2022/06/29 - 2022/06/30
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ぶどう畑さん
2022年6月29日(水)~6月30日(木)
一泊二日で箱根を訪れました。
習い事の検定試験が終わったら、気分転換したいなぁ。
久しぶりに「ガラスの森美術館」にでも行ってみようかな。
と思い立ったのがきっかけでした。
日帰りも可能だけど、一泊するか。
強羅に健康保険組合の法人会員のホテルがあるから、そこを利用しよう。
では、どこを観光する?
あーだこーだと考えて、1日目は「ガラスの森」、翌日は「岡田美術館」に行くプランを立てました。
小田原~強羅は「箱根登山鉄道」を利用。
アジサイ電車としても有名な登山鉄道。
標高の高い場所では、まだまだ綺麗なアジサイがたくさ~ん!
小田原では最高気温が38℃を記録する猛暑日となりましたが、箱根はそこまで気温が上がらず、久しぶりに夏の旅を楽しみました♪
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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旅の始まりは、横須賀線の遅延から…。(T-T)
予定の東海道線に乗れず、効率の良さはイマイチになってしまったものの、20分遅れで目的地に着けそうだ。
気持ちに余裕を持ちながら小田原駅に到着。小田原駅 駅
-
10:48の登山鉄道の電車まで30分近くあります。
「岡田美術館」の前売りチケットを小田原で調達することにしました。
2800円入館料が2550円になるのです。
駅に隣接する「箱根登山バス」の営業所に行くと、親切な係の人が「ガラスの森美術館も観るなら、前売り券をここで買って、美術館の窓口でお得なスペシャル・チケット・プラスに変えたらどうですか?」と提案してくれました。
ふ~ん、そんなことができるんだ。
では、仰せの通りに。 -
では、箱根登山鉄道に乗りましょう。
洗練された雰囲気に目を見張りながらホームへ降りると、そこは小田急線のホーム。登山鉄道のホームは箱根寄りでした。
改札は同じでも、登山鉄道のホームはごくごく普通。
強羅直通の電車はないので、湯本駅で乗り換えます。
ボックス席の窓側が理想ですが、席は埋まり、どうにかドア近くの横座りの席をゲット。
メチャ混みではなかったけれど、乗車率120%ってとこでしょうか。 -
アジサイ、咲いていました♪
麓のほうは枯れかかっていましたが、標高が高くになるにつれ、まだまだ見頃のアジサイが沿線を飾っています。
帰りの電車で写真を撮れるといいな。そう願いながら、車窓を眺める。
登山鉄道は「スイッチバック」しながら、ジグザグに箱根の山を上っていきます。
塔ノ沢駅を出るとほどなく、緑の鉄橋「出山鉄橋」を通過。
鉄橋を渡る時のシャッターチャンスは逃したものの、上から眺めることができました。
登山鉄道に乗るのはいつ以来?
思い起こせば、箱根はバスや車で来ることが多かった。
久しぶりの登山鉄道、改めてその良さをかみしめます。 -
11:49、強羅駅到着。
強羅駅からはケーブルカーも出ています。
この景色、スイスみたいだね。 -
さ~てと、バスの停留所は?
バス停を見つけたものの、陽射しがカンカン照り付けている。
乗り継ぎ時間が約20分もあるので、日影を求めて山小屋風の駅に戻ると、七夕飾りに気づきました。
2日前の6月27日、異例な速さで梅雨明けして、その少し前からハンパない暑さ続き。
もうとっくに七夕は過ぎ去った気分だったけど、まだ6月でした…。
ほどなくバスが来て、2番の停留所から乗り込みます。 -
やって来たのはヴェニス!
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てなワケはなく、12:45、「ガラスの森美術館」のコインロッカーに荷物を預けてチケット売り場へ。
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6月いっぱい、3000円の「スペシャル・チケット・プラス」なるものがありました。
入館料 1800円が1500円になるだけでなく、館内で利用できる2000円分のチケット(500円券が4枚)付き。
差額1500円を払って、登山鉄道バスの営業所で買った前売り券をスペシャル・チケット・プラスにアップグレード♪ -
イチオシ
チケット売り場を抜けた途端、目の前に素敵な景色に広がりました。わぁ~!!
箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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イチオシ
ここに来るのは、たぶん3回目。
でも、とーっても久しぶりなので、感動をあらたにします。 -
遠くには大涌谷。
強羅駅に降り立った時から、硫黄の匂いがしていました。箱根を実感しますね。 -
ショウブが咲いています。
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イチオシ
バラもまだまだ綺麗。
陽射しは強いけれど、やはり下界よりは気温が低いのでしょう。
ちなみにこの日、ふもとの小田原は最高気温38℃。箱根に居てよかった~! -
まずは腹ごしらえ。
庭園内のカフェでランチにしましょう。 -
店内はヴェニスを意識したデコレーション。
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ランチ・セットの中から「スモークサーモンとアンチョビのサンドイッチ(1100円)」をチョイス。
アンチョビの塩味が効いたサンドイッチ、汗をかく季節にはちょうどいいかも。
セットは、モッツアレラチーズと生ハムの前菜、飲み物付き。
モッツアレラは水牛で、こだわりを感じます。 -
13時から、「馬頭琴」の演奏がありました。
なぜ、ここでモンゴルの民族楽器の馬頭琴?ですが、この楽器、マルコポーロによってヴェニスにもたらせたとのこと。
そういうつながりがあったのでした。
13時半、レストランを出ます。
500円4枚のチケットはお釣りが出ないので、1000円分のチケットと現金でお支払い。ごちそうさま~! -
ガラスの体験工房の予約は14時。
それまで、庭園を散策しよう。
水車の回るこの家は「森の小さなジャム屋さん」。 -
庭園のオブジェも楽しめます♪
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「クリスタル・オフジェのアジサイ」なるもの、ホンモノが混じっているので、オブジェがどれかわかるかな?
鮮やかなブルーや赤いアジサイは、明らかにオブジェでしょう。 -
池にもオブジェ。
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美術館に続く「光の回廊」、約16万粒のクリスタルガラスが使われているそうです。
風に揺れてキラキラ輝いている! -
庭園をバックに花瓶なども展示されていました。
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ヴェネチアン・グラスの「ローズガーデン」。
ぶどう畑、スマホスタンドにハマってます。(笑) -
ミュージアムショップもサラッと覗く。
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「デイル・チフーリ(Dale Chihuly、1941年~)」の作品が展示されていました。
アメリカ生まれのチフーリは、ワシントン大学でテキスタイルデザインや建築を学んでいる時にガラスに出会います。
1968年にヴェネチアのムラノ島に留学し、ヴェネチアン・グラスの伝統に強い影響を受けたそうです。
伝統に影響を受けたならクラシックな路線と思いきや、メチャ独創的な作品群。(・o・) -
イチオシ
「マキア」
アメリカ・シアトルのチフーリのスタジオに揃っている色ガラス棒300種を使って作品を制作するというアイデアから始まったもの。
内側と外側の色の間に白いガラスの層を挟むことによって、色彩が混ざり合わず、鮮やかに映えるんだって。 -
「ペルシャン」
「新しい形態の追求」から始まったシリーズ。
渦巻き状に波打つガラスが美しい。色合いが独特ですね。 -
なんとも表現しがたい作品も。(^^;
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先ほど池の島にあったのも、「パラッツォ・ドゥカーレ・シャンデリア(1997年制作)」と名付けられた彼の作品とのこと。
この作品は、ガラスの森と「ヴェネチア市立ムラーノ・ガラス美術館」が1996年に姉妹提携を結んだ記念として2点制作され、ひとつはガラスの森に、もうひとつはムラーノ・ガラス美術館に展示されているそうな。
2004年2月にカーニヴァル目的でヴェニスに滞在した時にムラーノ・ガラス美術館にも行ったんだけど、見たかしら…?
写真:ガラスの森美術館のサイトより -
時間になりました。体験工房に行きましょう。
申し込んだ工房はミュージアムショップ前にありました。緑の屋根のテントです。
体験は、ガラスに絵柄を彫る「サンドブラスト」と、ガラスを組み合わせ、熱を加えて熔かし合わせる「フュージング」の2つ。
今回はアクセサリーを作りたいのでフュージングに挑戦!
ちなみに、サンドブラスト工房はジャム屋さんの近くです。 -
まず、なにを作りたいかを決めます。
アクセサリーだけでなく、キーホルダー、ネクタイピン、スプーンやフォークもあります。
ぶどう畑はペンダントに。
それから、ガラスのセットを選びます。
ガラスは「イタリアガラス」と「アメリカガラス」の2種類で、それぞれに特徴があります。
ぶどう畑は、ヴェネチアン・グラスのコレクションが秀逸の「ガラスの森美術館」に来たのだから、イタリアガラスをチョイス。
セットの値段は入っているガラスの量によって違い、1700円のセットにしました。セットの値段=体験料です。
続いて、つるっとした「やわらか」バージョンと、凹凸が残る「ふつう」バージョンにするかを決めます。 -
では、製作開始!
色ガラスのかけらに接着剤を付け(右のお皿)、白い紙の上に置かれた平たいガラスの上に置いていきます。
こんな感じに置いてみました。
接着剤はすぐには固まらないので、置いた位置は変えられます。
この作業はあっという間に終わるのですが、ガラスを焼いて冷まし、金具を付けるのに1時間ちょっとかかります。
「15:30」と受け取りの時間を書いた紙を渡されました。 -
アクセサリーができあがるまで、繊細で優美なヴェネチアン・グラスを鑑賞しましょう!
スマホで音声ガイドが聴けるようで、QRコードを読み込みます。 -
入ってすぐ、ヴェニスの運河沿いの館にありそうなサロンを再現した空間。
ヴェニス気分が盛り上がります♪ -
有翼の獅子図グラスセット
9世紀、商人たちはアレクサンドリアにあった聖マルコの聖遺物をヴェニスに持ち帰りました。
以来、ヴェニスの守護聖人は「聖マルコ」とされ、聖マルコを表す「有翼の獅子」がヴェニスの象徴となります。
有翼の獅子はヴェニスでよく見かけますね。
そして、赤と金の装飾のグラスがとってもヴェニスっぽい。 -
花装飾キャンデブラム(19世紀)
キャンデブラムとは燭台のこと。
17世紀に小運河沿いに建てられた、かつての館だったホテルに泊まった時、部屋のシャンデリアが似たような色合いでした。
部屋は貴族の館らしい雰囲気なのに、シャンデリアの色合いが可愛らしかったこと、とても印象に残っています。 -
ドルフィン形脚オパールセント・グラス・コンポート(20世紀)
宝石のオパールのような色合いの「オパールセント・グラス」は、リン酸化化合物を加えた乳白色系のガラスで作られます。
光の反射や見る角度によって微妙に変わる色合いが魅力的♪ -
イチオシ
花装飾脚オパールセント・グラス・ゴブレット(1880年頃、サルヴィアーティ工房)
「サルヴィアーティ工房」は、1859年、弁護士のアントニオ・サルヴィアーティによりムラーノ島に設立された工房。
最盛期に作られた作品を復元したガラス器やシャンデリアを製作し、衰退していたヴェネチアン・グラス復興の一翼を担いました。
17世紀末から18世紀初頭に発明されたオパールセント・グラスは、19世紀、サルヴィアーティ工房でも作られ、人気を博したとのこと。
この装飾杯は実用性よりも鑑賞に重きを置き、テーブルセンターなどとして利用されたと考えられているそうです。 -
モザイク・グラス片(紀元前3世紀~紀元後1世紀、エジプト)
モザイク・グラスは、紀元前15世紀頃のメソポタミアで作られ始め、エジプト・アレクサンドリアを中心に、紀元前後の帝政ローマ時代初期にかけて発達。装飾品のほか、建物の壁などにも使われました。
並べた色ガラス片を加熱して溶着し、細長く引き伸ばして冷やしたものを薄く切断するそうで、この小さな人面の装飾片は、顔の半分を作り、切断した2枚を合わせて使ったと推測されています。
金太郎アメ的に作って合わせる、面白いなぁ。
展示品がマンガチックで親しみがわきます。 -
コア・グラス香油瓶(紀元前6世紀~紀元前5世紀、東地球海沿岸)
コア・グラスは、今から3500年ほど前の紀元前16世紀頃から始まった最古のガラス製法と言われています。
そんなに昔からガラスは作られていたんですね~。
どうやって作るのかと言うと、金属棒に耐火粘土で「コア」と呼ばれる芯を作り、その周りに融けたガラスを巻き付けて成形。
冷ましてガラスが固まった後、内部の耐火粘土をかき出すんだそうです。 -
長頸瓶(一世紀、東地中海沿岸)
吹きガラス製法で作られたこの瓶の玉虫色の輝きは、長年の風化作用による「銀化現象」と呼ばれるもので、特定の条件がそろった時にのみ現れる現象らしい。
吹きガラスは、紀元前一世紀、シリアで発明されました。
これにより、高級品から日用品に至るまで、幅広い種類のガラス器を制作できるようになったそうです。 -
イチオシ
ヴァンジェリスティ家紋章文コンポート(16世紀末~17世紀初)
紙のように薄く吹かれた無色透明のコンポートに「ダイヤモンド・ポイント彫り」の技法で、唐草文様を彫り込んだもの。
上部には、ヴェローナの貴族「ヴァンジェリスティ家」の紋章も彫り込まれています。
皿の中央部にはめ込まれた青色のガラスが、全体にアクセントをつけています。 -
点彩花文蓋付ゴブレット(1500年頃)
ビザンツ帝国にみられる杯の形と、シリアなどのイスラム文化圏で用いられたガラス顔料による「エナメル彩技法」が取り入れられた蓋付杯。
地中海貿易で栄えたヴェネチア共和国と、その周辺国との交流を象徴する作品のひとつです。
一見、重厚な作りの器に見えますが、杯の部分は吹きガラス技法で薄く吹き、「羽のように軽い」と表現される、ヴェネチアン・グラスの特徴を備えた一品だそうです。 -
人物行列文壺(1500年頃)
白馬に乗った小天使や笛を吹く子どもとともに、ルネサンス期の衣装に身を包んだ人々の屋外を歩く姿が「エナメル彩」で描かれています。
16世紀、「ヴェネチア派」と呼ばれる画家たちが描く、色彩豊かで情感あふれる肖像画や寓意画が、ガラスに模様を描くエナメル彩にも影響を与え、この壺のような絵画的な絵付けが施されるようになったと考えられているとか。 -
上:花弁文コンポート(16世紀初)
下:点彩コンポート(16世紀初)
これらのコンポートにも「エナメル彩」の技法が用いれています。
エナメル彩は、ガラスに絵柄を焼き付ける技法で、ヴェニスでは15~16世紀にかけて多くの作品が作られました。
上のコンポートは金色の模様が美しいだけでなく、真ん中のお花が可愛い! -
レース杯(16世紀)
極限まで薄く吹いて作られた杯の表面に、絶妙な力加減で、繊細なレース模様がダイヤモンドを使って彫り込まれています。
特徴的なガラス杯は、16世紀の画家「ヴェロネーゼ」や、17世紀の画家「カラヴァッジョ」などが描く絵画にもみられ、ルネサンス期以降の貴族たちの宴席でよく使用されていたらしい。
夜の運河は、見上げる瀟洒な館から柔らかな光が漏れだし、窓辺には人影が。
そんな光景を見かけたことを思い出しました。 -
装飾脚草花文ワイングラス(17世紀、ヴェニスまたはオランダ)
ダイヤモンドポイント彫りを使用したワイングラス。
17世紀に作られたとは思えないくらい洗練されています。とても綺麗。 -
点彩扁瓶(16世紀)
イタリアで「ラッティモ」や「ポルチェラーノ」と呼ばれる乳白色のガラスの扁瓶。
扁瓶とは扁球形のものに頸部をつけたもので、この瓶にはひれ状の装飾が溶着されています。
これはイスラム・グラスにみられる聖水を汲むための巡礼瓶の形状をしているそうで、エナメル彩による装飾にもイスラムの面影があります。
15世紀後半のヨーロッパでは、まだ中国の白磁を作ることができず、ムラーノ島のガラス職人は錫酸化物などを混入して制作した乳白色ガラスによって再現しようとしました。 -
左:トラゴン・ステム・ゴブレット(16~17世紀、ファソン・ド・ヴェニス)
右:装飾脚矢絣ワイングラス(17世紀、ヴェニスまたはファソン・ド・ヴェニス)
脚の部分に装飾が施された2つの作品の説明書きにある「ファソン・ド・ヴェニス」って…???
ヴェネツィア共和国は、ベネチアン・グラスの技術が原材料の豊富な国々に漏れコピー製品が作られることを恐れ、1291年、すべてのグラス工房をムラーノ島に強制移住させました。
グラス職人やその家族・販売者を島に住まわせ、島外に逃げる者は厳しく罰し、功績を挙げたものには手厚い褒賞を与えるという法令を発令。
火事を防ぐためという名目もあった政策ですが、狭い島の中に工房が密集したことで技術の切磋琢磨が進み、グラステーブルやシャンデリア、鏡などさまざまな名品が作られたとのこと。
一方でこのような厳しい保護政策の下でも逃げ出す職人はおり、各地に散らばってガラス技術を伝えました。
このような職人達の教えにより他の地方で作られたヴェネツィア様式のグラスを「ファソン・ド・ヴニーズ(フランス語: façon de Venise/ヴェネツィア技法)」と呼ぶのだそうです。 -
双頭鳥形オイルランプ(17世紀)
双頭の口から灯芯を出して灯りを点し、その光を背面に装着された反射板に反射させ、光を拡散させる仕組み。
17世紀頃のヴェネチアン・グラスの特徴的な形状のオイルランプで、英博物館をはじめ、コペンハーゲンの「ローゼンボー城」コレクションなどに類似作品が収蔵されているそうです。 -
ここからは、ヴェネチアン・グラスの代表格「レース・グラス」について少々。
レース・グラスは、16世紀初頭に発明されました。
コンポートをズームアップで見ると、繊細なレース模様がよ~くわかります。 -
レース・グラスのコンポートがどうやって作られるのか、工程がわかる展示がありました。
-
大雑把に言うと、乳白色のガラス棒を透明なガラスに合わせ、引き伸ばしながらねじっていき、レース模様となるガラス棒を作ります。
そのガラス棒を溶着して巻取り、吹きガラスの成形技法で仕上げていくってことらしい。
口で言うのは簡単だけどね…。(^^; -
レース・グラス角形酒器(17世紀、ヴェニスまたはファソン・ド・ヴェニス)
2種類のレース棒を使った酒器は、口に金具の栓が付けられ、背に2ヶ所の紐通しが、ガラス紐を熔着して作りつけています。
角形レース・グラス酒器は、17世紀のヨーロッパで、ワインの携帯用のボトルとして野外の宴会用に流行したようです。
ドイツのプロイセン国立博物館など、ヨーロッパ各地の美術館に所蔵されているとのこと。 -
イチオシ
レース・グラス蓋付ゴブレット(16世紀末~17世紀初)
レースグラス発祥のきっかけは、ヴェニス・ブラーノ島のレース編みでした。
レースをたった3cmを織り上げるのに、2ヶ月もの月日が費やされたといいます。
ブラーノ島のレースは、王侯貴族たちのドレスの襟や袖口などを華やかに飾り、ステイタス・シンボルとしても重要視されました。
ムラーノ島のガラス職人は、肖像画にその模様を詳細に描かれるほど、ヨーロッパ貴族の憧れの的となっていた繊細なレースを表現したいと考え、技巧の限り尽くしてレース・グラスを完成させました。
このゴブレットは、門外不出の秘法として守られることになったレース・グラス技法で作られた逸品だそうです。 -
レース・グラス蓋付容器(16世紀)
このような格子状の模様は、らせん模様の入ったガラスの筒を2つ重ね合わて制作します。
しかしながら、一定の強さでガラスを回転させなければ、模様の間隔が均等にならず、高度な職人技が必要とされました。 -
レース・グラス鷲爪脚ゴブレット(17世紀初)
鷲の爪を模したゴブレットの脚、超リアルです。(*o*) -
三色レースレース・グラス十二曲鉢(16世紀末~17世紀初)
赤・青・白色のレース棒を交互に熔着して成形した作品。
発色が難しい赤色のレース棒が使われている点も、白色レース・グラスと異なった特殊な作品として作られたと考えられます。
このような多色レース・グラスの16~17世紀の作品は、現存数も少なく、極めて貴重なんだとか。
曲鉢、曲坏の器形の伝統は古く、ローマ時代からビザンチン時代にかけての金属器や陶器にその源流があり、この曲鉢にもその伝統が反映されているとのこと。 -
左:タツノオトシゴ形脚キャンドル・スタンド(19世紀)
右上:ドルフィン装飾脚コンポート(19世紀)
右下:鎖付ドルフィン形花器(1895年頃)
19世紀に入ると、イルカやタツノオトシゴなどの海棲生物や、龍などの想像上の動物がヴェネチアン・グラスの装飾モチーフとして登場してきます。
モチーフは、熔けたガラス自在に操る「ホットワーク」で形作ります。
職人の熟練技術によって、徐々に冷えて固まるソーダ・ガラスから生き物の曲線的な形体が生み出されていきます。
ヴェネチアン・グラスで表現されたタツノオトシゴやイルカ、実に愛らしいですね。(^^) -
龍装飾ドルフィン形水差し(19世紀)
イルカの尻尾に乗っている(しがみついている?)のはドラゴン。
可愛いすぎる~! -
左:龍装飾水差し(19世紀)
右:龍型脚花器
この2つの作品には「アヴェンチュリン・グラス」が使われています。
アヴェンチュリン・グラスは、ガラスが固まる段階で、あえて不純物を混ぜることで、キラキラとした輝きが生まれるとのこと。
このガラスが生まれたきっかけは、職人が誤って熔けたガラスに銅を落としてしまったからで、偶発の産物なんだとか。
左の水差しは、アヴェンチュリンのレース・グラス棒と水色不透明ガラス棒を交互に配したレース・グラスで作られています。
2つの作品のドラゴンがいずれも可愛らしくて、ドラゴンらしい迫力はない。(笑) -
作品の説明を聴きながら館内を進むと、素敵なホールに出ました。
ここから先は「~響き合う東西の美~ ガラス・アートの世界」と銘打った企画展。
日本人の作品も展示されていました。 -
左上:小西潮の作品(あられゴジラ注器)
左下・右上・右下:木下良輔の作品
とてもユニークな作品がいろいろでした。 -
ヴェネチアン・グラスを堪能して大満足!
日本語の説明は、ホント、ありがたいと感じます。
というのは、ムラーノ島のガラス博物館に行った時、説明が英語とイタリア語で、せっかく行ったのに、豚に真珠、ネコに小判状態…。
あの時、思いがけずガラスの森で仕入れた知識が役にたち、ありがたみをヒシヒシと感じたのです。
ムラーノ島の博物館に行こうと思っている方、ガラスの森で予習をしていくことを強くオススメします! -
そろそろ15時半、アクセサリーを受け取りに工房へ。
なかなか良さげなペンダントヘッドができました♪
イタリアガラスはベースが透明なので、金具の色が透けてしまうのは計算外だったけれど…。(^^; -
15:44のバスで、強羅のホテルに向かいます。
ガラスの森のバス停は、駐車場の一角にあり、「強羅・天祐行き」でも「湿性花園前行き」でも同じ。
陽射しが強いこの日、屋根のあるバス停で助かった~。 -
途中、「星の王子さまミュージアム」や「ポーラ美術館」の前を通過。
次回、行ってみたい場所ができました♪ -
バスを「ひめしゃら林道入口」で下車。
やって来たのは「ラフォーレ倶楽部 箱根強羅 湯の棲」。
ロービーの雰囲気、バッチリです!
しかし、バス停からホテルまで、徒歩5分弱程度の道のりが上り坂で、暑かったこの日、ちょっと参った。日影に助けられたけれどね。
強羅駅からだと1km強。
例年だったら梅雨の季節、歩ける距離と思ったものの、雨かもしれないと最寄のバス停を調べて正解でした。
強羅からホテルまで、ずっと上り坂。
「箱根の山は天下の険」と唄われたことを改めてかみしめる。ラフォーレ倶楽部 箱根強羅 湯の棲 宿・ホテル
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部屋の広さはバッチリ♪
このホテルは、勤めていた会社の健康保険組合が法人会員になっています。
退職後も健保を継続することを選んだものの、保険料が高くてね…。
人間ドック以外のメリットも享受せねばと、宿泊に至ったワケ。 -
館内は浴衣OK。
スリッパはなく、フロントで使い捨ての物を貰いました。
フローリングの上に畳風のシートが敷かれているけれど、裸足だと少し冷えたので。
部屋に戻って、クローゼットに浴衣と共に靴下があったのに気づく…。(^^;
法人会員料金の縛りから、おひとり様だと選べたのは「ワーケーションプラン」のみ。
このプランは、アーリー&レイト・チェックアウトができ、ワンドリンクと朝食時のヘルシージュースが付いてきます。
ワンドリンクはアルコールも選べましたが、夕食の時に何か飲むかもしれないとラムネをチョイス。アルコールのキャパ、低いもんで。 -
バスルームにバスタブがあるのは日本ならでは。
歯ブラシ、シャワーキャップ、ヘアブラシなど、シンプルなアメニティも付いています。 -
温泉好きではないものの、夕食の前に、シャワーがわりのひと風呂を浴びることにしました。
お部屋にあったバッグが嬉しくて、大浴場に行くのが楽しくなります。
露天風呂、気持ちいい~!
汗をかく時期は温泉が肌に良いことを実感。ハマっちゃうかも。
写真上:ホテルのサイトより -
夕食は「ホテルマロウド箱根」のフランス料理。
ラフォーレ倶楽部脇の急な坂を下り、道にぶつかった先がマロウド。
ラフォーレにもレストランはありますが、値段相応の内容と思えなくて…。
それで近くにあったマロウドを予約した次第。強羅温泉 ホテルマロウド箱根 宿・ホテル
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アミューズはバーニャカウダ。鮮やかな色合いの野菜が目を引きます。
ブルーの飲み物は、スパークリングワインにオレンジ・キュラソーを加えた物。
アルコールのキャパが低いぶどう畑、ワインだと飲みきれないかなぁと量の少ないスパークリングにしたのですが、なんだかやけに酔いが回る。
リキュールがアルコール度をアップすることに考えが及ばす…。 -
前菜:魚介のサラダとスモークサーモン
スープ:藤沢産トウモロコシの冷静スープ
魚料理:イサキのポワレ バルサミコソース
肉料理:仔羊のTボーンステーキ ゲランドの塩とともに
マロウドを選んだ理由のひとつは、仔羊の料理があったから。
どれもまずまずのお味です。(^^) -
イチオシ
デザートの「パンナコッタのムースアジサイ仕立て 杏仁豆腐風味のアイスクリーム添え」見た目も、味も申し分なく、満足!
ご馳走さま~。
重くなったお腹に加え、酔いが回って急こう配の上り坂がキツイ…。
立ち止まりながらラフォーレに戻りました。 -
一夜明けて…。
ホテルのダイニングで朝食。
ビュッフェのメニューは和食がメインでした。
「旬彩蔵スムージー」が二重マル!
甘麴、豆乳、ヨーグルト、バナナ、パイナップル、ほうれん草を使った薄い緑のスムージー、プランについてきたヘルシージュースより美味しかった。ラフォーレ倶楽部 箱根強羅 湯の棲 宿・ホテル
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9時過ぎチェックアウト。
「箱根強羅公園」を抜けてみたいと、強羅駅まで徒歩で向かいます。
マロウド前の道を進むとケーブルカーの「公園上駅」に出ました。
この少し上に「箱根美術館」があるらしい。でも、木曜日は休館でした。 -
「強羅公園」も公園上駅からすぐ。
公園近くに父の会社の保養所があり、子どもの頃、何度か来たものの、記憶の彼方…。
それで、この公園を抜けてみようと考えました。
入ろうとしたら、なんと有料。当時は無料だったと思うのだけど…。
入園料550円の高さに驚きながらも初志貫徹。箱根強羅公園 植物園 公園・植物園
-
イチオシ
噴水があったことは覚えています。
夏の日差しを浴びて高く上がる噴水、いい感じです! -
園内に体験工房がありました。
トンボ玉、興味あります。次回はここに来るのもいいね。
あっという間に通り抜けてしまい、550円を払うほど見所があったわけではなかったけれど、家族旅行の記憶を辿りたかったのでヨシとします。 -
2日目のプランは「岡田美術館」で美術鑑賞。
前日同様、1番のバス停に日がカンカン照り付けているので、日影でバスを待ちます。
3番のバス停から出るのは御殿場のアウトレット行き。
35分で行けるようで、アウトレットに行くのも悪くないねと思ったり。強羅駅 駅
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岡田美術館に来ました。
強羅から天祐行きのバスで「小涌園」下車。停留所からすぐでした。
「花鳥風月 名画で見る日本の四季」と銘打った企画展が開催されていたことから、行ってみようと思い立ちました。
中は一切撮影禁止。
カメラ、スマホは、入口のロッカーに預けなければなりません。
手荷物に入れたとしても、入館時にX線の手荷物検査があるため、ロッカーに入れるよう指示されるかも。岡田美術館 美術館・博物館
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ということで、作品の写真はありませんが、陶器の所蔵の多さに驚きました。
なかでも、中国・明の時代に作られたイスラム柄の陶器に興味深々。
というのは、シンガポールの「アジア文明博物館」に展示されていた陶器の数々を思い出したから。
インドネシア沖で見つかった唐の時代の沈没船は、中東の船で、引き揚げられた陶器は、中国から買い付けた物だったのです。
アジア文明博物館の展示品の中には、中国製の中東向けサンプル品もありました。
岡田美術館には、明の時代に作られた、たくさんのイスラム柄の陶器が展示されており、中国の陶器は中東のニーズが高かったことがよくわかりました。
ところが、清の時代になると、中国は陶器の輸出を禁止したため、岡田美術館の展示物もイスラム柄はなくなり、景徳鎮に置き換わります。
この景徳鎮が、有田、伊万里と日本の陶器に影響を及ぼしたことが展示の説明からわかりました。
シンガポールの「アジア文明博物館」で得た知識が「岡田美術館」の展示物と結びついて、とても興味深い美術鑑賞となりました。 -
イチオシ
まもなく12時。ランチにしましょう。
美術館の敷地内にお食事処があるようです。
美術館脇の坂を上がっていくと、昭和初期の日本家屋を改装した「開化亭」が現れました。 -
メニューの種類は多くありません。
ここの名物は、サクサクの豆アジ天婦羅を乗せた「豆アジ天うどん(2200円)」らしい。
でも、冷たいアジ天はないのか…。
この日も熱中症になりそうな暑さでためらいましたが、またいつ来るかわからないしとアジ天に決定。
おうどんは気温を鑑みてか、熱々ではなく、美味しくいただきました。 -
庭園も散策できるらしい。
「渓流散策コース」が一時閉鎖で、この時、庭園入園料(300円)が無料。
木陰のおかげで思ったより涼しく庭園を周ります。 -
濃いブルーのアジサイにほっこり。
庭園にはボタンがたくさん植わってました。GWの頃に楽しめそう。
そういう目線で見ると、モミジにも気づきます。紅葉の時期もいいかもね♪ -
美術館のロッカーに預けた荷物を出し、バスで強羅駅に戻ったら、タッチの差で登山鉄道を逃してしまいましたが、おかげでお土産が買えました。
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ホームでは、箱根登山鉄道の説明などを読んで時間をつぶします。
登山鉄道のモデルとなったのは、スイス・サンモリッツとイタリア・ティラーノを結ぶ、「レーティッシュ鉄道・ベルニナ線」。
このことから、強羅駅には「サンモリッツ」と書かれたプレートがあったり、スイスから贈られた「友好のカウベル」が下がっていたり。
ベルニナ線、乗ったことない。氷河急行もまだなんだよね。
いつかは行けるかな。 -
「次の13:23の電車は、冷房がありません」と放送が入りました。
それはちょっとショックだったものの、電車を待っている人は少なく、窓際の席をゲットできてホッ。
寄木細工柄の座席がいいね!強羅駅 駅
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復路は存分にアジサイを眺めることができました。
線路とアジサイの距離が近いため、時には、枝が車両にぶつかることも。 -
強羅行きの電車がやって来ました。単線ならではの光景ですね。
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スイッチバックの線路が見えます。
運が良ければ、上ってくる電車が現れた時のシャッターチャンスに恵まれます。 -
登山鉄道はスイッチバックのたびに、運転士さんと車掌さんが入れ替わるんだって。
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登山鉄道の名所、「出山鉄橋」を通過。
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塔ノ沢駅には、改札を出ずに行ける「深沢銭洗弁財天」があります。
電車を降りてお参りする人の姿を見かけました。 -
14時過ぎ、箱根湯本に戻ってきました。
持っていた水は飲み干し、冷房の効いた場所で涼みたくて、小田原駅の地下街でひと休み。
小田原駅ビル「ラスカ」に入っていた「鈴廣かまぼこ」で生おろしワサビを買って帰途につきました。小田原駅 駅
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