2020/10/31 - 2020/11/01
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ウェンディさん
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暑かった夏もその足跡すら消えかかった10月の終わりに、秋の色を探す旅に出ました。
向かったのは南会津地方。
南会津は尾瀬に行くときに通ることはありましたが、今までは立ち寄ることのなかったエリア。
今回は1泊2日で秋色に染まる山を楽しむことにしました。
旅の初日は、奥会津の七ヶ岳(ななつがたけ)にて紅葉狩りトレッキング。
七ヶ岳は高い山ではありませんが百名山のひとつであり、稜線から眺める山の裾野の紅葉は、まるでChocolate Hills(フィリピン)みたい。
そして夜は、奈良時代から続く湯野上温泉に投宿し蕩けるような美人の湯に身を沈め、旧暦の中秋の名月を愛でてきました。
・姉妹旅行記
秋空を渡る 江戸の風【大内宿】
https://4travel.jp/travelogue/11663580
・秋抱く絶景 【左下り観音堂 & 塔のへつり】
https://4travel.jp/travelogue/11664425
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
久しぶりの秋晴れの土曜日。
朝5時に家を出て東北道をひた走り、南会津エリアへと乗り入れたのは7時過ぎ。
斜めに射し入れる朝の柔らかな光が山の峰を照らしあげ、山の彩が刻々とその色を取り戻していく中をドライブする。 -
本日最初のドライブ休憩は、道の駅たじま。
時刻は朝8時ころ。
トイレ休憩だけのつもりだったのだが、周囲を取り囲む山が見事に紅葉していて、思わず足を止めてその紅葉に見入ってしまう。
天気予報によれば、朝から秋晴れの良い天気の筈だったのだが、空には雲。
これからの天気がどうなるのかちょっと不安を感じさせる空色だ。
道の駅では野菜の直売が始まっていて朝からお客さんがたくさん。
私も見るだけのつもりで立ち寄ったのに、大好きなリンゴのシナノスイートが大玉なのに6個550円と格安で販売されているのを見つけてしまい、思わず衝動買い。
林檎はこの時期が旬。
今食べなくって、いつ食べるの?と自分自身に言い訳しながらのお買い物だ。道の駅 たじま 道の駅
-
本日のメインの目的地である会津アストリアホテルへと到着したのが8:40頃。
紅葉真っ盛りのベストシーズンのはずなのだがホテルの駐車場の車の数は少なく、寂しい感じ。
私達はホテル側ではなく、アストリア・ロッジ側の駐車場に車を停めて歩き出す準備をする。会津アストリアホテル 宿・ホテル
-
この日のお出かけの目的はトレッキングをしながらの紅葉狩りで、登るターゲットは七ヶ岳(ななつがたけ)だ。
七ヶ岳にはいくつか登山道があり、当初の予定では沢登りをしながら山頂を目指す“護摩滝登山口(黒森沢登山口)”からのトレッキングを考えていたのだが、過去に遡ること1週間前の日曜日に相棒が指を骨折し、折れた指では沢登りはとても無理!という判断で、指を使わずに歩ける一番簡単なルートである“たかつえスキー場登山口”からアクセスすることに。(指の骨折という事故を聞いたときに、私自身はトレッキングの中止も検討したのだが、相棒の中には指の骨折如きで山遊びをキャンセルするという選択肢は存在していなかった)
“たかつえスキー場登山口”ルートはその名が示すように、スキー場のゲレンデを登り標高を稼ぐコースとなる。 -
ゲレンデを登るなんて楽勝!と思われがちだが、ひたすら単調な坂道を上るゲレンデ登りは結構心が折れるもの。
そんな挫けそうな心を励ましてくれるのが、カラマツ林の燃えるような黄金色の紅葉。 -
そして、ゲレンデを登りながら振り返り見る景色もなかなか。
-
ひたすら斜面を登って高度を上げると、山深い会津地方が秋色に染まっている光景が眼下に広がってくる。
会津高原たかつえ スキー場
-
今回の“たかつえスキー場登山口”だが、ゲレンデ登りの時間が1時間半と長く、冗長。
秋は紅葉の移ろいがあるので歩いていてもあまり厭きることはないが、だらだらとしたゲレンデ歩きが長い。
そして、ゲレンデを歩いている間に登山道までの案内看板が全くない。
アストリアホテル脇にはルート案内の看板(写真)があり、そこには第4ペアリフトの終点あたりから林道を歩くコースが示されているが、時期が冬ではないので、リフトに第〇リフトなんていう案内看板はなく、斜面を歩いているときに第4ペアリフトがどのリフトを指すのかが歩いていてわかりにくかった。
この第4ペアリフトから先へと続くスキー場の斜面は、林道を迂回しなくても直登でも登山口にたどり着くことは可能だが、かなりの悪路。
横倒しになったススキの茎に足を取られ転びそうになる斜面(実は下りにチャレンジしてみた)で、転んだら変な方向へと足をひねりそうな場面もあったので、案内図にある林道を歩く方が断然お勧めだ。
私達は登りの時はなんとなくのフィーリングで歩いて無事に林道ルートに入れたが、案内標識がなかったので、この道で合っているのか歩いていて不安しかなかった。
もう少しルートの案内看板をしっかりと設置してほしいと思う。 -
ゲレンデ歩きから林道ルートへ入ると、山肌の季節は晩秋。
木々は黄変した葉を落とし、カバノキはその白い幹と枝を空へ向かって突き立てていた。 -
林道歩きは20分ほどで、林道を抜けると高台へと到達する。
-
ここからの景色は絶景で、黄金色に染まる南会津とその向こうにそびえるのは燧ケ岳と会津駒ケ岳。
標高が2000mを超える山では、もうその頂に白銀の冠を戴いていた。 -
そして、1.5時間に及んだスキー場歩きもここで終了。
この先が、待ちに待った七ヶ岳登山道となる。 -
樹木が茂る登山道に入ると、秋というよりは山の木々は冬の装い。
-
足下にはカラフルに紅葉した秋化粧がふわりと積み重なり、ふかふかの大地。
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場所によっては初雪が白く積もり、シャーベット状にサクサク。
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葉の落ちた木々が多い中で、赤い葉が青空のアクセントとなっていた。
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気がつくと、スキー場をひたすらダラダラと登っていたときには曇りがちだった空もゆっくりと晴れ上がり、秋の透明度の高い青空が頭上に広がっていた。
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雑木林を歩く時間は永くはなく、丸山分岐と呼ばれるT字にさしかかると、そこから先は基本は稜線歩き。
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この七ヶ岳は7個の峰が連なる山。
そこの最高峰が七ヶ岳(1636m)であり、その山頂もこれから歩く稜線の先に見えている。
見えてはいるのだが、未だここからの道のりは1時間弱が必要なので、そんなに近くはないかな。 -
そして、ここからが目の前一面のパノラマの世界。
稜線から眺める山の裾野は錦の世界。
まるで秋が紡ぐタペストリーの様な色合いだ。 -
この景色を眺めながら思ったのが、どこかで見たことがあるかも・・・というデジャブにも似た気持ち。
何処だったかな?
誰かのブログの写真だったかな?七ヶ岳 自然・景勝地
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歩きながらちょっと考えて、しばらくして頭に浮かんできたのがチョコレート・ヒルズの光景!
そう、眼下に広がる紅葉の大パノラマは、私自身はまだ訪れたことはないが、以前に写真で見たフィリピンのChocolate Hillsみたいな感じ。
南国のフィリピンでは紅葉の現象は見ることが出来ないが、もし地球上でポールシフト等が起こりフィリピンに秋の気候が誕生することがあれば、チョコレート・ヒルズの丘はこんな風に秋色に染まるのかもしれない。 -
錦秋のチョコレート・ヒルズを眺めながら、稜線を歩く。
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稜線道の中にもところどころ雑木林の中を歩く箇所もあり、地面には雪。
そんなところは道もぬかるんでいて、歩き方が悪いとズルリと滑る処も多く、要注意。 -
雑木林の中からは紅葉のチョコレート・ヒルズは見えなくなってしまうが、晩秋の林の中には秋の実りが沢山。
サルノコシカケのようなキノコはなんだか美味しそうに見えるが、私にはどれが食用で、何が禁忌かなんて分からないので、キノコは眺めるだけ。 -
真っ赤な木の実も秋色の衣を纏って・・・
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スキー場のゲレンデを歩いている時には1個もなかった登山道を示す看板も、稜線道にはあちこちにあるので、分岐点でも迷うことはない。
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稜線歩きを40分も続けると、目指す山頂も、もうすぐそこ。
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目の前の丘をもう一つ超えれば、目指す七ヶ岳の山頂だ。
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最後の一踏ん張り・・・
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賽の河原と呼ばれる小岩がゴロゴロする斜面を登る。
七ヶ岳はもともと信仰の山で、この山には鬼伝説があり、山頂直下の賽の河原では亡くなった子供の声が聞こえる・・・なんていう話も残っている。 -
そんなちょっと怖い話もある七ヶ岳の山頂へ到着したのは、たかつえスキー場の駐車場を歩き始めて2.5時間後。
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弁当は持参していない軽トレッキングの私達は、此処ではサクッと景色を楽しむ。
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山頂からは、景色は360度に近いパノラマ。
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私達が歩いてきたスキー場からルートも、
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沢登りをしながら歩く護摩滝登山口方向も、その連なる峰がよく見える。
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空は秋晴れ!
久々の晴天トレッキングに、疲れて沈んでいた心も晴れ晴れ! -
亡き子供の声が聞こえると言われる賽の河原からもチョコレート・ヒルズみたいな紅葉の景色が一望できる。
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帰路は来た道を戻るだけ。
登山道の紅葉は、ほとんど終わりかけ。 -
でも、その分、秋と冬の狭間の雰囲気がたっぷりと味わえる。
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ランチは南会津の前沢集落にある蕎麦処の曲家(まがりや)にて。
この地区に昔から残る伝統建築の曲家を利用した蕎麦屋さんで、お値段は観光地価格としては比較的リーズナブル。
曲家への到着は13:30だったが、土曜日ということで10組待ち。
たっぷり30分のウェイティングだった。
山登りの後でお腹が空いていたので、セットメニューである郷土料理の“ばんでい付きのざる蕎麦”(大盛り:1440円)をオーダー。
手打ち蕎麦は美味しかったが、楽しみにしていたばんでい餅が冷め切っていたのが残念な部分だった。そば処 曲家 グルメ・レストラン
-
ランチの後は、そのまま車での紅葉ドライブで、会津郡下郷町の湯野上温泉郷へ。
湯野上温泉の歴史は古く、その発見は1300年前の奈良時代と言われている。
しかし、大々的に有名になったのは江戸時代で、温泉近くの集落の大内宿は、茅葺きの家が立ち並ぶ宿場町として現在でもその姿を残している。 -
渓谷に沿うようにある湯野上温泉だが、そのターミナルとなる駅舎(会津鉄道会津線)も茅葺きで風流な佇まい。
湯野上温泉駅 駅
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日本で駅舎が茅葺きなのは2駅しかなく、その中の一つが湯野上温泉駅だということだ。
写真と解説は翌日の朝7時前に駅舎へと訪れたときのモノだが、朝霧に覆われた駅舎は風情があった。 -
会津線は本数が多くはないのだが、ラッキーなことに私達が駅に到着してすぐに列車がやってきた。
可愛らしいラッピング列車デザインは、あべ 弘士さんが描く童話“あらしのよるに”を彷彿とさせる雰囲気。
会津地方の子供達がデザインしたのだろうか。 -
駅舎には足湯があり、熱い湯が冷えた四肢には気持ちよかった。
-
湯野上温泉郷は小さな温泉郷で、阿賀川に沿って旅館と民宿がある。
その温泉郷へのアクセスは、紅葉谷の吊り橋を渡って。 -
湯野上温泉で宿泊したお宿は、民宿の山形屋。
新型コロナ対策もばっちりで、男女別の温泉は部屋ごとの貸し切り制で、露天は部屋単位での時間予約。
温泉の予約は早い者勝ちなので、宿に着いたお客さんから希望の時間をホワイトボードに記入していく。
この日は旧暦の中秋の名月で、まん丸のお月様。
星が瞬く中、ゆるりと蕩けるアルカリ性の露天の湯に浸かり眺める月夜は、情緒豊か。
宿の夕食は通常のプランに少しだけプラスして、会津牛の焼き物を投入し、大満足。
お料理はどれも美味しかったが、中でも会津地方の伝統的な家庭料理の“こづゆ”が気に入って、女将さんにレシピを聞いたら“干し貝柱の出汁”を使っているとのこと。
どうやら、新潟の郷土料理の“のっぺい汁”と似たような作り方らしい。民宿 山形屋 宿・ホテル
-
湯野上温泉を訪れた翌日は、秋の絶景を求めて南会津をドライブ。
大内宿で江戸時代の雰囲気を味わい、山の中にひっそりと佇む鎌倉時代の観音堂に出会い、塔のへつりで地球が作り上げた岩の絶景を堪能!
その旅の様子は次の旅行記で。
続きの旅行記
秋空を渡る 江戸の風【大内宿】
https://4travel.jp/travelogue/11663580大内宿 名所・史跡
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2020/11/16 20:49:09
- 会津の旅
- ウエンディさん こんばんは
最初の写真を見て思わず、ワーッという声が出てしまいました。
これからこの景色の中を歩くのだと思うと、他人事ながら興奮しました。
この景色の中を歩くなら、骨折もなんのその,
でも、骨折って、後が痛いんですよねー。
pedaru
- ウェンディさん からの返信 2020/11/17 08:01:09
- Re: 会津の旅
- pedaruさん、こんにちは。
今年の旅はなかなか天気に恵まれず、いつも雨か曇天でさしたが、秋ハイキングに七ヶ岳へとお出かけしたこの日は、秋晴れの青い空。
久々にハイキングを満喫しました。
相棒の指の骨折はpedaruさんがおっしゃる様に、治って行く過程で痛みがあるようです。
添え木で固定されていて、手を洗うにもすべてを外さなければならない生活は大変そうです。
ウェンディ
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