2021/10/02 - 2021/10/02
225位(同エリア4545件中)
+mo2さん
9月18日から東京都美術館で開催されている「ゴッホ展─響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」へ行ってきました。
コロナ禍で海外からの作品貸与が難しくなった中で、久しぶりといえる大規模な西洋美術展です。とはいえ、日本で大人気のファン・ゴッホ。この20年間で(私が)見たクレラーミュラー美術館のファン・ゴッホの作品が展示された展覧会だけでも7回、2~3年おきに来ています。
①1999年Bunkamuraザ・ミュージアム「ゴッホ展」
②2005年東京国立近代美術館「ゴッホ展-孤高の画家の原風景-」
③2010年国立新美術館「没後120年ゴッホ展」
④2013年国立新美術館「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に印象派を超えて―点描の画家たちゴッホ、スーラからモンドリアンまで 」
⑤2016年東京都美術館「ゴッホとゴーギャン展」
⑥2017年東京都美術館「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」
⑦2019年上野の森美術館「ゴッホ展」
このクレラーミュラー美術館は、オランダのデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園内にある美術館で、世界でも屈指のゴッホ・コレクションを誇ります。
実業家のアントン・クレラー・ミュラーと、その夫人ヘレン・クレラー・ミュラーのコレクションが基なのですが、ヘレーネが、夫アントンの支えのもと、11,000点を超える作品を入手。美術による感動を多くの人々と分かち合うべく、生涯にわたり美術館の設立に情熱を注ぎ、ついに1938年にクレラー=ミュラー美術館を開館。初代館長に就任し、長年の夢を実現しています。
今回の展覧会は、クレラーミュラー美術館の選りすぐりのファン・ゴッホの作品が展示されていましたが、画家だけではなく、へレーネの足跡に重点を置いた構成となっているのが特徴でした。昨年、「ゴッホとヘレーネの森
クレラー・ミュラー美術館の至宝」という映画を見ていただけに、へレーネ
目線で作品を楽しむことができました。
展覧会は写真撮影禁止でしたので、3年前にクレラーミュラー美術館を訪れたときに撮影した写真をもとに展覧会を振り返ります。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
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入場は日時指定の予約制、11:30の部で入場です。11:30前からかなりの人が並び一斉入場となったため、混雑を避けるため、まず2Fの展示室から⇒LB⇒1Fと進みゆっくり鑑賞しました。更にLBに戻り、女優の浜辺美波さんもナビゲートする音声ガイドを借り、もう1度メイン作品と好きな作品だけ、たっぷり鑑賞してきました。
2000年以降の特別展は皆勤で見に行っています by +mo2さん東京都美術館 美術館・博物館
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2Fはファン・ゴッホが、ポール・ゴーガンと共同生活で、影響を与え合いながら制作を行った南仏アルル時代の作品からです。
(写真)フィンセント・ファン・ゴッホ「レモンの籠と瓶」1888年5月
野心的な色彩の実験を行った静物画のひとつで、ヒマワリの黄色にも繋がる作品です。本作について、へレーネは友人に宛てた手紙でこう書いています。「『これはまるで天国のようだ』というブレマーの言葉に私は心を打たれました。ファン・ゴッホが描いたレモンを理解しようとするとき、私の頭の中で数個のレモンをその隣に置いてみます。そうすると、この絵が現実とどれほど異なっているのかを感じるのです」。
ここでは、他に「糸杉に囲まれた果樹園」「緑のブドウ園」1888年が、印象的な作品でした。現地を含め、かなり見てきているクレラー=ミュラー美術館のファン・ゴッホ作品ですが初めて来た作品もありました。 -
ファン・ゴッホは、1888年12月に最初の病気の発作に襲われたのち、さらなる治療が必要と判断し、1889年5月にアルルを離れる決意をし、サン=レミ郊外にある療養院に自ら入院しました。体調が許せば、花が咲き誇る療養院の庭や周囲の田園風景を前に制作を行いました。色調はアルルの頃より抑えられ、糸杉やオリーヴ園などプロヴァンスの典型的なモティーフに取り組むようになります。1890年5月16日、彼は療養院を後にし、北仏のオーヴェール=シュル=オワーズに移り住みました。サン=レミ時代よりも強い色彩を採用し様式的な筆触を抑え、より自由な筆遣いをするようになりました。サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ時代の作品から (写真)「悲しむ老人(永遠の門)」1890年4-5月
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フィンセント・ファン・ゴッホ「善きサマリア人(ドラクロワを模して)」1890年5月
サン=レミ=ド=プロヴァンスの精神病院での療養時代にファン・ゴッホは、模写作品に取り組みます。本作は、ドラクロワの「善きサマリア人」の模写ですが、この時、彼は、退院して北仏に戻るという希望を持っており、傷ついた男を馬上に持ち上げるというこの絵のモチーフに共感したものとも考えられます。 -
フィンセント・ファン・ゴッホ「夜のプロヴァンスの田舎道」1890年5月12-15日頃 本展の目玉といえる作品。サン=レミ時代の傑作です。
ファン・ゴッホはこの時期、「ヒマワリのような作品にしたい」と糸杉をモチーフにした作品を集中的に制作。糸杉の濃い緑色に心を奪われながらも、それを表現する難しさを、弟テオに宛てた手紙に何度も記しています。
本作は、おそらく南仏滞在の最後に制作されたプロヴァンスの集大成といえる作品で、②2005年東京国立近代美術館「ゴッホ展-孤高の画家の原風景-」以来、16年ぶりの来日となりました。 -
フィンセント・ファン・ゴッホ「花咲くマロニエの木」1890年5月22-23日
ファン・ゴッホは、7月27日に自らを撃ち、2日後に弟テオに看取られながらこの世を去りました。 -
写真はクレラーミュラー美術館です。
ヘレーネは、写実主義から印象派、新印象派、象徴主義、抽象主義まで。彼女は自身の楽しみのためだけではなく、西洋美術の概略を紹介するという使命感を持ち、広く人々が鑑賞できるものとしてコレクションを築きました。
今回の展覧会は、ファン・ゴッホ以外の作品も多く展示されており、LB階は、「ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで」として、へレーネが熱心に収集した19世紀半ばから1920年代の作品が並んでいました。クレラー ミュラー美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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最初の作品はこちら、ジャン=フランソワ・ミレー「グリュシー村のはずれ」1854年
バルビゾン派のミレーの作品。彼がが生まれたノルマンディ地方北西部の小村グリュシーを描いた作品。 -
パウル・ヨセフ・コンスタンティン・ハブリエル「それは遠くからやって来る」1887年
ハーグ派の画家として知られるパウル・ヨセフ・コンスタンティン・ハブリエルの作品。ヘレーネが購入した最初の作品の1つです。 -
アンリ・ファンタン=ラトゥール「静物(プリムローズ、洋梨、ザクロ)」1866年
ファンタン=ラトゥールは、フランスの画家・版画家で、モデルの内面に迫る肖像画、とくに同時代の芸術家の集団肖像画で評価を得ました。また、鋭敏な感性で対象を捉え、力強く洗練された静物画でも知られます。本作品でも彼の才がいかんなく発揮されており、まだ折り目のしっかりついた白いテーブルクロスや陶製のボウル、洋梨やレモン、割られたザクロ、レモンの映るナイフなど、さまざまな静物の質感が目を喜ばせてくれます。ヘレーネは、ファンタン=ラトゥールの生み出す静かで穏やかな世界に、高い精神性を感じ取り、その点ではゴッホを超えるほど彼を称賛していたといいます。絵画だけでも十五点を収集し、彼女のコレクションを代表する画家の一人となりました。 -
ピエール=オーギュスト・ルノワール「カフェにて」1877年頃
ルノワールの初期の印象派風の様式を示す作品。クレラーミュラー美術館には、他に「道化師」というルノワールの初期作品があります。 -
ジョルジュ・スーラ「ポール=アン=ベッサンの日曜日」1888年
ヘレーネのコレクションには、新印象派の作品も数多くあります。2013年には、国立新美術館で「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に印象派を超えて―点描の画家たちゴッホ、スーラからモンドリアンまで 」として新印象派にスポットをあてた展覧会が開催されています。その展覧会にも出展されていた作品です。 -
ポール・シニャック「ポルトリューの灯台 作品183」1888年
この作品はシニャックがスーラとともに点描画の実験を続けていた頃のもの。ヘレーネは、1912年パリでシニャックの屋根裏のアパルトマンを訪ね、彼から直接作品を購入しています。 -
アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド「黄昏」1889年頃
クレラーミュラー美術館を設計したアンリ・ヴァン・ド・ヴェルドの作品。新印象派の様式で描かれた作品。 -
現在もオープンした当初の建物が残る現在のクレラーミュラー美術館
落ち着いた雰囲気の素晴らしい美術館でした。クレラー ミュラー美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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オディロン・ルドン「キュクロプス」1914年頃
19世紀フランス象徴主義の大画家オディロン・ルドンを代表する神話画作品のひとつ。1890年代末頃から1900年にかけて制作された本作は、巨人族キュクロプスのひとりで、乱暴な食人種としても知られるひとつ目の「ポリュフェモス」が、海神ネレウスの娘の中のひとりで、水晶より輝き白鳥の綿毛より柔らかと称された美しい海のニンフ「ガラテイア」に叶わぬ恋をするというギリシア神話に伝わる逸話を主題に描いた作品です。 -
ヨハン・トルン・プリッカー「花嫁」1892-93年
ヨハン・トルン・プリッカーはオランダ象徴派の画家。オランダで画家の家に生まれ、幼少期からアートに慣れ親しんできた彼は、絵画以外にも、彫刻やデザインの分野でも作品を残したマルチなアーティストで、1893年にベルギー・ブリュッセルの20人会(レ・ヴァン)展に出品した本作は、彼の代表的作品の一つです。淡い水色を基調とした画面の中に、後ろ姿の花嫁が描かれており、その傍らに十字架に架けられたキリストの姿が見えています。花嫁の衣装を飾るチューリップや蘭の花のモチーフなどに、当時流行していたアール・ヌーヴォーの影響が見られます。 -
ジェームズ・アンソール「キャベツのある静物」1921年
ジェームズ・アンソールは、近代ベルギーを代表する画家の一人。
また本展では、ジョルジュ・ブラックやピート・モンドリアンなどの抽象美術の作品も展示されていました。 -
ジーノ・セヴェリーニ「ギターのある静物」1919年
ジーノ・セヴェリーニは、その過激な思想と作品で美術界に衝撃を与えた未来派の最初のメンバーの1人ですが、この運動は比較的短命に終わり、セヴェリーニは1916年からキュービストになり、それは1919年まで続きました。「ギターのある静物」はそのキュービズム時代の作品。 -
1Fに移動し「Section3 ファン・ゴッホを収集する」からが、ファン・ゴッホの展示です。時代順に沿って、ゴッホの画業をたどることができる構成になっており、まずは「素描家ファン・ゴッホ、オランダ時代」のパートですが、こちらは作品の写真はありません。ニューネン在住の期間に制作されたファン・ゴッホの「暗黒の時代」の代表作「ジャガイモを食べる人々」の習作もありました。
写真は油彩画の「ジャガイモを食べる人々」ですが、本作は展示されていません。 -
続いてオランダ時代の作品です。
フィンセント・ファン・ゴッホ「麦藁帽子のある静物」1881年11月末‐12月頃半ば
ハーグで描かれたファン・ゴッホの非常に早い時期の油彩画の1つ。 -
フィンセント・ファン・ゴッホ「織機と織工」1884年6-7月
1883年12月初め、ファン・ゴッホはニューネンに移住し、1か月後に織工を描いた一連の作品に取りかかっています。今日知られているのは10点の油彩と16点の完成した素描で、織工に加えて印象的な織機も存在感を放っています。ヘレーネも織工を描いた油彩3点と素描3点を購入しており、間違いなくファンゴッホの描く織工に感銘を受けていました。 -
フィンセント・ファン・ゴッホ「女の顔」1884年11月-1885年1月
1884年から翌年にかけて、ファン・ゴッホは農民の顔を繰り返し描いています。農民の粗野な感じを好んだため、いつも「醜いモデル」を選んでいる、と言われるほどでした。 -
パリ時代の作品です。
フィンセント・ファン・ゴッホ「石膏像のある静物」1887年後半
また本展覧会では、ファン・ゴッホ美術館のファン・ゴッホ家コレクションからも「黄色い家(通り)」1888年9月「サント=マリー=ド=ラ=メールの海景」1888年6月などの素晴らしい作品が出展されていました。 -
購入した図録やグッズたち。サンリオの大人気キャラクター「シナモロール」とのコラボレーションなどグッズも充実していました。
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