2022/07/09 - 2022/07/09
7位(同エリア95件中)
ウェンディさん
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この旅行記のスケジュール
2022/07/09
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飛行機での移動
羽田発が30分遅延し、鹿児島での乗り継ぎがギリギリ!で乗れないかと覚悟をするほど。
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無事に荷物も到着し、宿のオーナーの迎えを待つ
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観光ホテル東のコチンダ棟に宿泊!ケイビングやダイビングする方におすすめ!
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15時から、リムストーンケイブでケイビング
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ケイビングは沖永良部ケイビングガイド協会に依頼。ガイドの濱本氏、ライティングや写真撮影が本当に上手!
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この旅行記スケジュールを元に
ケイビングという単語、聞いたことありますか。
英語ではCAVINGと記し、CAVE(洞窟・鍾乳洞)探検を意味します。
ケイビングは一昔前までは、大学の探検部などによる限られた人が対象のアクティビティでしたが、最近ではプロのケイビングガイドが案内するケイビングツアーもあり、2022年の夏旅はそのケイビングを目的として旅に出ました。
島国;日本は洞窟・鍾乳洞天国で、ケイビングはその穴さえあれば何処でも可能ですが、私たちが目指したのは珊瑚の島の鍾乳洞。
そこには、一般的な観光鍾乳洞とは異なる太古の自然の姿が観察できるケイビング用の鍾乳洞が有り、ガイド同伴ならば入洞することができます。
洞窟探検なんて、子供のおあそびでしょ!
そう思われる方も多いかもしれませんが、此処は本格的な洞窟探検で、洞窟内へと一歩足を踏み入れれば真の闇の世界の到来。
太陽の光が入らない洞窟を支配するのは闇のみです。
しかし、その暗闇に潜むのは古生代・中生代の頃に生きていた古代生物の化石や数千年の長い年月をかけてできあがった鍾乳石の美しい地下宮殿。
純白の鍾乳洞が作る地底の王国がそこにはあります。
私自身も“穴があったら入りたいタイプ”で、穴が大好きで採掘場やセノーテ等いろんな穴を訪れましたが、こんなに美しい自然のままの鍾乳洞は初めて。
世界トップクラスの絶景鍾乳洞と言って過言ではないと思います。
そんなちょっと危険でエキサイティングな鍾乳洞の世界へと足を踏み入れ、日本の自然の素晴らしさを再認識した旅行記です。
☆★☆★2022年夏 アラフィフ・アラ還の沖永良部・与論旅☆★☆★
〔ケイビング〕リムストーン:https://4travel.jp/travelogue/11768182
〔ケイビング〕大蛇洞:https://4travel.jp/travelogue/11769223
〔ケイビング〕水連洞:https://4travel.jp/travelogue/11770072
〔ケイビング〕銀水洞:https://4travel.jp/travelogue/11772349
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 2.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
-
今回、ケイビングを目的に訪れたのは沖永良部島(おきのえらぶじま)で、沖永良部島があるのは鹿児島県の南にある奄美諸島の端。
島はインド料理のナンの形をしていて、島からは沖縄本島が目の前に見えるほど、沖縄に近い。
その島で楽しめる漆黒の闇の中のケイビングでどんな風景を見ることをできるのかを、旅行記のはじめでYouTubeのショート動画で紹介♪↓
https://youtube.com/shorts/73wKbB4VbLo?feature=share
動画で紹介しているのは、この旅行記で綴るリムストーン・ケイブ探検のLastで出会える絶景。
沖永良部島のケイビングのことを最初に知ったときに、こんな幻想的な絶景に日本で出会えるなんて信じられなかったが、実際に目の前にした景色は動画で見るよりも、もっと感動的だった。 -
本土から遠く離れた沖永良部島へのアクセスは飛行機かフェリーで。
フェリーは鹿児島と那覇から毎日1便あり、鹿児島からならば2等の雑魚寝船室で13830円だが、17時間の船旅となる。
飛行機だとJALが1日3便飛んでいてその運賃は正規料金で36000円とお高めだが、早めの予約でウルトラ先得を使えばその半額の18000円とかなりお得になる。
夏休みと有給休暇に限りのあるサラリーマンの私たちはTime is Moneyなので、飛行機利用の1チョイス。
コロナ禍の現在、7月旅の航空券を早い時期に買うのはリスクがあることは承知していたが、3月上旬の発売と同時に割引運賃航空券をポチリ。
行きは羽田-鹿児島-沖永良部島、帰りは与論-沖縄-羽田と別ルートで。
全て最安値で予約し、羽田からの航空券は往復で64520円と正規料金の半分程度で購入できた。羽田空港 第1旅客ターミナル 空港
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イチオシ
航空券の手配も大切なのだが、沖永良部島をケイビング目的で訪れる場合、航空券の手配よりもより優先すべき事柄がある。
ソレは、ケイビングガイドの手配。
沖永良部島にはケイビングのできる洞窟が4洞あるのだが、どの洞窟もガイドの案内が無ければ入ることはできなく、また洞窟には1日数組しか入れなく、一番難しいといわれる銀水洞は所用時間が5時間のため、1日2組がマックスだ。
ケイビングガイドの数だってそれほど多くはない。
沖永良部への航空券は満席になることは少ないので、多少高い航空券でも良いならばいつでも購入できるが、ケイビングはガイドさんや洞窟の時間に空きがなければ不可となるため、ケイビングの予約の時期は早ければ早いほどベターとなる。
だから、私たちも航空券に空席がしっかり残っていることを確認した上で、2月下旬に沖永良部ケイビング協会にコンタクトをとり、ケイビングガイドの手配が完了してから、あらためて航空券を購入した。
(写真:5時間を要する銀水洞の絶景)沖永良部ケイビング協会 名所・史跡
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ケイビング旅で次に手配すべきなのが、宿泊施設だ。
島にはスーパーがある大きめの町は2箇所あり、東の和泊(わどまり)と西の知名(ちな)。
町のサイズとしては知名が若干大きく、島で一番大きなホテルであるフローラルホテルがあり、大手旅行会社のツアーならば此処が定宿で、フローラルホテルには夕食を食べられるレストランもあり、基本はホテルの中だけで事が足りる。
もう一つの和泊は、こじんまりとしたホテルや民宿が多い。
和泊のホテルは朝食がついていることが多いのだが、夕食は無しのパターンが多く、夕食は漁港付近の食堂や居酒屋での外食が基本となる。
利便性をとるか食の多様性をとるかの二択となるが、沖永良部の郷土料理をいろいろ食べてみたかった私の選択は断然和泊で、和泊にあるコチンダホテル(観光ホテル東の別棟)に宿をとった。
このコチンダホテルに関しては口コミも少なく宿泊当日までは不安もあったのだが、空港に迎えに来てもらった時の第一印象から、コレは正解!の予感。
実際、宿のオーナー夫妻もとても親切で、5泊6日の和泊での滞在はとても快適な滞在となった。
室内のランドリーの場所もしっかりと確保してあるコチンダホテルはケイビングやダイビング、シュノーケリングなど毎日洗濯をたくさんする旅人には☆5でお勧め♪できる。
〔写真:コチンダホテルはプチリゾートの雰囲気〕コチンダホテル 宿・ホテル
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イチオシ
また、島旅の足として欠かせないモノ;レンタカーの予約も忘れてはいけない。
台数に限りのある島のレンタカーの予約は出遅れるとまずいのだが、3月に島のレンタカー屋さんにメールしたら「まだ予約は始まっていない。7月の予約は5月中旬から」と返信があり、5月のGW開けに再度レンタカー屋さんへと連絡をした。
ところが、5月中旬予約開始と聞いていたのに私が借りたいと思っていた初日はもう既に満車で貸せる車がない!とのこと。
一応事前にメールで日程は伝えてあったのだから仮予約のような形でおさえてくれていても良さそうなモノだが、無い袖(クルマ)は振れないよね。
結局、滞在中に通しでレンタカーを借りることはできずに、アトリエレンタカーとメンショリレンタカーの2社からレンタルすることになった。
因みに24時間のレンタル代金はアトリエが3800円、メンショリが3300円で、車が新しいのはアトリエレンタカーかな。
そんなこんなで準備をした沖永良部島への旅は7/9に羽田を出発。
旅は順調にスタート・・・と書きたいが最初からトラブル発生で、鹿児島行きが羽田で30分ディレイとなり、鹿児島空港での沖永良部行きへの乗り継ぎが10分しかないという非常事態に。
幸い、鹿児島空港がそんなに広くなかったので10分の乗り継ぎ時間でなんとかセーフで、沖永良部便に乗れ、荷物共々無事、沖永良部空港に着陸できた。
島への着陸はちょっとワクワク。
プロペラ機が海面すれすれにランディングする光景は小さな島ならではで、珊瑚礁の青い海面に沿って下りる瞬間はドキドキした。
(写真:シャーシビーチにて) -
沖永良部島にある4個のケイビング鍾乳洞には名前が有る。
リムストーン・ケイブ、大蛇洞、水連洞、銀水洞の4つで、それぞれ難易度が異なり、銀水洞が一番難しく、銀水洞のケイビングに挑戦したい場合には、必ずその前に初心者向けの鍾乳洞で練習をしないと、銀水洞のケイビングには参加させてはもらえない。
私たちは4つの洞窟全てを制覇する目的で島を訪れているので、簡単なコースから順番に攻めていき、最終日が銀水洞となる。
(写真:3日目の水連洞のケイビングにて 腰回りよりも少し広い鍾乳石の穴をくぐり抜け、次のステージへ進む) -
この日は飛行機で島へと到着したばかりなのだが、コチンダホテルのオーナーの奥様に空港まで出迎えてもらったら、少し早めにアーリーチェックインし、ケイビングの準備。
真夏のケイビングの準備に必要なモノは↓こんな感じで、私は海遊びの水着もかねて3セットを準備した。
・速乾性素材のブラ
・速乾性素材の足首まであるスパッツ
・速乾性素材の長袖シャツ
・靴下
・マスク(コロナ禍の今はマスクがないとケイビングには参加できない)
私は通気性の良いウレタンマスクを使用したのだが、ウレタンは水に頭まで潜るケイビングでは駄目な選択肢で、水に潜った後に頭を水上に出した時に、水を含んだウレタンマスクは顔に張り付きやすく、息を吸っても空気が入ってこず呼吸ができなく、溺れそうになった。マスクはスポーツマスクの様な素材がお勧めだ。
・靴はレンタルで500円で借りられるので、わざわざ持って行かなくても大丈夫。
真夏なのに長袖・長スパッツを着用して暑くないのか?と思うかもしれないが、鍾乳洞の中の気温・水温は20℃なので、長く水に浸かっていると躰が冷えてくるのでこれくらいの装備が必要となる。
着用衣類の素材が速乾性であることも重要で、ケイビングには水を含むと重くなる木綿のような生地は向かない。 -
14時に沖永良部島でホテルのオーナーにピックアップしてもらいアーリーチェックインし、15時にホテルのロビーでケイビングに関する誓約書にサイン(ケイビングの道中に関わる事故は全て自己責任を承知するという内容)をしたら、1本目のケイビング・ポイントへ向け出発。
そして15時30分過ぎには初心者向けのリムストーン・ケイブの入口へと到着し、ここでつなぎと手袋、膝当て、ヘルメット、ヘッドランプを着用したら、洞窟探検の始まり。 -
沖永良部島においてケイビング可能な鍾乳洞は個人の所有物(ケイビングガイド連盟orケイビングガイド協会の所有)であり、勝手にその区域に立ち寄ることができなく、ケイビングを愉しむためには許可の取得とケイビングガイドの手配が必要となる。(ケイビングガイドを予約時に許可もついてくる)
この日に入洞するリムストーン・ケイブは、実は日本三大鍾乳洞のひとつである大山水鏡洞。
ケイビングではその大山水鏡洞の中のほんの一部を歩くのだが、洞窟へのゲートとなる道はなく、車を車道に停めたらそこからは亜熱帯のジャングルの中を草をかき分け進んでいく。 -
そして、洞窟の入口に到着!
事前に調べているので中のことは少しは知っているが、洞窟内の状況は季節や水の量によって変わるので、どうなっているのかは未知数。
もう楽しみでしかない。 -
洞窟の入口は下り坂で泥で滑るので足下に気をつけて。
洞窟の底に下りると、岩から染み出す湧き水が川を作り流れていた。 -
流れの中にいるのは、川エビ。
躰の色は透明で、形はテナガエビとお友達な感じ。
洞窟の入口付近は光が少し入るので周囲の生き物は目がその機能を果たしているが、明日以降に入洞するケイビングは真の闇の世界で、そこに住まう川エビたちは目が機能していない。 -
リムストーン・ケイブはガイドブックに載るほど有名なので、こんな案内図がホテルに貼ってあった。
図によるとリムスートンケイブの長さは400-500mほどしか無く、往復で約1kmを周遊する様に歩く感じだ。 -
今回のケイビングで4日間の私たちのガイドを担当してくださったのは沖永良部島ガイド協会の濱本さん。
洞窟内を歩きながら、沖永良部島の鍾乳洞について濱本さんからレクチャーを受ける。 -
一般的に鍾乳洞の鍾乳石は1cm伸びるのに100年かかると言われているが、沖永良部島の場合は、1cm/30年とその成長スピードは少し速め。
沖永良部島があるエリアは亜熱帯性気候であり雨の量も多く、また珊瑚が堆積してできた島でもあるため、鍾乳石の原料となる炭酸カルシム(珊瑚の死骸が堆積したモノ)が島の基礎として大量に積み上げられていて、日本の他の鍾乳洞よりも鍾乳石の生成スピードが早いのだろう。
鍾乳石が張り付く天井からはストローと呼ばれる鍾乳石の赤ちゃん達がたくさんぶら下がっていた。 -
リムストーン・ケイブは初心者コースということだが、その洞窟内部は本当に初心者だったらちょっと驚くかもしれない。
初っぱなから、膝まで水に浸かってジャブジャブ歩く。 -
水位はどんどん深くなり胸の下まで水の中。
持参するカメラは防水仕様のモノのみ。
他の洞窟では、ヘルメットの上まで水が来る処もある。
つなぎの下に着る長袖・長ズボンの素材に速乾性がお勧めなのは、分かるでしょ。 -
洞窟内は鍾乳石の博物館のよう。
天井から垂れ下がる鍾乳石がいくつも繋がってできたモノは、通称;ベーコンだ。 -
ガイドの濱本さんは鍾乳石に関する知識が豊富で、いろんな事を教えてくれる。
-
洞窟内で発見された土器もあった。
土器と言えば、縄文の編目土器等の縄文・弥生時代を想像するが、BCに遡るほど古いモノではなく琉球王朝時代以前の遺物らしい。
土器模様がこの島で製造された土器の模様ではないことから、遠い昔から沖永良部島は他の島との交易があったことを推測できるそうだ。
彼らは光のないこの鍾乳洞の深部で、海を渡ってきた土器を持参して何をしていたのだろうか。
想像だが、土器に入れた蝋燭を吹き消した真の闇の中でシャーマンのような方が祈祷をしたり、神託を受けたりしていた気がする。 -
洞窟の底にある白いモノは亀の卵のように見えるがケイブ・パールと呼ばれる、鍾乳石が核となる小石等をコーティングして作り上げた芸術作品。
-
天井からぽたり・ぽたりとしたたる石灰分を含む水滴がコーティング材となり、更に小石の位置を少しずつ回転させながら皮膜して行くという奇跡のような自然の力がケイブ・パールを作り出している。
-
天井から垂れ下がる鍾乳石のツララとポタポタと垂れる液滴から作られる石筍が、もうすぐドッキングしそう。
でも、もうすぐといっても、あと500年から200年後くらいかな。
30年で1cmしか成長しない鍾乳石だから、私たち人類はそのドッキングした未来の姿を見ることはできるのだろうか。 -
鍾乳石の一部には古代の珊瑚が化石となった姿で残っている。
-
正確な年代は分からないが、4日目の銀水洞で補助ガイドとして入っていただいたケイビングガイドの河本さんの話によると、アノマロカリスの時代よりは後世ということなので、カンブリア紀よりも後の古生代-中生代の生き物(5-1億年前)くらいの珊瑚なのだろう。
珊瑚の種類もいろいろあり、化石も好きな私としてはじっくりと探したかったが、滞在時間が決められているのでそんなに長くは見ることはできない。 -
洞窟の中には、数百年前の大地震で天井が落盤したドーム状の空間も有る。
ここで見ることができるのは鍾乳石が作る巨大な石柱だ。
写真に雪のように写っているのは洞窟内を浮遊する細かい粒子だ。(虫ではない) -
巨大な石柱といってもサイズがわかりにくいので、ガイドの濱本さんが撮影してくれた写真で紹介。
-
イチオシ
石柱の巨大さは分かっていただけただろうか?
写真はちょっとやらせ写真の雰囲気を感じられるかもしれないのだが、ガイドの濱本さんからライトの向き等の指示が有り、その指示に従って撮ってもらったモノとなる。
相棒と二人で旅に出るとカメラ係がいつも私で、被写体が相棒のパターンばかりで二人で一緒に写る写真はほとんどないのだが、今回の4日間のケイビングでは濱本さんのお陰で二人が一緒の写真をたくさんとっていただいた。 -
本業がダイビングのインストラクターで水中カメラマンでもある濱本さんの写真はどれも素晴らしく、モデルはイマイチなのに洞窟探検の雰囲気が出る写真に仕上がっている・・・と思う。
ここの落盤でできたドームは、沖永良部島の基盤岩となる非常に密度の高い石が天井や壁に剥き出しとなっていて、落盤後に形成された鍾乳石のつららと茶色い基盤岩との対比が興味深いエリアだ。 -
洞窟内の鍾乳石は泥などの汚れで茶色くなっているモノもあるが、生まれたときのそのままの乳白色を保っている部分もある。
この鍾乳石の泥汚れは、大昔に地下水の川が増水したときに川水の泥色が鍾乳石についたモノや石灰水が天井の泥と交わりついた色もあるのだが、下の方にある茶色の部分はケイビングをする人が泥の付着した手袋で鍾乳石を触り汚してしまっている部分も多いとのこと。
洞窟に入るときに私たちがガイドの濱本さんに最初に注意するように言われたことが、手袋に付着したの泥汚れについて。
洞窟を歩いていると足下が不安定で、鍾乳石の石柱や壁に手をついてバランスをとることがあるが、その時に手袋が泥で汚れていると乳白色の鍾乳石を茶色く汚してしまい、鍾乳石のヒダに入り込んだ泥汚れは掻き出すこともできずに、そのままこの後、何千年も汚れたままとなってしまう。
だから私たちは、清浄な地下水があるところでは手袋をつけた手の汚れを水で洗い流すように心がけた。 -
大昔に堆積した珊瑚の成分を含む水からできている鍾乳石のその成分は、炭酸カルシウム。
その名の通り炭酸と骨の成分であるカルシウムを含む化合物だ。
炭酸を含む・・・というのがポイントで、このエリアの鍾乳洞はその炭酸濃度が非常に高く、濃度の高い炭酸が発泡する力で鍾乳石の形がキレイな結晶となることもある。
そんな結晶がこちら。
はじけるように噴き出した炭酸が作りだすクリスタルのような鍾乳石だ。 -
洞窟内を歩いていると、鍾乳洞の壁面がライトを当てるとキラリと輝く箇所があちこちにあった。
あまりにキレイに輝くので、もしや金(Gold)で一攫千金!!!と夢見たのだが、“きん”はきんでもこちらはGoldの金ではなく、菌(真菌)のカビだそうだ。 -
リムストーン・ケイブは初心者向けとのふれ込みだが、こんな狭いところを水に浸かってくぐり抜ける部分もある。
狭いと言っても、腹ばいになれば十分に通れるので、3日目に訪れた水連洞程の厳しい条件ではない。 -
リムストーン・ケイブの終盤にはちょっとしたアトラクションもある。
私と相棒が座っているのは巨大なフローストーンの上で、その下はちょっとした滝壺。
この先どう進むのかって? -
フローストーンの滑り台上をお尻でズリズリ進む!
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ここからは滑り台!
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まさか古生代に作られた鍾乳石の滑り台で遊べるなんて思ってもいなかった。
そして、深そうに見えた滝壺だが実はそんなに深さはなく、深いところでも大人の胸くらいの水位なので、子供だって安全に遊べるかな。 -
イチオシ
このフローストーンのプールがある部分は水の流れがキレイなので、時間があるならばゆっくりとしたいエリアだ。
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そして、リムストーン・ケイブのクライマックスは、もっとすごい。
そのクライマックスを迎えるには準備が必要なので、ガイドの濱本さんはその仕込みの為に洞窟の更に奥へ。
私たちはその手前のカーブの前で、暗闇の中の一休み。 -
イチオシ
そして、ガイドの濱本さんに準備OKといわれて洞窟の角まで歩いて行き目にしたのが、旅行記の最初にYouTubeで紹介した動画の絶景で、石灰棚と湧き出す水が作り出すリムプールの幻想的な景色だ。
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リムプールがあるのは、光が差し込まない鍾乳洞の暗闇の中なのだが、ここがガイドさんの腕の見せ所。
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ガイドさんは持参した水中ライトをリムプールの中に設置し、闇の空間を光の幻想空間、地下宮殿の世界へと変身させる。
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リムストーン・ケイブの名前は、ここのリム・プールから来ている。
リムとは石灰が堆積してできあがった水をせき止める堰のことで、プールは水たまりだ。 -
リムプールに流れ込む水は全て、島の石灰層や砂利層で濾過されてきた石灰水なので、水に濁りはなく透明だ。
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この洞窟のリムプールはその水の中に入ってもOKなので、輝く水の中に膝まで浸かって、その景色を堪能する。
(4日目の銀水洞はプールの中に入ることは禁止) -
クライマックスであるリムプールはその滞在時間もたっぷりととってあり、のんびりと座ってその景色を愉しむ時間の余裕がある。
-
そして、このリムプールの一番奥には2股に別れた洞窟が有り、その先にも不思議な絶景があるのだが、コレは体力が有り余っている方にお勧めのオプション。
-
この先にある水鏡の作り出す絶景は是非、見てほしいところだが、残念なことに写真はない。
-
滞在時間は15分くらいかな。
名残惜しいが、光り輝くリムプールとはお別れの時間。
ガイドの濱本さんが、洞窟の奥から順にライトを回収し、鍾乳洞が本来の闇の世界へと戻って行く。 -
イチオシ
洞窟の出口は、洞窟が大きく口を開けている場所。
リムストーン・ケイブのトータルの洞窟探検は約2時間。
たった2時間だが、太陽から切り離され、真の闇の中を懐中電灯の明かりだけで歩く時間はエキサイティングな体験だった。
洞窟探検はあと3日間。
蛇の体内を歩くかのような大蛇洞、足もつかないほどの深いリムプールが連続する水連洞、そしてBlue World in the Undergroundの銀水洞。
何処も素晴らしくアドベンチャラスで、楽しいところ。 -
これから続く旅行記では、そんな洞窟探検の様子と沖永良部島に滞在中の食情報、そしてシュノーケルのポイント、
ワンジョ海水浴場 ビーチ
-
更に、沖永良部のついでで訪れたおまけの与論島での、タートルスイムの様子などを綴っていきたいかな。
続きの旅行記;
〔ケイビング〕大蛇洞:https://4travel.jp/travelogue/11769223大金久海岸海水浴場 ビーチ
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この旅行記へのコメント (4)
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- 琉球熱さん 2022/08/02 19:38:59
- いやはや
- ウェンディさん、こんにちは
いやはや、またまた凄いものを見せていただきました
まず島に上陸する際の事前準備、これは観光地として開発されている沖縄本島や周辺離島では考えられない手間ですね
どこか、南北の大東島に通じるものがあります
それにケイビング自体の規模
石垣や西表でも「ケイビング」と謳うアクティビティがありますが、次元が違いすぎて圧倒されます
担当のガイド氏のライティングも最高のサービスじゃないですか!
苦労して行った人じゃないと絶対に手に入れられない風景と写真
羨ましーーー
---------琉球熱--------
- ウェンディさん からの返信 2022/08/03 07:56:18
- Re: いやはや
- 琉球熱様 コメントをありがとうございます!
初めて沖永良部でのケイビングの写真をネットで拾った時、こんな凄い鍾乳洞が日本にあるのか!?と驚きました。
それまでは鍾乳洞といっても西表での蝙蝠洞窟や福島の入水鍾乳洞くらいがアドベンチャー要素があるところで、あとは最初から灯りがある観光鍾乳洞ばかり。
だから、その存在を知ったときから情報収集開始。初めは沖永良部は沖縄だと思っていたくらい無知でした。
しかし、ケイビングは詳しい情報となるとネット上にも少なく、結局は、直感のみで参加を決めましたが、後悔なし。
日本の自然の振り幅は、ほんとに幅広く、楽しみ方も多様ですね。
ウェンディ
-
- fujickeyさん 2022/07/25 11:42:02
- すごい!すごい!すごい!!
- ウェンディさん、こんにちは。
この鍾乳洞、すごい!!探検隊だね。
めちゃくちゃキレイだし、ガイドさんがカメラマンだったら信頼できますね。
実際にとっても素敵に写っているもの。
以前、群馬県でケイビングをやった時に膝あて必要だなって思ったわ。
ウェンディさんが行かれた会社さんでは膝あても付いているのね。
これはポイント高い!
4つの鍾乳洞、それぞれに特徴がありそうですね。
次の探検記も楽しみにしています。
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2022/07/25 19:29:26
- Re: すごい!すごい!すごい!!
- fujickeyさん こんばんは。
私も初めて沖永良部のケインビングの写真を見たときにはすごい!の言葉しか出ませんでした。
写真で見ると、自分の目で見るのとは異なる迫力がありますね。
ケイビングではコースにより貸し出し物品が異なります。
この旅行記で紹介したリムストーン・ケイブは水に浸かる時間が短いので、ウェットスーツはつきませんが、他の3つは水中にいる時間も長いのでウェットスーツも貸してもらえます。多分ウェットスーツを着ないと体温を維持できないのではないかな。
膝当ては本当に助かりました。
匍匐前進をしたり、真っ暗な水中を歩くので膝をぶつけることも多く、膝当てがなかったら、膝の痛みでなんど飛び上がっていたか分かりません。
ウェットスーツを着ていても、すねやふくらはぎ、腕などを水中の岩にぶつけ、打撲の青あざも多数できました。
それでも、楽しくってお勧めなケイビングです。
南北に長い日本の自然、
本当に素晴らしいですね。
ウェンディ
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