東トルコ辺境の旅3　老若男女・紫色のスカーフの街、ハラン

2009/01/07 - 2009/01/10

トルコ東部にあるシャンルウルファは、トルコ人がメッカに巡礼する時に立ち寄るという聖地。
周囲にはまだまだ民族衣装を来た日々とが生活しているようで、晴れ着姿で観光する遊牧民もいました。
マーケットもまた庶民的でイスタンブールでは消え失せた昔ながらのトルコを見ることができるのではないでしょうか.また日干レンガづくりの家も多く、いよいよ中東が近づいてきているこも感じました。

2009年
1月7日　イランマークーからドーウバヤズッド国境越え、ヴァンヘ
1月8日　ヴァンからビトリスへ　ビトリスから夜行バス移動
★1月9日　シャンルウルファ着、ハラン観光、夜行バス移動
1月10日　ハタイからシリアへ国境越え

エリア シャンルウルファ(トルコ)

1/9
ビトリスで乗ったベストヴァンツアーのバスはおそらく今までで一番豪華だった。休憩の度に車内の清掃もしてくれる。
朝3時半ごろ起こされ、カートでジュースサービス、4時半ごろシャンドゥウルファのオトガル横の幹線道路に降ろされた。
ひと気のない大通りを渡り、オトガルらしき電気の光る方向へ駆け込む。
幸い1軒のレストランとチャイ屋さんがやっていたので、レストランで時間つぶし。
少年が一人熱心に朝の準備をしているところだった。
少年ねー。もうすっかり見慣れてしまったけど、世界の半分以上の国で、今だ少年が下働きしている現実。

朝ごはんにスープをオーダー。ちょっと薄めな豆のスープ。
これにはラー油のような香ばしい油が乗っていました。
ひどく眠いが、日記を書いて暇つぶし。日記、暇をつぶすために書いている確率が高い（笑）一人旅には日記をおすすめします＾＾；

その後別の建物で見つけたチャイ屋さんでまたしても時間つぶし。
本を読んでいるふりして寝た。
ここでも小間使いの少年がいて、絶対用事ないのに好奇心で女子ルームにやってきては椅子を直したりしている（笑）私も同じ立場だったらぜったいにお塩補充するふりして珍しい外国人を観察しに行く。

朝になり、KENT社で24時発のアンタクヤ行きバスのチケットを購入。
出発がこれまたとんでもなく遅いが、それまでゆっくりシャンルウルファで過ごすことができる。夜はバスでゆっくり寝られるといいな。

荷物をオトガルに預け、まずはとんがり屋根の集落で有名なハランの町へ行くことにした。
荷物置き場がこれまた簡素で、係のおじさん、トイレ行くとき、ちゃんと扉閉めてくれるかな。心配。（最悪盗まれてもいいものしか入れてないけどさ）

雨の中ハランに向け出発。
最初は3人で出発。知らない土地のタクシーはちょっと心配だったけど、ドライバーのおじさんが一生懸命客引きしているので、まぁ大丈夫かなと思う。これから強盗する人がそんな一生懸命客引きしないでしょう、と。

どうやら直前にハラン行きのドルムシがあって、お客さんを取られてしまったらしい。諦めたドライバーさん、しばし休憩を決め込む。えー、わしらは？？（笑）

ちなみにオトガルの駐車料120円ぐらいを払っていて、プラスガソリン代もかかるわけだから、やっぱりお客さん3人だけでは元が取れないだろうなー。

そんなこんなでハランに向け出発。
途中ヤギが同乗して、これから強盗する人がヤギなんか乗せないでしょう。
これでやっとほっとできる。というか、むしろヤギ臭い。

途中で真っ黒なマントを着て杖をついた魔法使いみたいな爺様も同乗、ますます安心した。もう強盗はできないだろう。魔法使いにどうにかされてまう。

そうこうしているうちに、空の隙間から光が差し込んできた。
トルコで一番暑い街と言われているのに雨なのはもったいない、この調子で雨あがってー。

途中、トイザラス！！と思ったら微妙に違う店があった。もー。草原の真ん中だと思って好き放題やってるわ。

数キロ手前でハランに行く道に折れる。
オトガルはそこそこ大きく、いくつかカラフルなアパートもあった。あれ？手前の村は土壁と遊牧民的な衣装だったんだけどな。

しかし！ラッキーなことに、この日（金曜日）はちょうど市がたっていて、たくさんの地元民が集う日でした。

男女とも、みんな薄紫のスカーフを被っている！
柄は若干違うものの、男女が同じ色のスカーフをかぶる土地は珍しい。
とてもいい色合いね。服とのコーディネートは難しいそうだけど＾＾；

小さな広場には絨毯がそのまま広げられていたり、古着や野菜、オリーブなどが所狭しと並べられていました。ペンキ入れみたいなバケツにオリーブなどを入れていた。

車の中にぎっしり古着！

女性はコーデュロイのロングドレスを着ています。
濃い緑、青、ピンクなど色とりどりでとても優雅に見えました。

ハランには、ミャンマーのように顔に入れ墨が入っている女性がいた。

アラファト議長みたいなスカーフのおじさんがいっぱい。
いよいよ中東も近い、このスカーフはこの地域からの変化。

石のような留め具をつけた本格派も。
同じ赤のバンダナをつけて馬車を操るかっこいいばあ様のお姿も。

完全な偏見でとても申し訳ないが、イスラム圏での誘拐やテロが頻発して以降、この赤いスカーフで顔を覆った人がバイクに乗ってやってくると怖い。
なるべく偏見を持たない人間になるために旅しながら学んでいるつもりだが、こればかりはなかなか難しい。

マーケットの近くにあるとんがりハウス！日干し煉瓦が積んでできている。
このあたりにはメソポタミア時代から人が住んでいたそうです。

自称ガイドやガキんちょで悪名高いハラン。
お金もないことだし、ガイドを振り切り怪しいおやじに「バイバイ」と声をかけられ、野良犬の脅威にさらされるという、まぁ旅先で良くあるシチュエーションでした。

とりあえず塔の方へ歩いてみる。
またしても赤いスカーフの人がいて、ちょっとビビる。赤いスカーフなだけで申し訳ない、ただのおじさんだった。

よく日に焼けたクレヨンしんちゃんみたいな子に道を教えてもらった。
遊牧民みたいな顔付で、態度もすごく素朴な子だったな。私を外国人だと認識してなかったのかもしれない。

ハランには古い遺跡が多くあります。
これはトルコで最も古いというミナレット。

昔は4ｋｍの城壁に囲まれていたそう。今はオトガルの方に少し残るとか。

ロンプラによると、ハランはメソポタミアの偶像崇拝の中心で、聖書にも出てくる地だそう。
人間が継続的に居住している地としてはもっとも古い土地の一つだそう。

このアーチはアナトリア最古のモスクの一部。

柵で囲まれた部分は5千年前ともいわれる古代ハラン遺跡。

ところでハランにいくミニバスの中でちょっとした発見がありました。
ミニバスにコヤギが同乗したときのこと。私は普段あまり間近で見ることのできないコヤギが珍しくて、何度も何度も振り返ってはコヤギの様子を確認したりしながらずーっと彼を観察していました。
そしてその時ふと思ったのです。これこそやつら（グルジア～イランに至る好奇心丸出しで私をがん見する輩）の心の内そのものなんだ！！！と。
普段見れない東洋人が珍しくて珍しくて、もともと恥じらいもないものだからもう振り返るとかそういう小細工なしにとにかく“がん見”。そりゃそうだよなー。見たいよなー。
そう思うとあいつらってほんと無邪気というか、素直というか・・・
かといってそれ以降がん見攻撃に寛容になったかというとまったくそんなことはなく、むしろ完全にうざくて仕方なくなってしまって、ここアラブでは断固むっつりを貫き通しております。そんな旅はもちろん物足りない。でもアラブは余計な笑顔は災いの元なので、男性との距離にはかなり気を使うのです。
これって常に女性旅人の葛藤ではありませんか？？

とんがりハウスの正式名称はビーハイブハウスという。
イタリアにある有名な村と似てますよね、あれもビーハイブハウスの仲間だそう。
シリア北方にもみられる。
夏は涼しく、冬は暖かい造りだそう。

ハランには200年ぐらい前のものが残っているらしい。
この土地に木材が不足していたことや、近くに利用可能な遺跡があったことが功を奏したらしい。

以前は密輸や家畜の世話で成型を立てていたが、アタテュルクダムの出現が人々の生活に変化をもたらした。
砂漠は綿花の生産地になって、村々に富をもたらしたそう。

とんがり住宅街。

東ゲートに町を守るという意味が込められた鎖でつながれた犬の彫刻があったらしい。
見逃したかわりに鎖ごと逃げてきた犬を見た。

カレ城塞。ヒッタイト時代のものを11世紀以降修復したものだそう。

かなりよく残っています。頑丈なのか？

怖いから中には入らない。外観を見て、上からの景色を眺めるのみ。

ラピュタっぽい。

150もの部屋があったらしい。

とても静かな集落で、ちょっと寂しいくらい。そんななか唯一私に近づいてきたのは小さな男の子。ペンやマネーをねだられたら困るなあと思ってたら、逆にポテトチップを1枚めぐんでもらいました。世界広しといえど、ポテチを恵んでくれたのはハランの少年だけだ。
トルコにきてからやたらとものをもらってしまう事が多かったのですが、こんな小さい子にまでその気質がしっかり受け継がれているとは!

恵んでもらった1枚はおいしかったなー。危うく買いそうになったが、いかんいかん、ダイエット中！（昨日から）

アンテナ立ってますね。

ハランの街。

城壁や遺跡サイドは、まるで時間が止まったかのようでした。
帰りに入場料と言われたので、「オフィシャル？」「なんで入り口にいないの？」とごねていたら「行ってよし」と。

ハランの人々は昔ながらの生活はしていない。
でも紫色のスカーフと緑のコーデュロイドレスの女の子が犬を連れて草原を歩く姿はすごくサマになっていた。
一体ここはどこ！？何時代！？と思わせるものがあった。

これはたぶんアレッポ門。町と遺跡の間。

町は引き続きマーケット中。

大盛況でした。

数時間だけ滞在し、45ｋｍ先のシャンルウルファに戻ります。
午後はシャンルウルファ観光をします。