けている老夫婦もおられ、やはり皆同じ心境なんだな~、と共感をおぼえました。
殆どのお客さんがお2人様なので2人席から案内されてゆき、3卓ある4人席のうち1つが最後の2組で相席になりました。
お1人様4人で1卓相席というテーブルもありました。ここはオタ話で盛り上がっていたようです。 -
カシオペアダイニングのディナーメニューは、フレンチ8500円と懐石御膳6000円の2種類のみで、
厨房に近い方の席ががフレンチ、遠い奥のほうの席がが懐石となっているようで、すでに懐石のお重はテーブル上に配膳されています。
フレンチの席はナイフとフォーク、ナプキン、メニューがセットされていました。 -
テーブルにはバラの花とスタンドが設えられ、なかなかこ洒落た良い雰囲気です。
一輪挿しの根本にはカイオペアのプレートが掲げられています。
11月の18時半なので、外はすでに真っ暗でした。
夏ならば噴火湾の絶景を眺めながら食事ができるんですけどね。
途中、伊達紋別駅では7分停車し、後続の特急スーパー北斗14号に追い抜かれます。特急が特急を追い抜くと言うことで有名になりましたが時速120キロの俊足気動車と90キロの客車列車とでは最初から勝負になっていませんね。 -
テーブルに置かれていたメニュー。
洋食と和食のお品書きが書かれています。
これは乗車記念カードを兼ねていてお持ち帰りできます。 -
以下、食べログ的表現なので料理の説明は詳しめにしてあります。
よく、既に廃止となったトワイライトエクスプレスとカシオペアのディナーコースが比較されますが
トワイライトはスープを含む5品で12000円、カシオペアはスープが無く4品で8500円なのです。
(他にパン、コーヒーが付きます)
カシオペアと北斗星は全く同じメニューだったそうです。
まずカシオペアオリジナルの小樽ワインで乾杯!!
ツヴァイゲルト・レーベ 2060円
やれやれ、ここまで長い道のりでしたよ。 -
ワインのラベル
小樽の北海道ワインという会社の製品です。
ミディアムボディーの苦味のないすっきりとしたフルーティーな味わいです。 -
1.オードブル
「海の幸とグリーンアスパラムースのサラダ仕立て」
タラバガニ、ホタテ、サーモンマリネ、しいたけピクルス、イエロープチトマト
アスパラガス、そして最後に星形にカットされたにんじんピクルスがアスパラソースの中に隠されていました。
盛付けのミスかと思いましたがこれも
「最後にカシオペア座が現れる!!」という演出なんですね。
素材も新鮮でよく冷えていておいしいです。 -
2.魚料理
「真鯛のポワレ2種のソース」
バジルソースとタプナードソースが添えられています。タプナードはニンニクとオリーブ味ですが、どちらも地味目の味かな。
列車の中ですが、1つ1つホイルで包みポワレしている様子が見えました。
レンチンではありません。 -
3.肉料理
「牛フィレ肉のソテー、ポルトソース」
これは結構熱い状態で提供され感動。ソースも濃厚で良い味です。
列車内でこんな贅沢が出来るとは幸せになりますね。
厨房には強力な電気グリルがあります。
昔の食堂車は電子レンジしか加熱設備が無かったような。
肉はちょっと固かったのでこれ輸入牛かな?
恐らくトワイライトのディナーとの3500円の差は肉質の違いだと思います。 -
4.デザート
「スペシャルガトーの盛り合わせ」
ココナッツババロアにマンゴーピューレ、北海道型にカットされたホワイトチョコ
リンゴシャーベット、マスカット
どれも甘さ控えめでほどよい感じでした。ただシャーベットが溶けかけていた・・ -
5.プチパン、コーヒー(ホットまたはアイス)
パンは焼いてなく常温でした。
ホットコーヒーをチョイスしましたが、このカップのみカシオペアロゴなし。
他の料理は皿にはすべてカシオペアのロゴが入っていておしゃれ!
*このコースメニューは2014年12月以来だそうで、過去何回か変わったそうです。 -
これで\8500円(税込)というと首をひねる方もおられるでしょうが、半分場所代と考えると十分納得できるレベルです。
暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たく提供する姿勢が伺われますが、
人数分同時に加熱しているらしく、オードブルをああだこうだ言いながらゆっくり味わいすぎたため魚料理が出るのが他の方よりも遅くなり、さめていました。
これに反省して、肉料理は出来たらすぐに配膳されるよう、魚料理を急いで食べたためアツアツでした。
食べるペースを他の方と合わせるほうがシアワセになれます(^ω^) -
スイート以外は共用のシャワー室を使いますが、シャワーカードを買い時間指定を受けます。(30分間で320円)
これがすごい人気で列車が入線したらすぐに買わないとすぐ売切れます。
搭載しているお湯の量から制限があるためです。
記念に買いたいと言ったら過去の時間で発行していただけました。
これ、真夜中の誰もいない時間に行けば使えたはずです。 -
ごちそうさまでした。お会計伝票。
走る列車の中で(夏ならば流れる車窓風景を堪能しながら)こんなハイレベルのフレンチが頂けるのも、旅の醍醐味でしょう。
今はクルーズトレインになっていますが、レシピはパンフを見る限りこの時と変わっていないようですね。
昔の食堂車は、カレー、ハンバーグ、スパゲティーなど日常食が主体でしたが、現代では非日常が求められているのでしょう。 -
さて、腹ごなしに車内の散策です。
カシオペアは12両編成で、1,2号車がスイート、3号車がダイニングで、4号車から11号車まではツインの部屋です。 -
12号車は1階が電源車、2階はロビーカーでフリースペースです。
-
20時頃ですが意外にすいていました。
この1階には大型のディーゼルエンジン発電機があって客車全体の電源をまかなっています。
寝台車の床下に置くと音がうるさくて安眠できないので今ではみな別車両になっています。 -
ロビーカー最後部の展望席。
ここは競争が激しく常にだれか座っていましたね。
上り列車では展望室よりもこちらの方が眺望が良い区間が長いのです。
「長時間座らないで譲り合ってご利用下さい」の表示もあったんですが。 -
反対側11号車寄りです。
海側は1人椅子、山側は長椅子です。 -
旅ノートも備え付けられていて、想い想いの言葉が書かれていました。
-
カシオペアグッズのショーケースもありました。
お求めは車内販売か食堂車まで。
明るい時間帯はここにも販売員がいるようです。 -
自販機も車内3ヶ所にありました。
ただしソフトドリンクだけです。 -
この車両は2000年にブルーリボン賞も受賞しています。
まあ年に何種類も画期的な新車が登場するわけではないので、大抵は受賞できるわけですが。 -
部屋に戻ってまったりしていると、液晶ディスプレイに「まもなく函館です」の表示が。
TVやGPS画面になっていても、停車駅が近づくと勝手に切り替わります。
函館では機関車付替えで6分停車します。
(次の停車は盛岡と表示されていますが、これは2015-3ダイヤ改正前のことで、この時は仙台まで止まりません。データを更新してないんでしょう) -
これまでずっと暗闇の中でしたが、急に街の灯りが車窓に広がり気分も明るくなります。
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函館山も見えてきました。去年行ったけどガスの中だったなあ。
きっと今日は向うからも見えているんでしょうね。函館山 自然・景勝地
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函館駅に停車すると、これまで牽引していたディーゼル機関車は速やかに切り離され去って行きます。
函館駅 駅
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停車時間があるのでホームに降りてみました。
皆さん思い思いの写真を撮っています。 -
函館から青森までは、こちらが最後尾となり進行方向が変わります。
反対側には青函トンネル専用の赤いED79型が連結されます。
21:12、函館を発車し単線の江差線に入ります。
函館湾に沿って南下してゆきますが、途中長大な貨物列車と3回交換します。 -
22:14、青函トンネルに入りました。いよいよ上り展望室のハイライトのはじまりです。
長さは53.85キロあります。
黒くなっている所から先が「第一湯の里トンネル」で青函トンネルとの間はシェルターでつながっており、北海道側の青函トンネル入口は外から見ることは出来ません。
そのため「第一湯の里トンネル」を青函トンネルだということにしているようです。(地元観光協会の設置した「青函トンネル撮影台」なんてのもあります。)青函トンネル 名所・史跡
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最大12‰の結構な勾配があります。海底部に向かって長い下りです。
線路が3本あるので、新幹線のレールはすでに敷かれたようですね。
(一番左の光っていないレール)
蛍光灯を消しているトンネルも多いのですが、ここは点いていてよかった。
室蘭本線、洞爺~静狩間にある礼文華越えの長大トンネル群はみな消えていましたね。 -
室内のディスプレイでGPS地図はどうなっているか見たら案の定、湯の里で止っていました。やはりトンネル内ではGPSは作動しないのです。
-
本州側定点(元、竜飛海底駅)を通過します。
幅50センチの細いホームがありますね。
以前は「海底駅見学ツアー」「青函トンネルウォーク」なんてのもありましたが、もうこの頃は停まる列車はありません。
列車火災などの非常時に停車して地上に避難脱出する細いホームと斜行エレベータなどの設備があります。
この真上、約300mに「ホテル竜飛」があります。龍飛崎温泉 ホテル竜飛 宿・ホテル
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43分後の22:57、青函トンネルを抜けました。
平均速度は約75.2キロだったことになります。意外にゆっくりですね。
この区間の速度種別が「特通客D6」(10‰の登り勾配で出せる最高速度が76km/h)なのでこんなものでしょう。電車特急のスーパー白鳥は特通電A75で25分程度だったので、これに比べるとかなり遅いです。
右側の緑の光は坑口にある水銀灯です。
以上展望室からでないと撮れない写真でした。 -
上と同じ場所を昼間見るとこんな感じ。
坑口の右に照明器具が見えますね。
こちらは下りスーパー白鳥の前面から撮っています。
2009年なのでまだ新幹線のレールは敷かれていません。
上部に中曽根康弘 元首相による扁額があります。 -
参考画像です。
スーパー白鳥の座席に、青函トンネルの略図と予定時刻が貼ってありました。
なお、これに詳細寸法や勾配の書かれた図はこちら。
https://jtqsw192.nobody.jp/FIG/315sks/SeikanTNH.htm -
話を車内に戻しましょう。
青森駅では2度目の機関車交換と方向転換があります。
おや、今日は青釜*のようですね。512号機です。
ヘッドライト3灯をつけて迫って来るのでまぶしい。
そういえば検札のとき車掌さんが青森ではカーテンを閉めておくよう言ってたっけ。でも閉める人はいないでしょう。
連結作業員の方は気を使って室内を見ないようにしています。
JR東日本のEF510型電気機関車には、北斗星塗装の青釜と、カシオペア塗装の銀釜の2色あります。検査の関係で月単位で交互に使われているようです。
また終点までこちら展望室が先頭になり機関車の次位になりますね。
青森は10分停車して23:40の発車です。運転停車なのでドアは開きません。
ここまで牽引してきた赤いED79型機関車が左の機回し線を通りましたが、塗装がボロボロでした。あと4か月で廃車解体の運命なのでもはや塗り直さないのでしょう。
では、夜も更けたので少し休むことにしましょうか。
*釜とは鉄オタ用語で機関車のこと。語源は蒸気機関車のボイラーを釜と呼んだところから。青森駅 駅
-
5:40目覚めると福島県内の山間部を走行していました。
GPSの地図はカーナビみたいで道路主体で駅名が表示されていないので、どこを走っているかピンと来ません。地図データソフトを更新してもらいたいものです。
追記:2019の車両リニューアルでモニターは撤去されてしまいました。
今、ツアー列車に乗ってもついていません。 -
朝食ははダイニングに行くか、車販にするか迷いましたが、スイートの特権で洋定食をルームサービスで頼んでみました。
内線電話で営業開始時刻前の6:15に電話したら、早くも3分後に届けて頂きました。
ダイニング営業開始後だとかなり待たされるそうでフライングして正解でした。
以前は一時、洋定食と和定食のおかずが同じでスープにパンか、味噌汁にご飯かだけの違いの時期もあったようですが、今は完全に別献立です。
Suicaで1650円を支払います。 -
電話機は「3」のボタン以外には蓋がされていて押せません。
別のボタンは運転士や車掌につながっているのでしょうか?
3を押すと食堂のお姉さんが出ます。 -
洋食は、厚切りロースハム、ソーセージ、スクランブルエッグ、ハッシュドポテトの皿と、
ミニサラダ、オレンジジュース、パン、リンゴのヨーグルトがけ、メロンゼリーと
食後にコーヒーまたは紅茶がついて\1650円(税込)です。これは決して高くない!
紅葉の始まった福島県の里山風景を眺めながらの朝食はいい感じですね。
実は展望室って唯一山側の景色も部屋から見られるんですよ。
他の客室は山側には廊下があるので室内からは見えないのです。
昨夜、函館湾と函館山の夜景や漁火が綺麗だったのを思い出しました。 -
配膳に来たお姉さんにいろいろ聞いてみました。
ダイニングには28席あるけどディナー予約枠は26席で3回分78名が食べられること。
(寝台の定員は178人なのでかなり狭き門で半数以上は溢れます(^▽^;)
ツアー枠があり個人はなかなか取りにくいようで最近ではキャンセルも滅多に出ないそうです。
またアクシデント対応で席も食材も若干予備を取ってあるとのことでした。
パブタイムもラストオーダーまでに45分しかないため2巡は難しく先着28名で打ち切りになることも多いそうです。
一方、朝食は2時間あり、2~3巡するので70名以上はいけるようです。 -
車内販売ワゴンが乗っている車両に入るとこのランプが点灯しアラームが鳴ります。
個室寝台なので廊下の物音が聞こえないからです。
ドリンク、弁当、菓子などを売っています。上りでは仙台の駅弁を積み込むそうです。 -
ラックにはJR北海道とJR東日本の両方の車内誌がありました。
これはお持ち帰りokです。
以前は車内設備のご案内冊子もあったそうですが、ありませんでした。
持ち去られて在庫切れなのでしょうか? -
スイートの部屋には朝刊が届けられます。読売新聞の福島版でした。
*新聞の写真は削除
この他、お持ち帰り可能な洗面具セット入りポシェットもあったのですが、食べログ的でないので写真は撮ってありません。カシオペアと北斗星ではデザイン違いです。 -
大宮を過ぎると歩道橋や跨線橋が多くなり、その上から写真を撮っている方を多く見受けます。展望室に座っていると、結構手を振って下さる方が多くびっくりしました。撮り鉄の方は鐵な人間にはフレンドリーなのかな。
前方は機関車の脇からこの程度しか見えません。
やはり下りのほうが圧倒的人気なのもわかります。
でも人気ないから取れたという面もありますが。 -
ああ、ついにこの文字が・・・・・
飛行機だと所要1時間半でも、速く着かないかな~なんて気分ですが。 -
定刻の9:25、上野駅13番線に到着しました。
17時間にわたる贅沢なゆったり旅の終焉です。
これからラストランにかけ、ますますチケット争奪戦が激化して恐らくもう乗ることはできないでしょう。
人生一度の貴重で楽しい経験をしました。
運賃を含め2人で約12万円の出費でしたが、一生に一度は悪くないかも~(⌒-⌒)
やはり展望室サイコーでした。上野駅 駅
-
お世話になりました。
備付けのガウンやバスタオルを持ち帰らないよう注意書きがありました。
カシオペアのロゴ入りのため乗車記念に持ち帰る人が後を絶たないらしく、相当数が紛失しているそうです。
さようなら展望室!
*2007年に乗った「北斗星」の北海道編成、ステラリウム付きの部屋はこちらで紹介しております。こんな部屋もあったという記録です。
【回想】寝台特急「北斗星」ロイヤル ステラリウムの部屋
https://4travel.jp/travelogue/11736280 -
到着後暫くホームは撮影会状態でしたが、15分後喧騒が去ったので1枚。
到着から17分後、これから推進運転(バック運転)で田端の車両基地まで戻るので、赤いテールランプが点灯しています。
「まもなく13番線から回送列車が発車します。機関車付近から大きな音がするのでご注意ください。」とアナウンス。
発車の10秒前、機器空冷の巨大なブロワー(送風機)が一斉に起動するのですごい風切音です。
油断しているとびっくりするでしょう。
機関車ってモータやインバータのIGBTから莫大な熱が出るのです。 -
機関車には「がんばろう東北!」のシールが貼ってありました。
あの震災からまだ4年目のことです。 -
9:47、列車はバックで田端方面に引き上げて行きました。
札幌では入線のわずか5分後に発車でしたが、上野はホームに余裕があるのでゆっくりしています。
下りは15:35に入線して発車は16:20と45分もホームに停まっています。 -
三菱、川崎重工製です。
この機関車は、カシオペア廃止後にJR貨物に売却が決まっています。
2010年に新製されたので、わずか6年目で手放してしまうわけですね。 -
2016年3月20日をもって寝台特急カシオペアは廃止され、時刻表から姿を消しました。
3/21、田端運転所に並ぶ、役目を終えたEF510-509と510(銀釜)
この2日後、JR貨物の富山機関区へと旅立ちました。
星のシールをはがして、赤や青の機関車に交じり北陸線や山陽線で活躍しています。
それから5年経った今でもまだ塗り替えられていません。 -
その後カシオペア車両は、リニューアルを経て団体専用のクルーズ列車として活躍しています。機関車はEF81やEF64が使用され北海道には渡らずもっぱらJR東日本管内ででパッケージツアーや旅行会社の貸切運転に充当されています。
写真はEF81の赤釜けん引になったツアー列車「カシオペア紀行」
またこんなイベントも。
https://www.jrview-travel.com/content/sp/cassiopeia/
その後ななつ星、四季島、瑞風などの新しい豪華列車も登場し、2泊3日で60万~120万円と高額なツアーが人気です。
実用よりも非日常な列車旅が好まれる時代なんですね。 -
そうそう、この時使用した乗車券ですが、なにかヘン(?_?)
わかりますか? -
2002年のパンフレットよりカシオペアダイニングの紹介ページです。
これをみて「いつかいい人と乗ってみよう」と胸をときめかせた方も多いかも。
列車食堂が廃止された今、列車内で優雅に食事を楽しむには高価なクルーズトレインか、レストラン列車に乗るしかなくなってしまいました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
鉄道探究
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まだ各地に残っている異形国鉄型駅名標いろいろ
2004/04/23~
長野
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【回想】寝台特急「北斗星」ロイヤル ステラリウムの部屋
2007/07/04~
札幌
-
【回想】寝台特急「カシオペア」の展望室に乗った (2015-11)
2015/11/18~
札幌
-
【サマリー編】日本全国鉄道トンネル標
2021/09/09~
長野
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8年目にやっと乗れた!グルメ列車「東北エモーション」
2021/11/29~
八戸
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最新のレストラン列車 JR東日本「海里」
2022/04/17~
酒田
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