2021/10/10 - 2021/10/12
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chemireさん
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琉球の時代の那覇には、上天妃宮・下天妃宮・天尊廟・龍王殿・孔子廟・関帝廟など六つの宮や廟があったそうです。
これらの宮や廟は、中国渡来のものですが、中国を訪ねたことのない私にとって、媽祖さまや孔子様=台湾のイメージが浮かびます。
台湾の人々に最も慕われている神様は、媽祖さまだと言われ、実際、台湾旅行の際にはいろんな所で媽祖さまにお逢いしました。そして、仕事で訪ねた孔子廟で、六芸のことを学んだのも台湾。
なので、那覇で台湾旅行気分を味わっちゃおうと、媽祖さまや孔子様ゆかりの地を訪ねました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
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ゆいレール那覇空港駅から6つ目の旭橋駅。ここから、徒歩5分くらいの所に天妃宮跡があります。
旭橋駅 駅
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上天妃宮門跡。
沖縄には、14世紀の終わりごろに「航海を守る天妃」を祀る信仰が伝わり、那覇に上天妃宮・下天妃宮の2つの宮があったそうです。
現在は上天妃宮の石門だけが残っています。上天妃宮跡の石門 名所・史跡
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上天妃宮がつくられたのは、15世紀半ば頃。
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説明文には、石門だけ残された理由は記されていませんでした。
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下天妃宮跡。
上天妃宮から徒歩3~4分の所にあり、現在は東町郵便局が建っています。日本では、北は青森から南は沖縄まで媽祖廟が点在していますが、下天妃宮は日本最古の廟と言われているそうです。 -
当時のものは残っていませんが、郵便局の通り沿いに「天使館跡」と題した案内板が立てられ、下天妃宮の説明もありました。
「石門のみ残っている上天妃宮より先の永楽年間(1403~24)の創建とされ、廃藩後の1880年(明治13)には学校用地となり廟内の神像はすべて上天妃宮に移された」そうです。 -
天使館とは、琉球王国時代、中国が派遣した冊封使(さっぷうし)のための施設・宿舎。
ある文献を要約すると、「国家の迎賓施設である天使館と国家の宗教・外交施設である下天妃宮は、特別の配慮のもとに設置・維持されたと考えられている」とのことでした。つまり、隣接して建てられていたのは理由あってのことだと。 -
次は、若狭・波の上にある天尊廟地を訪ねました。天使館跡・天妃宮跡から歩いて10分くらいです。
天妃宮 (天尊廟地) 名所・史跡
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かつて至聖廟は久米にありましたが、戦火で焼失。明治以降学校用地となり、天尊廟地に遷された天妃宮も同様に灰燼に帰し、1975年(昭和50)若狭・波の上の天尊廟跡に、天尊廟・天妃宮と合わせて至聖廟(天尊廟地)が建立されました。その後、2013年(平成25)に、至聖廟は創建由来の地である久米へ遷られています。
変遷が続いて頭が混乱してきましたが、ここ波の上の天尊廟地には、現在、看板に記された神様がいらっしゃいます。 -
中央の大きな扉は神様のためのもので、ふだんは閉まっています。左右にある小さな扉から、一礼して中へ。
9:00~17:00まで開門され拝観は無料です。 -
廟に向かって左奥の小高いところに、程順則頌徳碑(日本人の道徳の基礎となった六諭衍義を中国(清)から持ち帰った教育者)と、蔡温頌徳碑(政治・経済・産業・教育など幅広い分野に業績を残した)があります。
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現在、天尊廟内には正面に本尊として天尊、向かって左側に関帝廟・龍王殿、向かって右側に天上聖母(天妃)が祀られています。
これらの四体は、元々は違う場所に祀られていました。関帝廟は1691年に創建。天妃宮・天尊廟・龍王殿については、15世紀半ばには存在していたと考えられているそうです。
沖縄戦で焼失してから、本土復帰後の1975年(昭和50)に、ここ若狭・波の上に再興され、緑の芝生を中央に囲むかたちで大成殿(孔子廟)・明倫堂・天妃宮・天尊廟(龍王殿・関帝廟)が並んでいたそうですが、主祭神である孔子様が遷られた後、天尊廟・天妃宮は老朽化のため取り壊され、比較的劣化の少ない旧大成殿へ仮遷座されています。 -
廟内中央の天尊廟には、現世の邪悪を絶滅して民を助ける「九天応元雷声普化天尊」が祀られています。雷神の中の最高神であり雷帝とも呼ばれるそうです。
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廟内右側に配されている天妃宮には、航海安全の守護神である媽祖さまが祀られています。
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媽祖さまを、順風耳と千里眼のニ鬼神が護っています。
長崎ランタンフェスティバルで見た媽祖行列を思い出しました。
https://4travel.jp/travelogue/11597557 -
廟内左側に配されている関帝廟と龍王殿。
かつてはそれぞれ別の廟に祀られていたのが、洪水のため廟が崩壊し天尊廟に合祀され、それがそのまま受け継がれてきたとのことです。
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関帝廟には、三国志で有名な関羽が神格化されて祀られ、武神とされるばかりではなく、財神・商売繁盛の神様と崇められています。関帝王は沖縄独自の呼称で、1691年に関帝像が初めて琉球にもたらされ、上天妃宮の一隅にこれを奉安したのが始まりとされるそうです。
龍王殿には、水や風雨を治める龍王が祀られています。 -
久米至聖廟(孔子廟)へ。
儒学の祖・孔子と、その門弟(四配:顔子・曾子・子思子・孟子)が祀られています。2013年6月、松山公園内に建立されました。
9:00~17:00まで開門され拝観無料。久米至聖廟 寺・神社・教会
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至聖門(しせいもん)。
三つある扉の中央は孔子様のための扉です。年に1回、孔子の誕生を祝う釋奠祭禮祭(せきてんさいれいさい)の日だけ開かれ孔子様がお通りになられます。
釋奠とは、「釋」も「奠」も供え物を置き並べるという意味だそうです。 -
波の上で訪ねた天尊廟と同様に、左右にある小さな扉から一礼して中へ。
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門から大成殿へ向かう道の中央は神様が通られるため、端を歩いて進みます。
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大成殿。
各地の廟と同じく南向きで建てられ、曲阜(きょくふ:中国山東省中部・孔子の生地)にある大成殿を模した2本の龍柱で支えられています。扁額は畳1枚分もの大きさでした。 -
孔子様を迎えるための石龍陛(りゅうへい)。
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龍柱。
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廟内中央には孔子像と神位が、左右に四配(顔子、曾子、子思子、孟子)の神位が祀られています。
「萬世師表(ばんせいしひょう)」
永遠に人々の模範を示す先生という意味で、孔子様のことをさす言葉だそうです。 -
「有教無類」
孔子様の有名な言葉「教え有りて類(るい)無し」。人は生まれながらにして、善人と悪人の種類があるのではなく、教育によって善人にも悪人にもなるという意味です。 -
「聖協時中」には、平和の願いが込められています。
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旅3日目に、至聖廟跡地(那覇商工会議所隣)を訪ねました。
琉球では、17世紀初頭より儒教の祭典が行われ、1676年に那覇久米村に孔子廟を建立。往時は、石垣とふくぎの木々に囲まれた800坪余の廟地でしたが、沖縄戦で焼失。その後の米国占領下で、米軍が軍道1号線(のちの国道58号)を通したため敷地が分断され同じ場所での復興が不可能となり、現在は、孔子像と碑が残るのみとなっています。久米至聖廟跡 (久米孔子廟跡) 名所・史跡
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孔子廟跡・明倫堂跡の碑。
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碑の後面に孔子廟は1674年建立・明倫堂が1718年に建立され、第二次大戦によって孔子廟、明倫堂ともに灰燼に帰したと刻まれています。
久米祟聖会とは、久米三十六姓の末裔により設立され、久米至聖廟・天尊廟・天妃宮・明倫堂などの維持管理と祭祀を現在も執り行っています。
久米三十六姓は、1392年に閩(びん)の国(明の時代・今の福建省)から琉球へ渡来。三十六姓は36人いたわけではなく、当時の中国では「三十六」はとても多い事の意味で、その中国から大勢の人が来たことを表しています。航海・造船等の技術を持ち、外交文書の作成や通訳・交易を担い、琉球王国の繁栄を支えた職能集団と言われましたが、その後、中国福建からの渡来者や首里・那覇士族から迎え入れた人達も含めて久米三十六姓と称され、居住区域は久米村(くにんだ)と呼ばれました。 -
孔子像。後面には、中華民国63年9月28日立とあります。和暦では昭和49(1974)年。台湾省台北市から寄贈されたそうです。
こちらに訪れて、ややこしかった頭の中がやっと整理できました。いま居る至聖廟跡地(那覇商工会議所隣)に1676年孔子廟が建立されましたが、1944年沖縄戦で焼失し、本土復帰後の1975年に若狭・波の上にある天尊廟地に廟を再建。その後、ゆかりの地での至聖廟再興を願う久米村の人々により、2013年に久米至聖廟を建立。戦争で焼失してから69年、若狭・波の上での復興から38年を経て、久米の地へ遷られたということになります。 -
孔子像の立つ孔子廟跡地から県庁前駅までは徒歩3分くらいです。
県庁前駅 (沖縄県) 駅
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旭橋駅・県庁前駅から徒歩圏内に、歴史ある場所がいろいろありました。
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