2／30848時間　ありがとう、おつかれさま！FDA4号機(JA04FJ)　退役記念

2022/08/23 - 2022/08/23

地方と地方を結ぶ航空会社：フジドリームエアラインズ(FDA)。
2024年3月9日、緑色の4号機(JA04FJ)が退役することに。
FDA初の退役機となるため、この日に向けて同社が様々なイベントや発信をして盛り上げてきた。

4号機はFDAで13年活躍してきたため、自分よりも長く4号機を撮影したり、何回も搭乗したりしている方がいらっしゃると思う。
畏れ多くおこがましいが、いちFDAファンとして、自分なりの「4号機づくし」の旅行記を今回作成。
微力ながら、4号機への餞としたい。

お読みくださる方、どうか悪しからず、ご辛抱・ご容赦ください。

エリア 牧之原(静岡)

色とりどりの機体16機を保有するFDA。
グリーン系の機体は3機あり、緑色は2機。
そのうち、JA04FJこと4号機が2024年3月9日に引退する当該機。

雨の富士山静岡空港で、4号機とティーグリーンの8号機が並ぶ様子。

【友情出演】
こちら、紛らわしいがもう1機ある緑色の機体、JA11FJこと11号機。

自分は、何回も4号機に乗っているつもりでいた。
しかし、今回フライトログや写真を見返したところ、4号機に乗ったつもりが、よく調べるとこちらの11号機だったということがままあった。

一方、こちらが本家本物のFDA4号機。
11号機より機体がやや小さく、座席数も少なめ。
ウィングレットなどの違いも。
そして、塗装が「たくさん飛んでます」感を出している。
※2024年2月に再度塗装し直したのこと

ちなみに、機内のトイレが床張りになっているレア機でもある。

フジドリームエアラインズ 航空会社

2023年12月

【友情出演】
こちらは、15年目の赤色FDAこと1号機。
1号機の塗装の一部に年季が入っているため、「赤色1号機の引退が近いのか」と整備士さんに尋ねたところ、

「飛行機は、部品交換などのメンテナンスをすれば、長く飛べます。ただ、その分岐点が難しいんです」とおっしゃっていた。
そして、最古参は中古でFDAにやってきた4号機で、「1番に引退になるだろう」とも。

1ヶ月後の2024年1月、整備士さんの予言通り、その4号機の引退が発表された。

拙著の旅行記：
ヒコーキ沼にハマる1日@第2回FDAファンミーティングin名古屋【後編】
https://4travel.jp/travelogue/11875465

その4号機に、1回だけ乗れたことがある。

2022年8月

FDAの定期便フライトに、40回以上乗ってきた自分。
だが、この4号機に乗れたのはこのときのみ。
4号機がFDA機として30848時間フライトしてきたうちのわずか2時間、
2／30848時間だった。

札幌丘珠空港に到着した4号機。
日の当たり方なのか、使い込んだためか、緑色というより、エメラルドグリーンに見える。

丘珠空港にスポットイン。
ここでは、タラップを横付けして乗り降りする。

今回は4号機に乗って、富士山静岡空港へ向かうフライト。
機体まで歩いて向かう。

ここ丘珠空港では、ターミナルビル1階に降り、地上係員の誘導に従って、歩いて飛行機に向かうスタイル。

※画像は、2022年3月に撮影

丘珠空港 (札幌飛行場) 空港

北海道の広い空に映える4号機。
8月なのに、空がもう秋の気配。

その前に、安全な場所からエンジンや機体を撮影。
タラップ形式だと、機体が間近に見られることがうれしい。

このときも、いつも通りのFDA機への搭乗だと思っていた。

そして、「またいつか乗れるだろう」と思っていた。
まさか、これが最初で最後の4号機でのフライトになるとは。

Now boarding!

丘珠空港に来るたびに、横断幕などで温かく見送ってくださるFDAスタッフの方々。
また来ます！

この日は、北海道エアシステム(HAC)のスタッフと思しき方々からも見送りを受ける。
いいんですか！
JALのコードシェア便になったためなのか、
丘珠空港のスタッフの温かさゆえなのか。

北海道エアシステム 航空会社

【特別出演】
そのHAC、FDAと共に丘珠空港を離発着する盟友のプロペラ機。

こちら、FDA4号機。
丘珠空港からの離陸のため、タキシング中。

丘珠空港では、滑走路の端までタキシングし、Uターンしてから離陸態勢に入る。

滑走路が短いため、丘珠空港ではジェット機は「ロケットスタート方式」で離陸。
普通の国内線より、離陸滑走時のGを強く感じる。

さっきまでいた丘珠空港が、後方にどんどん遠ざかる。

雲の上に出た。
さらば、北海道。

上空で見られた彩雲。

機内で、ドリンクとお菓子が配られる。
機体の色に合わせて、緑色のイラストの紙コップに入れてくれるFAさんの心遣いがありがたい。

目的地の富士山静岡空港に着く頃には、辺りは闇。
高度を下げて着陸態勢に入る頃、藤枝・焼津・静岡方面の夜景が見えてくる。

駿河湾上空で旋回しながら高度を下げると、視線の先には富士山静岡空港の誘導灯が。

4号機、無事に富士山静岡空港に着陸。
滑走路から離脱する様子がうまく撮れず。

こうして、2時間のフライトはあっという間に終わった。

2024年1月

再び4号機に出会えたのは、退役のニュースが発表される前のこと。
富士山静岡空港でヒコーキ撮影中、そこにいたのは4号機。

藤枝・焼津を背に、離陸滑走。
この日、富士山は見えず。

静岡空港 (富士山静岡空港) 空港

4号機は、福岡に向かうフライト。
行ってらっしゃい！

この3週間後の2024年1月25日、
FDAは4号機を退役させることを発表した。
FDA始まって以来、初めての退役機となる。

2024年2月

退役が迫ってきた2月下旬、4号機のフライトスケジュールが公開された。

退役日まで、動画や退役チャーターフライトなど、FDAは数々の発信やイベントで盛り上げてくれた。
我々ファンも、「切なさ」と「退役を盛り上げる気持ち」の両方を味わうことができた。

「退役機ってこんなに特別で、こんなふうにサヨナラしていくのか」と思い知った。

※画像は、FDAのサイトをスクリーンショットしたもの
https://www.fujidream.co.jp/campaign/thanks-JA04FJ/

フジドリームエアラインズ様より、画像掲載の許可をいただきました。
ありがとうございました。

2024年2月

雨の富士山静岡空港にて。
フライトは、今の所発表された運航スケジュール通りに進んでいる。
福岡からの4号機が、雨雲を抜けて降りてきた。

退役まであと15日。
どうか、スケジュール通りにフライトでき、各地の空港でさよならできますように。

雨の滑走路に、「逆さ4号機」が微妙に映る。

深みにハマった？4号機の瞬間。
水しぶきを上げながらタキシング。
だが、30000時間以上も飛んできた4号機にとっては、水たまりなんて大したことではない。

11号機じゃない、これは確かに4号機だと確認。

【友情出演】
この日、静岡県の富士山の日に合わせたイベントが開かれており、エプロンの一部は航空機見学会で賑わっていた。
そこにいたのは、ティーグリーンの8号機。

その横を、粛々とフライトをこなす4号機が出発。

離陸のため静止。
雨の中の離陸時、エンジン出力を上げる4号機の後ろに、カメハメ波のような水煙が。

新たな目的地：鹿児島に向けて離陸。

離陸直前、水面に飛行機のライトが映る。
まるで、アニメ映画に出てくる緑色の妖精のよう。
こんな4号機、初めて見た。
ご安全に、行ってらっしゃい！

2024年3月

この日は晴天で西風のため、「4号機と富士山とのコラボが撮影できそうだ」と予想。
再び富士山静岡空港へ。

天気予報と4号機の運航スケジュールを照らし合わせると、コラボが撮れそうなのは、この日がラストチャンス。

2号機を待機させながら、4号機が着陸してくる。

だが西風がとても強い日で、風に煽られている4号機、あわやゴーアラウンドかと思われた。
辛うじて、片方のギアからランディング。

肝心の富士山とのコラボは、こんなカンジ。
雲だか富士山だか分からなくなっているが、晴天のもとで4号機の着陸を撮影。

晴れた日なので、4号機がよく見える。
太陽に照らされた機体を見ると、塗装し直したという4号機、機首がキレイになっている。
「ボロボロのままで引退させないぞ」
というFDAの関係者の思いを感じる。

ターンアラウンド後の出発時、グランドスタッフにあれこれ支度をしてもらっている4号機。

粟ヶ岳の「茶」文字と並んで、
『富士山静岡空港ショット』。
チーズならぬ、はい、ちゃーズ。

4号機離陸のときがやってきた。
狙い通り、富士山と絡むか？
…ってもう機首上がってる！早い早い！！
この日、西風が強すぎて、離陸機はどれも上がりが早かった。

富士山ははるか下、しかも雲の中。
残念だが、これも「ヒコーキ撮影あるある」。

富士山静岡空港では、そもそも西に向かう離陸でさえ、いつも見られるわけではない。

冬晴れの青空に映える「緑一点」、
残り数日のフライトもご安全に！

2024年3月7日

富士山静岡空港からのラストフライトの日。
出発予定時刻は8:45だが、現地の天気予報はくもり一時雨。

※画像は、Yahoo!JAPAN天気アプリのスクリーンショット

この並びもこの日まで。

ターミナルビルのセキュリティーチェックの前には、記念の横断幕とテレビクルーの姿も。
見送る人の姿は少なかったが、搭乗客の中には緑色のものを身につけた方もいた。
「このラストフライトにわざわざ乗りに来た」とのこと。
やっぱりラストフライトは特別なのだ。

出発のとき。
4号機がプッシュバックされると、ランプスタッフの後ろに、空港全職員かと思われるほどのたくさんの空港関係者の方々が。

アメリカから日本に来たとき、富士山静岡空港に降り立った4号機。
東日本大震災発生後、救援物資等を積んで富士山静岡空港から花巻空港に向かったのも4号機。

そんな思い出深い空港を後にする4号機。

さよならが近づいていようとも、粛々とフライトをこなす4号機。

写りが悪いが、この数日前に行われたチャーターフライトで、参加者や関係者の皆さんが書いたメッセージも何とか視認。
確かに4号機と一緒に飛んでます。

静岡名物である茶畑の中の離陸滑走も、これが最後。

富士山があるはずの景色も、これが最後。

焼津・藤枝・島田方面をバックに離陸滑走するのも、これが最後。

そして、静岡の地を離れる瞬間。

そういえば4号機、
『エンブラエル機で世界一の離着陸数を記録』
したんだってね。

退役に向けて、ご安全に行ってらっしゃい！

2024年3月9日

4号機は、ラストフライト：出雲ー名古屋小牧を迎えた。

自分は現地で見届けられなかったが、アプリFlightradar24でリアルタイム追跡。
着陸まで残り数分になったとき、4号機の追跡数は世界全体で1位を獲得。

※画像は、アプリFlightradar24のスクリーンショット

その後、追跡数は最終的に1400人を超えた。

X(旧Twitter)でも、「#ずっと大好き4号機」「#フジドリームエアラインズ」などのハッシュタグがトレンド入り。

4号機の花道を飾るだけでなく、この日のために尽力してきたFDA関係者の方々の願いも叶った。
そのタイムラインで、日本全国の先輩方が撮った、素晴らしい4号機の写真をたくさん見ることができた。

※画像は、X(旧Twitter)のスクリーンショット

気になる4号機の今後についても、「県営名古屋空港で余生を送る」と発表された。

4号機本体のがんばりはもちろん、
メンテナンスし続けてきたFDAスタッフの皆様、
30848時間飛ばし続けたFDAクルーの皆様、
退役に伴うイベントなどを盛り上げてくださった関係者の皆様、
ありがとうございました。

そして、拙い写真と旅行記にお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。

2024年3月12日

「FDA機としての総飛行時間は30848時間だった」と、FDAが発表。

4号機、今までありがとう。
30848時間のフライト、おつかれさまでした。

さよなら。