2017/12/30 - 2017/12/30
1位(同エリア317件中)
ウェンディさん
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日本に居住するごく普通のおばちゃんである私。
特にアスリートでもなければ、運動が得意なわけでもなく、どちらかと言うと運動音痴であると自覚しています。
「そんなオバチャンがヒマラヤ(アンナプルナ)トレッキングなんて、そりゃ、無謀だ!」と言う意見があるのではないかと思います。
幾らハイキングが好きで、歩くのが苦にならない君でも、いきなりネパールでトレッキングだなんて、身のほどをわきまえているの・・・、と言いたくなるのも分かります。
→でも、ヒマラヤのトレッキングって、みなさんが考えているほど敷居が高くはないのです。
そんなコトを言っても、ヒマラヤと言えば山男の憧れの地。
何日間も何日間もひたすら山を歩き廻るのでしょう?
自分の着替え、食べ物、寝袋やらいろんなものを背負って歩かなければならないのでしょ?
それにヒマラヤは標高が高い山だから、空気が薄いのではないの?
高山病だって心配だし。
乾季のヒマラヤは冬で寒くないの?
雪は降らないの?
寝るときは?テント?それとも野宿?
寝袋って寒くはないの?
ヒマラヤの雪男イエッティが出没したらどうするの・・・etc?
→これらの疑問は私も最初に思いついたもので、リサーチを始める前は、ヒマラヤ・トレッキングと言えば重装備のエベレスト登山隊の姿を頭に思い浮かべていました。
しかし実際のトレッキングは「案ずるより産むが易し」で、重い荷物は執事の様に優しくイケメンのお兄さんが持ってくれるし、毎日歩き疲れた私を待っているのはふかふかの羽毛のお布団。
それに、食事は三食とも暖かいフルコースのお料理とはいきませんが、料理人さん達がピザやパスタ、そしてネパールの庶民料理のモモやダルバートを毎日、毎食ごとに作ってくれました。
そんなアンナプルナ・ベースキャンプ(内院)へのトレッキング1日目の様子【シワイ→チョムロン;2170m】 を旅行記として紹介したいと思います。
★2017年末-2018正月 ABCトレッキング旅 日程★
□12/29 羽田(00:20)-バンコク-カトマンズ-ポカラ(15:00)
タイ航空 イエティ航空利用
・12/30-1/5 6泊7日 ABCトレッキング
■Day-1 12/30 ポカラ→シワイ→チョムロン(2170m)
・Day-2 12/31 チョムロン→ヒマラヤ・ホテル(2920m)
・Day-3 1/1 ヒマラヤ・ホテル→マチャプチャレ・ベースキャンプ(3700m)
・Day-4 1/2 マチャプチャレ・ベースキャンプ→アンナプルナ・ベースキャンプ(4130m)
・Day-5 1/3 アンナプルナ・ベースキャンプ→シヌア(2360m)
・Day-6 1/4 シヌア→ジヌー(1780m)
・Day-7 1/5 ジヌー→シワイ→ポカラ
□1/6 ポカラ-カトマンズ イエティ航空利用
□1/7 カトマンズ(13:55)-バンコク-(成田)
□1/8 -成田(06:15) タイ航空利用
★2017年末-2018年始 ABCトレッキング旅 旅行記★
【1】ビザの取得は忍耐の連続 https://4travel.jp/travelogue/11319508
【2】大和撫子 山岳民族に勝負を挑む♪ https://4travel.jp/travelogue/11321647
【3】高山病は妊夫の気分 https://4travel.jp/travelogue/11323302
【4】荒ぶる女神の抱擁 https://4travel.jp/travelogue/11327387
【5】暁の女神が纏う羽衣 https://4travel.jp/travelogue/11333984
【6】秘湯デビュー@ヒマラヤ https://4travel.jp/travelogue/11335787
【7】着陸失敗の確率は? https://4travel.jp/travelogue/11371050
【8】裏道散歩で見~つけた https://4travel.jp/travelogue/11372680
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
イチオシ
12/30の起床は朝5時半。
日本との時差はネパールが3時間15分遅い。
1/4時間単位で時差がある国には、今回、初めて足を踏み入れた。
目覚めた時はまだ真っ暗だったが、日が昇ってくると、朝日はマチャプチャレ山の姿をくっきりと青空の中に浮かびあがらせる。
マチャプチャレ山から始まるポカラの朝。
最高の夜明けだ。アチチ リゾート & スパ ホテル
-
ホテル(アティティ・リゾート&スパ)の朝食はバイキング方式。
ネパールの郷土料理から欧風料理まで幅広くそろえられている。
珈琲や紅茶は、各テーブルごとにドリップしてくれるので、抽出したての香りの飲み物が運ばれてくる。 -
朝食後は部屋に戻り、パッキングの再確認。
この日から7日間のトレッキングに出るので、トレッキングに必要な荷物は80Lバックパック(灰色のザックカバーがかかっている)に詰め、不必要なものはスーツケースに入れて、ホテルに預けていく(トレッキング後にこのホテルにはもう1泊する)。
80Lのバックパックの中に入っているのは、寝袋、着替え(雨などを想定して1回分のみ)、ダウンジャケット、水着+シャンプー・リンス1回分(コレは重要)、洗面用品等、山歩きに必要最低限の物のみを二人分詰め込んである。
7日間分の荷物の重さは約15kg。
この15kgを担いでトレッキングとなる。 -
朝8時。
ガイドさんとポーターさんが車(タクシー)でホテルに迎えに来てくれ、出発。
トレッキングのゲートであるシワイ(Siwai)までは車で2時間程度。
ポカラの町からはマチャプチャレ山がきれいに見え、これからあの麓まで歩いて行くのかと思うと胸が高鳴る。 -
街中を通り抜けた車は田舎道へと入る。
道路の舗装状況はそんなに悪くはなくポカラ―シワイ間の道の半分以上は舗装されていた。
田舎道へと入ると、途端に道行く人達の服装は洋風なモノから民族色の濃い装いに早変わり。 -
途中でトイレ休憩兼運転手さんの朝ごはんタイムで休憩。
日本で、タクシーの運転手さんがお客さんを乗せた状態で朝ごはんタイムをとると言ったらびっくりしてしまうが、アジアや中東では結構ある話だ。
地元民御用達のドライブインに立ち寄る機会は滅多にないので、私もどんなところか興味津々。
トイレを使わせてもらった後は、人の集まっている方へと行ってみる。 -
人が集まっていたところは、ソーセージ作りの下ごしらえの真っ最中の現場。
多分ブタさんだと思われるが、ローストした動物のお腹の中から腸を引っ張り出し、伸ばしているところだった。
こんなワイルドな風景を見るのは初めてだったので、思わず見とれて立ち止まっていたら、写真撮っていいよ。とおじさんから声をかけてくれたので一枚パチリ。 -
運転手さんが朝食を終えた後は再びシワイに向って車を走らせたのだが、突如現れたダートな道で渋滞が起きていた。
昨晩は雨は降っていなかったのだが、この水は何処から湧いてきたのだろうか。
-
小さな村にさしかかった時に車が突然停止したのでトレイルヘッドに到着したのかと思ったのだが、ここはチェックポスト。
アンナプルナのトレッキングをする人は、必ずチェックポストに立ち寄らなければならないルールとなっている。
チェックポストとは、アンナプルナの山中に入るトレッカーの許可証をチェックし通過印を押す場所だ。
ネパールでトレッキングをする場合は許可制で、必ず政府の発行する許可証(パーミット)を山に入る前に取得しなくてはいけない。 -
アンナプルナの場合は、TIMS(Trekkers Information Management System)とアンナプルナ保護区入場証が必要で、現地取得(カトマンズorポカラの2か所の事務所)もしくは現地旅行会社に代行取得を依頼しなくてはならない。
現地取得の場合は、申請受付時間が16:30までとポカラに到着当日に二つの許可証を申請するには厳しい時間だったので、私たちは迷わず現地旅行会社に代行をお願いした。
写真の上がアンナプルナ保護区入場証、下がTIMSでトレッキング後に写真に撮ったので、彼方此方のチェックポストでの印が押された状態となっている。 -
このチェックポストがある村はビレタニ村(Birethanti)で地元のバスなどはこの場所が終点なので、ここまでローカルバスでやってきて一泊した後に歩き出すトレッカーも多い。
-
イチオシ
だから、村のメイン通り沿いにはそんなトレッカーを当てにしたお店も沢山。
お姉さんが売っていた揚げたてのパンが美味しそうだった。 -
私たちの出発点はココではないので、ビレタニ村では車を降りずにモディ・コーラ(モディ川:コーラとはネパールの言葉で川の意味)橋を渡り、更に川の上流域を目指す。
-
A.B.C.(アンナプルナ・ベース・キャンプ)トレッキングのトレイルヘッドにはいくつかのスタート地点があり、有名なガイドブック「歩き方」に紹介されているのはその中の一つのダンプス村(Dhampus)だ。
ダンプス村はビレタニ村(Birethanti)よりも更に標高の低い場所にあり、ダンプス村から歩き始めると、トレッキング所要日数が更に1日長くなってしまう。
昔はダンプス村から歩き出すトレッカーが多かったが、最近のトレイルヘッドの主流はシワイ出発が多いそうだ。
(写真:ビレタニ村に設置された許可証チェックポストの方向を示す看板。CENTERと言う英語が英国風のCENTREなのが不思議。ネパールは英国の植民地下にはなかった筈なのに…。インドの影響かな。) -
道の脇には村の生活風景があり、羊や山羊を追う村人や畑を耕す村人の姿。
そんな中でも、村の女性たちはみんな働き者。
車を持っている家はお金持ちのごく一部の人達だけで、女性でも重いものを運ぶ時は籠を使い、こんなふうに頭でバランスをとりながら歩いていた。 -
10:30に、車で来ることの出来る一番奥地であるシワイ村に到着。
早速、歩き始める準備をして10:40には、トレッキング・スタート。 -
私たちが歩き始めてすぐに、後ろからTOURISTと表示されたバスがやって来た。
乗客は・・・というと欧州系のトレッカーの若者たち。
私が調べた限りでは、公共バスの終着点は許可証のチェックポストがあった村:ビレタニ村が終点の筈だったのだが、もしかしたら最近、変更があってシワイまで公共バスが登ってくることになったのかもしれない。 -
次に旅を予定する方のためにと思い、バスが止まった場所付近にあった情報看板を探したのだが、あったのはネパール語で書かれた看板だけ。
もしかすると、各方面からの運賃などが書いてあるのかもしれないが、私には読めなかった。 -
シワイを出発して30分もしない内に吊り橋が現れ、この吊り橋から先が本当のトレッキング道となる。
気温は長袖シャツを着て歩いていてちょうど良い位で、日光の下では汗ばむほど。
お昼頃は20℃近く迄上がっていたのではないかな。 -
トレッキング道で三叉路等になっていて迷いそうな場所には、分かりやすく看板が設置されている。
この看板が指す方向はチョムロン(Chhomrong)。
私たちのこの日の目的地だ。 -
トレッキング道沿いには小さな村が点在している。
トレイルはその小さな村同士を繋いでいて、トレッカーは村と村を渡り歩く感じで歩いて行く。 -
ここで、少しだけ今回歩いたA.B.C.(アンナプルナ・ベースキャンプ)トレッキングについて記しておきたい。
この地図は前日にポカラの本屋さんで買ったA.B.C.までのトレッキング地図で、黄色文字に赤囲いの地名が登りで宿泊した村(Siwaiを除く)、赤文字で黄色囲いが下りで宿泊した村の名前で、実際に歩いた登り4泊、下り2泊の計6泊7日のルートを示している。
このA.B.C.レッキングコースは初級から中級向けとされ、そんなに難しいコースではなく、実際に歩いた1日の歩行時間も長い日で6時間~7時間程度だった。
山道なので歩行距離を測るのは難しいのだが、地図に定規を当てて大凡の距離を測ってみたら7日間での総歩行距離は70km程度とそれほど長距離ではない。
アップダウンのある山道なので70kmが楽かと問われると微妙な部分もあるが、私的には日本の山を縦走するよりも楽なんじゃないかな…と感じたのが正直な感想だ。 -
しかし標高差に目を向けると、ABCトレッキング・コースの標高差は標高1000m付近から4200m迄でそれなりに標高差があり、特にチャート(出典:山と渓谷社 ネパール・ヒマラヤトレッキング案内)の黄色く塗られた部分(マチャプチャレベースキャンプからアンナプルナ ベースキャンプ)までは高山病の発症危険地帯となる。
この本の場合はトレッキング日数を登りだけで7日間としているが、私たちの場合は車で行ける最高地点のシワイ村から出発し、更に1日の歩行時間をもう少し長く設定しているので、トレッキングの最低必要日数は6日間(5泊6日)となる。
しかし、現地手配会社から指定されたトレッキング日数は7日間(6泊7日)だった。
5泊6日で往復できるのならばその方が楽なんじゃない・・・と思いたくもなるが、ここはヒマラヤの山。
高山病の危険もあるし、天候の急変だって当たり前の様に起きる。
だから予備日は最低でも1日は設けておき、トレッキング日程に余裕を持たせておかないと、命に関わる事態が発生する可能性も出てくる。
実際にこのルートを歩いてみての感想だが、健脚で躰に何の問題もなく天候に恵まれれば4泊5日でもABCトレッキングは可能だと思う。
しかし、山の天気は気まぐれだし、体調だって思い通りにはいかない。
さっき晴れていたかと思ったのに5分後には猛吹雪となり2時間で20cm以上の積雪・・・なんていう事を今回のトレッキングで私自身が体験し、更に体調不良によるダウンも経験したので、予備日は最低1日、可能ならば2日設けておく方が良いと思う。 -
この地図は、この日;トレッキング初日(Day1)の午前中に歩くエリアの地図だ。
シワイ村からニューブリッジ村までは等高線に沿って歩く道が多く、アップダウンがそれほどない事を示している。 -
だから、歩き始めの道は平たんで楽勝。
段々畑の中を縫うようにして続く道を歩く。 -
畑に植えられている作物は日本人になじみのあるものが多く、大根やキャベツ、カリフラワーなど。
日本と違うところは、冬でもトマトが収穫できるところだろうか。 -
そんな道ですれ違うポーターさん達は大きな荷物を抱えて、とても重そう。
ポーターさんによっては、1人で二つのスポーツバックを担いで山を登る強者もいて、その足腰の強さには驚かされる。 -
小さな村の中にはトレッカー用の宿泊施設も有り、道沿いにあったこのお宅もそんな宿。
-
宿の周りには花が植えられ、その花の色が青く塗られた外壁とベストマッチしていた。
-
宿の案内には、寝心地の良いベッドに24時間ホットシャワー、有機野菜のサラダにフレンドリーサービス・・・と耳触りの良い単語。
眺望はそんなによくはない場所だが、疲れている時にこんな言葉を目にしたら、ここで一泊も良いかな…なんて思ってしまうかも。
でも、注意しなければいけないのがhot showerの文言。
ネパールでは水シャワーが普通でホットシャワーは高級品。
だから、20℃位の冷たいぬるま湯でもホットシャワーと表現するので、日本の様に熱い湯を期待してはいけない。 -
村を抜けると道は川沿いになり、モディ川を右手に見ながら歩いて行く。
地図にある様にアップダウンの少ない歩きやすい道だ。 -
イチオシ
ここで、今回のトレッキングメンバーを紹介♪。
写真の二人は、チームJamJamのキャプテンであるディネシュさん(トレッキング・ガイド)とサブリーダーのオニィさん(ポーター)。
ディネシュさんはエベレスト周辺の村の出身で、オニィさんはやはり山岳民族のモガラ族の出身で、ヒマラヤ山歩きが初めての私にとっては心強い助っ人で、この二人がいてくれなかったら、相棒と私のABCトレッキングは成功しなかっただろう。
ディネシュさんは相棒と私の体調チェックから歩行速度のコントロールまできっちりと気を配ってくれて、オニィさんは15kgにもなる相棒と私の荷物を7日間に渡り担いでくれた。
更に運命の女神の手引きがあったのか、ガイドのディネシュさんは相棒が5年前にエベレスト街道を歩いた時にガイドをしてくれた若者と同人物だったことも分かり、初日から私達4人は意気投合し、トレッキング名もチームJamJamに決定!
JamJamとはネパール語でLet’s Goの意味で、歩き出すときは、元気よくJamJam♪が出発進行♪の合図となっていた。 -
10:40にシワイを歩き出したチームJamJamは12時半にランチポイントであるニューブリッジの村に到着。
ここで1時間休憩となる。 -
イチオシ
ニューブリッジの村まで来ると、谷間から見える山の姿もはっきりとしてくるようになり、目の前に見えるのはアンナプルナ・サウス(7219m)とヒウンチゥリ山(6434m)だ。
ここで豆知識。
一般的にアンナプルナと言われる山は1つの山ではなく複数の山の集合体で、正確に表現すればアンナプルナ山域となる。(八ヶ岳連峰みたいな感じかな)
アンナプルナには第1峰から第4峰とアンナプルナ・サウスがあり、第1峰は8091mで世界第10位の標高の山。
ニューブリッジの村から見えるのはアンナプルナ・サウスとなり、アンナプルナ山域の一番手前の山だ。 -
話はランチへと戻るが、ヒマラヤ・トレッキングの場合、食事が侘しい・・・なんてことはよっぽど運が悪くない限りは起こりえない。
日本の登山で昼食と言えば、オニギリか良くて山小屋でラーメンやカレーライスと言ったところだろうが、ヒマラヤ・トレッキングの場合は豪華な食事が期待できる。
ランチを食べにニューブリッジの山小屋に立ち寄った私たちに手渡されたのはメニュー表。
そこには前菜スープに始まり、メインディッシュ(焼き飯・ピザ・パスタ等)、デザートまでのリストが並んでいた。
まずは、休憩用のミルクティー(70ルピー:約80円)を注文してから、ランチの内容を吟味。
ピザも美味しそうだし、チキンスープもきっとお肉が新鮮(小屋の裏を歩いている)だから期待できそうだし…でも、食べ過ぎると歩けなくなってしまうし…と悩んでから、吟味したものをオーダーする。 -
そう、ネパールの山小屋はトレッカーのためのレストランを兼ねていて、そのお料理は町の食堂と遜色ない位美味しいと評判なのだ。
メニューの最後には山小屋のルームチャージも書いてあり、ニューブリッジ村の場合はダブルの部屋で300ルピー(約340円)とそれほど高くはない。 -
ランチをオーダーし終えた私がすることは、周囲の探検。
-
と言っても、私が興味のあるのは此処;台所だ。
ガイドさんに通訳してもらい、台所に入って良いか聞いてから立ち入らせてもらう。
棚の中にはマグカップや食器が綺麗に並べられていた。 -
山の中なのでガスは無く、料理の為の燃料は乾いた木で、薪を燃やして火を熾していた。
-
台所はアイランドキッチン式で中央に作業台があり、切りかけの玉ねぎが転がっていた。
私がお願いしたスープに入れたのかな? -
真っ黒にすすけた天井は、籠の収納場所。
きっと此処の宿の奥さんも、籠を頭で支えながら持つ名人なのだろう。 -
料理が出来上がるのに30分以上かかるという話だったので、私はスマホを取り出して電波チェック。
最近スマホをSIMフリーに変え海外用のSIMが使えるようになったので、今回はそのお試しとしてAmazonでタイの会社が発行する2Flyという海外用SIMを入手してみた。
2FlyはネパールではNCelllの電波を利用していて、評判も悪くない。
今回のネパール旅では日本に大学生の娘を一人で残してきたことも有り、出来るだけ通信環境を維持しておこうという試みだ。
勿論、ヒマラヤの奥の山中ではNCellと言えども通じないことは知ってはいたが、それでもないよりはましだ。(2Fly はAmazonで15日用で4GB、3400円から4000円で販売)
結果としてどこまでNcellの電波があったかと言うと、シヌア村(Sinua)迄で、その先の山奥ではスマホが電波を捕えることはなかった。 -
そんなコトをして遊んでいたら、ランチの到着。
スープにトマトスープ、チキンスープ、そしてメインにモモ(ネパール風蒸し餃子)とふかしイモをお願いした。 -
モモは皮から手作りなのでモチモチで美味しいし、ふかしイモはさっきまで畑で土の下に居た芋たちをふかしたてだから、不味いはずはない。
芋の味付けは塩だけだが、それだけで美味しく食べられた。 -
1時間ゆっくりとランチ休憩した後は、午後のトレッキングを開始する時間。
自分用の軽いデイバッグを背負って歩き出す。
背中に担いだデイバックの中に入っているのは、テルモス水筒、雨具の上下、スパッツ、それにカメラ用の充電池にお菓子位で、殆ど重さは無く、躰は身軽だ。
相棒と私の15kgの荷物は、ポーターのオニィさんが担いでくれている。
(ガイドさんは自分自身の荷物を全部持っているから重いけどね) -
歩き出して1分もしない内に、不思議な赤い花に遭遇。
どこかで見たことがあるような、ないようなこの姿・・・。
30秒程悩んで、気が付いた。
クリスマスの鉢植えで有名なポインセチア。
そのポインセチアが2mを超える巨木として自生していた。 -
午後に歩く道は、午前中とは一転して、かなり急な登り道。
まずは、目の前にある山を1つ巻いて、谷を渡り、更にそこから急登の登が始まる。 -
午後に歩く部分の地図がコチラ。
ランチを食べたニューブリッジ村から今晩の宿のあるチョムロン村迄歩く。
ニューブリッジ村から暫くは等高線に沿って歩くが、Jhinudanda村を過ぎたあたりからトレッキング道は等高線に対し垂直に伸びている。
これはつまり、メチャクチャ急坂ってことだ。
地図の中にもSteep Trailの注意書きがあり、此処が今日の正念場になりそうだ。 -
そんな私たちの前を歩くのは、村と村の間を荷物を運んでお金を稼ぐポーターさん達。
この辺りは車もバイクも入って来られないエリアなので、食糧や生活必需品などの物資の移動は人力が頼り。
大きな荷物はロバも使うそうだが、基本はこのように運搬を職業とする人達が物資の輸送を担っている。 -
そして、始まったJhinudanda村からの上り坂。
階段道と山道が交互に現れるのだが、その斜度がきつくて、たいした標高ではないのに登りで息が切れる始末。 -
村の中を通る道なので山の斜面には家畜の動物たちがいて、彼らは登るのに息が切れている私たちを不思議そうに見ている。
君たちは四足だから、坂道も登るのが楽なんだよね。
人間は二足歩行だから、バランスをとりながら登るのが難しいんだよ・・・と心の中で呟きながら登る。 -
階段を歩いて登って…ひたすら登って、もうこれ以上は足が上がらない…というところで現れた仏塔の脇でひとやすみ。
仏様は苦しい場所が分かっているのかもしれない。
ガイドさん曰く「目的地のチョムロン村まではもう少しだよ」とのことだが、こんな上り坂が1時間以上も続くだなんて、聞いてないよ・・・状態の私。 -
そんな状態の私の脇を村のお婆さんはスタスタと登っていく。
さすが山岳民族、足腰の強さは私と比べ物にはならないようだ。 -
でも、ここで負けたら大和撫子の名が廃る。
だから、私も根性を振り絞って頑張って登ったのだが、地元民のおばあさんの姿は遥か高いところ。
勝負は私の完敗だった。 -
そして、昼食休憩のニューブリッジ村を出発して2.5時間後の16時半にチョムロン村の入口に到着した。
チョムロン村の入口にはミネラルウォーターボトル禁止エリアの表示。
アンナプルナ山域でチョムロン村以降のエリアは、環境保護の為にゴミとなるペットボトルの持ち込みを禁止している。
だから、此処からはペットボトル飲料は禁止。
自分で持ち込むペットボトルも本当は禁止で、トレッカーは水筒持参が原則らしいのだが、とりあえず自分で持ち込んで、それを持って下山するのならば大目に見よう・・・的な雰囲気が感じられた。
私自身はペットボトル禁止を知っていたので、今回は保温水筒を持参し、宿で濾過した沸騰水を詰めてもらい、それを飲料水替わりとして毎日飲んでいた。
(写真は帰路に撮影) -
イチオシ
頑張って1.5時間をかけて急坂を登ってきた私を待っていたのは、チョムロン村の丘の上から見えるマチャプチャレ山(6997m)の雄姿。
-
頂上の先端部分の割れた独特の形をしたマチャプチャレ山が目の前に現れた。
マチャプチャレ山のその形は魚の尻尾にも似ていて、英語名ではFish Tail Mt.とも呼ばれている。
もっとも、マチャプチャレとは現地語(ネパール語ではない古語)で、魚の尻尾と言う意味があるとガイドさんが教えてくれたので、英語でも現地語でもその意味は等しいのだけれどネ。 -
マチャプチャレ山の左に見えるのは、ニューブリッジ村からも見えていたヒウンチゥリとアンナプルナ・サウスの姿。
頑張って登ってきたご褒美が目の前に広がっていた♪ -
今日の宿があるチョムロン村はアンナプルナ山域の中では一番大きな村で、その宿の数も15軒と多い。
さあて、今日の宿は何処かな…とキョロキョロしながら歩く。
ヒマラヤ・トレッキングに於いて宿は、基本的に予約はしない。
各個人の歩くスピードに合わせて夕方に到着した村の中から、条件の良い宿をガイドさんが選んでくれる。
条件が良いとは、隙間風の入らない部屋、寝心地の良いベッド、そして料理人の腕が良い事・・・などなど。 -
そして、ガイドであり、我らがチームJamJamのチーム・キャプテンが選んだのは、青い宿。
-
Elysium Guest Houseだ。
-
まずは部屋に荷物を置いて一休み・・と思ったのだが、宿のテラスから山を見上げた私の目に飛び込んできたこの景色に足が止まった。
アンナプルナ・サウスとヒウンチゥリに夕陽が入り、その山肌をゆっくりと紅く染めはじめていた。 -
雲はゆっくりと流れて、山頂が見えたり、見えなかったり・・・。
-
イチオシ
そして、右に見えるFish Tailであるマチャプチャレは、夕陽を浴びてオレンジ色に・・・。
-
イチオシ
視線を左へ戻すと、アンナプルナ・サウスも更に色付き、夕焼け色に染まっていた。
うわぁ…これじゃあ、部屋に入れないよ・・・。
そんな私たちの様子を見たガイドさんは、今日の最高の景色でしょ♪とニヤリ。
この景色を今日のクライマックスに見せたくて、到着時間を合わせるなんて、ガイドさんの時間配分って、凄いよね。 -
そんな訳で、私たちが自分たちの部屋に入ったのは夕焼けが終わってから。
この後は食堂でお茶を飲みながら、翌日以降のルートについてチーム会議の時間なのだが、これがまた長い話になりそうなので、そのあたりのお話はまた次回の旅行記で。
ABC(アンナプルナ)ベースキャンプ到着まであと3日!
アラフィフのおばちゃん、アンナプルナ・ベースキャンプ・トレッキング頑張りますョ♪
前の旅行記: タイ航空で往くネパール【ネパール入国、ボカラ町歩き編】
https://4travel.jp/travelogue/11319508
続きの旅行記:トレッキング1日目夜-3日目昼【高山病は妊夫の気分】
https://4travel.jp/travelogue/11323302
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この旅行記へのコメント (6)
-
- くっさんさん 2019/05/06 18:13:34
- 懐かしく楽しく拝見しました
- ウェンディさんへ
小生は、昨年秋、友人に誘われ始めてアンナプルナ内院までトレッキングをした者です。ウェンディさんの写真説明ありました場所を歩きましたので、当時を懐かしく思い出しながら拝見しました。本当に、事前情報を収集し、かつ道中の見どころをくまなく良く観察され写真に収められており感服しました。ベテランは観点が違いますね。出発前にウェンディさんの旅行記に接していたらもう少し小生も写真を撮る観点が広がったと思います。特にマチャプチャレが素晴らしく焼けましたね。最高の絶景だったと思います。どうぞ、これからも心躍る写真を撮り続けてください。(くっさんより)
- ウェンディさん からの返信 2019/05/07 22:00:45
- RE: 懐かしく楽しく拝見しました
- くっさん 初めまして
旅行記へのコメントをありがとうございます。
ABCトレックは歩き出す前は不安で一杯でしたが、歩き始めてしまえばもうこっちのもの。
次々と変わりゆく景色に足が疲れたのも忘れて歩いていました。
くっさんは昨秋にアンナプルナ内院へと行かれたとのこと。
旅行記の写真、とても素敵でした。
ABCから眺めたマチャプチャレなどは惚れ惚れする凛々しさ。
特に星とのコラボもきれいですね。
更にくっさんは一眼を2台に三脚まで持って登られたとあったので、きっ足が強いのですね。
私なんて自分の荷物は出来るだけ軽くしないとすぐにバテてしまうので、カメラ1個+レンズ1個で限界でした。
大きなバックパックを自分で担がれる方は、本当に尊敬です。
いつか時間があればジョムソン方面も歩いてみたいですが、お仕事を卒業してからになるかもしれません。
今は、その時に向けて体力維持。
くっさんを目標に頑張らなくては・・・ですね。
ウェンディ
-
- くわさん 2018/01/16 20:31:44
- 雪が無いのですね
- こんにちは。
ヒマラヤへ行かれていたのですね。
写真を見て、てっきり夏に行かれたのかと思いましたが、年末年始の冬ですか。全然雪が積もってないのですね。もしかして暖冬? それとももともと雪が少ないのでしょうか。
続きを楽しみにしています。
- ウェンディさん からの返信 2018/01/16 23:11:09
- RE: 雪が無いのですね
- くわさん こんばんは。
真冬のヒマラヤ・トレッキングに挑戦してきました。
雪ですが、降りましたよ。
それもブリザードで、視界1mもないような状態でした。
今回の旅行記は標高が1951mのチョムロン村までなので雪は出てきませんが、このトレッキングの目的は4130mのアンナプルナ・ベース・キャンプ。
山の天気は気まぐれで、ABCでは晴れてたかと思うと雪がちらつきだし、5分後には吹雪となっていました。
気温はマイナス20℃近くなのに小屋の中にも暖房が無く、自分の吐く息が空中に白く浮かび上がり、トイレの水洗バケツの水がガチガチに凍るような環境でした。
そんな様子も旅行記で紹介していきたいと思っています。
ウェンディ
-
- fujickeyさん 2018/01/16 09:28:29
- Jamjam!
- ウェンディさん、こんにちは♪
遅くなりましたが2018年もよろしくお願いします。
ネパールでのトレッキング1-2を続けて読みました。
ついに!ウェンディさんのお顔拝見!!
いままで遠目の撮影とかはありましたが想像通りに可愛くてにやけちゃいました(笑)
そしてこんなに可愛らしいお顔で赤い虫を〇〇したり・・・鎖場を登ったりするとは。
そのギャップにも驚いています。
さてさてチームJamjam、いいですね。
旦那さまとガイドさんの運命の再会!こういうのがあるから面白いですよね。
しかも行程中の宿の選択がガイドさんにかかっているとすれば
センスとかが合うガイドさんの方がいいですもんね。
宿からの眺めもとても美しい。
このタイミングに合わせたガイドさんと、
ガイドさんの時間配分に対応できたウェンディさんも素晴らしいと思います!
チームJamjamのチームワークは最高ですね。
電車に乗る為に階段を駆け上がっただけでも息がきれてしまうし
心拍数もバクバクしてしまうので体力が弱っているなぁと実感しているこの頃・・
(間違いなくウエイトを減らせということですね。。。)
なので、自分がトレッキングをするのはとても厳しいので
ウェンディさんの旅行記で一緒に歩いている気分になりたいと思います。
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2018/01/16 23:03:59
- RE: Jamjam!
- fujickeyさん ナマステ(こんにちは〜)
あけましておめでとうございます。
2018年も旅を楽しみましょうね。
今年のお正月はネパールの山の中で過ごし、帰国したのが1週間前の1/8。
翌日からはバリバリ仕事をしていますが、ネパールの楽しかった山歩きが忘れられずにいます。
日本でも山登りはしますが、今回のトレッキング程山歩きが楽しいと思ったことは今までになく、ネパールの山の魅力に取りつかれています。
今回の旅は、まさかのガイドさん!で、最初に気が付いたのは相棒でした。
ガイドさんの方はうろ覚えだったのですが、暫く話していて記憶が戻ったらしく、底からは意気投合し、楽しい7日間でした。
でも、ヒマラヤは楽しいばかりの山ではなく、チョットの体の不調が引き起こす体調変化も大きく、今回はそんなことにも悩まされたりもしました。
体調管理は重要だという事を再確認した山です。
私もアラフィフと呼ばれる年代に入り、やはり体力の低下は実感しています。
実は、今回のヒマラヤの為ではないのですが、別に目的があって8月からスポーツジム通いを始めていて、比較的真面目にトレーニングをしていたら、4か月間で+3kgの筋肉量の増(体重も3kgバッチリ増えましたが)があり、このトレッキングを比較的楽に歩けたのは、トレーニングの成果が出たのかな…とも思っています。
次回以降の旅行記では、山歩きの装備なども紹介していきます。
fujickeyさんは私よりはかなり若いのだから、ヒマラヤトレッキング位なら出来ちゃいますよ。
旅行記を眺めるだけでなく、是非チャレンジを計画してみてくださいね。
ウェンディ
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