2021/10/09 - 2021/10/09
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+mo2さん
「ジャム・セッション」は石橋財団コレクションと現代美術家の共演です。その第2回目は、森村泰昌。森村は、1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作して以降、今日に至るまで、古今東西の絵画や写真に表された人物に変装し、独自の解釈を加えて再現する「自画像的作品」をテーマに制作し続けています。 石橋財団が所蔵する青木繁《自画像》(1903年)、《海の幸》(1904年)にインスピレーションを得た作品を制作するなど、森村は以前から石橋財団の青木作品へ密かな想いを寄せていました。このたび、改めて《海の幸》と本格的に向き合い、当作品が制作された明治期以降の日本の文化、政治、思想などの変遷史を“森村式”、略して“M式”「海の幸」として形象化し、青木への熱い想いを新たなる作品シリーズへと昇華させます。
4年ぶりに旅行記書きました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
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石橋財団コレクションと現代美術家の共演として展開される展覧会「ジャム・セッション」。その第2弾として、森村泰昌が青木繁《海の幸》(1904)の作品と対峙して新作を制作する「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式『海の幸』ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」展です
アーティゾン美術館 美術館・博物館
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序章 「私」を見つめる
青木繁「自画像」1903年
青木繁はいくつもの印象的な自画像を描き残しています。青木は作品ごとに描く方向性をまず考え抜いてから制作に取り掛かるところがあり、油彩や鉛筆による様々な自画像はどれも表現が異なり、大きな振幅を持っています。 -
ジャム・セッションは、アーティゾン美術館のコンセプト「創造の体感」を体現する展覧会です。アーティストと学芸員が共同して、石橋財団コレクションの特定の作品からインスパイアされた新作や、コレクションとアーティストの作品のセッションによって生み出される新たな視点による展覧会を構成します。
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青木繁「顔」1903-04年
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森村泰昌「自画像/青春(Aoki)」 2016/2021年
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青木繁「自画像」1903年
この自画像では、暗い背景に半身になって、こちらを鋭く見つめる自身を浮かび上がらせています。よく見ると背景には不定型な形がいくつも見えますが、これは当時の下宿の金唐草模様だったと伝えられています。魔物のような暗い情念を塗り込めたこの自画像は、青木の心の在処を私たちに教えてくれます。 -
森村泰昌「自画像/青春(習作1)」 2016年
森村も、2016年にはじめて青木に扮して(なって)いる。展示では、アーティゾン美術館が所蔵する青木の自画像や肖像作品と、森村が青木に扮したセルフポートレート作品が対峙する。 -
「青木繁肖像写真」1907年
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森村泰昌「ワタシガタリの肖像(Aoki)」2021年
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第1章 「海の幸」鑑賞
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青木繁「海」1904年
1904(明治37)年夏、青木繁は友人の坂本繁二郎らと千葉県館山市布良海岸に滞在し、「海の幸」を制作しますが、あわせてこの海岸の波打ち際を何点も描いています。熱い日差しに輝く岩が、太平洋の激しい波を受け留めています。 -
青木繁「海景(布良の海)」1904年
「海の幸」と同じ夏に同じ布良で描かれたもの。モネなどの、フランス印象派の作品を見ていないはずの青木が、おそらく印刷物を通じてその表現を学び取っていたことを教えてくれます。 -
青木繁「月下滞船図」1908年
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青木繁「春」1908年
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青木繁「秋」1908年
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青木繁「大穴牟知命」1905年
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『古事記』の一場面です。大穴牟知命は大国主命の別名。大穴牟知は兄たちに謀られて焼け死に、それを悲しんだ母の願いを聞き入れた神産巣日神が蚶貝比売と蛤貝比売を遣わします。蚶貝比売が貝殻を削った粉に、蛤貝比売が乳汁を混ぜ合わせ、それを大穴牟知の体に塗りつけると蘇生しました。彼はその後数々の苦難を乗り越えて地上の支配者となります。手前に横たわる裸身の大穴牟知、左に蚶貝比売、右が乳房をつかむ蛤貝比売です。蛤貝比売がこちらを見つめる眼差しが、神話の世界と私たちをつなぐ強い絆になっています。
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青木繁「日本武尊」1906年 東京国立博物館
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青木繁「海の幸」1904年
1904(明治37)年7月半ば、東京美術学校西洋画科を卒業したばかりの22歳の青木は、友人の画家坂本繁二郎、森田恒友、福田たねと、千葉県館山の布良海岸へ写生旅行に出かけました。この太平洋の黒潮に向きあう漁村に約1カ月半滞在し、その間に制作された代表作がこの「海の幸」です。 -
「海の幸」(部分拡大)
図柄は、10人の裸体の男が3尾の鮫を担いで、二列縦隊で砂浜を右から左へと行進する様子です。中ほどの人物を見ると、正面から強い光を浴びているのがわかります。青木は布良の地勢や地誌、風俗を体全体で受け留め、それを荒々しい筆づかいと、若々しさ溢れる題材で再創造しました。 -
青木繁「わだつみのいろこの宮」1907年
読書家だった青木繁は内外の神話を広く読みあさり、その中から特に日本神話に取材した作品をいくつも残しました。 -
「わだつみのいろこの宮」(部分拡大)
この作品も『古事記』から取られています。兄の海幸彦から借りた釣針をなくした山幸彦は、それを探し求めて海底に下りていきます。すると「魚鱗のごとく造れる」海神綿津見の宮殿があり、その入り口に井戸を見つけました。水を汲みに宮殿から出て来た侍女が桂樹にすわる山幸彦に気づき、海神の娘、豊玉姫を呼びます。山幸彦と視線を交わす左の赤い衣が豊玉姫、右の白い衣が侍女です。やがて山幸彦と豊玉姫は結ばれて、2人の間に生まれた男児が天皇家の祖となります。 -
第2章 「海の幸」 研究
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ01」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ02」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ03」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ04」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ05」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ06」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ07」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ08」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ09」2021年 -
(造形:田中之博、背景画:小池勝行、ジオラマ着色:森村泰昌)
「M式「海の幸」ジオラマ10」2021年 -
森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ02 :それから)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ03 :パノラマ島綺譚)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ04:暗い絵)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ06:われらの時代)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ07:復活の日2)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ08:モードの迷宮)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ09 :たそがれに還る)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ02 :それから)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ03 :パノラマ島綺譚)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ04:暗い絵)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ06:われらの時代)」2020年
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さらに会場では、森村が《M式「海の幸」》をつくるにあたり試みた習作20点を紹介。
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ07:復活の日2)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ01:假象の創造)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ01:假象の創造)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(影合わせ05 :復活の日1)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ05 :復活の日1)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ08:モードの迷宮)」2020年
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森村泰昌「M式「海の幸」習作(色合わせ09 :たそがれに還る)」2020年
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カラーコピーのうえに撮影した自身の姿を貼り込んだものや、描画・彩色を施したものなど、森村の制作の構想を追いかけることができます。
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また、森村は作中で自身が身につける衣装も制作しており、会場では使われたオリジナル衣装9点も紹介されています
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衣装08,09
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第3章「M式『海の幸』変奏曲」で、いよいよ10連作《M式「海の幸」》と対峙することになります。円状の展示空間を周回するように作品が集まっています。
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森村泰昌「M式「海の幸」第1番:假象の創造」2021年
《M式「海の幸」》の各作品には、それぞれサブタイトルがつけられています。《海の幸》を模した「假像の創造」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第2番:それから」2021年
軍艦をバックに明治期の洋装の男女が並ぶ「それから」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第3番:パノラマ島綺譚」2021年
大正から昭和にかけてのモダンな女性たちが並ぶ「パノラマ島奇譚」など、《海の幸》が各時代の象徴的な意匠をまとった森村の姿によって次々と姿を変えていきます -
森村泰昌「M式「海の幸」第4番:暗い絵」2021年
戦争画を思わせる「暗い絵」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第5番:復活の日」2021年
1964年の東京オリンピックの日本代表ユニフォームをまとう「復活の日1」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第6番:われらの時代」2021年
学生運動を思わせる角材にヘルメット姿の「われらの時代」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第7番:復活の日2」2021年
岡本太郎《太陽の塔》をバックにした「復活の日2」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第8番:モードの迷宮」2021年
ボディコンやコギャル、メイド服といった意匠をまとった「モードの迷宮」 -
森村泰昌「M式「海の幸」第9番:たそがれに還る」2021年
9作目の「たそがれに還る」では、白衣にマスク姿の森村とガスマスクをした森村が配置されており、新型コロナウイルスのパンデミックを想起させるものとなっています。 -
森村泰昌「M式「海の幸」第10番:豊穣の海」2021年
最後となる10作目「豊穣の海」では、遮光器土偶のマスクをかぶった森村が、棒状のものを画面外に差し出しています。おそらく、この棒は最初の「假像の創造」の森村たちが持つ銛につながっていると思われ、展示方法と相まってこれらの連作が連関した繰り返しを表現していることが示唆されます。 -
M式「海の幸」の小道具
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