2018/11/23 - 2018/11/23
111位(同エリア7301件中)
旅猫さん
11月の下旬、鎌倉をふらりと歩いてきた。
今回は、北鎌倉駅から鎌倉駅まで、山ノ内から扇ガ谷を通り雪ノ下へ。
晩秋から初冬の花が咲く、静かな鎌倉に出会えた小さな旅だ。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
-
今回は、地元の駅から上野東京ラインの列車に乗り、大船駅で横須賀線に乗り換えて北鎌倉駅で下車。
雲一つなく、まさに秋晴れだ。北鎌倉駅 駅
-
駅を出て、まず向かったのは東慶寺。
やはり、北鎌倉に来たら、山ノ内にある東慶寺は外せない。
山門を潜り境内に入れば、すぐに秋の花が出迎えてくれた。
アシズリノジギクだ。
葉の縁取りが可愛らしい。東慶寺 寺・神社・教会
-
近くに、まだカワラナデシコが咲いていた。
秋もそろそろ終盤だというのに。 -
時間が早いので、観光客の姿は疎らだ。
おかげで静かな境内を楽しめる。 -
庭では、黄色い菊も沢山咲いている。
大輪の菊より、小ぶりな花のほうが風情がある。
日本の秋には欠かせない花だ。 -
奥へ進むと、イワタバコが群生する場所がある。
そこには、小さな石仏が佇んでいた。 -
奥にある墓地の一角には、後醍醐天皇の皇女用堂女王の墓もある。
鎌倉で非業の死を遂げた護良親王の菩提を弔うため、5世住持として入寺。
以来、東慶寺は御所寺とか、松ヶ岡御所とも呼ばれたそうだ。 -
歩いていると、大好きな竜胆の花を見つけた。
秋には、東慶寺と海蔵寺で出会えるので、いつも楽しみにしてるのだ。
今年も会えてよかった。 -
この日、一番目を引いたのは野葡萄の実。
紫色の実が美しい。 -
庭にある木々は、まだ色づき始め。
鎌倉の紅葉は、12月が盛りなのだ。 -
山門近くでは、山茶花が咲き始めていた。
鎌倉は今、秋から初冬へと移ろい始めている。 -
東慶寺を後にして浄智寺へと向かう。
途中には、昔ながらの丸いポストがあった。 -
浄智寺の前まで来ると、そこには澄んだ水を湛える池がある。
その畔にある小さな井戸が、鎌倉十井のひとつ、甘露の井だ。浄智寺 寺・神社・教会
-
久しぶりに、浄智寺の境内を散策することにした。
奥には、横井戸と呼ばれる洞窟のようなものがある。
昔は、蝙蝠の住処になっていたそうだ。浄智寺 寺・神社・教会
-
境内を歩いていると、お腹の部分だけが黒光りしている布袋様を見つけた。
鎌倉・江の島七福神のひとつで、お腹を触ると元気がもらえるらしく、多くの人に撫でられて黒くなってしまったようだ。浄智寺 寺・神社・教会
-
茶室の近くまで来ると、水仙が咲いていた。
まだ11月だというのに気が早い。 -
入口まで戻り、甘露の井の前にある池を覗き込む。
ここは、いつ見ても美しい。
水面に浮かぶ水草の緑も鮮やかだ。 -
横須賀線の線路を渡り、長寿寺へと向かう。
舗装道路と違い、鉄路と言うのは風情がある。 -
長寿寺は、鎌倉でも人の少ない寺だったが、最近では雑誌などで取り上げられ、いつしか混み合う寺となってしまった。
それでも、紅葉にはまだ早いこの季節は、比較的空いていた。長寿寺 寺・神社・教会
-
紫陽花の季節には入ることすら一苦労する方丈で一休み。
参拝者の行列ができる観音堂も、落ち着いた佇まいを見せていた。 -
休憩後、菊がたくさん咲く庭を散策。
途中には、足利尊氏の墓もある。
長寿寺の建つ場所は、尊氏の屋敷があった場所なのだ。 -
長寿寺から、亀ケ谷坂切通を抜け扇ガ谷へ。
岩船地蔵堂から扇川に沿って歩いて行く。
この辺りは落ち着いた住宅街で風情がある。 -
扇ガ谷の地は、南北朝時代、鎌倉公方の家臣扇谷上杉氏の屋敷があった場所。
東慶寺などのある山ノ内は、関東管領職を世襲した山内上杉氏の屋敷があった場所で、両上杉氏は、鎌倉公方を巻き込んで関東に争乱を起こし、後北条氏の台頭を招いたことはあまりにも有名な話である。扇谷上杉管領屋敷跡 名所・史跡
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扇川沿いの民家の庭に、オシロイバナが咲いていた。
その中に、珍しく真っ白な花をつけた株もあった。 -
扇川を離れ、鶴岡八幡宮のほうへと歩いて行くと、何やら呼び込みをやっている。
そこは、鎌倉市川喜多映画記念館と言う場所で、敷地内にある旧川喜多邸が公開されているとのことなので、入ってみることにした。
ここは、戦後、多くのヨーロッパ映画を日本に紹介した川喜多夫妻を記念した建物で、館内には映画に関する資料が展示してあった。鎌倉市川喜多映画記念館 名所・史跡
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裏手の高台には、哲学者の和辻哲郎が練馬区で住んでいたという江戸後期の民家を移築した旧川喜多邸別邸が建っている。
建物は平屋だが、かなり広々としていた。
南西の二面には外廊下があり、日当たりも良い。
こんな家に住めたら、文句ないのだが。旧川喜多邸別邸 名所・史跡
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旧川喜多邸別邸から、裏道を歩いてすぐの場所にある、お気に入りの鏑木清方記念美術館に立ち寄った。
この日は、『清方描く、鏡花の世界』展が開催されていた。
鏑木清方は好きな画家の一人なので、鎌倉を訪れた時には、なるべく立ち寄ることにしているのだ。
今回も、素敵な絵が観られて満足だった。鏑木清方記念美術館 美術館・博物館
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美術館からは、混み合う小町通を避け、裏道を辿って鎌倉駅へと向かう。
途中の街並みは、鎌倉駅や小町通にほど近いとは思えない風情がある。 -
しばらく歩くと、線路の向こう側に瀟洒な建物が見えた。
気になったので、駅の手前の踏切を渡り、その建物の方へ。
近くへ行ってみると、『ホテルニューカマクラ』と言う宿だった。ホテル ニューカマクラ 宿・ホテル
-
以前は『山縣ホテル』と言う名で、戦前から営業していたそうだ。
築80年以上で、トイレと風呂が共用と言う、まるで民宿のようなホテル。
いつか一度泊まってみたいものだ。
鎌倉駅まで戻ると、12時半近くだったので、今回は切り上げることにする。
続・鎌倉四季物語もいよいよ来月で最後。
旅の終わりは、どこへ行こうか。
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この旅行記へのコメント (2)
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- hot chocolateさん 2020/02/03 13:10:07
- 秋の鎌倉歩き♪
- 旅猫さま
「続・鎌倉四季物語 11月」の旅行記にお邪魔しています。
2月、9月と訪れた鎌倉は、あまりお花の無い時期でしたが、11月には結構お花も楽しめるのですね。
気候的にも、快適に歩けそうです。
北鎌倉下車の鎌倉といえば、東慶寺、浄智寺ですよね。
私のルートは、円覚寺、東慶寺、浄智寺、建長寺から鎌倉駅へです。
まあ、一般的なルートですけどね。
東慶寺の野葡萄の実、初めて見ました。
色鮮やかで綺麗な紫ですね。
浄智寺の布袋様のお腹も黒くなっていてユーモラスですね。
お天気にも恵まれて、いい鎌倉街歩きが出来ましたね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2020/02/04 19:04:20
- RE: 秋の鎌倉歩き♪
- hot chocoさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
鎌倉は、やはり四季それぞれ魅力があります。
11月が過ぎ、12月になると、鎌倉は紅葉の季節となります。
全国的にも、一番遅い紅葉が観られる街かもしれません。
晩秋の鎌倉は、街歩きには最適な季節ですね。
野葡萄は、秋にならないと目立ちません。
私も、これほどしっかり観たのは初めてでした。
思いのほか綺麗な実で、好きになりました。
浄智寺のあの布袋様、結構腹黒いかもしれませんね(笑)
旅猫
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