2018/08/04 - 2018/08/12
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ウェンディさん
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この旅行記のスケジュール
2018/08/05
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車での移動
Lone PineからMammoth Lakesまでは1時間半のドライブ。
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マンモスレイクスのビジターセンターでDevils Postpileトレイルの情報収集
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アクティビティーセンターで翌日のシャトルバスのチケットを購入(朝一のバス利用の際は前日入手がお勧め)
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ランチはスキー場のカフェで、高原の空気を味わいながら。
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車での移動
Mammoth LakesからMono Lakeまでは30分のドライブ。
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Mono Lakeの見所の一つはBlack Point。キノコ岩などが見れる。
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夕方のMono LakeはSouth Tufaがお勧め。大気が赤い地球外の惑星の絶景が楽しめる。
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この旅行記スケジュールを元に
これは、まだ地球の大地がまだ躍動的に活動していた頃、ゆっくりと大陸が移動していた遠い昔に始まったお話。
現在の北アメリカ南部の高地に小さな水たまりができました。
その水たまりには長い年月をかけ地球の涙が溜まり、やがて母なる大きな水たまりになりました。
しかし、水たまりはいつまでたっても水たまりで、そこに流れ入る川も、そこから流れ出る川もない、ただの水たまりでした。
ある日、水たまりに変化が起きました。
周囲の山から染み出てきた鉱物たちが水の性質を変化させ、深い水の底に白亜の柱を作り始めたのです。
百年、千年、そしてもっと長い数万、数十万年という月日が過ぎました。
気の遠くなるような長い年月の間、星暦ですらその配置が変わってしまうような永劫の時の中で、水の中の柱はゆっくりと成長し、お互いにくっつきあい、見事な水中神殿の世界を作り出しました。
永遠の時を、水中で静かに眠っていた幻の神殿。
その神殿に異変が起きたのは、彼女の、水たまりの長い一生から見たらほんの少し前の出来事。
彼女が瞬きをしたその瞬間に、彼女の愛する水の世界が一瞬にして変わってしまったのです。
風が吹けば水面がサワサワと揺れ、豊富に湛えられた彼女の命とも云える水。
その水量があっという間に少なくなり、水中で揺蕩っていた白亜の神殿は地上へと顔を出し始めたのです。
水中では美しいフォルムを保っていた白亜の神殿でしたが、地上を吹き荒れる風には無力で、優美な白亜の列柱は暴力的な嵐により、その形を失いました。
何が彼女の、水たまりの水を失わせてしまったのか。
その答えを知っているのは、私達、ニンゲンです。
人間が持つ驕り…という特性が、地球が作り上げた類まれなる幻の水中世界を一瞬にして壊してしまったのです。
☆Wonder Geo旅 カリフォルニア 旅程☆
□8/4 NRT10:55-DFW08:50 DFW11:40-FAT13:00 AA利用
■8/5 Alabama Arch Loop、Mono Lake
□8/6 Devis Postpile, Rainbow Fall/Mammoth Lakes、Death Valley
□8/7 Death Valley
□8/8 Kings Canyon National Park
□8/9 Sequoia Canyon National Park
□8/10 Sequoia Canyon National Park
□8/11 FAT06:00- LAX07:13 LAX10:50- AA利用
□8/12 -HND14:25
☆2018 Geologicalなカリフォルニア旅 旅行記☆
【1】BGMはトラブル四重奏 https://4travel.jp/travelogue/11390263
【2】驕りが齎した幻の絶景 https://4travel.jp/travelogue/11392406/
【3】巨人の痕跡 Devils Postpile https://4travel.jp/travelogue/11394960
【4】紅に輝くWhite Desert https://4travel.jp/travelogue/11398003
【5】クリスタルの蕾を探せ♪ https://4travel.jp/travelogue/11400933
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
飛行機が遅延し、悪徳警官にイチャモンを付けられるトラブルで不穏な空気感満載だったカリフォルニア初日の昨日。
翌日からどんなトラブルが待ち受けているか不安を抱えて眠りについたのだが…。
嫌な事なんて一晩寝ればすっきり忘れてしまうのが私たちの良い処。
アメリカ旅の2日目となるこの日は朝からホイットニー山の雄姿を眺め、アラバマヒルズの奇岩群を楽しんだ。 -
午前11時。
Lone Pineのスーパーへ買い出しに行く。
今回のアメリカ旅は、毎日が気温35℃を超える中のドライブ旅。
熱中症を予防するためにも車の中に冷えた飲み物(人間用)とある程度冷やした水(暑さで車がオーバーヒートを起こす可能性があるので)が必要で、その調達の為にスーパーへと立ち寄った。 -
ついでにガソリンスタンドに立ち寄って給油をする。
Lone Pineの町のガソリン価格は8.38ガロン(25L)で32ドル、1.28ドル/Lとアメリカにしては高め。
ガソリン価格が安いのは都市部(フレズノでは1.21ドル/L)で、田舎へと行くほど高くなる傾向があるように思えた。
アメリカのガソリンスタンドは基本セルフ給油でそのやり方も簡単なのだが、田舎に行くと使用できるクレジットカードに制限があり、日本発行のカードはVISAやMASTERであっても受け付けてくれず現金でのプリペイド払いでしか決算できないスタンドも有ったので、田舎ドライブをする場合にはある程度の現金をガソリン代として準備しておく方が良いと思う。 -
395号線を北上してInyo National Forest(インヨー国立森林公園)の北端の町Lee Vining(リー バイニング)を目指して122マイル(約200km)を走る。
シエラネバダ山脈に沿って走る395号線は別名パノラマ街道と呼ばれ、その沿線にはインヨー国立森林公園の風光明媚な景色が広がるドライブルートなのだが、今年はちょっと残念なことに山火事の影響でクリアなはずの空は少し霞んで見えた。
今回のドライブ旅は、基本、日中の時間帯をドライブ・タイムとしてプランニングをした。
遊びのゴールデンタイムのお昼にドライブ開始って、旅のドライブとしては遅すぎる時間なのでは…と思われる方もいるかと思うが、この旅ではそれが正解。
この時期のカリフォルニア内陸部の日中の最高気温は40℃近くまで上がることもあり、お昼時は外でトレッキングなどのアクティビティーをする環境ではない。
だから、外での遊びは午前中や夕方に集中させ、日中の一番暑い時間帯は移動に使うのが、正解と言う事になる。 -
パノラマ街道沿いには、第二次世界大戦中に日系アメリカ人の収容所だったマンザサール国定史跡やパトリアーチ・グローブなどがあり、特にパトリアーチ・グローブは私が非常に気になっていたところだ。
パトリアーチ・グローブにあるのは世界最古の樹齢4800年のメトシェラの森。
メトシェラは10年間で2、3cmしか成長しないブリストルコーンパインという樹木の一種で、その森があるのは標高3300mのハイランドで、植物が育つには非常に過酷な環境な地域。
旅の1週間前の怪我がなければ、他の予定を全てカットしてでもパトリアーチ・グローブを歩いていたかもしれないが、今回の旅の期間における私の足の状態ではとても歩くのは無理な森だった。
古代エジプト文明が栄えていた頃から北米で生き続けている木、メトシェラ。
彼女にはいつか会いにきたいと思っている。インヨー国立森林公園 森林・ジャングル
-
イチオシ
車が走り出して1時間半。
この日の目的地にはまだ到着していないが、ちょっと寄り道でMammoth Lakes(マンモスレイクス)のウェルカムセンターへと立ち寄る。
マンモスレイクスへは明日トレッキングで来る予定なのだが、この日に立ち寄ったのはトレッキングの情報収取の為だ。 -
ウェルカムセンターでの情報収集後にさらに車を走らせてアドベンチャーセンターへと移動し、明日の日付のシャトルバスのチケット(大人8ドル)を買い、バスのタイムスケジュールを確認する。
(写真:アドベンチャーセンターの券売所。シャトルバスのチケットはウェルカムセンターやバス乗り場では販売していなく、アドベンチャーセンターのチケットセンタ―で購入する。朝一のシャトルバス利用の際は前日までに購入しておくほうが朝にバタバタしない) -
マンモスレイクスには少し寄り道するだけの筈だったのだが、情報収集やバスチケットの購入に思いの外時間がかかり、時刻はあっという間に14時。
スキー場傍のカフェでランチタイムとした。
日本でいえば軽井沢のような避暑地のマンモスレクスでは、カフェのお食事もそれなりのお値段。
ハンバーガー定食で15ドルは、安くはないね。 -
スキー場の前には子供用のアスレチック施設があり子供たちには大人気だったが、私から言わせればせっかく背後に大自然があるのに、此処で人工物で遊んで時間を費やすのはもったいないかな。
-
駐車場への帰り道に見つけたのはユニークな自転車置き場。
マウンテンバイクってこんな風に駐輪するとは知らなかった。 -
そんなこんなで寄り道をしていたら、目的地であるモノ湖へ到着したのは16時近く。
まずはビジターセンターへと立ち寄り、見どころのポイントを聞く。 -
モノ湖の大きな見所は二カ所。
北にあるBlack Pointと南にあるSouth Tufaはマストな場所で、特にSouth Tufaは夕焼けの頃がお勧めとのことだった。
(写真:ビジターセンターで入手したモノ湖の見所地図) -
写真はSouth Tufaでのレンジャーウォーク・プログラムの案内で、参加費は無料。
特に10時と18時のレンジャーウォークはキッズ向けプログラムで湖の特性を子供にも分かりやすく、生物学や化学を用いて説明してくれるという事だった。
ビジターセンターのお姉さんはどうやら娘を小・中学生くらいと勘違いしたらしく、娘に強く18時のレンジャープログラムをプッシュしていたが、娘はまさか大学生の自分がキッズと思われているとは想像もしていなかったらしく、キョトンとした顔。 -
車へと乗りこむ前にビジターセンターの前から、モノ湖の様子を眺める。
モノ湖は182平方kmの広さを持ち、北アメリカ最古の湖郡に属すると言われている湖だ。 -
だから、モノ湖には他の湖にはない特徴が多く残されていて、ビジターセンターの北側にあるBlack Pointと言われるエリアは、その太古の湖が残す特徴が顕著に表れている場所だ。
-
ビジターセンターからBlack Pointまでは車で15分ほどで着き、駐車場に車を停めて歩き出す。
道は歩きやすい木道だ。 -
イチオシ
歩き出すと木道の脇に見えてくるのが、この不思議なキノコのようなも。
キノコの背丈は大きいものでは大人の伸長をはるかに超えてしまう高さがある。
この不思議なキノコはTufa(too-fah:トゥーファ)と呼ばれる石塔(石柱)で、人の寿命からは想像もつかないほどのとてつもない長い年月をかけてモノ湖の湖底で形成されてきた。 -
モノ湖は今から76万年前に生まれたと言われる世界でもきわめて古い湖で、標高が2000mの高地に存在する。
モノ湖は湖へと流れ入る河も無ければ、湖から流れ出る川もない閉じられた湖。
だから、長い年月をかけ周囲の山から染み出してきたミネラル成分は湖の水へと溶け込み、湖の水をアルカリ性へと変えていった。 -
イチオシ
大昔の地球。
そこは現在とは空気の組成が異なる世界で、空気中の炭酸ガスの割合が今の何倍もあった世界だ。
モノ湖のアルカリ性の水とミネラル(主にカルシウムかな?)と水中に溶け込み飽和状態となった炭酸とが水中で結合してできたのが、石灰岩の塔。
水中の湖底から湖面に向かって聳える白亜の塔であるTufaだ。
濃いアルカリの水の中で静かに波に揺られるTufaの姿。
それは幻想的な風景だったに違いない。
その昔、この木道のあるエリアは人の背丈の何倍もの深さの水に覆われた深い湖の底だった。
湖の底からは絶えず炭酸を含むガスが噴き出し、指の先ほどの小さな白亜の塔がブクブクと湧き出す泡の脇に形成されていた。
この写真から想像してほしい。
ここが揺蕩う水を湛えた湖の底であった時の風景を…。 -
しかし、現在、湖の湖底にあったはずのTufaがあるのは陸上。
Tufaを覆い隠していた湖水は何処へ行ってしまったのか。
湖の水を減らし、Tufaを地上へと露出させてしまった犯人は人間。
具体的に書いてしまえば、Los Angeles(ロサンゼルス)市だ。
1941年にロサンゼルス市は560km離れたモノ湖の豊富な水に目をつけ、モノ湖をロサンゼルス市民の水源にしようと長い水路を引いたのだ。 -
湖へと流れ込む河川を持たないモノ湖の水位はロサンゼルス市に使われた分だけ減少し、湖面は年々その嵩を減らし、1962年には水位が8mも下がり、その結果、湖の生態系が破壊され露出した湖面からは細かな土の粒子が舞い、大気汚染を引き起こした。
このままではモノ湖がアルカリ物質が溜まった汚染された水たまりになってしまうと危惧した地域の有志が立ちあがったのが1978年。
彼等はロサンゼルス市に対して取水の中止を求め、湖を元の姿に戻す活動を開始し、現在では2万人のサポーターがモノ湖の保全活動に関わっている。 -
緑の草が湿地帯に生え豊かな自然に見えるモノ湖の景観だが、そこには人間のエゴが、驕りが齎(もたら)したこんな話が隠されていた。
私も旅の前に簡単にはモノ湖については調べていたが、モノ湖が瀕死の状態にあったなどの詳しい話を知ったのは実際に現地に足を運び、ビジターセンターの展示物を読んでから。
私がモノ湖を訪れるきっかけとなったのは、モノ湖の夕景を写したフォトジェニックな写真に触発されてだったのだが、実際にモノ湖へと足を運び、自分の低俗な考えを恥ずかしく思った。 -
現在のモノ湖は最悪の水位からは回復し生態系も取り戻しつつある状態で、国の管轄下におかれ、レンジャーがその自然を守り、レンジャープログラムを通して訪れる私たちに環境破壊の恐ろしさを教えてくれている。
-
モノ湖のヒストリアな話は此処までで、この先は現在のモノ湖が魅せてくれる幻想的な異世界の風景を紹介したい。
ビジターセンターで聞いてきたモノ湖のもう一つの見所であるSouth Tufaに到着したのは17時半。
Black PointからSouth Tufaまでは地図で見ると近く見えるが、車が走るのは湖の湖畔ではなく365号線と120号線の遠回りルートで、その所要時間は約30分。
このSouth Tufaエリアは保護区となり入場は有料で、1人3ドルの入場料が必要となる。
と言っても有人徴収ではなく、入場料の支払いは自己申告制だ。 -
備え付けの記録用紙に入場人数を記録しその半券は車に貼り、お金は封筒に入れ、このポストの様な箱に投入する。
-
駐車場からSouth Tufaまでの道は舗装されていて、車いすも使える道なので、私の怪我をした足でも楽勝だった。
-
道の脇には水中でどのようにTufa(石灰岩の石柱)が出来るかなどを説明したパネルなどがあり、ビジターセンターに行く時間がない観光客でもある程度の湖の歴史が分かるように説明されていた。
-
イチオシ
先ほどまで居たBlack PointとSouth Tufaの違いは規模。
South Tufaの方がTufa(石柱)の立つ敷地も広く、1つ1つの石柱のサイズも大きい。 -
駐車場から10分ほど歩くと湖の湖面の近くへと到着する。
この辺りは湿地帯ではなく乾いた砂地で、湖岸には乾燥に強そうな植物たちが生えていた。 -
イチオシ
道が切れ湖岸へと出ると、そこは不思議な色合いの世界。
地球外の惑星だと云われたら、信じそうな景色が目の前にあった。モノ湖 滝・河川・湖
-
夕焼けの茜色が空一面、そして湖一面に広がり、まるで赤い大気のある惑星、暁(あかつき)の惑星に降り立ったかのような景色だった。
-
この日の景色がこのように見えたのは例年の現象ではなく今夏特有の現象で、ヨセミテで起きている山火事が原因。
山火事で発生した煙がTioga Rd.を伝いLee Viningへと流れてきて湖全体を覆い、その細かい煙の粒子が太陽光を乱反射し、この様な幻想的なモノ湖の風景を作り出していた。
今回の旅では山火事に散々困らされたが、厄介者の煙もたまには粋な景色を作り出すものだ。 -
石灰岩の石柱であるTufaの形は様々。
怪獣っぽいシルエットや人の横顔の様な石柱も有り、思わず名前を付けたくなってしまうが、それはナンセンスと言うモノ。
石灰岩でできたTufaはもろく、その形はいとも簡単に変わってしまう。
この日見た石柱が1か月後に同じシルエットを保っている保証はどこにもない。 -
South Tufaの湖岸は弧を描く入り江の様で、観光客は湖岸のギリギリを歩くこともできる。
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湖岸から見る弧の向こう側のTufa。
その背丈は人の倍はあり、かつてはあの上の遥か高い位置に湖面があり、湖水の中で白亜の宮殿の様に輝いていたのだろう。 -
石柱の幻が作り出す美しい景色に夢中になっていた私だったが、ふと足元の蠢く水際を見て、此処がMono Lakeと呼ばれる場所だという事を思い出した。
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モノレイク・ビジターセンターで私と娘は30分ほどモノ湖の自然について学んできて、その時に、アルカリ性が非常強いモノ湖の湖水では普通の生き物は生息できなく、この湖水の環境下で生きていられるのは世界中でも2種類の生き物だけという事を知った。
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二種類の生き物の内の1つは、アルカリ性の水の中でも生きられる特殊な殻を持つエビ。
(写真はエイリアンの様だが、モノ湖に棲むエビの拡大模型) -
そして、もう1つはアルカリ性の水の中でも生息できる蠅の幼虫だ。
「モノ・レイク」のモノとはこの辺りに居住していたネイティブたちの古い言葉に由来し、その意味は「蠅」。
つまり「蠅・湖」だ。
(写真はモノ湖に棲む蠅の幼虫の拡大模型) -
このハエやエビたちは特に人間に対して悪さをするわけでもなく、害はない。
却って、他の生物が生息できないアルカリの湖では、エビや蠅は水鳥たちの唯一の蛋白源となるため、沢山いるのは良い事だ。
(湖水が現在以上に減り、アルカリ度が上がるとこれらのエビも蠅も死んでしまう死の湖となるそうだ)
だから、私も足元の水辺でサワサワと揺れる蠅の姿は気には留めない様にと心がけたが、さすがに一歩足を踏みだす度に足元の水際からゾワリと舞い上がる小さなハエの群れは、その中を歩いていて気持ちの良いものではなかった。 -
アルカリ性の湖に生息する蠅を食料としていたのは、実は水鳥だけではない。
この様な住居を作る方たちも蠅の幼虫を食用としていたそうだ。 -
1800年代の後半までこのような住居に住んでいたのは、現在はもう姿を見ることは無くなってしまったNative AmericanのKulzadika族(別名:Mono Lake Paitute)。
Kulzadika族の主食はMonoの幼虫であった…とビジターセンターの展示には書いてあった。 -
South Tufaのトレッキングルートは周遊ルートとなっていて、ゆっくりと景色を眺めながら歩いて1時間程度で歩くことができる。
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周遊ルートの後半は湖から離れる部分も有り、そこにあるのは古い時代;ロサンゼルス市による取水が始まった頃に湖の中から露出したTufaの石柱群。
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もろい石灰岩の石柱は風により角が丸くなり、崩れ落ちている部分も多かった。
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風化が進み、もうボロボロになってしまった石柱もあった。
もし、このTufaが水中にあったままであれば、たとえ同じ年月が経過していたとしても水の中の石灰成分で再石灰化が進み、ここまでひどく崩れることは無かったと思う。 -
茜色の夕陽が減らしだす、幻の絶景;Tufaのある湖。
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人間のエゴが存在していなければ、その姿は未来永劫湖の底で、私たちの前に姿を現すことは無かった筈だ。
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勿論、湖岸にこんな可愛らしい花が咲くことも無かったのだろう。
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水平線がかすみ、湖と空が一体化した不思議な湖;モノレイク。
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イチオシ
「火星の様なフォトジェニックな景色が見られる場所だから」という誘い文句で家族を連れてきた地だったが、この湖の光景は色々な事を私に考えさせた。
これからモノ湖はゆっくりと水位を回復し、いずれこの絶景が湖面の下に還る日が来るのか…。
それは、アメリカ政府次第だろう。
ロサンゼル市によるモノ湖からの取水は完全停止されたわけではないという話だ。
地球外惑星の絶景が見られなくなるのは寂しいが、自然はあるべき姿に戻るのが一番ではなかろうか…。
そんな風に思う。
前の旅行記:【1】BGMはトラブル四重奏
https://4travel.jp/travelogue/11390263
続きの旅行記:【3】巨人の痕跡 Devils Postpile
https://4travel.jp/travelogue/11394960
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この旅行記へのコメント (4)
-
- TKさん 2018/09/08 12:47:30
- 幻想的なモノレイク
- ウェンディさん
こんにちは。
山火事のせいで、まるで赤い大気のある惑星、暁(あかつき)の惑星に降り立ったかのような景色。まさにその通りの絶景ですね。
昔、シリコンバレーに住んでいた時、私達の子供が、ジュニア向けプログラムのレンジャーウォークに参加しました。
ハエも食べました。味はおいしかったそうです。湖から孵化したばかりなので、衛生上なんの問題もありません。昔のインディアンにとっても重要な、蛋白源だったとのことです。
いつも通りの迫力ある旅行記、
カルフォルニアをおもいだし、懐かしく読んでいます。
続きも楽しみにしています。
TK
- ウェンディさん からの返信 2018/09/08 21:39:36
- RE: 幻想的なモノレイク
- TKさん こんばんは♪
モノレイクの絶景は、本当は私達が見ることの出来ない筈だった景色。
空も湖面も赤く染まった湖は美しかったですが、ビジターセンターでその景色に潜む真実を知ってしまったので、幻想的な美しさに潜む悲しい物語に人間のエゴを感じた場所でもありました。
湖での子供向けのレンジャープログラムは現在も1日2回実施されていて、湖のアルカリ度を調べる実験などをレンジャーが岸辺でやってくれるそうですが、蠅ちゃんの幼虫の試食会をやっているかどうかは不明です。
我が家も、娘を中学生と云う事にして参加させれば良かったですね。
美味しかった…という蠅ちゃん、湖の塩気がスパイスだったのでしょうか。
ウェンディ
-
- きなこさん 2018/08/22 22:33:35
- 不思議な世界、やはり火星?
- こんにちは
凄い光景!
この夏の旅先は火星だったのですね
美容院のドアは火星人の悪戯だったのでは?
そのへウェンディさんを誘う為の
あの自転車のバーは最近 道の駅とかでも良く見かける「駐輪場」ですね。
トライアスロンでもバイク置き場はあの様になっています。
あーー火星はすごい景色だぁ
- ウェンディさん からの返信 2018/08/23 19:56:26
- RE: 不思議な世界、やはり火星?
- きなこさん こんばんは。
きなこさんからのコメントを頂くまで、私がモノレイクに呼ばれていたとは考えたことは無かったのですが、もしかしたら、そういう事も有るのかもしれません。
如何にも火星人がいそうな風景ですものね。
モノレイクの数奇な歴史の語り部として、私にモノレイクに潜む異星人がアプローチしてきたのだとしたら、あのありえないシチュエーションで起きた爪剥がしアクシデントも納得できる部分がある…とも思えてきました。
私がモノレイクへ行きたいと思ったのは、夕焼けの茜色に染まるモノレイクの景色の写真を見て、私も見てみたい!と思ったから。
実際に訪れて、地球離れした美しさに感動はしましたが、それ以上に心にドシンと響いたのは目の前に広がる景色を作り出した人間の愚かさについて。
数十万年かけて地球が作り出してきた水中の幻想宮殿を、20年というほんの短いスパンでぶち壊してしまった人間の思慮の浅さに同じ種族として呆れてしまいました。
旅と言うものは感動を伴う楽しさであり、また人生勉強の機会でもあるのですね。
ウェンディ
P.S.
オフロードバイクの駐輪場は、サドル掛けタイプが普通なのですね。
タイヤ止めのストッパーが無いから、あの駐輪方法がベストなのかもしれません。
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