
2019/12/28 - 2020/01/05
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2019年の年末から2020年の年始にかけての1週間、75歳の母と共にイラン・イスラム共和国を旅してきました。
イランでの最初の滞在はイラン南部にあるShiraz(シラーズ)と呼ばれる、かつては都であった町。
シラーズは砂漠や礫漠が広がる原野にある町で、世界遺産のエラム庭園などが有名ですが、この町で私たちが一番行きたかった場所は、“Mosque of Nsir-ol Molk(薔薇のモスク: Rose Mosque)”と呼ばれる小さなイスラム寺院です。
昨今のSNSの普及で今でこそRose Mosqueと耳にすれば「モスクの室内全体がバラ色に染まるあの・・・」とその映像が頭に浮かぶ方も多いと思いますが、私がRose Mosqueの写真を初めて見た10年ほど前にはまだその存在すらほとんど知られていませんでした。
世界的に知られていないどころか、ガイドの阪野さんがイランで生活し始めた十数年前には、イラン国内でも、シラーズにおいてすら、その知名度はほぼ無かったそうです。
現在、Rose Mosqueはイランの代名詞の1つとなるほど有名となり、世界中から大勢の観光客が、美しくバラ色に染まるモスクを一目見ようとシラーズに集まってきます。
でも、あの有名なバラ色の光景は、いつでもシラーズに存在するわけではありません。
窓のステンドグラスに射し込む光が寺院の床、壁に反射し、モスクの室内全体がバラ色に輝くにはいくつかの条件の合致が必要で、その条件が満たされるのは1年365日、1日24時間として計算すると1 %以下の低い確率となります。
ともかく、バラ色に輝くモスクの絶景は行けば必ず見ることのできる・・・という場所ではないのですが、母と私の旅はいつだって旅の女神様が微笑んでくれたのだから、イラン旅だって、大丈夫♪
旅の女神は今回の旅でも、母と私に最高の笑みを投げかけてくれました。
(写真:12/30 朝7:45 モスク内に朝陽が入り壁がバラ色に染まる瞬)
☆2019/12/28-2020/1/5 イラン旅日程☆
□12/28 モスクワ経由でテヘランへ
SU263 & SU812
□12/29 国内線でシラーズへ シラーズ観光
■12/30 シラーズ
□12/31 ペルセポリス
□1/1 イスファハーン
□1/2 イスファハーン&カーシャン
□1/3 カーシャン&アビヤネ村
□1/4 イスタンブールへ TK879
イスタンブール トランジット観光
□1/5 夜に日本着 TK052
☆75歳の母と歩くペルシア 旅行記☆
【1】悪の枢軸国へ https://4travel.jp/travelogue/11585503
【2】チャドルを纏って即席美女!? https://4travel.jp/travelogue/11593122
【3】美しきもの、闇に輝く https://4travel.jp/travelogue/11595091
【4】砂漠の薔薇が花開く https://4travel.jp/travelogue/11598247
【5】イランのピンクレイクへ https://4travel.jp/travelogue/11604861
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
Rose Mosqueへと訪れる2019年12月30日の朝。
ホテルで目覚めてまず最初にしたことは、部屋の窓を開けて天気の確認。
天を見上げると、雲一つ無い快晴。
今日も素敵な1日になりそうだ。
朝食後の7:30にガイドの阪野さんと待ち合わせをして、タクシーでMosque of Nsir-ol Molk(薔薇モスク: Rose Mosque)へ。
Mosque of Nsir-ol Molkの日本語表記はマスジェデ・ナシィーロル・モルクとなる。 -
モスクの門には二つの真鍮製のノッカーがあり、ガイドの阪野さんがそのノッカーを扉にぶつけてコンコンと鳴らす。
そして「違いが分かりますか?」と聞いてきた。
二つのノッカーの違いは、まずは、形。
一つはアルファベットのIの形で、もう一つはダイヤが丸みを帯びた形をしていた。
更に決定的な違いは扉を打つそのノック音で、I字型は低い音、ダイヤ型は高い音だった。
この音の違いは門の内側にいる人が、訪問者の性別を音(低音か高音か)で識別するシステム。
宗教色が強くイスラムの戒律が厳しい(と政府は表明している)イランでは、訪問者が男性の場合には扉を開ける人も男性、訪問者が女性ならば対応するのは女性と決まっていて、I型ノッカーは男性のお客様、ダイヤ型ノッカーは女性のお客様用とされていて、扉の内の人はノッカーの音の高低でお客さんの性別を聞き分ける。
それでは、訪問者が男女混合のグループだった場合には、どちらのノッカーで扉を叩くのか聞いたら、その場合には男性用のI字型ノッカーを使うそうだ。 -
他のイスラム教の国では、ノッカーにファティマの手などの魔除けの形を象っているのをよく見かけるが、イランでは装飾性よりもまずは実用性優先らしい。
(Photo:2012年モロッコ マラケシュにて見つけた魔除けを象ったドア・ノッカー) -
イチオシ
モスクの入場料金は50万リアル(約500円)とイランの物価(庶民の平均月収200米ドル)からみたらかなり高い金額だ。
イランの観光施設の入場料金は外国人とイラン人とで異なり、イラン人料金は外国人料金の1/5以下に設定されているという事だった。
これを日本で金銭感覚に置き換えるならば、京都を訪れてお寺を拝観するのに日本人は1000円、外国人は5000円の拝観料を1寺ごとにお納めする感覚に近いかな。
外国人観光客から1寺あたり5000円も頂いたら、普通の旅行者ならば、行くのをためらってしまうよね、きっと。
建物の全体的な構造は、モスクの中央には大きな池があり、その周りを回廊式に建物が取り囲むイスラム寺院の特徴的な形。
池には正面の南側エイヴァーンが映り込んでいた。 -
そして、あの有名なRose Mosqueの部屋があるのが南面エイヴァーンに向かって右側(西)のエリア。
外側から見ていたら、この中にあの光景が広がっているなんて想像できないシンプルな建物だ。 -
時刻は7:45。
ガイドの阪野さんは、少し早かったかな・・・と呟いていたが、そんなことはない!
モスクの室内へと入り込むと、もう朝の太陽光線がステンドグラス越しに部屋の中へと入り始め、真っ暗な室内に彩りを添え始めていた。 -
時刻が30秒変化するだけで光の映り込む角度、形が刻々と変化していき、見ている間にどんどんと光の影絵の形が変わっていく。
-
イチオシ
空間を支配する空気は静寂ではなく、この景色を見に来た観光客のどよめき。
モスク内の空気を振動させるかのような皆の感動が私にも伝わってきた。 -
太陽は時間と共にゆっくりとその高度を上げていき、太陽の動きに従うように映し出される光の位置も、モスクの床方向へと伸びていく。
-
私たちが寺院室内に入ったときには、中には10人ほどしかいなかった観光客だが、気が付けばあっという間にその数は倍以上に膨れ上がっていた。
-
年末なので観光客の数が多いのは分かっていたがさすがに凄い人。
8時を回った頃には、私たちが朝一番にその輝きを見たつきあたり奥の空間は、中国語を話す方々に占拠され、なかなか他の観光客が入り込めない状況が続いていたようだ。
日本からの団体ツアーの方も多く、日本語も周囲から普通に聞こえていた。 -
私は、できるだけ他の方の写真に入り込まないように、邪魔にならないような位置での写真撮影。
母も私も記念撮影的に自分が映り込むよりは、目の前の景色そのものを目の中に、脳裏に記憶として残しておきたいタイプなので、自分が写らなくては・・・と拘る気は全くない。 -
しかし、考え方は人それぞれ。
Rose Mosqueで見かけた一部の日本人の方々は自分映え写真を撮ることに積極的で、光が美しいポイントでツアーガイドさんが代わる代わるその方達を撮影し、数少ない撮影ポイントを占拠していて、その切れ間ない撮影状況に眉をしかめる旅行者の方々も・・・。
アジア慣れしていない旅人の目には日本人も中国人も韓国人も国籍の区別がつけ難く、皆が自己主張の強い我儘なアジア民族としか写らないのだろうが、分かってしまう同じ邦人としてはそのような状況はちょっと恥ずかしかったかな。 -
朝8時を過ぎると、ステンドグラス越しの光はモスクの床へと伸び、室内全体がバラ色に染まり始めた。
-
母と私はそれぞれにお気に入りの景色を見つけ、撮影ポイントとは離れた場所で柱や壁に寄りかかり、この空間の色彩を堪能。
-
人の数は多いが、洋服にもステンドグラスの色が映り込むので、モスクに来ている観光客そのものが1枚の絵となってしまう。
-
じっと眺めていると、ふとした瞬間に人の切れ間があり、そんな時にシャッターを押してみる。
-
Rose Mosqueのこの美しいバラ色の光景だが、室内全体がバラ色に輝くこの光景が見るためにはいくつかの必要条件があると旅行記の緒言に記した。
必要条件とは、太陽の位置と高度、時間、そして天気の3つだ。 -
まず一つ目の太陽高度だが、モスクの窓の高さ、そしてモスクの中庭を囲む建物の関係から、モスクのステンドグラスに射し込む太陽光線の角度(太陽の高度)と太陽光線の射し込む方角がある一定の幅に入らなければならない。
太陽の射し込む方向が合わなければ、全てのステンドグラスに陽が当たることはなく、また、太陽高度がある程度の低さを保つ時間が長く続くような時期でなければ、室内にはバラ色の絶景は現れない。 -
建物の方向と窓の高さから、バラ色のモスクが見られる太陽の条件は、以下の二つとなる。
1. 日の出が北東に近い方角である時期
2. 太陽の南中高度が低い時期 -
つまり、
モスクの奥までステンドグラス越しの光が射し込み、寺院全体がバラ色に染まる光景が出現するのは、太陽の南中高度が低くなる11月~2月の真冬の4ヶ月間だけとなる。 -
更にその時間帯も限られていて、朝の1時間だけ。
ローズ・モスクに太陽光線が入り始めてからの約1時間だけしか、あの光景は見ることができない。
春から初秋の時期にRose Mosqueの絶景に会いたくて訪れたとしても、モスクの室内一面がバラ色に染まる姿は見ることは叶わないのだ。 -
正確に記すならば、春~初秋の時期はステンドグラス越しの光は見ることはできるが、その光が届くのは窓の少し内側までで、モスク全体がバラ色に染まることはないそうだ。
今回の旅でも、イランを訪れるのならばどうしてもバラ色に染まるRose Mosqueに会いたかった母と私は、旅の時期として太陽高度の低い冬にイラン旅をプランニングした。 -
イチオシ
また、バラ色の絶景が現れる必要条件は、訪れる時期だけではない。
その出現を左右する一番大きな要因は天気で、厚い雲が空を覆い太陽を隠してしまう天気の日にはモスク内に太陽光線が入らず、あの美しい光景は私たちの前にその姿を現してはくれない。 -
Rose Mosqueが目的でイランを旅するならば冬の時期がおすすめなのだが、実はイランの雨期は冬で、冬旅は天気が崩れる日もあることを意味する。
ただ、幸いにも雨期とはいうものの、このエリアでの年間降水量が300mmと日本に比べたら極小で、冬でも渇水に悩むイラン南部の地域で雨が降る日は少ないのだが、一度雨が降り出すと1~2日以上続くのが雨期の特徴で、旅先での天気は運次第。 -
なので、旅の前に実際に私たちがどのくらいの確率でバラ色の絶景に出会うことができるのかを試算してみた。
確率計算の因子は以下の3個で、
要因1:太陽高度が条件に合致するのは1年で4ヶ月間のみ:4/12(単位:月)
要因2:太陽が部屋の奥に射し込む時間は1日1時間だけ:1/24(単位:時間)
要因3:雨期の旅で空に雲が無い日:4/7(単位:日)
これらの要因から計算すると
4/12×1/24×4/7×100(%)=0.79 %で約1 %以下となり、バラ色のRose Mosqueの絶景を見ることはその確率的にはかなり厳しそうに思えたのだが、コレは数字のマジックで実際はもっと高確率となる。 -
まずは1つ目の太陽高度だが、旅の時期が12月末なので、要因から削除できる。
-
2つ目の時間帯だが、事前情報で朝しか見られないのを知っているから、朝イチにモスクを訪れる日程を組めばOKなので要因から削除可能。
-
3つ目の天気だが雨期の旅なのでこれだけは、お天気ばかりは神頼みの確率論。
雨期の1週間の中で朝に空に雲が無い日が4日間(直前の天気予報から推測)はありそうなので、Rose Mosqueの絶景を見ることはその確率は4/7(単位:日)×100(%)=57 %。 -
57 %の確率でRose Mosqueの絶景に会えるのならば、悪くはない。
-
旅運についてはラッキーな事の多い母と私の旅だから、きっと今回も大丈夫さ!
旅の神様は私たちの味方となって、雷神を遠ざけてくれるよ♪・・・と楽天的に考えて、日本を発った私たち。 -
そして、Rose Mosqueを訪れるその日の朝。
ホテルの部屋の窓から空を見上げた私は心の中で独り言。マスジェデ ナスィーロル モスク 寺院・教会
-
・・・ほらね、やっぱり、旅の神様は私たちの味方をしてくれた♪
朝の1時間、白い柱の陰にひっそりと座り込んだ母と私は、光の影絵がプロデュースするRose Mosqueのバラ色の絶景を心ゆくまで楽しんだ。 -
Rose Mosqueではステンドグラスからの光の光景ばかりが注目されることが多いが、実は天井や柱の装飾も美しい。
Rose Mosqueの装飾は、特にそのタイル装飾には花柄の模様が多く使われているのが特徴で、その花の種類はピンク色の薔薇やカーネーション。
そう、このモスク;Mosque of Nsir-ol Molkが薔薇のモスクやピンク・モスクと呼ばれるのは、実は一面の薔薇がデザインされたタイル装飾の為。
モスクのその名を一躍有名にしたのがステンドグラス越しの光の絶景なので、紅色に輝く室内光景からRose Mosqueと別名がついたのかと思っていたが、本来の謂われは、タイルに描かれた薔薇の模様に由来している。 -
このモスクが建築されたのは、1887年でイランのガジャール朝の時代。
ガジャール朝では欧州からの文化の輸入が王や貴族の間で流行していて、白馬の王子様や沐浴をする女性図を描いたタイル画のあるエラム宮殿が建てられたのもガジャール朝で、欧州から運ばれてきた油絵に描かれたバラはイランの王族の心を鷲づかみ。 -
それまでのモスクの壁や天井装飾では黄色・青・緑などの色彩がメインで、紅系のピンク系の色彩は使われたことはなかったそうだが、欧州のバラ模様が輸入されてモスク装飾として初めて取り入れられたのが、このRose Mosque。
-
天井を見上げると、ピンク色の薔薇の花が敷き詰められるようにタイルに描かれていた。
-
薔薇のタイル装飾だけでなく、小さなレンガを組み合わせたモザイク模様も素敵。
-
でも、誰も上を見上げてないのがもったいない!
-
ほら!トルコ石から作った顔料を練り込んだタイルや、青いのはラピスラズリーかな?
あ!あのタイル文字(写真右下)は、私が読める唯一のアラビア語。
イスラムの神様の名前、アッラーと書いてある。
ねぇ、バラ色の室内も良いけれど、天井だって面白いよ! -
私たちがRose Mosqueのバラ色の寺院内に滞在したのは朝7:45~8:45までの1時間。
12月の年末だと寺院の室内全体が照らし出されるのは9時位までだそうだ。
モスクのチケット販売所の柱に、絨毯を剥がしたときのRose Mosqueを写した写真が飾られていた。
絨毯の下に隠されているのは、鮮やかなトルコブルーの一面のタイルで、その色合いは水槽の中みたい。
この色合いも自分の目で見ることができるならば見てみたいものだ。 -
モスクの北側エイヴァーンには、モカルナス模様の美しい装飾がある。
-
急ぎ足の観光ツアーの方々は、バラ色に輝く寺院室内だけを見て満足して帰ってしまうが、このエイヴァーンも見応えがある。
-
中庭の東側の建物は資料館兼売店で、天井のモザイク・レンガのその修復は最低限しかなされていない。
先ほどまで居た西側寺院の室内は完璧な修復がなされていたが、多分10年位前までは、この天井よりもその痛みはひどい状態だったのだろう。 -
イチオシ
資料館にはこんな風な美しいイスラム装飾の床の紹介もあるが、コレはおまけ。
-
此処にはモスクができる前からある古い井戸があり、現在でもその井戸からひいた水がモスクの中庭の池に注がれている。
-
現在は井戸の水をくみ上げるのは電動ポンプだが、その昔は牛が縄を曳いて水を汲み上げていたそうだ。
-
日本もその昔は井戸で水を汲んでいたと思うのだが、日本は全て人力だった気がする。
イランみたいに牛を使ったら、女性の仕事だった井戸からの水汲みがもっと楽になったかもしれないのにね。
モスク敷地内の一角にはモスクができるずっと昔からこの地域に存在する聖人廟のイマーム・ザーデ(廟は撮影禁止)もあり、子宝祈願のために詣でる方が多い場所だそうだ。 -
モスク北面の建物の2階には管理人さんの居住する部屋(写真)もあり、その窓は細かな細工のステンドグラス。
あの窓に光が射し込む時期は1年間でもわずかしかないだろうが、室内にどんな色合いが映し出されるのか、見てみたい気がする。 -
美しいステンドグラスと薔薇のタイル装飾のMosque of Nsir-ol Molk(Rose Mosque)の敷地を出たのが、9:30過ぎ。
バラ色に輝く室内の部屋にたっぷりと1時間、その他の敷地内の装飾や建物にも見所がありトータルで2時間弱、Mosque of Nsir-ol Molkに滞在したことになる。
これからは、次の目的地に向かってシラーズの町さんぽの時間だ。 -
昨日の母と二人のシラーズさんぽでは夕方だったこともあり、道ばたの商店街は店じまいをしている所も多かったが、この日は、今、開店準備中!というお店がたくさん。
せっかくガイドの阪野さんと一緒に歩いているので、アレは何?コレは何?と興味のあるものを聞きまくり。 -
お肉屋さんは肉の種類によってお店が分かれていることも多いようで、こちらのお肉はどうやら駱駝の肉屋さん。
あんまり美味しそうに思えないのだが、日本人には馴染みがないだけで、実は駱駝肉は脂がのっていて旨いとのことだ。 -
ショーウィンドウに展示されたこちらのモニョモニョした物も肉で、羊肉らしい。
マトンやラムは皮付きで見たことはなかったので、最初に見たときにコレが羊とは思えなかったが、よく見ると毛刈りをされたあとの羊の皮そのもの。
イランでは鶏皮のように羊皮も食べるのだろうか。
(ガイドの阪野さんにその辺を聞きたかったのだが、この時、母と話が盛り上がっていたので、聞けずじまい・・・) -
朝食屋さんは早朝から営業していて、サラリーマンやお母さんが朝食用にと次々と買っていく。
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ハーブや香辛料で味付されたとろみのあるスープ仕立ての朝食だ。
どんな味なのか現地の味を味見してみたかったが、日本人には馴染みのない味とのことで諦めた。(馴染みのない味:多分、“あまり美味しくは感じられない味”を遠回しで伝えてくれたものと解釈) -
町中のパン屋さんも、午前中はパン焼きに大忙し。
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平たく成形した生地を大きなへらの上に載せ、回転盤が回る釜の中に次から次へと投入していく。
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イチオシ
私たちが食い入るようにパン焼きの光景を眺めていたら、おじさんが「仕込みの様子を見ていくかい?」と奥の作業スペースに連れて行ってくれた。
-
大きな電動ボールの中に次々に原料が投入されるが、秤なんて使わずにザクっとボールに粉を掬い、ふわっと生地に加えていく。
長年の職人の感がモノを云う仕事だ。 -
そして、焼き上がったのがこのパン。
イランでパンといえばこの形。
いわゆる食パンは高級ホテルにでも行かない限り見ることはなく、一般庶民が食するのは、このパン。
各家庭ではパンは焼かずに、お母さんが馴染みのパン屋さんに1日に1回はパンを買い出しに行くのが日常で、各家庭ごとにお気に入りのパン屋さんがあるという話だった。
パン屋さんは町の中の至る所にあるが、人気があるのが全粒粉を使ったパンで、全粒粉か安物の小麦粉かでパンの舌触りや味、風味に雲泥の差がでる。 -
焼き上がったパンはアツアツなので、しばらくお店の外の金網の上で粗熱を取る。
真ん前の道路は交通量の多い幹線道路だが、排気ガスでパンが汚染される・・・とかはあまり気にならないらしい。 -
イチオシ
手で持てる温度になったら、金網の上で4つに切断して持ち帰る。
ガイドの阪野さんも、おじさんご自慢の全粒粉のパンを1枚購入して4等分し、母、阪野さん、私の3人で10時のおやつタイム。
イランでは“立ち食べ”や“食べ歩き”はマナー違反ではなく普通のこと。
ただ、やってはいけないのがゴミのポイ捨て。
ゴミは必ず道ばたのゴミ箱へ捨てるのがイランのルールで、日本なんかよりもゴミに対する民度は高く、町中にゴミが落ちていることはほとんど無かった。
そうそう、肝心のパンのお味は・・・というと、インドのナンの様にもっちりとはしているが、クリスピー・ピザに似たパリパリの表面の焼き加減で、旨かった。
ホテルの食パンと庶民のパン、どちらを選ぶ?と聞かれたら、私のセレクトは庶民のパン。
このパンは他の国では食べたことがないので、イラン独自の文化食。
また食べたくなったら、イランを再訪するしかないよね♪
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この旅行記へのコメント (2)
-
- らびたんさん 2020/02/11 06:00:30
- ローズ・モスク
- ウェンディさん、おはようございます。
ローズ・モスクを楽しまれたようでよかったです!
入場料50万リアル・・・ですか?!
私のとき(2016年)20万リアルだった記憶なのですごいインフレですね。
それだけ外国人が急増しているんでしょうねー。
それにしても冬のローズ・モスクはやはり美しいです。
朝8時OPENだったのですが、今はもっと早いのですね?
夏に行ってしまったので余計にモスク全体が輝くことはなかったんです。
せめてもっと早く入れていれば・・・トホホ。
再訪したい場所のTOPかもしれません。
らびたん
- ウェンディさん からの返信 2020/02/11 12:08:57
- RE: ローズ・モスク
- らびたんさん こんにちは。
私にしては早めのペースでイラン旅行記を綴っています。
ローズ・モスクの入場時間ですが、公式なオープンは私が訪れた時も8時でしたが、どうやら7:30でも開いているときが多そうな感じです。
モスクには管理人のおじさんが住んでいてその方が鍵を管理しているので、朝、早めに行ってもおじさんが気づいてくれれば門を開けてくれそうな気はします。
しかし、冬は室内に太陽光が入り始めるのが7:30過ぎなので、7:30より前に訪れても寒いだけかもしれません。
モスクなどの観光施設の入場料はどこもかしこも2019年の秋以降、ガツンと値上げされています。
ガイドブックに20万リアルとある施設のほとんどが50万リアルとなっていて、2.5倍の値上げでした。
その原因の一つには観光客の急増もあるとは思いますが、ソレよりも影響が大きかったのが、世界からの圧力。
ホテル代金はそこまでの急激な値上げではなかったですが、アメリカによる経済制裁のあおりは確実に全ての価格を引き上げ、市民生活も観光客も圧迫しています。
観光客にとって気になるのはタクシーの価格ですが、こちらもガソリン価格の3倍値上げに伴い、急上昇。
今までの旅行記ではタクシーが安い!と書いてありましたが、3倍料金ではあまり安くは感じられないかもしれません。
しかし、イランの値上げなんてカワイイモノ・・・と現在、別の旅のプランニングをしていて感じています。
アフリカの最高峰を攻めようかと思っていますが、その入山料金が6日間トレックでお一人様800米ドル。
5年ほど前に調べたときは500もしなかったのですが、どんどん上がっていて、私が登る時にはもっと上昇しているかもしれません。
更にポーターの手配代金などを合わせると、入山料金+トレッキング手配だけで2000ドルに達しそうで、あまりの費用の高さに驚いています。
航空券、現地での前後の滞在費、トランスポーテーションを合わせると日本円で40万、50万に達しそうで気軽に登れそうにはありませんが、体力のある内に登りたいし・・・と言うことで、らびたんさんがお父様と登られたMt.Kilimanjaro、チャレンジしてみようと思っています。
ウェンディ
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