2020/12/12 - 2020/12/12
50位(同エリア795件中)
+mo2さん
ベルリン国立博物館群は、ロンドン・大英博物館、パリ・ルーヴル美術館などと並ぶ、ヨーロッパ最大級の規模と質の高さを誇る総合博物館として知られています。なかでも、エジプト部門は、アマルナ時代の優品を筆頭に、数千年にわたるエジプト史を網羅する世界有数のエジプト・コレクションを誇ります。
エジプト・コレクション展は、毎年のように国内で開催されていますし、昨年は、カイロのエジプト考古学博物館、ウィーン美術史美術館、ブダペスト国立西洋美術館を見てきましたが、世界で最も美しいといわれる肖像彫刻の傑作「ネフェルティティの胸像」は未だ見れておりません。今回、「ネフェルティティの胸像」のあるベルリンのエジプト・コレクションから「天地創造の神話」をテーマに、約130点の名品が展示される(「ネフェルティティの胸像」は来ませんが)ということで早速行ってきました。
展示品もですが、見せ方(展示方法)も素晴らしい展覧会でした。東京・江戸東京博物館(2020年11月21日~2021年4月4日)のあとは、京都市京セラ美術館(2021年4月17日~6月27日)、地元の静岡県立美術館(7月10日~9月5日)、東京富士美術館(9月19日~12月5日)への巡回が決定していますが、京都はともかく静岡と八王子にはまた見に行くと思います(笑)。なお、展覧会は、アニメーション解説など一部以外は、写真撮影がOkとなっており、たくさん写真を撮ってきました。「天地創造と神々の世界」「ファラオと宇宙の秩序」「死後の審判」の3章構成となっていましたので、それぞれに分割して紹介します。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル
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入場料は、一般 1,800円。場所が両国ということからかコロナの感染が再拡大しているかはわかりませんが、それほど混雑はしていませんでした。
江戸東京博物館 美術館・博物館
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入場口から展示室へ続くアプローチには、ホルス神の左目を表す「ウジャトの眼」のシルエットが。
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プロローグ すべては海から始まった
古代エジプトにおいて、この世界の始まりは、暗闇の中にある混沌とした「原初の海」のヌンでした。ヌンから天地が創られた後も、ヌンは世界の縁辺部に存在し続け、エジプトの周りの大海の水、ナイル川の水や雨水などすべての水の根源と考えられていました。天地創造神話にはヌンから創造神アトゥムが自力で出現したとするものや、ヌンの大海に浮かぶ一本のロータス(睡蓮)から世界が創造されたとする神話があります。古代エジプトのモチーフとしてしばしば描かれる魚とロータスは、水の世界を表現しています。 -
第1室(プロローグ)には、こちらのアヌビス君が鎮座。
「腹ばいになる山犬の姿をしたアヌビス神像」新王国時代、前1550~前1070年頃 出土地不詳 -
「腹ばいになる山犬の姿をしたアヌビス神像」(側面)
アヌビスは、エジプト神話に登場する冥界の神で、ミイラづくりの神。新王国時代までは、山犬の姿で描かれていました。 -
幻想的な展示室に入ります。
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第1章 天地創造と神々の世界
古代エジプト社会においては、全知全能の神々の力によって、空や雲、砂漠、風などの自然や、人間や獣、昆虫などの生物、太陽や月、星ぼしに至るまで、この世の全てが創造されたと考えられていました。原初の海「ヌン」と呼ばれる暗闇が支配する混沌とした状態から神々の意思により秩序ある世界が創造されたのです。古代エジプト人は、この秩序をマアトと呼びました。この章では、神々の姿や、神々が創った森羅万象を見ていきます。 -
(左)「シュウ神とテフヌウト女神の頭部を装飾したメニトのおもり」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
(右)「ゲブ神を象徴する雁のついた杖の上部の装飾」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳 -
「有翼の女神、おそらくヌウト女神の形のミイラの装飾」プトレマイオス時代初期、 前332~前246年頃 アブシール・アル=マラク出土
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この章では、エジプト神話の中でも最も有名な物語のひとつである「オシリス神話(オシリスとイシスの伝説)」にまつわる展示も見られます。善良な王だったオシリス神は弟のセト神の妬みを買って殺害され、バラバラにされた遺体をナイル川へ撒かれてしまう。そしてオシリス神の妹で妻だったイシス神は各地に散ったその遺体を集め、呪力を使ってオシリス神を復活させます。そして冥界の王となったオシリス神は死後の再生と復活の象徴とされました。
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「背面にジェド柱を持つオシリス神の小像」末期王朝時代、前664~前332年頃 ベンハ出土
新博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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「ホルス神に授乳するイシス女神の小像」末期王朝時代・第26王朝、 前664
~前525年頃テーベ西岸、シェイク・アブド・アル=クルナ地区出土
イシス女神が息子ホルス神に授乳している姿を描いています。 -
「手にアンク(生命の象徴)を持つセト神を描いたオストラコン」新王国時代・第19~20王 朝、 前1292~前1070年頃 ディール・アル=マディーナ出土
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「有翼のイシス女神に保護された、ミイラ姿のオシリス神の小像」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
この像は、ミイラ姿の冥界の支配者オシリス神と彼の妹で妻のイシス女神を表しています。 -
「有翼のイシス女神に保護された、ミイラ姿のオシリス神の小像」(横から)
イシスがオシリスの背後に立ち、保護するように翼を広げています。 -
「ホルス神に授乳するイシス女神の小像」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
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「ハヤブサの姿をしたホルス神の小像」プトレマイオス時代、前323~前30年頃 出土地不詳
ホルス神はオシリス神とイシス神の息子で、ハヤブサの姿をしていたといわれます。 -
「ナイルの神の像(上半部)」中王国時代・第12王朝、前1976~前1794年頃
マディーナト・アル=ファイユーム、クロコディロポリスのセベク神殿出土 -
「ひざまずき供物を捧げるナイルの神ハピ」第3中間期・第25王朝(クシュ王朝)、前710~前650年頃マディーナト・ハブ、アメン神妻シェプエンウペト2世の神殿型墓出土
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「ライオン頭の神マヘスの座像」プトレマイオス~ローマ支配時代、前332~後313年頃 下エジプト出土
マヘスは、雄のライオンの神様。エジプト北部、ナイルデルタ地方で信仰されました。ナイルデルタにはもともとライオンは住んでいないので、珍しい動物として崇められたのかもしれません。神殿では、ライオンを飼育しており、死ぬと丁重に葬ったそうです。 -
「ライオン頭の神マヘスの座像」(側面)
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「コンス神像(上半部)」新王国時代・第19王朝、ラメセス2世治世、前1279~前1213年頃 ジルジャ出土
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「セクメト女神座像」新王国時代・第18王朝、アメンヘテプ3世治世、前1388~前1351年頃テーベ東岸、カルナク神殿複合体・ムウト神殿域出土
雌ライオンの頭をもった女性像で表される女神。メンフィスのプタハ神の妻で、息子はネフェルテム神です。その名は「力強きもの」を意味します。 -
「セクメト女神座像」(台座部分)
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「セクメト女神立像(上半部)」新王国時代・第18王朝、アメンヘテプ3世治世、前1388~前1351年頃テーベ東岸、カルナク神殿複合体・ムウト神殿域出土
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「バステト女神座像 Figure of the Goddess Bastet as a Sitting」末期王朝時代・第26王朝、ネコ2世治世、前610~前595 年頃 出土地不詳
続く展示では、こちらの可愛らしさすらある猫の姿の「バステト女神座像」など、様々な動物や昆虫などに表された神々の像が見られます。多神教世界だった古代エジプトでは、人間にはない能力を持つ自然界の生き物は八百万の神として畏れられる存在だったようです。 -
(左)「座ったヒヒの護符」期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
(右)「ハヤブサ頭のワニの小像」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳 -
「ハヤブサ頭のワニの小像」(側面)
身体にはワニの鱗、頭はハヤブサで羽が見えます。 -
「日輪を戴く礼拝するエジプト・マングースの小像」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
エジプトマングースは“イクネブモン”と呼ばれて古代エジプト人に崇拝されていたそうです。 -
「ネフェルテム神の小像 」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
ネフェルテムは、ロータスの花の若い神として崇拝されていました。 -
「ミン・クヌム神あるいはアメン・ラー神の小像」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
立派な(笑)股間からミン神だと思われます。 -
「パピルスの茂みの中にいるヘフ神の装飾を施した聖油を塗るための匙」末期王朝時代、前664~前332年頃 出土地不詳
聖油を塗るための青いファイアンス製匙で、柄には精巧な透かし彫りが施されています。
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この旅行記へのコメント (1)
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- ちーちゃんさん 2020/12/24 16:33:44
- 美術館は良いですね!
- こんにちは(^-^)
美術館は、やっぱり素敵ですね!
こんな時期になって、
なかなか東京へ行けなくなってしまい、
本当に残念です。(。-_-。)
大好きなエジプト展、楽しませて頂きました♪
来年は行けると良いのですが…(*^_^*)
もう今年も残り少ないですが、
お身体に気をつけて、
良いお年をお迎え下さい。
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