2019/05/13 - 2019/08/10
126位(同エリア443件中)
おくさん
Fatima6 アルベルゲ荒らし!? Valenca
7/2 Porrinoのアルベルゲ。真っ暗な中で行動開始。このアルベルゲは使用頻度の低い談話室とキッチンの明かりと水道は止められていた。元々キッチンにはなんも置かれてないし、アルコールは駄目や金は返さねーよと言う張り紙もあったし不親切。仕方ないので1階の薄ぼんやり明るいベンチでヨーグルトとパンでみじめっぽい朝飯にする。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- JTB
PR
-
明るくなって来たところででっぱつ。昨日、確認しといた通り、川沿いの草まみれの道を進む。前回はこの辺りはずっと町の中の舗装路をペタペタ歩いたが、今日の道はとても気持ちよく歩ける。どこまで続いてくれるのか期待しながら3,40分も歩くと大きな幹線路に出てしまう。ここには矢印がなかった。この時間に反対方向からやって来る巡礼は期待できない。少し待っていると出勤途中らしき女性がやってきたのでカミーノを尋ねるも知らないらしい。じゃぁ次の目指す町Tui方面を教えてもらう。Tuiは大きな町なので流石に知っていた。女性の後に続いて歩き出すが、この一本道を女性は延々と歩いて行く。この距離なら自転車とか考えないのかな?それともバス停が先にあるのか?
歩き出してから1時間40分経ったころ、やっと向こうから本日初の巡礼がやってきた。やっぱり朝は歩いている巡礼がいないので逆歩きの私には難易度が高い。 -
次の村でまたカミーノを見失い、ゴミ収集中のおじさんにTui方面を教えてもらう。だが、少し歩いた先の分岐に青も黄色の矢印もないのでこれはカミーノじゃないのが分かったので戻ったところ、運良くカミーノを発見、復帰できる。毎日こんなんばっかやってる。収集のおじさんが乗ったトラックとすれ違い、おじさんが「あれ?」と言う顔をして通り過ぎたが仕方ない。おじさんはきっとカミーノじゃなく単純にTuiの方角を教えてくれたんだろう。
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Tuiの町が遠くに見えてきた。一番高い丘の上に聳えているのがカテドラルだろう。だが道はまっすぐカテドラル方面には向かわずにぐるっと回り込みながら町に近づくようで中々町の中には入っていかない。町手前に教会があったので、石段に腰掛けてパンとチーズでエネルギー補給。カテドラルが近くなってきた筈だが、近くなると見えなくなるのが町のあるあるだ。通りかかった町の人二人に教わりながらやっとカテドラルの前に到着。
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スペイン最後の町Tuiのカテドラル。でかくて古い。中に入ると受付みたいな人がいたので、スタンプがあるかと尋ねてスペイン最後のスタンプを押してもらう。そのまま入ろうとしたらチケットが必要と言われる。じゃぁ入らない、スタンプさえ貰えれば目的は達せられたのでそのまま出てくる。この近くに3年前に泊まった公営アルベルゲがある筈なので周囲を歩いてみたが見つからないのでスーパーへ行ってちょこっと買い物。缶ビールを1本買ってカテドラル前で飲んでやろう。戻る途中で泊まったアルベルゲを発見できる。もう扉の前にバックパックが二つ置かれていたな。カテドラル前の石段に座り缶ビールをごくごく飲む。これも良い時間だ。バチ当たり。
広場にはインフォメーションがあったので行ってみると表に町の地図があった。ふむふむ、こうしてこう行くとポルトガル国境に簡単に行けるのが分かった。道順を頭にイメージして歩き出す。途中、同じ方向を歩いている巡礼者がいたので、おっ!とうとうファティマへ行く巡礼者と出会ったと喜んだが、単に食事できる店を探しているだけでサンチャゴへ行く人だった。がちょん。 -
いよいよポルトガルに突入だ。遠くに見えるのはValencaの砦というか城並の大きさがある。スペインからの侵攻を防ぐ橋頭保だった大きな砦だ。長い橋が国境になっていて、橋の中央には剥げかかった黄色と緑のペンキで上がポルトガル、下がスペインと書かれている。これそろそろ塗り直した方がいいんじゃないのかね。橋を渡り終えた所にも大きな看板があって先ほどの靴の国境が描かれているが、こっちの靴の絵は奇麗なままだよ。看板に偽りありとはこのことか?
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余り当てにならない記憶のまま砦の右へと進んでしまったが、暫く歩いても見覚えのある風景にならないので間違ったことに気づく。元のところに戻ってから左へ行ったらすぐ城門があったので、まったく私の記憶は当てにならない。砦の中は町と同じで土産物屋が林立していて観光客もいっぱい。いつも山の中や人通りの少ない田舎道ばかり歩いているので、こうやって観光客が行きかう通りは何となく華やいだ気持ちにさせてくれる。小さな教会があったので中に入ってお参りさせてもらう。
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国境を守るための砦なので、通り抜けるのには城門を5つほど抜けなければならなかった。ひとつ城門を突破されると次の門で食い止めるんだろう。車一台がやっと通れるほどの狭い門なのに、交互通行で車がやたら通り抜けている。砦の中に車専用道路を加えるんじゃなくて現役で城門がそのまま今でも使われてるんだな。やっと砦の外へ出ると普通の町が広がっていた。すぐ大きなロータリーに出たので、さてアルベルゲが分からない。今回は運良くタブレットのGPSが程なく位置を示してくれると、なんとアルベルゲはロータリーの隣で今立っている所から見えていた。
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アルベルゲに1時15の到着。オープンは1時半なので少し待つことに。時間になっても外から管理人はやって来ないので、中にいるのかなとチャイムを数回押す。でも出てこない。相変わらず外からやってくる気配はないので数回チャイムを押していると、20分程してからドアが開いた。やっぱり居たんじゃん。だがその男は管理人ではないらしい。ドアを開ける数字が書かれた紙片を渡すとどっかへ行ってしまった。談話室にはバックパックが置かれているので巡礼のようだ。スーパーでも行ったのかな?訳が分からないが取り合えず2階のベッドルームへ行って荷物を広げる。一息入れて下へ行ってみると3人の母子とソロの女性巡礼が外で待っていたので入れてあげる。外からはドアにあるボタンの数字を入れないと開かないが中からは自由に開けることができるシステムだ。lこの母子が2日前に泊まったのは、3年前に私も泊まったことのある家族経営で温かい雰囲気のアルベルゲ、CASA Fernandeだったのが分かったので良く分からない言葉とタブレットに保存してあるフェルナンデの楽しい写真を見せて盛り上がる。
シャワーしてから受付の所に行くとオスピタレラがやっと来たらしくチェックイン作業を始めている。そこで意外なことを言われる。どうやって中に入れたのか?と。えーと、こうして入ってとドアの番号が書かれた紙を見せて上げると、もう一人の助手らしい男の子に急いでドアの番号を変えるように指示している。更にベッドルームに他の人がいないかチェックしにも行かせたが私の他には誰もいる訳がない。この時はまだ事の重大性に気づいてなかったが、それが分かるのは夕方だ。ここはドナティーボと紹介されていたが5ユーロとのこと。どっちみち5ユーロを出そうと思っていたので定額はむしろ都合が良い。
スーパーを見つけて買出し。初めてレンジでチンするピザを買ってみる。一番安い1.99ユーロのピザ。それとトマト2と1リットルビールにカット西瓜。明日用にはパンまで買って7.35ユーロ。これだと実感がないが、ポルトガルの物価はスペインより安いはず。バルやレストランで食べなくちゃ一日の目標額20ユーロに簡単に収まる。 -
アルベルゲでピザをチンして食べることにする。日本でも冷凍ピザって買ったことなかったので若干半信半疑だったがチンしただけで食べられるようだ。そりゃ当たり前。でも味はいいけど少し硬いな。ずっと前から気になっていた前歯の差し歯が心配だ。帰るまでこのまま持って欲しい。キッチンに居た二人のおばちゃんはロシアから来たようだ。電磁調理器の使い方が分からないからと私に尋ねてきた。私も長いことこの使い方がハッキリ分からなくて試行錯誤を繰り返していたが、もう何となく分かる。最初にー(マイナス)ボタンを押すのがコツらしい。普通に考えると鍵のマークを押したりプラスボタンを押すと思いそうだが、実はマイナスボタンだったのだよ。
アルベルゲは簡単に見つかったけど明日の巡礼路が分からない。ここはポルトガルの道が2本交差する町なので、間違って別の方に行くと片方の地図しか用意してない私はとても困る。オスピタレラに聞いてもはっきりしないので自分の足で探しに出かける。隣の消防署に入って行くと、消防士が6,7人もいるのに誰一人英語が話せない。親切に教えてくれてるようだが要領を得ないのでオブリガードと言って他を当たる事にする。アルベルゲに戻ってフェルナンダに泊まったおばちゃんなら同じルートを歩いて来たので分かるだろうと聞くも、やっぱり要領を得ない。おばちゃんは分かって教えているようだが、それが私には伝わらないのだ。近くで洗濯してる男性に尋ねたら、これがそこそこ分かりやすかったので、教えてもらった方へ探しに行ってみる。結局、地元の人都合7人に聞いてやっと青い矢印を見つけることが出来た。ここかー、その大きなロータリーは3年前に4人でぞろぞろと渡った場所だった。アルベルゲからはこんなに離れていたんだ!でも良かった見つかって、今日の内に見つけとかないと翌朝アウトだから。 -
ようやく不安が解消できたのでアルベルゲに戻って西瓜を食べる。スペインのと違ってポルトガル西瓜は種が日本と同じで大きかったので出すのが面倒。でも味は甘くて美味い。これで1ユーロは安いよ。隣のおっさんが出発はどこからと尋ねてきたのでイルンと答えるとピンと来ないようで首を傾げている。そりゃそうだよね、この道を歩いている全ての巡礼はここValencaか或いはポルト出発だろう。リスボン出発なら勇者扱いになる。まるっきり方向違いのイルンなんて人がいる訳がないよ。でも理解してくれたら大いに褒めてもらえた。ちょっと嬉しいかな。母子三人組からは何処まで行くのかと聞かれる「ポルト?」と言うので「ノー、ファティマ」と答えるとファンタスティコと言われた。ファンタスティコって何語かな?逆歩きをしていると、たまに話しかけてくる巡礼がいて、ファティマと言うと拍手されたり褒め言葉を言われる。歩いている時もファンタスティコと言われたことがあったし、そう言うことを聞いて来る人は100%ファティマ巡礼を知っている人たちだった。
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夕方、アルベルゲ庭の石段に腰掛けてぼーっとしていたら私を最初に入れてくれた男が庭に出てきた。さっき談話室の片隅に腰掛けていたのを目にしたときに互いに会釈をしていた。バックパックを小脇に抱えて庭を通り抜けて低い塀を乗り越えて外へ行ってしまった。バックパックが異常に軽くて片手でヒョイッと運んでいた。それはまるで丸めた新聞紙しか入ってないように見えた。腰ベルトをすることもなくだらーっとした格好のまま離れたスーパーへ入って行ったので、空のバックパックに買った物を入れて戻ってくるのかと想像した。このとき嫌な予感がした。もしかしてアルベルゲ荒らしが空のバックパックで巡礼を偽装してたんじゃ!?もし男がスーパーから戻って来たら本物の巡礼で戻らなかったらアルベルゲ荒らしだ。帰って来ることを願いながら男を待ったが戻ることはなかった。泥棒決定。
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そう考えると確かに私が到着したときの事も非常に不自然だった。ここへの到着は13時15だったけどオープンは13:30なので、時間まで待ってからチャイムを何度も鳴らした。およそ20分後に扉が開いて中から出て来たのは管理人ではなく巡礼のようだった。男は私に扉を開けるパスワードを書いた紙を渡すとどこかへ行ってしまった。でもこの時間は私の勘違いで、スペイン・ポルトガルには1時間の時差があるので実際にはまだオープンの1時間前だったのだ。チャイムを鳴らし出してから20分もしてから男が開けてくれるまでの時間も不自然すぎる。中を物色してた男は、このまま私が玄関で頑張っていると本物の管理人がやって来てしまうから、その前に出てきたってことか。そして巡礼でいっぱいになった頃合をみて何食わぬ顔で談話室に座っていたところ、運悪くそこで私と顔をあわせてしまったので顔を覚えられたと思った男は悪事を働けなくなったので出て行こうとするが、バックパックを持ったまま管理人のいるレセプション前は通れないから裏から塀を乗り越えて逃げたのだ。そのバックパックも私が最初に入った時に談話室の隅に置いてあったあれだったんだ。二度目に入るときにバックパックを持っていたんじゃ受付しなければならないので、前もってバックパックは中に入れとく作戦だったのか。こう考えると全て辻褄が合う。これはプロの泥棒だろう。
あとからこのアルベルゲ宛にメールをしました。もちろんこんな複雑な英語は分からないのでGoogle様の翻訳を使って。以下はその内容ですが前置きは割愛してあります。
不審1:何故この男は時間前に入れたのか?更に管理人が来る30分前になぜ姿を消したのか?
不審2:本当のオープン時間になると管理人が来て、私と私が入れてあげた巡礼数人がいることに驚いて、いきさつを伝えると急いで別の管理人にベッドルームに人がいるか確認させに行くと同時に扉のパスワードを変更しました。
不審3:夕方になるといつの間にか件の男が談話室の片隅に座っていました。私はまだ疑ってなかったので、目が合った時に会釈をしました。
不審4:外に通じる石段に座ってまったりしていると、男がバックパックを手に下げたまま低い塀を乗り越えて外へ行ってしまいました。本来、外へ行くには管理人のいるレセプション前を通ります。
不審5:そのバックパックは、丸めた新聞紙で膨らませたように軽く、背負っても腰ベルトをすることなく100m離れた大きなスーパーに姿を消しました。
このとき初めておかしいことに気付きました。空のバックパックを買い物袋にしてスーパーで買いこんでくるのかと想像して、男が帰ってくるのをずっと待っていました。帰ってくれば泥棒ではないからです。でも男が戻ることはありませんでした。男はアルベルゲ荒らしだと確信しました。
アルベルゲは被害がなかったようなので、たぶん、男は私に顔を覚えられたと思って犯行に及ばなかったのではないかと想像しました。
翻訳終わり
男の写真はないけど、男優の本郷功次郎に似ていたのでネットから写真をダウンロードして翻訳した文章と一緒にアルベルゲに送信しました。
ま、返事はありませんでしたけどね。 -
Fatima7 山で迷うの怖い Rubiaes
7/3 Valencaのアルベルゲ。キッチンでインスタントコーヒー2杯とパンで朝飯。7時5分でっぱつ。昨日、カミーノを探し出しといたのと、ネットでここからの巡礼路をざっと頭に入れといたお陰で途中までは快調に歩いてられる。しかし大きな幹線道路でカミーノを外れていることに気づく。今回はGPSがしっかり仕事してくれたお陰で先へ行って左折すればカミーノと分かったので無事に復帰できる。毎回GPSさえ仕事をしてくれれば迷っても大怪我をしないで済むのだ。合流地点にファティマのマリア像があった。 -
山の一軒屋の塀に素晴らしい木の杖が立てかけてあった。これ貰っていいんだよね!?今まで使っていたのは重いし曲がってるので少々扱いづらかった。でも犬ころに対峙するには杖は絶対に必要だし歩くにも杖は必需品だ。ここで新旧交代。今度のは軽くて真っすぐ、杖としたらこれ以上の物はないだろうと言う程の代物で日本に持って帰りたい。わらしべ長者よろしく、次に交換するとしたらこれ以上の物は本物の金属スティックしかないだろう。古いのは誰か使ってくれるかなと同じ所に立てかけておく。
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次の村の道端には籠に山盛り入った果物が置かれていて巡礼は好きに食べてと言ったような紙が添えられてあったので遠慮なくたくさん頂くことにする。前にすれ違う巡礼から貰ったのと同じ黄色い果物だ。今が最盛期らしく、歩いているとアチコチの庭に鈴生りになっている。すぐの所に教会のベンチがあったのでここで休むことにする。これはなかなか良い時間だ。
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今日も軽重4つの迷子になった。もう毎日恒例です。山の中で迷子になった時は少し戻っても矢印が見つからない。逆歩きの宿命か。ここらは暫く人が歩いた形跡がなく荒れ果てている。こんな時こそGPSに働いて貰いたいのにその気配がない。半信半疑のまま前へ前へと歩き続ける。やっと地図にある地点が出てきたと思ったら自分の想像とは真逆に目的地方面があってビックリたまげてしまう。山の中でぐるぐる回ると上も下も分からなくなるので恐いです(上って北のことね)。ここは山の中にポツンとあった村の運動場らしいが、これがあったお陰で方向が分かった。こんな山の中に良く作ったもんだね。地図では運動場の右側に山道を示す点線が続いているので、ここを進めばいいらしいが、人が通った形跡がないので心配。
やっと巡礼路の青い矢印を見つけてほっとする。ご丁寧に行ってはいけない方にはバツ印まで付けている。喜んで歩いて行くと向こうからやって来たおばちゃんに話しかけられて「ルビアのアルベルゲに行きたい」そうだ。ルビアはルビアエスのことらしく私も目指しているアルベルゲだ。私から見たらこの先にある村なのでおばちゃんは既に通り越して3キロ程戻らなくてはならないと何となく伝えるとさっさと歩き出した。自分もおばちゃんの後100mを付いて行くと、どうもカミーノじゃないらしいことに気づく。GPSはキャッチしないが地図で確認するとさっきの道まで戻った方が懸命だ。おばちゃんは南米はチリの人なのでスペイン語ネイティブだから村人に教えて貰えば大丈夫だろうと追いかけない。 -
分岐まで戻って歩き出すとすぐガードレールに矢印を発見する。やっぱり間違っていた。モホンを通り過ぎた所で矢印がなくまた迷う。それでもアスファルト道を選んでこのまま進めばいいらしい。地図に記してあったバルが現れたのでこれを行けばアルベルゲ横に出る筈だ。ほどなくルビアエスのアルベルゲに到着~。予定より1時間遅れの1時10に到着する。まだオープン前だったので何人かが庭の椅子に座って待っている。その中にチリのおばちゃん発見、手を振っている。さすがスペイン語ネイティブ、巡礼路でない道を歩いても私より先に到着していた。
ポルトガルの公営アルベルゲはみんな5ユーロらしくスペインより安かった。チェックインで出発地を聞かれるのでイルンと答えたら「えっ!?」と言う顔をするので北の道のスタンプを見せたる。目的地はもちろんファティマだ。 -
このアルベルゲは明日山越えする上り口にある。多分ポルトガルの道最大の山越えだが、今日道に迷って山歩きしたお陰で足慣らしを終えた気分。アルベルゲ隣には巡礼しか寄らないバル兼お店があって、いつもの1リットルビールとチョコパン1袋で通常の2倍もした。他に商売仇がいないと思っていい商売してんな。アルベルゲに戻り安いスナック菓子とチーズでビール。アルベルゲの Wi-Fi が物凄く遅いのでまた店に行って缶ビールとバナナを買って店先のテーブルで接続してみるが、こっちも負けず劣らず遅い。でも愛用しているGronzeのサイトでカミーノ情報を見ている内にいいことに気が付いた。町名をクリックすると地図上にカミーノが現れたのだ。ずっと利用してたがこんな便利なのがあるなんて知らなかったよ。せっせと巡礼路をキャプチャして Wi-Fi が無い時でも見られるように何枚も保存を繰り返す。困った時に役立つときがあるかも知れない。必要がなかったとしても、無駄足の方がむしろ歓迎だし。
予想通り、今日から巡礼の雰囲気がガラッと変わった。殆どが大きなバックパックを背負い元気に声を掛け合ってくれるので気分がいい。その代わり人数は今までの数分の1に減ってしまった。これが頻繁に迷う主な原因かも。
明日のスタート地点の写真。右がアルベルゲです。道沿いの石の柵が奥の方が狭くなっていますが遠近法のせいではありません、傾斜に合わせて高さを変えてます。それくらい急坂です。写真じゃ余りそうは見えないと思うけど。
Fatima8 バーガー食べたい Ponte de Lima
7/4 Rubiaesのアルベルゲ。談話室にはイス・テーブルがあるが少し離れたキッチンには何もないのでレンジで温めたお湯にコーヒー入れて立ったままチョコパンとで朝飯ぱくぱく。7時半スタート。いきなり上り坂が始まる。この急坂はポルトガルの道のメインエベント、でもこっちからの方が軽いようだ。ポルトガルに入れば青矢印が増えると期待したが叶わず。 -
途中までは順調に歩けるが松林の中で迷う。左に曲がるのがカミーノかと思って歩いて来たが次の交差点でまた左に曲がったら徐々に上って行くのでおかしい?GPSを出して電波をキャッチしようとするが相変わらず不調で当てにならない。目指している町のポンテデリマは大きな川がある町なので下って行かないとならない筈。仕方ないからさっきの分岐まで後戻りする。別方向に行ったとしてもそれがカミーノである保障はない。往復30分のロス+GPS探索15分してもキャッチ出来ず。
歩いて行くと程なく矢印が現れたのでホッとする。戻って正解だった。足を痛めないように注意しながら下り始めると向こうからパラパラと巡礼もやってくるようになった。やっぱりどっちに行ったらいいか分からない分岐では面倒でも巡礼が来るまで待った方が賢明だろうが、今回は分岐がどこにあったのかさえ分からなかった。登山道の怖いところだ。 -
途中にあった石塚に立っている大きな十字架を通り過ぎる。3年前は面白女性のターニャがタバコを吸って休憩したところだと懐かしくなった。その後も2回、交差点で間違った方向に歩き出してしまうが10m前後を行った所で気づき、近くで農作業していたセニョーラに教わって事なきを得る。ホントに神経を集中してないとあっという間に迷ってしまいそうだ。里になって来たところでメタボ女子を含んだ若者グループとお喋りしてみると、メタボ女子がこの後のカミーノを心配して尋ねて来たので身振りでグーっと上ってグーっと下る仕草をするとギョギョと言うパフォーマンスを返して来たので笑った。今の時間からルビアエスまで歩くのかぁ、ご苦労さまだね。アニモ!
魚の養殖場なのか釣り堀なのか分からない所まで降りて来ると坂も大分落ち着いてくる。この釣り堀みたいのはバルもやってるしテントも張られているのでどういう施設なのか謎だ。
今日の公営アルベルゲは公園の脇をしばらく歩いた先にある筈と地図で確認していたので、そろそろ公園が現れるかなと歩いて行く。連続した建物を曲がったら突然アルベルゲ前の広場に出た!えっ、公園は?地図も当てにならないことがあるんだな。時間はまだ1時半、カミーノの紹介サイト「Gronze」によると、このアルベルゲのオープンは16時とあったが、表に張られていた紙を見たらオープンは15hだった。1時間早まってラッキーだ。しかしこれは間違いだと後で気づく。 -
オープンまでには1時間半もあるので、橋を渡ってリマの町へ行ってみよう。橋を渡った左の店は前にぼられたので行かない。右側を歩いて行くと乾物屋みたいな外観でポルトガル名物の干しタラや野菜が外に無造作に並べてあった。しょぼい店だが何を売っているのか入ってみよう。ビールが無かったら出てくる積りだったが、ちゃんと缶ビールを売っていたのでこの店で食料調達することにする。缶ビール3、トマト、つまみのクックテイルに甘いパン一袋で合計6.65ユーロ。スペインもポルトガルも同じお金が使えるのはとても便利だが缶ビールが1本1ユーロと高かったな。
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この町の名前の由来となった橋(ポンテ)の袂に大きなベンチがあるので、どっかり座って川風に吹かれながら今買ったクックテイル肴に缶ビールを飲む。極上の時間だ。気分がいいので2本目もプシュッと開ける。2時半になったのでアルベルゲ前に戻りバックパックをドアの前に置くと徐々に巡礼が集まりだして私の置いたバックパックの後ろに並べだした。その中にシスターの修道服のままバックパックを背負って巡礼している人がいた。イタリア人だが英語ぺらぺら。とっても理知的な顔立ちをしていて物腰も上品、さすがシスター。バックパックを置くと橋を渡って向こう岸に行ってしまった。お昼ごはんかな?
3時になったのにドアが開かないので、窓から顔を出した人に「オープン?」と聞くと「3オクロック」と言われる。えー、いま3時過ぎなんだけどな。それで考えたら私の時計はスペイン時間のままだった。早速、1時間遅れのポルトガル時間に時計を合わせておく。暇なので張り出された紙を良く読んでみると「歩き15h バイシクル18h ポンテデリマからのスタート20h」とスペイン語と英語で書かれていた。なかなか厳しい。ポンテデリマからスタートする人が居るようだとこの時知った。 -
本物の3時になったので一番にチェックインできる。ベッド番号も1番だった。ここは平ベッドだったのを覚えている。1番は部屋の奥まった隅でちょっと息苦しいかな。コンセントもここにはないし、好きなベッドを自由に取れるスタイルが一番好き。
昨日からどうしてもハンバーガーが食べたくて仕方ないので探すことにする。Maps.meの地図上では橋を渡った向こう岸にハンバーガー屋が一軒だけあるようなのでそこを目指す。でも閉まってて入ることは出来なかった。店構えも想像してたのとは違って場末の飲み屋みたいだったから惜しくはない。離れたところにあるレストランで3年前に食べたプレート料理はハンバーガーが載っていたので行ってみると既にそこには無かった。じゃぁ仕方ないから道端の立て看にハンバーガーの写真を掲げていた店まで行ってみるか。でもちょっと高いのでぐるっと回って一番安いハンバーガー値段を掲示してある店に入る。まずはビール。出てきたハンバーガーはハンバーグだけ少し暖かいけど他のパンと野菜は冷蔵庫から今出してきたような冷たさだった。更にポテトは小さなカップに入ったポテチだよ。輪をかけて面白くなかった。差し歯を心配しながらパクつく。他の店の価格表示では飲み物付でハンバーガー7.5ユーロだったがここんちは5.8ユーロと大分差があった。でもハンバーガーもそれなりに差があった。他の店のは食べてないので知らないけど。
アルベルゲのオスピタレラにお願いして、明日のカーサ・フェルナンダの予約をお願いしてみる。でも電話しても出ないので失敗。ま、明日は明日の風が吹くでいいや。フェルナンダがフルでも10キロ歩けば公営アルベルゲがその先にある。合計で27キロなので問題なく歩ける距離だ。キッチンに冷蔵庫があったので、ビールに氷を入れて飲んでみる。多少薄くなっても冷たい方が美味い。同じテーブルでイタリアじじいが甲高い大声で女の子と盛んにお喋りしてるのがやかましい。他にも人がいるんだからもっと静かに喋れないのかね。小さい声で喋れない障がいでもあるのか?作ったパスタを女性に食べさせてみたり、イタリア男って老若関係なく女性に目が無いのがいる。 -
夜中、2つ隣のイビキが凄まじいのでシュラフを抱えてソファーが幾つかあるパソコン部屋へ非難する。ソファーには女の子が一人スマホをいじっていたが、私が長いソファで寝だしたらどっかに行ってしまった。長いソファーだが足を伸ばして寝られないので小さいソファーを引き寄せて足を乗せてみる。それでもやっぱり落ち着いて寝ることは出来なかったよ。アルベルゲにはイビキの人専用部屋があると嬉しい。
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Fatima9 青い矢印増えた Tamel
7/5 Ponte de Lima のアルベルゲ。6時になると窓が明るくなってきたのでPC室からシュラフを担いで元のベッドルームへ戻る。隣のイビキ夫婦は既に出発して居なかった。熟睡できたので軽快にスタートできたんかな。煽りを喰った私は寝不足。食料が入った袋を持ってキッチンへ移動。インスタントの玉ねぎスープを作ってパンとコーヒーの朝飯。近くで数人がベッドルームからバックパックを持ってきて出発の準備をしている。
6時50、スタート。この先の道はちょっと分かりづらい記憶があるので、昨日Gronzeのサイトから巡礼ルートをキャプチャしといた地図を見ながら歩くことにする。なのでタブレットはバックパックの腰ベルトに差し込んで小まめに見ながら歩いて行く。
道端に小さな小さな教会が現れた。教会と言うより御堂レベルだ。ここで兼ねてより考えていた長袖のポロシャツを捨てることにする。もう暑くなって来たので長袖を捨てるタイミングを計っていたのだ。アルベルゲに不用品コーナーがあればそこに捨てるのが一番良かったが、さっぱり現れなかったから仕方ない。スペイン・ポルトガルは夏でも寒い時があるし、加えて帰りの飛行機内は寒いのが分かっているので、それ用にはペラペラの長袖フリースが一枚あれば十分、二枚はいらない重たいから。教会前にあったポールに紫色のポロシャツを引っ掛けて記念写真を撮っておく。日本から捨ててもいいようなのを毎回着てくるが、贅沢を言わなくっちゃまだ着ることは出来るので、もしかしたら誰か拾ってくれるかの期待を込めて。考えようによってはゴミ捨てなのだがそこは勘弁。
次の村の中でキャプチャしたルートを見ながら200mをショートカットしてやろうとしたが失敗。三叉路で分からなくなり考えていたら地元の車が止まって教えてくれる。「サンチャゴかファティマか?」この辺りでは巡礼は二通りを目指すことを良く知っているようだ。ファティマへ行くならやっぱりさっきの分岐まで戻った方が良いらしい。慣れないことはするもんじゃない。 -
向こうから本日最初の巡礼がやってきた。男みたいに見えるがれっきとした女性だった(こら)。「you are first peregrino this morning」。ここんとこ毎朝、最初に会った巡礼に話しかけて写真も撮ったりするのが日課になっている。毎回すれ違うだけで旅友の出来ない私のささやかな楽しみだ。みんな喜んで応じてくれるが、たまーに苦虫を噛み潰したようなのが来るときがあって、当然ながらそういうのはスルースル。笑顔は大事。
また矢印のない分岐が現れた。アルファベットのYの字そのもの。私はYの下から上に向かい、サンチャゴへ目指す巡礼はYの上から下に向かう三叉路だ。上からなら道なりで進めばいいので、ここにサインはいらない。でも、私はどっちの道に行けばいいのか分からないんだよー。こんなんがところどころに出現するから迷うのだ。まだ朝が早いので向こうから巡礼がやってくる確立は薄い。左を選んだが次の分岐に矢印がないので間違えたことに気づく。でもさっきの三叉路から100mほどしか歩いてないし、扇形の三叉路だったので右に行けばさっき選ばなかった道に出るはずだろう。案の定、次の交差点には矢印があった。このくらいなら間違えても大したことはないが、時には何キロも歩いた先で気が付くこともあるから怖い。それでも今日は今までと比べたら青い矢印が多いほうなので、これからもっと増えてくれると有難いんだがなと期待する期待する期待する。大いに期待する。 -
Casa Fernandaのアルベルゲ前にやって来た。昨年も吼えていたうるさい犬っころと共におばちゃんが居たので話しかけてみたが、この人はフェルナンダの人ではなく近所の人で、採れた野菜を納めに来たようだった。まぁ時間も早いし通り過ぎることに決める。フェルナンダの夕飯は巡礼と共に家人も一緒に食べて大盛り上がりだ。有りったけの酒も並ぶしギターも登場して文字通り、飲めや歌えの大騒ぎになるから泊まると絶対に楽しいのが分かっているのでちょっと惜しい気もする。表にいたおばちゃんがフェルナンダの人で(顔を覚えている)、泊まってと言われたら絶対に泊まってしまっただろう。
途中の工場みたいな柵の中で子犬が二匹やかましく吼えてやがる。通り過ぎると柵から出てきて追いかけてくる。振り向くと立ち止まって吼え続ける。毎度毎度やかましい奴らだ。小石を拾って投げる真似をすると射程距離の外まで後退しやがる。本当に憎らしい。もっと他の楽しみを見つけろ。
そろそろ目的の村Tamelが近づいて来たころ、父娘と思われる超軽装の二人が写真を撮りながら歩いていて親父の方がやけにテンションが高くてブエンカミーノだの巡礼がどうたらだのと話しかけて来る。自分も巡礼者と思っているのか、それにしては軽装過ぎる。女の子の方は親父のハイテンションが恥ずかしいようでモジモジしている。適当にあしらって先へ進むとまた道を間違えたようでバイクの地元民が聞きもしないのに教えてくれる。村の人はみんな親切。
村に入って行くと見覚えのある三叉路が現れた。3年前はあそこのバス停で私を待ち伏せしていたマリアおばちゃんと連れ立ってフェルナンダに泊まったことがあるので良く覚えている。この角を曲ればアルベルゲはもうすぐた。意気揚々と歩いて行くと道端に引き売りのトラックが止まっていた。この村には店がないのが分かっているので何か仕入れたい。1リットルビールは無いそうなので重たい瓶ビール2とバナナ、パン1袋にさくらんぼいっぱいで4.5ユーロのお買い上げ。レジ袋をガチャガチャ提げたままアルベルゲを目指す。 -
アルベルゲは道沿いと記憶していたが良く見るとそれは役場だった。その裏を通り過ぎるとすぐの所に近代的なアルベルゲがあった。1時45の到着。先着の二人が開くのを待っていた。Gronzeの紹介ではここのオープンは15時だが、実際には14時オープンだった。やっぱりGronzeはスペイン時間で紹介されていた。ポルトガルのアルベルゲはポルトガル時間で掲載すべきじゃろ。オスピタレロは15分遅刻してやって来たがフレンドリーで良い奴だった。5ユーロ。立派な建物でキッチンもベッドルームも申し分ない。アルベルゲのガラスケースの中では食材を売っていて、飲み物の自販機まであって冷えたビールも買えるのだった。外には良く手入れされた広い芝生があり、ぱらぱらと巡礼たちが寛いでいる。
あと10キロ歩くと有名なバルセロスだが、手前に公営アルベルゲがあるのは覚えていたのでここに泊まるんだと決めていた。3年前は泊まるかどうしようか考えた挙句、結局10キロ歩いてフェルナンダに泊まったが、今回はその逆。フェルナンダも良いけどこのアルベルゲは素晴らしかったのでこれはこれで正解。
昼寝をしていたら「トラックが来たよ」と教えてくれる。でも既に食料は仕入れてあるので何があるか覗きにだけ行ってみる。まぁ同じようなものなのでいらないかな。周りに店がないアルベルゲではこうして売りに来てくれるトラックがあったりするが、その情報は持っていないのでやっぱり自分で防衛するっきゃない。必ず来ると分かっていれば離れた所から食料を運ぶ手間が省けるのだがな。 -
8時近くなったので夕飯みたいのを作ってみる。他の人がガラスケースの中に6個だけあった卵を4個買ったので、残りの2個を買える。卵パック6個は多かったので買うのを躊躇していたがバラ売りもしてくれるんだな。2個残してくれたのでラッキーだ。インスタントスープの素で味付けして卵と一緒に買った小さいコーン缶詰を丸ごとブチ込んで簡単なスープの出来上がり。パンがすんごく不味い。
Fatima10 アルベルゲのパーティー Rates -
7/6 5時半、キッチンでスープを作って不味いパンをみんな入れる。ヨーグルト2と共に朝飯。日本から持ってきたスティックの先端スペアをまだ持ち歩いているので受付のテーブルの上にチョコンと置いておく。だれか使ってくれるかも知れない。今後、もしスティックを買ったとしても新しいスティックならすぐスペアが必要になることもないだろう。数グラムでもバックパックが軽い方がいい。
7時出発。毎朝、自分ひとりだけは逆方向へ歩きだすのでちょっぴりテンションが下がる。しかし逆にテンションが上がることもあった。昨日から青い矢印が具合よく出現してくれてて今日も要所要所に描かれているのだ。これまではハッキリと描かれた黄色矢印と比べて薄ーく消えかかっているようなのが多かったが、ここんところのは塗り直して青々したのまである。それが殆どの分岐点にあるのでとても心強い。振り返って見ると電柱の反対側には黄色い矢印もあるし行ってはならない方にはバツ印まで描いてくれてる。 -
バルセロス市内に入った所で一時巡礼路を見失ってしまうが、左には大きな川があるので、このまま進んで行けば大きな橋を渡るのが分かっているから迷うようなことはない。公共の建物がある地域に出たらすぐ現在地が分かり、昔の砦跡に行くことができる。前に来たときはここにガロ伝説の由来となった「縛り首の石柱」があるのを知らずに素通りしてしまったので、今回はその石柱をちゃんとカメラに収める。写真は鶏伝説の由来となった縛り首の絵。サンチャゴが縛り首になった人の足の裏をくすぐっています。じゃなくて下から支えて死なないようにしています。なんとも雑な絵だけどバルセロスに取っては大事な歴史物だと思います。
橋を渡って3年前に泊まったアルベルゲの玄関を撮りたかったが確認できなかった。外観が変わったのかな?裏に回ると以前と同じアルベルゲ入り口があった。この近くにティエンダがあって買い物した記憶があるので食料を買おうと探してみたが消えてなくなっていた。記憶違いかな?今回バルセロスは素通りなので町外れを目指していると、別のミニスーパーがあったのでお買い物。ファンタオレンジにチョコパンと中身が分からない小さなボトルを買ってみる。これは単に安かったから。そこから5分も歩くと手ごろなベンチがあったので早速ジュースを飲んで一休み。その後、しばらく歩いてから正体不明のボトルを飲んでみたら、ガス入りの水らしい。水はいつも水道水でまかなっているので、巡礼5年目にして初めて水を買ったと思う。これが驚くほど美味くておまけに体にも良さそうで気のせいか元気が出てきた。これなら疲れを感じた時にまた買ってもいいかなと思った。安いし。 -
村の中にあったアルベルゲの案内板の隣で休んでいたら後ろから「オラ」と声が掛かる。地元の人かと思って顔も見ずにオラと返事をしたら巡礼だった。これは失礼なことをした。スペイン女性で一人で歩いているらしい。アルベルゲ案内を見ながら、今日はどこに泊まるんだと聞いたらまだ決めてないそうだ。私が通り越して来たバルセロスには泊まらないようなので、次にアルベルゲがあるのはTamalだけで、ムイビエンだったよと教えてあげる。一緒に写真を撮ってバイバイ。この案内板はファティマへ行く人用とサンチャゴへ行く人用の2バージョンが表裏に書かれてあってとても親切。現在地点から私営・公営アルベルゲまでの距離と電話番号が書かれているが、出来れば宿泊料金も書いて貰えると助かるんだが。
次にも同じアルベルゲ掲示板があり、そこではベルギー女性巡礼が今日の宿を思案中だったので、互いに自分たちが泊まったアルベルゲ情報を交換しあう。今日はこの人を入れて三人の巡礼から「ファティマ?」と聞かれた。うち二人からは「ファティマへ行く巡礼は初めて見た」と言われる。もう一人は何も言わなかったが当然見てないだろう。もう何時まで経っても逆歩きはゼロなのが確定だ。この立派なアルベルゲ情報板は今日3枚あって、最初の案内では今晩の宿Ratesまで14kmで次が6km、最後が2kmと案内してくれていた。励みにもなるしとても有難い。 -
だいぶ疲れてきたし石畳で足裏も痛くなってきた頃に目的のRatesの町に入ってきた。3年前に買い物した雑貨屋の前を通り過ぎればアルベルゲは目の前だ。そしたらアルベルゲの入り口に女の人がいて、こちらに向かって手を振っているようだが良く見えない。まさか私にじゃないよね?でも後から考えるとこれはまさかだったのかも知れない。それくらいこの女性(オスピタレラ)はフレンドリーだったから。1時50の到着でオープンは2時だがチェックインさせてくれる。「あなたがファースト・ペレグリーノよ」と言われる。1番なのでどのベッドにするか選ばせてくれるそうだ。ここはベッドが指定らしく、私が選んだこのベッド番号は埋まったと記録するようだ。部屋には二段ベッドが4台、平ベッドが1台あるが二段ベッドの上の間隔が広いので二段ベッドの下段をお願いする。
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シャワー、洗濯してからミニスーパーへ買い物。その前にキッチンに何があるかチェック済みなので今日はスープを作ることにした。ジャガイモ、玉ねぎ、トマト、玉子6、クノールスープの素、1リットルビールとコーヒー1箱で6.35ユーロ。早速キッチンでスープ作りに取り掛かる。と言ってもみんな細かく切って鍋に放り込むだけ。スープの素と塩コショウで味付けする。トマトの酸味が強すぎる気がするが、これはこれで美味いだろう。玉子を6個とも入れて大皿2枚分のスープの出来上がり。ビールと共に食べて腹いっぱいになる。
食べ終わったところで今晩はオスピタレロのパーティーがあるから一緒にどうかと誘われる。うーん、腹いっぱい食べちゃった所だけど参加したいと返事する。食べる前に聞けば食事量を調整したんだけど誘われたら必ず参加だ。腹いっぱいでもワインなら飲めるので、今晩の楽しみができた。
昼間あった女性巡礼が、海沿いのラコスタ巡礼路を歩いてからこの内陸ルートのセントラルに移って来たのを聞いていたので、自分も明日はラコスタへ行こうと計画してみる。このセントラルルートは明日からは特徴のない道が続き、石畳歩きもいい加減うんざりして来たのでこのアイデアは渡りに船だった。後からやって来たオスピタレロにラコスタへのルートを尋ねると、私が考えたのと同じ国道E-206を行けば海に出られると言うので確信を持つ。ひょんなことから明日からの楽しみが出てきた。今日は10キロ以上も石畳の道を歩き続けたのでいい加減閉口していたのだ。
このアルベルゲは広い敷地内に織物の博物館を併設していた。大きなガラス張りの立派な施設で、植物から繊維を取り出して糸を作り、最後に機織りで布にする迄の過程を実物で紹介していた。公営のアルベルゲなので、巡礼を泊める他にもこうして地域に貢献しているようだ。この他にも芝生の広場があったり二階建の別棟もあったり意味不明の鉄塔が立っていたりと、何しろ大がかりな施設のようだ。 -
親切なオスピタレラはAnaと言って、あとからやって来たのはAnaのご主人のようだ(写真)。8時にAnaがパーティーが始まるよと迎えに来てくれる。夕方になって少し寒そうなので、長袖とジャージのズボンにする。パーティーは別棟の建物で、入っていくと想像と違って巡礼は私を入れても3,4人しかいなかった。他は地元の人が十数人で、どうもこの人たちが交代でアルベルゲを運営しているらしいのが分かる。地元の人たちばかりの所に適当に座るとAnaがやって来て「巡礼がいる所の方がいい?」と聞いてくれる。私の英語はどうせ片言なので、周り中ポルトガル語の中に居ても同じことなので、ここでいいんだと伝えると、英語が喋れるAnaが私の隣に座ってくれた。細やかな心遣いをしてくれるんだな。
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他の人も英語が片言で話せる人は気を使って話しかけてくれる。みんなお揃いのTシャツを着ていて、これがアルベルゲRatesのユニフォームらしい。黄色一色のTシャツを来ているおっちゃんが自身のシャツを示して「シンカンセーン」と言うのが理解できなくて「シンカンセーン」と言うポルトガル語なんかなと思ったが、その内自分のスマホの写真を見せてくれたら、黄色の新幹線のことを言っているのが分かった。前にテレビニュースで一度だけ見たことのある、検査用の黄色い新幹線のことを言っていたのだった。この人、鉄道関係の人なんかな?
今日は特別の日なのでパーティーなのか、それとも定期的にこうやってパーティーやってるのかは分からなかったが、みんなこのアルベルゲを中心に仲良しの輪が広がっているのには違いない。いい組織だなと思った。 -
料理は焼いた肉や長いチョリソーのぶつ切りなど多彩。他のテーブルにはまた違った料理が並んでいるので、これはきっとそれぞれが自慢料理を作っての持ち寄りパーティーらしい。見た目がカラフルなおからみたいのまで並べられている。チキンにポテトチップス、ポテチってこっちでは料理扱いになるのか、他の食べ物が載った皿の上にポテチまで乗せて一緒に食べているな。日本では考えられないが、やってみたら意外と合うかも知れない。ほかにも正体不明の皿があるので異文化体験なので少し味見してみる。Anaが私の皿を持って離れた所からチキンをひとつ乗せて来てくれ、大きな皿に小さなチキンがひとつだけチョコンと乗っているのが日本人の感覚からしたら面白かった。飲み物は何がいいかと言われたので白ワインを所望するとこれがカバだった。カバ大好き。チョリソーは美味いけど塩が強すぎる。スペインもそうだが、こっちの料理は塩を使いすぎる気がする。炊いた米もあったので一口食べてみたが、日本のコメとは違って粘りがなく硬目に炊かれていた。昼にスープを食べすぎたので、チョコンチョコンとつまみ食いしてみる。
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パーティーなのでポルトガル名物のファドを期待したが、歌はなかった。代わりにケイマーダの儀式が始まった。カミーノでは有名なケイマーダだが、私はまだ見たことがなかったのでこれはラッキー。ケイマーダを見せようと他の巡礼にも声を掛けたのか、ぞろぞろと入ってきた。部屋の電気を落としてから強い酒を陶器の鍋に入れ、他にも何やら入れて火を点ける。青い炎がメラメラと燃え立ち神秘的なムード満点だ。最初に私に陶器のしゃもじを渡して来たので、何かやれと言う事らしい。まぁ日本語でやれば良いと言うのでへっちゃらだ。ケイマーダのリーダーみたいな人がやったのと同じようにしゃもじで火の点いた酒をすくっては炎と共に鍋に垂らすを繰り返しながら何事か日本語で唱える。何言ったかな?まぁ真面目な事を言ったんだと思う。順番に何人もの人にバトンタッチして、最後はその酒をみんなで飲むと、これがまぁケイマーダと言う物らしい。
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ポルトワインも出てきて少々酔ってしまったようだ。皆フレンドリーで、ワインもいっぱい飲ませてくれてとても楽しい夜だった。Anaと全てのオスピタレロに感謝だ。Muito obrigado !!
ベッドルームに戻ると、私以外は皆女性で、一人60代だが他の5人はみな若い女の子ばかりだった。お陰でイビキもなくぐっすり寝られる夜となりました。
Fatima11へつづく
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