2025/09/17 - 2025/10/28
97位(同エリア499件中)
Pメテオラさん
- PメテオラさんTOP
- 旅行記51冊
- クチコミ19件
- Q&A回答20件
- 131,488アクセス
- フォロワー44人
2025年の9月から10月に1カ月強かけて、スペインのサンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のひとつ、「フランス人の道」と呼ばれているルートのうち、サンジャン・ピエ・ドゥ・ポールからサンチアゴ・デ・コンポステーラまでの779㎞(巡礼証明書ベース)を歩きました。結論は、「厳しいけれど楽しい」でした。
サンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼は、日本のお遍路さんに似ている感じです。どちらも、信心に根差した規律心と長旅に出るウキウキ感が適度にまざっています。ですから、一般の観光旅行とは違ったスペイン体験ができることは間違いありません。
2025年現在、日本人巡礼者数は年間1500人程度で、巡礼者総数50万人からすると微小です。けれども、体験者は「はまる」と見えて、サンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼旅行記は、かなりの数がブログや日記形式で公開されていますが、いずれも個人日記のようなパターン。興味が湧いたので巡礼に行こうとか、徒歩旅行の不安への具体的あるいは計数的なヒントを探そうとしている人たち向けではありません。
まず、私自身が巡礼を実行するに際して情報が少なかった部分をQ&A形式で補うことにしました。それに続き、別の稿にて、体験者の皆さんが異口同音にアピールしている徒歩巡礼体験の魅力や感想を私なりにお伝えします。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
【Q1:サンチアゴ・デ・コンポステーラの徒歩巡礼で得らえる物証は何ですか】
コンポステーラ(Compostela)と呼ばれる巡礼証明書で2種類あります。竪型の巡礼証明書は無料ですが、2枚目の写真のような横型の距離証明書は、希望者のみに発行され3ユーロです。いずれもご当地の公用語であるガリシア語で書かれています。逐語訳的な内容は以下のブログなどを参考にしてください。
https://note.com/62hideto/n/n2fcedd77367a -
【Q2:巡礼証明書の発行条件はどのようなものですか】
日本にも「日本カミーノ・デ・サンチアゴ友の会」という団体があるようで、以下の日本語のサイトにてサンチアゴ・デ・コンポステーラ巡礼の概要や諸条件が分かります。
https://camino-de-santiago.jp/
一言でいうと、「国籍人種性別宗教宗派等一切不問。クレデンシャル(credencial)と呼んでいる巡礼手帳(納経帳)を持ってスタンプを押してもらいながらゴール近くの最低100㎞以上を歩いて来なさい」です。 -
【Q3:巡礼者って何人くらいいるのですか】
写真はゴール地点のサンチアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂です。ここの巡礼事務所の公式サイトに統計が載っています。
https://oficinadelperegrino.com/en/statistics-2/
2025年11月現在、年間およそ52万人の巡礼者がいて年々増加傾向のようです。国籍別ではスペイン人が最多の22万人、続いてアメリカ人が4万人です。アジア諸国では韓国人がもっとも多くて7000人です。日本人は1500人強ですので、日本人巡礼者が何となく自慢したい気持ちになるのも分かりますね。
なお、この統計は「巡礼者数」ですので、一般観光客としてサンチアゴ・デ・コンポステーラに行った人たちは含まれていません。 -
【Q4:クレデンシャル(巡礼手帳)は、どこで入手するのですか】
クレデンシャルはスペイン語の呼称です。主なスタート地点の巡礼事務所などで1冊2ユーロ内外で入手できます。お土産屋さんや巡礼宿で売っていたと書いている人もいますが、確実に入手できる根拠はありません。前記の「日本カミーノ・デ・サンチアゴ友の会」でも有料で発行しているようです。 -
クレデンシャル(巡礼手帳)のデザインは発行元により異なります。1枚目の写真はフランス版、2枚目の写真はスペイン版です。私はオランダ版も見ましたが写真を撮り忘れました。「日本カミーノ・デ・サンチアゴ友の会」版は、高価ですが大変美しいデザインのようで、フランスのサンジャン・ピエ・ドゥ・ポールの巡礼事務所の方が褒めちぎっていました。
-
【Q5:フランスのサンジャン・ピエ・ドゥ・ポールでのクレデンシャルの入手方法を教えてください】
町の目抜き通りの坂道を上がって行くと、いかにも巡礼者っぽい人たちがたむろしている場所が巡礼事務所です。小さな建物で受付デスクは4つ、順番待ちの椅子も6脚くらいしかないので、昼下がりの混雑時には外に順番待ちの行列ができています。
4月から10月までの巡礼シーズンは無休で、受付時間はだいたい8:00~12:00、13:30~20:00ごろです。対応言語は、仏、英、西、独語のようで、日本語や韓国語は通じません。言葉ができなくてもクレデンシャルは1冊2ユーロで入手できますが、いっしょに渡してくれる注意事項や補足説明が理解できないだけです。英語などができない方はAI翻訳機能などを利用して読んでみてください。 -
【Q6:クレデンシャル用のスタンプはどうやってもらうのですか】
巡礼路上の巡礼宿や民宿では、クレデンシャルを出せばチェックイン時に押してくれます。ご朱印とは違って無料です。ごくまれに「うちはスタンプ押さない、ない。その辺のバルでもらってくれ」という宿があります。こういう情報を読むと日本人は不安感が募りますね。
巡礼者相手のバルやレストランには、たいていスタンプがあります。写真のようにカウンターの隅に置いてあって、お客はセルフサービスで押して日付を書き込むスタイルが主流です。 -
サンチアゴ・デ・コンポステーラの100㎞圏内ではスタンプは1日2個以上要るので、バルなどの外にスタンプが置いてある店も散見されます。何も注文せずともスタンプが押せるのは、コミュ能力が低い日本人には朗報ですね。日付を書き入れるペンは置いていないこともあるので、あとで適当に自分で書き足すか、宿屋や他人のペンを借りて書き入れます。
-
スタンプの効力は、宿屋やバルだろうが教会だろうが全く同じです。
バルや飲食店では1品でも注文してくれる商売上の効果が期待できますが、教会ではスタッフがスタンプを押してくれる代わりに寄付箱を指して無言の圧力を加えてきます。写真のように出入口付近にスタンプがあるところが多いです。あとで祟られてはこわいので、私は1回1ユーロを寄付していました。 -
【Q7:巡礼ルートの情報収集や徒歩旅行に便利なアプリを教えてください】
昔は観光案内書やノウハウ本、今はスマホ用の無料アプリです。
1 Whatsapp:日本のLINEに相当します。ヨーロッパやアメリカで断トツに普及しています。巡礼者どうしの情報交換や巡礼宿への連絡などにとっても便利です。
2 booking.com:かなりの巡礼宿が予約システムとして採用しています。
3 Buen Camino(ブエン・カミーノ)という英語版の無料アプリ。巡礼ルート情報、宿泊施設や食料品店の場所、料金、営業期間、サービスなどの細かい情報が載っています。私も、このBuen Camino(ブエン・カミーノ)を利用しました。
4 camino ninja(カミーノ・ニンジャ)という英語やドイツ語版の無料アプリ。ブエン・カミーノより巡礼ルート情報は多いようですが、宿泊、買い物情報がやや少ないようです。
残念ながら日本語の実用的なアプリはありません。韓国人向けには、韓国語のアプリか巡礼ガイドがあるようでしたが委細はわかりません。 -
【Q8:巡礼の服装や荷物に制限やマナーはありますか】
お遍路さんの菅笠、脚絆(きゃはん)に相当する伝統的なスペイン流巡礼者スタイルはありません。服装、荷物などは法令や社会常識の範囲内ならば自由です。99%以上の方がバックパックの後ろにホタテ貝をぶらさげていますが、他人に分かりやすくするための単なるファッションです。巡礼者として認知されているかどうかはクレデンシャル持参の有無です。
極論すれば、ホタテ貝をぶらさげて歩いて巡礼者を装い、ナンパや置き引きをすることもあり得るということです。 -
【Q9:巡礼用品は現地でも買えますか】
買えます。サンジャン・ピエ・ドゥ・ポール、パンプローナなどの主要出発地点にはスポーツ用品店兼用の巡礼用品店がありました。私も杖を買いました。また、一般のお店でTシャツ、靴下などを買い足しました。シーズン後半の9月になると巡礼用品もセールになるようで、私も定価1本あたり15ユーロの杖を半額強の2本セット17ユーロで手に入れました。 -
【Q10:いわゆる巡礼宿の内部はどうなっていますか】
私も大変、気になっていました。スペイン語でアルベルゲ(Albergue)と呼んでいる巡礼宿の種別や予約可否のことは多くの方がコメントしていますが、実際の内部がどうなっているかの情報は多くありませんね。
結論から言うと、「値段相応に不安もなく、また、疲れを翌日に残さずに泊まれました」です。実際の宿泊体験を整理しながらアルベルゲの様子をたどってみましょう。 -
【Q11:アルベルゲの受付はどうやるのですか】
目指すアルベルゲの受付に着き、予約の有無などを確認され、泊まれることになったとします。
受付でパスポート(身分証明書)とクレデンシャルを出して本人確認などを行ったあとサービスに応じて食事の要否などを聞かれます。宿泊代金合計が提示されるので前払いで精算します。現金精算が基本ですが、時勢ゆえ3分の1くらいのアルベルゲではカード利用やデビット決済ができます。
なお、コミュニケーションは英語希望ですが、スペイン語しか話せないスタッフもいます。けれどもアルベルゲの泊まり方はどこでも似たり寄ったりなので指差しなどを交えながら何とかなります。 -
代金精算に続いて宿泊ルールの説明があります。また、使い捨ての枕カバーとシーツのセットを渡されることが一般的になっていました。
門限および消灯はどこでも22時でした。夜更かしスペインでは異例の早さで、日本人感覚では夜8時就寝と言われているに等しいです。朝は8時までに出ていけと言われますが、日の出が遅い10月に入ると9時チェック・アウトになったアルベルゲもありました。受付付近の壁あたりに、こうした内容を西、英、仏、独語くらいで書いた紙が貼ってあります。
それと同時に夕食時間、朝食時間の説明もあります。夕食はたいてい19時に一斉スタート、朝食は6時30分とか7時以降ご自由にどうぞのようなアルベルゲが主流でした。素泊まりのみ、夕食のみ提供とか、夕朝食は併設のバルの営業時間内に好きなように食べ、都度精算というアルベルゲもありました。一軒ごとにサービス内容は異なります。 -
【Q12:アルベルゲの部屋割りや荷物置き場はどうなっていますか】
大半のアルベルゲでは受付スペースの奥からは土足厳禁です。写真のように靴置き場や杖立てがあり、靴を脱ぎ、杖を立て掛けてスタッフについてくるよう促されます。巡礼路は未舗装が多いので埃がいっぱいついたり、牛馬のフンを踏んでいたりするので寝室やトイレなどは土足厳禁なのです。荷物は自分のベッド脇まで持っていけますが、ベッドの上に荷物を置くなというアルベルゲが大半です。
部屋割り、ベッド割は指定制の宿がある一方、大部屋に案内されて先着順で好きなベッドを選べと言われたところなどマチマチでした。公営だから先着順、予約していたから2段ベッドの下段を割り当ててくれた、のような法則性は感じませんでした。 -
【Q13:実際の寝室の様子はどうなっていますか】
ピンキリでした。
1枚目の写真は初日に泊まったロンセスバーエスの巡礼者専用アルベルゲの寝室(ドルミトリオ=寮とか相部屋の意味)の様子です。新しい感じの素材で作った間仕切り及び荷物置き場、電源コンセント付き1段ベッドでした。1週間ほど前に予約したからだと思います。他の部屋は2段ベッド2組が向かい合ったカルテット仕様でした。ちなみに料金は同額です。また、相部屋は基本的に男女いっしょです。 -
2枚目の写真は「キリ」の方です。青いマットレスが40組ほど隙間なく並べてあるだけの寝室でした。男女関係なく先着順で寝場所を選ぶ方式でした。枕の備え付けもカバー類の支給もありません。これではかなわないと見たのか、いったんチェックインしたものの他のアルベルゲに空きベッドを見つけて夜だけそこに移ったお兄さん、お姉さんもいました。夕食は私たちと共にしたようです。
-
3枚目の写真は、平均的な2段ベッド式の寝室(ドルミトリオ)です。1部屋に適度な間隔で2段ベッドが並べてあり、10~20人前後が寝られる造りでした。枕もあり、使い捨て枕カバーとシーツの支給もありました。上の段のベッドの方は床に自分の荷物を置き、寝袋や貴重品だけ持って自分のベッドに上がります。
-
【Q14:相部屋でのイビキ、寝言、歯ぎしりなどはうるさいですか】
4枚目の写真も平均的なドルミトリオ式の相部屋です。そして夜は例外なく一時的にカエルの合唱状態となりました。ただし、寝言や歯ぎしりはほとんどありません。そのため、アルベルゲ宿泊の巡礼者は耳栓持参が必須でしょう。私も耳栓をして寝たものの、完全に音をシャットアウトすることはできなかったので、ときどき目が覚めました。自分だってイビキをかいているようなので、お互い様ということで勘弁してください。
このような感じなので、最近はアルベルゲを避け、1泊30ユーロから50ユーロくらい出しても個室のある民宿(ペンシオン)やホテルに泊まる巡礼者が増加傾向のようです。 -
【Q15:衣類の洗濯や乾燥はどうやっていますか】
私も含めて多くの巡礼者は基本的には手洗い、天日干しで済ませていました。それで何とかなります。
まず、荷物を少なくするために巡礼者は老若男女を問わず”着たきり雀”に近い状態で旅しています。雨天に備えて着替え1組、下着2組持参が相場。若い男女のなかには洗濯物のズボンが乾くまでTシャツと下着一丁で寝袋に納まっている人もいました。
アルベルゲには必ず手洗い用の洗濯場と物干し場があります。半分以上のアルベルゲには自動洗濯機や乾燥機があり、おのおの1回4~5ユーロで利用できます。みんな、それほど洗濯物の量が多くないので、1人か2人歩きの巡礼者は一様に手洗い洗濯でした。 -
スペインは乾燥した晴れの日が多いので、洗濯物は4時間くらいするとたいてい乾きました。乾ききらない洗濯物もベッドの端に吊るしておくと、翌朝までにはほぼ乾いていました。
物干し場も男女共用で、見張りがいるわけでもありません。女性用下着も普通に干してありますので、邪推すれば下着ドロなど朝飯前ということになります。
余談ですが、こういう事情のため巡礼者の服装は来る日も来る日も、ほぼ同じです。ですから顔は覚えていなくても服装を見て「あっ、この人とXXで会ったな」と思い出し、懐かし気に「やあ、その後元気?」などとお互い言い合っているケースもあったと思います。 -
【Q16:アルベルゲのシャワー、トイレの使い勝手や清潔度はいかがですか】
宿泊料見合いで、何とか使えるレベルです。清潔度は、潔癖症ではない限り大丈夫でした。
10月のスペイン北部でも昼下がりには気温が20℃を超えましたので、歩いていると汗だくになります。そのためアルベルゲ到着後のシャワーは必須です。男女別のシャワー、トイレ、洗面所の一体型が多かったですが、数か所の小規模アルベルゲでは男女共用でした。女性の方は気になるでしょうが、利用人数も少ないので何とかしのいでいたようでした。 -
シャワーの温度は、半分以上のアルベルゲで調節可能でした。日本人好みの熱めのお湯が出ると、ほっとしたものです。その反面、水量が絞られていたり、プッシュボタンで1回分のお湯が15秒くらいしか出ないアルベルゲもありましたので、ちょぼちょぼとしか出ないシャワーにやや不満が残った記憶もあります。
アルベルゲのシャワーブースは総じて狭いので、着替えや貴重品置きに困ることが多かったですが、「郷に入れば郷に従え」でやりくりするしかありません。
トイレは、トイレットペーパーの有無や補充もふくめて特に不便は感じませんでした。巡礼者は清潔を旨として、きれいに使っているようです。 -
【Q17:アルベルゲや巡礼路の治安は良いですか】
とても良いです。数値や統計は分かりませんが、スペインの一般的な治安状況からすれば格段に良いはずです。それでも犯罪も皆無ではありません。都市部で早朝に巡礼者が強盗に遭ったとの書き込みを読んだ記憶もあります。アルベルゲの受付には「スリ、置き引きに注意」の張り紙がある場合もありました。
現金、カード、パスポートの3種は常時、目の届く場所に置きましょう。充電中のスマホにもときどき視線を向ければ、さらに完璧です。
はっきり言って、巡礼者の小汚い衣類や小間物を盗んでも価値がありません。荷ほどき前の重たいバックパックを持ち去ろうにも、自分も含めて歩き疲れているので逃げきれないと思います。写真のようにアルベルゲの受付開始待ちの場合、多くの人が背負い荷物を順番待ちのために置いて近くのバルなどで一休みしていました。 -
【Q18:靴ずれや足にマメができて痛くなりますか】
はい。十中八九、歩き始めて2-3日目から1週間内外、足裏の痛みや筋肉痛に悩まされるようです。アルベルゲの床や階段を、そろりそろりと歩いている様子から容易に想像できます。私も靴ずれとマメで足裏が1週間ほど痛かったですが、何とか歩いていました。 -
【Q19:現地でも湿布や薬は購入できますか】
足の痛みや筋肉痛になり、持参の薬が切れたり、なかった場合は、迷わず薬局(ファルマシア)に直行しましょう。巡礼客を待ってましたとばかりに巡礼路沿いに店を出しています。昼休みこそあれ、営業時間もそこそこ長く、都市部では当番制で日曜営業もしています。私も、症状を告げてどうすればよいか尋ねたら、写真のように「Compeed」というテーピングタイプのマルチ湿布薬を薦められました。10枚入りで16ユーロ弱でした。効能どおり、2-3日で足裏の痛みも気にならない程度に軽減されました。 -
【Q20:荷物を持たずに済ませるための託送サービスはどういう内容ですか】
私は利用しませんでしたので、具体的なやり方が分かりません。アルベルゲの受付近くには写真のような託送申し込み書が置いてありました。1個、1回あたり6ユーロのようです。
やや冗長ですが、利用法をレポートしたブログも見つけましたので参考までにURLを添付します。
https://www.haggysjourney.com/camino-sendbackpack -
【Q21:スマホ充電用の電源は十分にありますか】
はい、ありました。私は、もしもに備えて予備バッテリーを1つ持って行きましたが、結果論として使うことはありませんでした。
いまや巡礼者にとってスマホは必須のアイテムです。設備の貧弱なアルベルゲでも電源用のコンセントは3-4人に1つ分くらい備わっています。ちょっと気の利いたアルベルゲではベッドごとにコンセントが1個が付いています。2段ベッドの場合もベッドと同じくらいの高さに差し込み口があります。
念のためですがスペインのコンセントはCタイプです。コンセント変換プラグをお忘れなく。 -
写真のように、コンセントは寝室の片隅やロビーに数台分まとまってついている場合もあります。すきを見て自分のスマホに充電することです。多少、遠くにあってもアルベルゲ内ならば、普及版モデルのスマホ盗難リスクはほぼありません。金箔スマホとか、発売直後の超最新モデルのスマホ保有者のみ、どうか気をつけてください。
-
【Q22:巡礼中の支出は幾らくらいですか】
余裕を見ながら言って1日50ユーロ弱です。かなりの円安ゆえ、円換算すると1日1万円弱支出するのです。よくあるブログの費用レポートと現実にはかなりの差があります。
私の積算根拠は、アルベルゲ宿泊費15ユーロ、昼食または夕食代15ユーロ、朝食代5ユーロ、バルでの休息代2回で10ユーロの合計45ユーロを切り上げた数値です。
アルベルゲではなくペンシオンなどに泊まれば宿泊費が30ユーロになります。ワインやビールを何杯も飲んだり、ランチもディナーも食べれば食費も25ユーロから30ユーロに増えます。その反対に、任意寄付制のアルベルゲで1ユーロたりとも寄付しなかったり、外食をやめて自炊をしたり、バルに入らず水筒に水を入れて持ち歩いたりすれば、その分、食費が浮いて1日10ユーロとか20ユーロで済ますことも可能です。
巡礼中は現金決済のみのアルベルゲやバルもありますので現金持参は必須です。ATMは寒村を除けばたいてい見つかります。ただし、1回あたりの引き出し手数料が最低4ユーロと高めですし、クレカだと返済日までの金利もかかってきますので、計画的にキャッシングしましょう。 -
【Q23:バルの飲食代は幾らくらいですか】
巡礼者が主な客層の観光用バルは高め、地域住民相手が主のバルは安めです。観光地価格があるのは日本と同じです。2025年現在、円安なので、地域住民相手のバルのカフェ・コン・レーチェ1.7ユーロでも円換算で350円になり、ちょっとがっくりです。
写真はピレネー越え時に必ず目にする峠のフード・トラックでの飲み物、軽食販売です。次ページに価格表の写真を載せました。 -
カフェ・オレ(カフェ・コン・レーチェ):3ユーロ(550円)、コーラ330ml缶:3ユーロ、水1.5リットル:3ユーロ、バナナ1本:1ユーロ(180円)などです。
-
小集落の地域住民もお客のバルの物価は、巡礼者相手のバルより安めですが、それでもスペイン風オムレツ1切れ3ユーロ、辛み入りソーセージにパンを添えた1皿3.5ユーロです。飲み物1つ、口に入れるもの1つ注文しただけで4ユーロから5ユーロくらいは当たり前でした。
-
都市部の忙しそうなバルに入り、「3.2ユーロ」と言われようものなら、心の中で「やった」と喜んでしまいました。けれども円換算すると600円なので、本当は喜んでなんかいられないのです。
-
【Q24:バルやレストランは明朗会計ですか】
そのとおりです。お釣りはもちろん、たいていレシートもきちんとくれました。物価高のせいで、チップは、とっくの昔に廃れましたので、小銭を皿に残して格好よく去るというような日本人には不慣れなパフォーマンスも不要です。 -
巡礼路上では、店頭に大きく価格表や料理の写真を出してお客に安心感をアピールしているバル、レストランもありました。黒板スタイルで、本日の定食(メヌー)14ユーロで料理内容はXXと書いてある店はいっぱいあります。
-
写真は、アルベルゲに隣接したバルの定食の価格と内容です。宿泊費とは別精算のシステムを採用しているアルベルゲでした。ほぼ巡礼者しか来ない立地なので4カ国語で定食内容が書いてありました。11ユーロというのは、かなり安い方です。
-
【Q25:アルベルゲで朝食が出ないときは、どうすればよいですか】
私も朝食なしだったらどうしようと思っていました。
まず食べてからでないと歩く意欲も湧かないタイプなので、歩き始めて最初に見つけたバルで飲み物と食べ物を口にしていました。写真は、平均値よりややレベルの高いスペイン風朝食セット5ユーロ也で、トスターダ(トースト)2切れ、コーヒー類1杯が付いてきました。オレンジジュースを追加すると1ユーロ増しです。 -
【Q26:お腹いっぱいのときは単品料理の注文もできますか】
バルでは当たり前のように単品注文が可能ですが、コックさんが帰宅後や休息時間中になると飲み物しか出せないと言われる場合がありました。れっきとしたレストランでは、コンビナシオンと書いてあるワン・プレート料理以外を単品注文するのはマナー違反だと思います。 -
私は、ときどきパスタやピザを食べていました。スペインでもイタリアンなのです。調理場で真空パックか何かの具材を開封して温めて出すようでしたが、お腹がすいていないときは1品で十分でした。前の写真のタリアッテーレは7ユーロ、次の写真のツナ(マグロ)のピザは確か14ユーロでした。「たかっ」です。
-
【Q27:アルベルゲで自炊する場合の台所や調理器具内容はどの程度ですか】
私は外食派で自炊はしなかったのですが、買ってきた果物を食べるために台所に寄ったりしたので、だいたいの感覚はわかります。普通の家庭の台所と同じで、調理道具や食器は4人から10人分くらい揃っています。観察した限りでは、皆さん、1品だけ作るとか、冷凍食品を温めたりする程度の利用でした。食材をどっさり買ってきてレストランよろしく台所を長時間占拠するというのは避けたい雰囲気です。 -
アルベルゲの台所の中には、食材が少し揃えてあり、「ご自由に使ってください。そのあと皆さんのご厚意で補充していただければ嬉しいです」というメッセージがある場所もありました。現物ではなく、お金を寄付してもいいようです。
いずれにせよ、使った調理器具や食器はきれいに洗って、もとの場所に返しましょう。 -
【Q28:巡礼路の歩きやすさや坂道はどの程度ですか】
このテーマも具体例が少ない情報です。体験的に言うと未舗装道が半分くらいでした。また、数日に1回か2回、ごろごろした石だらけの急な下り坂や登り道があって、けっこう難儀するときがありました。こういう道で靴擦れを起こしたり、足のマメを作ってしまったようです。
眼の前ですべったり、ころんだりした巡礼者は見掛けませんでしたが、捻挫したり足が吊ってしまいアルベルゲなどで数日間休んだと言った話をしてくれた巡礼者はいました。 -
写真はサンジャン・ピエ・ドゥ・ポーからピレネー越えをする途上に初めて体験する、道なき道のような斜面を100mくらい登る場所ですが、這い上がって進む感じでした。また「ピレネー越えの難所」と一言で表現していますが、峠の登りが2カ所あることを予じめ知っている巡礼者は多くないと思います。
-
【Q29:雨の日は、どのくらい歩きにくくなりますか】
私の場合、雨に降りこまれたのは2日のみで、それも、しとしと降りでした。峠道や山道で本格的な雨天に遭遇した場合、未舗装の路面が小川のようになったり、泥をはね上げながら歩く羽目になったりして、かなり難儀すると思います。当然、歩く意欲は減退気味、靴は泥んこ、本人も幾分か濡れ、洗濯物も乾きません。 -
【Q30:どんな雨具が役立ちますか】
手に持つ傘は不便ですし、携帯タイプは小さいので役立ちません。全身を覆うポンチョスタイルのレインコートと、荷物をすっぽり覆うカバーが効果的です。色合いも派手な方が日の出前や森の暗い道で識別しやすいです。多くの巡礼者はバックパック購入時にセットで雨具を購入しているようですが、既製品とは別の雨具を準備して使っている人もいました。 -
【Q31:他に不安点、知りたい情報があったらどうしますか】
そのようなことは忘れて、まず、1歩を踏み出しましょう。巡礼者のほとんどが最初で最後の巡礼旅で、みな初心者です。スマホをいじって知りたい情報を探す手間をかけるよりは、現地で巡礼仲間やアルベルゲのスタッフに尋ねてみましょう。スペインですので何とかなります。また、他人から質問されたら、自分自身もできる限り誠意をもって答えてあげましょう。それが生の情報収集のコツです。
最後の写真は、サンチアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂内のサンチアゴ様の像です。背面からタッチできます。(コロナ前はキスできたそうです)
了
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
Pメテオラさんの関連旅行記
サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
48