2018/09/08 - 2018/09/08
137位(同エリア7310件中)
旅猫さん
9月7日から、北海道へ2泊3日の旅を予定していた。
ところが、前日の未明、その北の大地を大きな地震が襲う。
そして、宿泊を予定していた宿の一つから、受け入れできないとの連絡が入った。
宿のほうから断られるのは、これが初めてだ。
鉄道も動いていないので、どうにもならず、旅を中止することに。
翌日は結局出勤したのだが、週末の天気予報は晴れ。
ちょうど、青春18きっぷも1日分残っていたので、ふらりと鎌倉へ行ってみることにした。
思い付いたのは、気になっていた稲村ヶ崎温泉だ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
-
今回は、地元の駅から上野東京ラインの列車で出発。
戸塚駅で横須賀線に乗り換え、鎌倉駅へ。
鎌倉駅に着いたのは、8:40頃。
稲村ヶ崎へ向かうため、江ノ電の乗り場へ行ってみると、驚いたことに、電車を待つ人はほとんどいなかった。
8:48発の藤沢行きに乗車したが、発車時間になっても、席が空いているほどだった。 -
鎌倉駅を出て、10分ほどで稲村ヶ崎駅に到着。
久しぶりに降りたが、駅周辺はそれほど変わっていなかった。稲村ケ崎駅 駅
-
踏切を渡り、海の方へと向かう。
駅近くの商店は、まだ閉まっている。
雰囲気の良い街並みだ。 -
住宅街を抜けると、海が見えてきた。
七里ヶ浜だ。
今日は風が強く、波が荒いようだな。七里ヶ浜 自然・景勝地
-
信号を左に曲がりしばらく歩くと、目指す稲村ヶ崎温泉に辿り着いた。
今回の四季物語は、秋風が吹き始めた鎌倉で、温泉に入ることにしたのだ。稲村ヶ崎温泉 温泉
-
稲村ヶ崎温泉は、世界的にも珍しいモール泉。
泉質的には炭酸水素塩冷鉱泉で、炭酸水素イオンが多く含まれるほか、美肌効果があると云われるメタケイ酸も多く含まれているそうだ。
ちょうど一年前の2017年9月7日にリニューアルオープンしたばかりなので、施設はかなり新しい感じがした。 -
入浴料金は1,500円とかなり高いが、観光地価格と思えば納得。
浴室には露天風呂もあったが、屋根が無いだけで眺望も無い。
湯は、驚くほど黒く、濃い珈琲色だった。
湯温は熱くも無く温くも無い、ちょうど良い感じ。
おかげで、のんびり1時間ほど温泉を堪能。
黄金の湯と言う名が付いた由縁は、稲村ケ崎周辺では、砂鉄に混じって砂金が見つかることがあり、温泉にも含まれてることがあるからだそうだ。 -
すっかり長居をしてしまい、良い気分で向かいにある稲村ヶ崎へ。
富士山の好展望地として知られる稲村ヶ崎だが、この日は雲が多く、残念ながら見えなかった。
とは言え、景色は素晴らしく、江ノ島も良く望めた。 -
ただ、風が物凄く、立っているのもやっと。
波も荒く、浜辺に出ている人もいなかった。 -
遠くに浮かぶ江ノ島も、大きな波が打ち寄せていることだろう。
稚児ヶ淵や岩屋の辺りは、風がある時は怖いくらいだからな。 -
稲村ヶ崎公園の頂上には、東屋が建っている。
静かな場所だが、眺望はあまり良くない。 -
公園内で、変わった花を見つけた。
よく見ると、これはランタナではないだろうか。
『世界の侵略的外来種ワースト100』に登録され、外来生物法で要注意外来生物に指定されている植物だ。
確か、沖縄や小笠原諸島に侵入したことは聞いていたが、まさか鎌倉で見かけるとは。
綺麗な花だからと栽培する人が多いため、鳥によって運ばれた種から育ったのだろう。
困ったものだ。 -
それにしても、土曜日の10時半だというのに、この人の少なさはどうしてだろう。
新田義貞による鎌倉攻めで有名な古跡だが、最近は、あまり人気が無いのか。稲村ヶ崎 ビーチ
-
稲村ヶ崎からの眺めを楽しんだ後、道を渡り稲村ヶ崎温泉の裏手へ。
そこはさらに静かだった。 -
その路地に建つ家の入口には、なぜかシーサーらしきものが。
でも、素焼きの置物のようで、魔除けにはならないような。 -
駅の方へ歩いて行くと、小さな川を渡る。
この川が極楽寺川だ。
この川は、金山と言う小さな山の麓を流れていて、良質な砂鉄が稲村ヶ崎の海岸へと運ばれているらしい。
稲村ヶ崎周辺の砂浜が黒いのは、砂鉄を多く含むからだ。
昔は、この砂鉄を使った刀剣づくりが盛んで、かの有名な相州正宗を生んでいる。
金山の名のとおり、微量だが、砂金も含まれているようだ。 -
極楽寺橋を渡りさらに歩いて行くと、平屋の趣のある住宅が建っていた。
この辺りは日当たりも良く、住みやすそうなところだな。 -
その近くのT字路に、十一人塚と言うものがあった。
新田義貞による鎌倉攻めの際、極楽寺坂口の大将で、稲瀬川付近で討死した大舘宗氏ら11人を葬った場所だそうだ。
昭和34年、造成工事で発見された鎌倉時代末期の武士と見られる多数の人骨のうち、一部をこの丸い石の下に埋めたと伝わっているそうだ。十一人塚 名所・史跡
-
十一人塚から駅の方へと歩いて行く。
踏切の手前で、ちょうど江ノ電の電車が通り過ぎて行った。 -
その踏切の手前で、気になるお店を見つけた。
『肉の稲村亭』と言う店で、興味があったので入ってみることにした。稲村亭 グルメ・レストラン
-
店は小さく、売られていたのは、看板商品の『炭火焼豚』の他、『豚みそ漬』と『炭火やきとり』、そして『秘伝だれ 豚そぼろ』の四種類だけ。
訊けば、すべてこの店で手作りしているそうだ。 -
美味しそうだったので、『炭火焼豚』と『豚みそ漬』を購入した。
帰宅してから、早速、『豚みそ漬』を食べてみたが、これがなかなか美味しい。
翌日に食べた『炭火焼豚』は、さすがに看板だけあり、絶品と言ってよい味わいだった。 -
店の中に飾られていた古い写真に目が留まった。
坂の感じや富士山の見え方から、これは稲村ヶ崎温泉の近くから撮ったものだな。
走る車もほとんどないが、海岸近くまで林があり、建物ばかりの現在の風景とは、同じ場所とは思えない。 -
店を出て、駅へと向かおうと思ったのだが、まだ時間も早いので、隣の極楽寺駅まで歩いてみることにした。
-
歩き始めてすぐ、左手に、何やら大きな石碑が見えてきた。
ここは、幕府に捕らえられた日蓮聖人が、龍ノ口の刑場へと引かれて行く際、袈裟が血に染まるのは恐れ多いと近くにあった松の枝に掛けたとされる場所だそうだ。日蓮袈裟掛の松碑 名所・史跡
-
その石碑を過ぎると、江ノ電の線路を斜めに渡る。
そこからは、道路と江ノ電が並走しているのだが、線路との間に柵も何もない。
腰越の辺りとは違い、ここは歩行者との距離がかなり近い。
線路の向こうにも家があるので、線路を横切る人もいるのだが、事故が起きないのが江ノ電らしいところだ。 -
その近くで見かけた黄色い実。
花が分からないので、この実の正体もわからない。
でも、とても綺麗な黄色だった。 -
線路を横切れる場所に立ち、景色を眺めてみる。
鎌倉駅周辺の喧騒は無く、地方都市鎌倉の普段の顔がここにある。
長閑な時間が流れているが、時より、抜け道として使う車が通り過ぎていく。
この先で、道は砂子坂と言う坂を下って行くのだか、以前、この辺りに、砂子坂と言う駅もあったそうだが、今は面影すらなかった。 -
並走区間を過ぎると、針磨橋の石碑と言うものがあった。
針磨橋は、鎌倉十橋のひとつで、極楽寺川の上流部にかかる橋。
片側は暗渠になっていたが、もう片側には橋の一部が残っている。
この辺りには、かつて針麿(はりすり)を生業とする者たちが住んでいたのが橋の名の由来らしい。
砂鉄が採れる川らしい話だ。 -
橋から少し路地を進んだ場所で、再び江ノ電の線路が寄り添ってきた。
そこを渡った角に、また石碑が建っている。
石碑には、『阿仏邸旧蹟』とあった。
あの『十六夜日記』を書いた阿仏尼が、鎌倉に滞在していた時に住んでいた場所とのこと。
当時、この辺りは月影が谷と呼ばれていたらしい。 -
その石碑のある踏切からは、江ノ電の極楽寺検車区が望めた。
検車場の中には、最後の江ノ電顔である305編成が体を休めている。 -
踏切から少し歩けば、極楽寺駅だ。
今回の鎌倉への旅はここでお仕舞。
11:38発の鎌倉駅行きに乗り、鎌倉駅で11:56発の東京行きに乗り換え大船駅へ。
大船駅では、15分ほど時間があったので、みどりの窓口で、10月の青森への旅の指定券を購入。
そして、12:17発の上野東京ライン籠原行きで家路に着いた。極楽寺駅 駅
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この旅行記へのコメント (4)
-
- hot chocolateさん 2019/04/15 00:53:18
- 珈琲色の温泉!
- 旅猫さま
こんばんは。
「稲村ケ崎で温泉を楽しむ」の旅行記にお邪魔しています。
鎌倉の稲村ケ崎に温泉がある! というのが驚きです。
しかも世界的にも珍しい温泉とは・・・
黒く、濃い珈琲色の温泉なんて入った事がありません。
鉄分の多い赤茶色の温泉はよくありますけどね。
でも、やはり、好みは白濁の温泉です♪
江ノ電はのどかで楽しいですよね。
湘南の夕日のスポットと言えば、稲村ケ崎だし、鎌倉高校前駅も有名ですね。
この日の稲村ケ崎の海は、波があって、風が強いのが分かります。
「鎌倉駅で11:56発の東京行きに乗り換え大船駅へ」って、相変わらずお早いお帰りですね。(笑)
私の鎌倉散策は、お寺巡りやお昼ご飯、買い物などで夕方まで粘ります。(汗)
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2019/04/15 22:19:37
- RE: 珈琲色の温泉!
- hot chocoさん、こんばんは。
いつもありがとうございます。
鎌倉にも、温泉があるのです!
しかも、関東地方に多い珈琲色の温泉です。
植物性の湯なので、とても滑らかです。
まあ、白濁の硫黄泉に勝るものはありませんけどね。
江ノ電はいいですよねぇ
あの長閑な走りっぷりが好きです。
この日の稲村ケ崎は嵐のような荒れ模様でした。
でも、荒れた海の景色も良いものです。
鎌倉は混むので、朝早く出掛けて午後早く帰るのが基本です。
この日は、温泉でまったりし過ぎて、もういいやという感じで午前中に帰ってしまいました(笑)
旅猫
-
- salsaladyさん 2019/03/08 10:04:27
- 鎌倉と稲村ヶ崎の違い~
- ☆久し振りに戻るのは江ノ電~北海道の電車とは大違いの車住接近線ですが。。。
☆北海道はまだまだ不安ですものね。東北もですが、同じ処ばかりマグマが怒る!
☆江ノ電は回数券で乗らないと近すぎて「稲村ヶ崎駅」が有る事も知らなかったわ~
☆サザンの稲村ジェーンで海岸線の想像は為てましたが、駅もある?
☆近場にふらりと出掛けられる場所があるって良いわね~see you~
- 旅猫さん からの返信 2019/03/20 19:57:03
- RE: 鎌倉と稲村ヶ崎の違い?
- salsaladyさん、こんばんは。
お返事が遅くなりすみません。
地震は怖いですからね。
稲村ヶ崎には駅がありますよ。
海にも近くて、なかなか良いところです。
鎌倉は、自宅から二時間近く掛かるので、近場と言えるのかどうか(^^;
でも、好きな場所なので、何度も行ってしまいます。
旅猫
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