2007/07/04 - 2007/07/05
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たのちゃんさん
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この旅行記スケジュールを元に
寝台特急「北斗星」には誕生当時から計5回乗っています。
2007年の積丹旅行帰り、この頃話題になっていたJR北海道編成のロイヤルに設置された「ステラリウム」のある部屋に乗ってみたいと思い計画を立てました。
当時の北斗星号は2往復あって1,2号がJR北海道の編成、3,4号がJR東日本の編成でした。寝台特急が全盛の時代です。
それぞれ予備車を含めて4編成づつあり、このうち北海道の3編成だけにステラリウムが設置されていることがわかりました。
検査周期と車両のローテーションなどからいつ当たるかは規則性があり、この月の上りは月、水に当たる確率が高いとわかり予約したら見事予測が的中して乗ることが出来ました。
1ヶ月前から指定券を買ってあっても、その間に事故や故障、気象で車両運用が変わる(運休で順番がずれたり車両交換で編成が入替えられる)ようなことがあったら水の泡なのです。もし翌日に変更されたことがわかっても指定券は満席で取れませんからね。
何事もなく所定通り粛々と車両運用が進んだことに感謝しなくてはなりません。
先に寝台特急「カシオペア」の展望室について書きましたが、最後のブルートレインだった「北斗星」にもこんな特徴的な部屋があったことも忘れてはならないので回想して書くことにしました。
【2022-1-28記】 2007年のアーカイブです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 交通手段
- レンタカー JR特急 JRローカル AIR DO
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
特急「北斗星」は1988年3月の青函トンネル開通と同時に誕生した上野ー札幌を結ぶ豪華寝台専用列車で、当初は1日2往復でした。連日指定券の瞬殺が続き、盆・正月の混雑期にはあと1往復臨時が運転され、翌1989年より定期列車化されて3往復体制になりました。
1,2号がJR北海道、3,4号と5,6号がJR東日本の車両が使われますが1999年の7月、豪華寝台特急「カシオペア」が運転開始され、北斗星は2往復に戻ります。
のちに青函トンネルの北海道新幹線工事開始に伴い、JR西日本のトワイライトエクスプレスと共に2015年3月で廃止されました。
カシオペアのみあと1年延命され、2016年3月で廃止でした。
27年の間に毎年増備と個室化が進められ、車両の編成は複雑怪奇です。札幌駅 駅
-
2007年の時刻表です。
北斗星が毎日2往復、カシオペアが隔日で1往復運転されています。
*交通新聞社 JR時刻表2007年3月号より転載寝台特急 北斗星 乗り物
-
ロイヤルの寝台券。号車指定で取りました。
ただ「北斗星のロイヤル」だけだと、ステラリウムの無い部屋となる可能性が半分あります。
この部屋は基本1人部屋のため、2人のときには補助ベッド代と特急料金が+1人分加算されています。
ロイヤルは北斗星の登場当時、これからの豪華寝台のフラッグシップ客室としてショールーム的な存在として登場させ、まさかこんな高価な部屋を使う物好きはそうそういないだろうという想定だったそうですが、予想に反して高い部屋から売り切れるという現象となり翌年1両を2両に増やしたという経緯があります。
1列車当たり2部屋から4部屋になりました。
これに気をよくしたJR東日本は1989年、「夢空間」という豪華車両を3両新製し不定期に寝台列車に連結してあちこち向け運転しました。日本で唯一の「車内に浴槽のある列車」でした。エクセレントスイートの寝台料金は66000円だったとか。
バブル最盛期の、豪華クルーズトレインの”はしり”でした。 -
北海道編成9号車の車両の側面。
中央の2つの大きな窓がロイヤルの部屋。
右が1番、左が2番室です。編成でこの2室のみステラリウムが設置されています。
前後にある小窓はソロ(1人用B個室)の部屋で2階建てです。
(写真は模型を使っています) -
ロイヤルのみウェルカムドリンクのサービスがあります。
ウィスキー、ワイン、お茶、水、氷というのはカシオペアも同じですが、北斗星1,2号はNREの札幌営業所の担当なので、3,4号の上野営業所とはドリンクの銘柄が違いました。
ウィスキーは1,2号がニッカ、3,4号とカシオペアはサントリーでした。 -
今回は「9号車の2番」個室です。
実はロイヤルの部屋は、9号車に2つ、10号車に2つ計4室あるのですが9号車と10号車は形式が違い、ステラリウムのあるロイヤルは9号車の2室だけなのです。
写真はロイヤルの室内を明るくした状態。
窓の上の屋根部分に描かれていることがわかりますね。
JR北海道編成のロイヤル室内はベージュ系の明るい色ですが、JR東日本編成では木目調のダークで落ち着いた色になっています。 -
JR北海道のオロハネ25の556から558の3両(第三次車)は、ロイヤルの部屋にステラリウムという蛍光塗料で書かれた美瑛の丘の風景と星空が描かれていました。
まず普通の室内灯で見るとこんな感じ。
紫外線を当てることで発光します。なかなか風情のある絵です。 -
部屋の照明を消し、ブラックライトのスイッチを入れると暗闇にイラストが浮かび上がり独特の幻想的な雰囲気となります。下り列車だったら心はすでに北海道でしょう。ベッドに横になって眺めているとまるで銀河鉄道に乗っている気分です。
{この写真をパソコンで見るとき、周囲を暗くして拡大画像を見ると雰囲気がよくわかります}
テレビの旅番組でも紹介され、乗りたがる子供が多かったそうです。
またステラリウム効果で結ばれたりプロポーズして人生変わった男女も相当数いたみたいですね。
8両のうちの3両だけ設置なので、狙ってもなかなかこの部屋に乗れる確率は低く、当たったらラッキーと言われておりました。
「光りモノ」のオブジェ好きにはたまらない部屋なんです。
なお、まだ北斗星の登場当時には無く、3年後の1990年から登場した第三次増備車のみの設置で、2008年3月の北斗星1往復化までの18年間でした。
その辺の詳しい経緯についてはこちらに説明があります。
https://ameblo.jp/higekyt130/entry-12603249703.html
また、風衣葉 はな様のブログに素敵なロイヤルステラリウムのイラストがありましたのでリンクさせていただきます。ご覧になってください。
https://ameblo.jp/fuiba-railway/entry-12569593509.html
写真は私の乗った558号2番室のステラリウム -
終点に着いてから隣の1番の部屋ものぞいて見てみましたが、かなり色合いと描写が異なることに気づき驚きました。こちらはブラックライト(紫外線ランプ)を交換したばかりなのか、発光部がずいぶん明るいです。
原画は同じでも蛍光塗料のさじ加減などは違うでしょうし。
これだと、眠るときずっと点けておくとまぶしいかも。
全6室にあるステラリウムを全部比べてブログに上げた方はまだおられないみたいですね(笑) -
上の説明ではわかりにくいので、後日上野駅で撮った編成案内です。
カシオペアと北斗星3号がJR東日本の編成、北斗星1号がJR北海道の編成で9号車の「SA1」、すなわちロイヤルだけステラリウム設置です。JR東日本編成と1号でも10号車のSA1には設置されていません。
更に面倒なことに9号車にオロハネ25の555(第二次車)が組み込まれた日には設置されていません。(50%の確率で規則的にローテーションです)
またこの夏休み時期、臨時の81号、91号の9号車には隔日で設置されていましたが、運転日が少ないので限られますね。
隔日になるのは2編成が交互に行ったり来たりしているからです。 -
さて、こちらは食堂車「グランシャリオ」の室内です。
ディナーは食堂車初のコース料理、全予約制をとり豪華寝台列車の一部となっています。
北斗星の編成の中、この食堂車だけ屋根の低い車両なので目につきますが、これは元は電車から改造したものなんです。
東北新幹線の開業前は、はつかり、ひばり、やまびこ、いなほ、白鳥など多くの電車特急が走っており食堂車も連結されておりました。これらが廃止され食堂車が余ったので改造のうえ北斗星に転用したため客車とは車高が違うのです。
元:サシ481-50 → 新:スシ24-508グランシャリオ グルメ・レストラン
-
北海道編成は、ダークな木目調配色に赤いテーブルライト、明るいベージュのテーブルクロスです。
天井は間接照明になっており、仕切りのガラスはステンドグラスです。
これに対し東日本編成では明るい配色に白いテーブルライト、ピンクのテーブルクロスと雰囲気が全く違いました。
客室とは逆の配色になっています。
当時は独自性を出すため競ってデザインを変えていましね。
写真は営業終了後に撮ったスシ24 508車内で、ガラケーなので不鮮明です。
食堂車は通り抜け通路にもなっていたため、防犯上夜中でもライトはつけたままでした。
8両あった食堂車もそれぞれ天井の意匠や椅子が微妙に異なっていました。 -
この日はディナーは予約していなかったので、パブタイムに伺います。
パブタイムのメニュー、チーズ盛り合わせです。
ビールはサッポロクラシック。 -
こちらはビーフシチュー。
パブタイムメニューの中ではイチオシです。
パブタイムは自由席で常連の間では”居酒屋北斗星”とも言われていました。
車窓は暗黒の北海道の原野でも、至福の時間です。
礼文華越えの奇岩、小幌駅と鼠の鼻トンネルを通ります。 -
海岸回りルートなので気付けば登別駅に停車しています。
30年以上前、混浴浴槽が50以上もあった巨大旅館、第一滝本館に泊まったことを思い出しました。
リニューアル後、混浴はやめたようです。登別駅 駅
-
この日の本州区間の牽引機関車は、EF81 79、カシオペア塗装機
通称「樫釜」でした。
JR東日本に4両だけ存在しましたが現在はすでに全機廃車されています。上野駅 駅
-
日立製、1973年製造です。
交直機として安定した性能があり、今でもJR東日本に8両が残り活躍しています。
国鉄の末期は製造所が棲み分けられていた時代で、直流機は東洋電機、交流機は東芝、交直機は日立か三菱でした。
その後この体制は崩れて型式ごとになっています。 -
今回お世話になった”ロイヤル・ソロ”の車両、558です。
巡り合えてよかった!!
北海道車のみオリエント急行に似たエンブレムがついていますね。
このエンブレムの裏側は、ロイヤルのシャワーに使う給湯設備になっています。
北海道版の4両ですが、北斗星が1往復に減便された2008年運用から離れ、今は北海道車の他の14両とともにミャンマー国鉄に売却されVIP車になっているらしい。 -
今回は旅行記を意識していなかったので、気になるところの写真しか撮ってありません。写真はこれだけです。
また当時カメラもD70とデジカメの初期型で性能も良くなかったです。
AFのレスポンスが遅いのでトンネル内など動体暗所は全然撮れなかったです。
今になって思えば、カシオペア展望室のときのように部屋の細部や景色も撮っておけばよかったと思いました。当時4トラなんて無かったので、じゃらんか食べログくらいしか書くところがありませんでした。
関連旅行記「【回想】寝台特急「カシオペア」の展望室に乗った」
https://4travel.jp/travelogue/11728855
こちらには青函トンネル内部の写真もあります。カメラをDfにしたら、動いて暗い場所も綺麗に撮れるようになりました。高感度センサーとISO12800の威力を見せつけられた感じでした。 -
15年も経ってからこんな昔の旅行記をなぜ書いたのかというと、
ネットにある北斗星ロイヤル乗車記の7割がJR東日本車で、
北海道車に乗られた方もステラリウムの説明が殆どされていなかった為、
忘れ去られないうちに記録に留めておこうと思ったわけです。
1990年当時、赤字解消のために北海道旅行の誘致に全力を注いでいたJR北海道の野心作だったわけですね。
駄文、屁理屈、最後までご覧いただき心より感謝いたします。
[2022-1-28記]
こちらに「寝台特急北斗星」について熱く語られている5ちゃんねるのページがあり、当時を知るのになかなか参考になります。
https://hayabusa6.5ch.net/test/read.cgi/jnr/1456950421/
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