2011/04/28 - 2011/09/03
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DavePerthさん
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2011年にオーストラリアの永住権取得記念として、夢だったシルクロードを中心とした旅の記録。
4か月以上に渡る旅で、シンガポールからスタートし、ベトナムから陸路で中国に渡り、中国の南部から広東省・北京を経て中国横断を開始し、そのまま中央アジアのカザフスタン・キルギスタン・ウズベキスタンと続いて行った旅だった。
この旅がスマホや翻訳・地図アプリなどに一切頼らない、最後の時だったと思うので、自分にとっても本当に貴重な体験が多かった、最後の聖戦でした。
《ちょうど2011年はスマホへの移り変わりが加速していく変換期だったと思いますが(自分は2012年からスマホを使用)、この旅ではスマホを使用していなかったので、最後のネット情報にも一切頼らない、その場で切り開いていくスタイルの旅だったのでかなり行き当たりばったりで、それが故に色んなハプニングやローカルの人達・他の色々な国の旅人達との濃~~いエピソードに溢れまくってます。》
出会った人達との、楽しかったり迷惑だったり恥ずかしかったりした色々なハプニングやエピソードのことなども折角なので隠さず赤裸々に書いて行きたいと思います。(最近あまりそういう旅行記無いと思うので。。。)
今となっては自分のスマホにも地図アプリの他にも宿予約サイト・翻訳アプリなどが詰まっている。。。
今は安宿まで予約を入れてしまう時代となり、どんどん自分達で旅の可能性を狭めていってしまっているのかも知れない。。。ネットが発達したからって便利になれど、希少な体験が増えたり行動範囲が特に広がっているとも思えないし。。
なので、この旅行記はそういう旅を心底楽しんでいた自分へのレクイエムと、これからの時代には中々味わえない先の分からないワクワク感の強い旅を、読んでくれた人がヴァーチャル・リアリティ的に楽しんでもらえれば幸いです。
旅の内容は一人旅で非常に濃く、前半の中国入国から西安まではおとなし目の普通の個人旅行といった感じですが、敦煌辺りの中国の後半から中央アジアに入ると旅はドンドン波乱に満ちてきて、ヒッチハイクからの縁を中心に名も知らぬ村でのローカル民家滞在や山奥でのキャンプ、荒野で食べ物・飲み物なくなり遊牧民に助けられたり、どこかの結婚式にいきなり合流、などの出来事の連続でローカル文化との濃~~~い触れ合いの連続で延々と終わらないジェットコースターに乗ってしまったような非現実感の強い空間をフワフワしてました。
旅中に出会い一緒に行動し、色んなハプニングや漫画のような体験を沢山共にした、濃~~いキャラクターの色んな国の旅人達も多々登場?
そんな人生の大きな思い出の旅の軌跡を少しずつアップして行きたいと思います。
旅の始めはウォーミングアップとしてシンガポールに3泊して、ベトナムに渡り日本からの友人と数日過ごした後中国に渡りそこから本格的な一人旅が始まったので、今回はシンガポールとベトナムは省きます。
第7回は砂漠のオアシス・敦煌での滞在編です。
この砂漠のオアシスで中国人旅行者達と車をシェアして砂漠の奥地の方に一日ツアーをに出かけたり、砂漠のすぐ横にある、自然に囲まれ優しい人達に見守られる、現代のオアシス的な宿での滞在など非常に思い出深く、中国の中では大のお気に入りになった場所でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
《シルクロードが始まった》
西安の駅前で、フランス娘達とイボンと別れ敦煌行きの列車に乗った。
今回の電車もまた丸一日近く乗ることになる。
そして席は上中下の中段。一番窮屈な感じでこれから丸一日ベッドの上でDSや読書くらいかやることがない。
そして朝ようやくDun Huang(敦煌)の駅について降りると、そこはもう一面砂漠の世界だった。
*敦煌間近の車窓からの景色。ふと気づくともう外は一面砂の世界だった。。。 -
北京や西安の街の景色からガラリと一変した。
モノクロの世界へようこそ
砂漠に囲まれた駅、何ともシュールな感じであるがとりあえず皆に続いて駅を出て宿までの足を確保せねば。
宿は一応目星をつけてある。
西安のユースホステルのロビーに申し訳なさそうな感じで敦煌のユースホステルの名刺が置いてあるのを発見したのだが、そこが何か町はずれの砂漠の方にあるということで、面白そうだったのでその名刺を持ってきたのだ。
そして駅を出ると大量の客引きがいて、その中の一人のおばちゃんタクシードライバーにお目当ての宿まで連れて行ってもらう事にした。
車中しつこく次の日の莫高窟という、”敦煌観光といえばここ”というお約束的で観光の中心的な場所へ車をチャーターして行こうと誘ってくるが、あいにく180元という入場料にプラス車チャーターという高額な料金に見合う観光とは思えず、またこれまで中国を旅してきてこういった観光地の入場料の法外な値段に対する価値を見いだせないので、今は興味が無くなっていた。
よってお断りをする。 -
《森の中の素敵な宿とモノクロの世界の敦煌の町》
そしてお目当ての宿“Zepher”に着くと、そこは町からは完全に外れており、砂漠のはずれのオアシスの中にある宿といった感じで、木造のコテージタイプの部屋だった。
中庭にはハンモッグがあったりして一目で気に入った。
*このZepherという、砂漠に近い宿。自然の中にある感じが最高??一目で気に入った。? -
中庭は雰囲気ある作り。ハンモッグや木のテーブルが森の中で心地よい。
-
町から離れているので、宿の周りはこんな感じ。
-
宿を一歩出ると砂丘に囲まれている。いや、シュールな別世界にやって来た。。。
この宿のレセプションの眼鏡君は思いの他英語が堪能で、実に効率的に情報を教えてくれる。
頭も良く親切そうだ。
今朝ちょうど俺と入れ違いでオージーとブラジリアンのカップルがチェックアウトしてしまったそうで、今は外国人は俺だけということ(このカップルには後々色々と一緒に行動することになるのだが)。
何か雰囲気も良くスタッフも眼鏡君以外は英語が全く通じないが、皆とても穏やかで良い人そうである。
ただここの難点は周りに何もないので、食事をする際もイチイチ町までバスで30分かけて行かなければならない。 -
そして唯一のバスを捕まえて町に行くと、今までの中国の都市の感じとは打って変わって高い建物も無い、何とも古ぼけた感じのいい町である。
町全体がモノクロ写真のようで味があり、歩いている人も少ない。
*写真は敦煌の中心街。今までと違ってガラッと雰囲気が変わる。モノクロの世界 -
町を歩いていると何やら怪しげな日本語を話すおっさんに話しかけられた。
この隋さんというおっさんはここで宿やレストラン、旅行会社などをやっているらしく、宿を移らないか?車でどこか砂漠の奥地に行かないか?などと勧誘してきた。
彼の客が書いて行った“感想ノート”を見せられると、そこには色んな日本人が”隋さんと色んな所に行って素晴らしい体験をしました、一緒に夜遅くまで毎晩飲みました“、などと書き込んでいた。
確かに砂漠の奥地にはまだ行く予定がなかったので非常に惹かれるものがあった。が、このおっさんは午前中から酔っぱらっていて、日本語が出来る事に甘えている感じがプンプン匂うダメおやじっぽいのでお断りした。
何よりああいう"旅人からの感想ノート”みたいな奴は胡散臭いし、それに俺は町よりあの宿が気に入っている。
*写真を取ったら偶然写り込んでしまった件の髄さん。写真からもダメな感じがプンプン匂って来る。。。 -
*写真:お馴染みの雑な日本語シリーズ。"おみやへ”って。。。
一旦宿に帰りフロントで眼鏡君と話していると、素敵なオファーを頂いた。
明日ここに泊まっている中国人旅行者達がタクシーをシェアし、一日チャーターして観光スポットを巡りながら砂漠の奥地で夕日を見るという素敵なプランをしているらしく、ちょうどいいことにあと一席空いているという。
彼らも人数がいた方が一人分が安くなるので貴方もどう?と眼鏡君に薦められる。
これは何とも良いタイミングだ。砂漠に行くというのは素晴らしい。
あのダメ親父の隋さんの所で申し込まなくて良かった。
彼は色々と面倒くさそうだったし。。 -
《またまた中国人の大きな親切に触れる》
その後また町に戻ってブラブラしながら、今後の為にスペアのトイレットペーパーを探して彷徨っていると、一軒の雑貨屋を発見。
そこはいかにもトイレットペーパーが置いてありそうな雑貨屋なのに、置いていない。
しかしどうしても買っておきたかったので、暇そうに雑談している店員のおばちゃん達に腹が痛そうな仕草と紙で尻を拭くジェスチャーをしてみると、その中の一人のおばちゃんが合点がいったとばかりに着いて来いと手招きする。
店を出ると何とそのおばちゃんに手を繋がれ一緒にどこかへ連れて行かれる。まさかこんな中国の片田舎で中国人の見知らぬおばちゃんと手つなぎデートすること事になるとは!と思っておばちゃんに手を引っ張られ歩いていると、薄汚れたホテルに入っていき何やらフロントのお姉さんに交渉している。
どうやらおばちゃんは俺が今便意を催してると勘違いしてるらしく、ここに連れて来てフロントでこの人にトイレを使わせてやってくれ、とお願いしてくれたらしい。。
って俺は今したいんじゃないの!
今後の為のペーパーが欲しいの!
ってのが結局伝わらず、ホテルのフロントのお姉さんもニコニコと是非どうぞ、みたいな感じなのでとりあえずここで非常用に紙でも少しもらっておくか、とトイレの方に向かうと連れて来てくれたおばちゃんは満足そうに帰って行った。。
いや~、ここの人たちも本当にのんびりして穏やかで親切な人が多そうだ!
が、トイレに入ると、、肝心のペーパーが無い!、、、
ってとなりの個室は、、、
無い!
ってその隣も無い!、、、
結局トイレの中には全くペーパーが補充されておらず収穫はゼロだった。。
でも帰りにもフロントのお姉さんはスッキリした?とでも言いたげな満面の笑みで送り出してくれたのだった。。 -
町には少しずつイスラム文化が入り始めた。。
この徐々に文化がすれ違っていく様は、シルクロードを旅しているんだ👍という実感を少しずつ抱かせてくれる。 -
更に町をブラブラして夜市の方に行くと、人が結構出ており活気がある。並んでいる屋台の中からイスラム帽をかぶった親子がやっている店で羊肉の串焼きと、ビール&チャーハンを食べた。味は中々よかった。
これがこれから向かう中央アジアのメインの食事もこういう感じかな、と思うと悪くないな。 -
もうバスが無くなるので早々に宿まで戻る時の、途中の薄暗い砂漠の雰囲気はいい。
そして宿でネットをしていると、中国人でここに泊まりつつボランティアみたいなことしてる女の子と話をした。彼女はカナダに留学したらしく英語が良く出来、またここに来るまでに滞在した中国最西端の町カシュガルが大のお気に入りらしく、そこをやたらに押してくる。
よっぽど気に入ったらしく、いかに素晴らしい所かを語っている。ウルムチからカザフスタンを経由してキルギスに行くか直接キルギスに行くかまだ決めていないので、もし直接キルギスに行くならそのカシュガルも通るのでそれも楽しみの一つになった。
しかしここは皆親切で素晴らしい。
*写真:宿のすぐ近く。ラクダも行きかう。 -
《中国人旅行者に囲まれて砂漠の世界へ》
翌朝起きて宿の周りを散歩していると、砂漠の感じが何とも言えず雰囲気が良く、またラクダ使いがラクダの列隊を率いているところに出くわしたりと、のんびりと充実した時間を過ごせた。
そして宿のハンモッグでまったりしていると昨日お願いした、車で砂漠ツアーの時間になったのでフロントに向かうと、5分前にも関わらずもう皆集まっていて出発出来る感じだった。
昨日はレセプションの眼鏡君は、”明日の出発時間は一応12時なんだけど、中国人は時間にルーズだから他の人達が少し遅れても大目に見てね“みたいに言っていたのだが。。
今回は俺を入れて車をシェアするメンバーは4人。
運転手の隣には小太りの中年男性が一人、後部座席には20代半ばの女の子2人組が既に座っていて、プラス俺という面子。
眼鏡君が送り出しの際に、俺を指して皆に何かを言っていた。
おそらく、”この人は中国語が出来ないからフォローしてやってくれ“みたいな事を言っていてくれてたみたいだ。
こうして麗江以来の、
"中国人による中国人の為の、中国語のツアー”
が始まった!
そして助手席のおじさんは一人旅、後ろの女の子は北京から2人で一緒に旅行に来てるらしく、俺の隣の真ん中に座ってる子は新聞記者らしく、濃いメガネを光らせた昔の生徒会長タイプ、奥の子はふわっとした感じの結構好みの癒し系の女の子。
2人共それなりに英語が出来るようなので、助かったと思った。
特に奥の癒し系は結構上手にしゃべる。 -
《雰囲気ある映画村と空回りするオジサン・面白ろキャラを発見》
途中食べ物と水を調達し、最初に向かったのは古城を利用した映画の撮影所だった。40元と入場料は高かったが、ここは一発目なので入る事に。
何故か一人癒し系の子は入って行かなかった。
何でもここの撮影所は日本企業が出資したらしく、ここで中国の時代劇などを撮るみたいだ。また日本の”敦煌“という映画もこの撮影所で撮られたとのこと。
期待してなかったが、イキナリここは結構良かった。
門から城壁の中に入ると古い時代劇風の街並みが広がり、また城壁の上からそれを眺めると砂漠の中にぽつんとこの小さな撮影村がありいい雰囲気だ。
そしてちょうどこの城壁の上で同乗者の一人の例のおじさんと一緒になり、写真とろうか?とオファーするとうれしそうにカメラを渡してきた。
そしておじさんは同じような写真を角度を変え3枚とることをポリシーにしてるのか、殆ど同じ写真を3枚撮らされた。。。
そして今度は俺が取るよ、とばかりにカメラを交換し、当たり前のように俺の写真も角度を少しずつ変えて同じような写真を3枚ずつ撮っていた。。 -
*上から見た撮影村。
言葉は通じないがニコニコとお互いの写真を取る感じは何とも和やかで、これをきっかけにこのおじさんとも打ち解ける事が出来た。(今後全てのスポットでこの3枚撮りが延々と繰り返される事になるのだが。。) -
訪問者は少ないが、ここでは客が時代劇の衣装を借りて馬に乗って記念撮影をすることが出来たりして、子供連れの家族なんかは結構楽しんでいる。
俺はこの中国の古い町並みを楽しんだ。そして正門の逆側の外に出てみるとそこで撮影が行われていた。 -
あの良く三国志とかでみるような戦い前ののろしのセットもあり、ちょっとワクワクした。
今日の行程はおまかせなのでどこに行くのかもよく知らないが、しょっぱなから中々楽しめたぞ。
*のろしのようなセット。この後ろは何もない砂漠。。 -
これから戦いが始まるのだ❕❕
-
撮影隊。これからどんなシーンを撮るのだろうか?
-
撮影所を出て再び車に乗ると、その次の目的地は川沿いの岩壁に掘られた洞窟の壁画がある場所だった。
ここで癒し系ちゃんの体調が悪くなり、急きょ彼女は観光をキャンセルして別の車で宿に戻ることになった。
そしてドライバーが呼んだもう一台の車が来るのを待っている間、彼女は更に気持ち悪くなり吐いていたりして、きつそうだった。。
それを見て、どうしたらそういう発想が湧いてくるのか不思議だったが、例のおじさんが彼女の体調を心配してか、自分の荷物からゆで卵を出してきて彼女に差し出した。
、、、
っておいっ!
砂漠でゆで卵は無いでしょ!
しかも気持ち悪くて吐いている人に!
こんなカラッカラの砂漠でそんな胸焼けするパッサパサの食べ物を食べるわけないでしょ!!、、、
案の定介抱していた生徒会長に、
”そんなのいらないから“
とにべもなくふり払われ、行き場の無くなったゆで卵を俺の顔の前に差し出して来るおじさん。。。
本人は親切心でやっているのに空回りしてる姿を不憫に思った俺は、きっついなぁ~と思いながらもそのゆで卵を受け取り食べる俺。
そうするとおじさんは、旨いだろう!?といった感じで得意げにニコニコと俺を見て来た。
めっちゃ胸焼けするよ、俺も気分悪くなりそう。。
と心で思いながらも笑顔で有難うとお礼を返す俺。あー、気持ち悪い。これは砂漠で一番食ってはイケない食い物だな。。 -
そして例の癒し系ちゃんは無事新たに来た車にピックアップされ町の方に帰って行った後、そこからは運転手プラス3人で先を進む事になった。
*写真:この洞窟の中に壁画が描かれていた。
ただ、この後のゆで卵事件でここの事は印象が薄れ、一切覚えていない。。。 -
《砂漠の奥にも感じた、モンゴルの脅威の歴史》
もう途中から完全な砂漠の世界になり、周りに何もない。時折野生のドンキーの群れなどが横切ったりした。こんなところにも生き物がいて、一体どうやって食料を確保してるんだろうと不思議に思う。
写真:野生のドンキーに遭遇。まさにビックリドンキー?? -
そして次に行った場所は砂漠のど真ん中にある、漢代に建てられた関所だった。
ここに入るとまず、博物館になっていて当時の様子をガイドが説明するのだが、それを中国人観光客に交じって一緒に聞くが全然分からない。これ以降生徒会長に通訳を頼み彼女と良くコミュニケーションと取るようになった。(おじさんはマイペースでいつも一人でフラフラしている)
そして専用のトラックで建物の裏の奥側に行くと、高台に当時の関所があった。ここから北方面の荒野を一望出来るので、当時の難敵であったチンギス・ハーン率いるモンゴル軍の侵略を防ぐためだったと言われている。
こんな何もない所で延々と監視し、また水の確保などさぞ大変であったろうと想像出来る。そしてチンギス・ハーンのモンゴル軍は思った以上にここ中国では脅威として映っていたみたいだ。
*写真:何もない所に立つ関所跡 -
日本史では元寇くらいの絡みしかないが、中国では歴史上常にこの北からの脅威に悩まされてきたらしい。
また当時のモンゴル軍は本当に残虐で、色んな物を破壊し尽してきたとんでもない野郎どもである。(この後中央アジアでもその猛威の足跡を感じる事が多々あった)
{{中国と言えば今も昔も、帝国主義の万年いじめっ子という印象が強いが、今ではいじめられっ子側のモンゴルにこんなにも脅威を感じ震えあがってたなんて意外であった。}}
*こんな所から当時モンゴル軍の襲来にそなえて監視していた。 -
《更に砂漠の奥へ奥へ》
この後車は更に奥へ進み、この辺になると他の中国人の観光客などもめっきりいなくなった。
次もまた別の漢代の関所だったが、ここはただ何もない荒野の真ん中に風化した関所跡がポツンとあるだけで、寂しい印象だ。
*荒野の関所跡。前を行く生徒会長と、更に前を行く写真おじさん -
そして付近を歩いていると何やら遠くに鳥の鳴き声が聞こえた気がする。。?
こんな砂漠の真ん中にいるわけないと思い、幻聴でも聞こえて来たのかと思った。
それでもまた鳥のさえずりが聞こえたので、ちょっと高台に行ってその声がした方角を見ると、なんとそっちのほうにはまだ乾いていない湖みたいな水たまりが点々とあるのを発見した!
こんな所に水があるんだ!
そしてやはりさっきの鳴き声は空耳ではなく本当の鳥だったんだ!
その水たまりの周りに鳥が何羽が散らばっている。
あー、何かオアシスって本当にあるんだな、とちょっと感動した出来事だった。 -
その後途中でかの有名な万里の長城の西端のポイントに寄った。
北京では特に興味が湧かず万里の長城には行かなかったのだが、思いがけずこんな所でかの有名な万里の長城の端っこを拝めるとは。。
と言っても本当に崩れかけの壁がまばらにあり言われなきゃかの万里の長城などとは分からないが。。
*写真:これを万里の長城と言われても、看板が無ければ分からない。。 -
《砂漠の艦隊と荒野で見た人生ベスト3に入る夕日》
そしていよいよ最後のポイントのヤルタン国立公園に向かう
。
道中黒い色をした不思議な山脈が砂漠の向こうに見えたりと何とも幻想的な風情が濃くなって行き、日が暮れ始めて反射した岩山の景色などが美しい。
そして公園内に入り、小さな博物館見たいな所で映像を見せられ、そこから国立公園のバスに乗り換えメインの奇岩群のポイントに向かった。 -
ポイントにつくと、そこは見事に道の左側に同じ方向を向いた細長い奇岩が並んでおり、別称の”艦隊“にふさわしい景観だ。本当に綺麗に岩々が一定の方向を揃って向いており艦隊そのものだ。
そしてこれも不思議な事に道の右側には一切岩がなく完璧な砂漠が広がっている。何でこんな風になったんだろう、風化で岩の形が揃うのは何となく想像がつくが、なんで一か所に固まって岩が並んでいるのかはさっぱりわからない。
*写真:奇岩群の上から砂漠を望む。。 -
そこの岩に上ってみると見事に遠くが見渡せ、まさに見渡す限り一面の砂漠だ!
こんなに砂漠砂漠した景色は始めてかもしれない。ここはオーストラリアの”レッドセンター“と呼ばれる赤土の砂漠とは全く違い、グレーの砂が広がるいわゆる子供の頃イメージしていたそのまんまの砂漠の世界が広がっていた。
写真:子供の頃に夢見た、"ザ・砂漠" -
これぞ砂漠の艦隊。不思議だ。。
-
今回の車の旅は薦められて事前の知識がゼロのままノリで参加したが、何も期待してなかったけどそれぞれのスポットが今まで経験した事ない魅力があり、本当に良かった。特にこの最後のハイライトのスポットは一番だ。
そして沈んでいく太陽と共に徐々に色を変えていく岩々が印象的だ。そしていよいよサンセットタイム。
思えばこんなに砂漠のど真ん中で夕日を拝んだことはない。海に沈む夕日は今まで腐るほど見てきたが、やはり地平線に沈む夕日は格別だ!
特別感が半端ない。皆テンションが上がりここでも例のおじさんと写真の取り合いが始まった。
常に冷静な生徒会長もここではちょっとテンションが上がり顔が上気している。微妙に雲も出ているが、最後も何とか太陽が顔を出し満足のいくスペシャルなサンセットだった。 -
そしてここでサンセットを見ながら思ってたことは、このままここで火を起しキャンプファイヤーしながら星を見てテントで寝たら最高だろうなーということだった。今回はこのままみんなで車で宿に帰らなければならないが、いつかこうゆう所に自力で来て思う存分星を眺めてキャンプがしたいと強く思った。
それくらいここは素晴らしかった。
ここにまだ居たかったが、もう9時を過ぎているで(北京時間を中国全体で採用しているため夏の日の入り時間は遅い)名残惜しいが車で帰路へ。
車の後部座席から無理やり上を向くと車内からでもやばい程星が見える。
南半球に住んでいるので、久々に北斗七星をくっきりと見た。
どこか5分でも車を止めてもらえば良かったが、なにか言い出せずそのまま帰ってしまった。
ここで見ていればもしかしたら生涯最高の星空だったかもしれないのに。。 -
そして車はどんどん飛ばし町に戻って行ったが、途中かなりまだ町まである所でガソリンランプがつき始めたので、ここでガス欠で車とまったらどうなるかな?火でも起こして助けを待つのかな?などと想像したらワクワクした。
が、結局無事に何事も無く町に着き、マイペースな食いしん坊のおじさんの提案でヌードルを食べ、そこでラーメンを食べている間に先に帰ったドライバーの友人のタクシーに乗せて帰ってもらった。宿のまわりも星が結構見え綺麗だった。
今日お世話してもらった感謝を述べ生徒会長と別れ、部屋の外でボーっと涼んでいると、ロッチ中岡似のロンゲの宿のオーナーが何か俺に言っている。
アドバイスを伝えようとしているみたいだ。結局彼は少し空いている俺の部屋のドアの隙間から、蚊が入って来るから閉めた方がいいとアドバイスしてくれに来ただけだった。。その為だけに5分以上ジェスチャーで一生懸命に諦めずに伝えてくれたのだ。。
なんという親切だろう。言葉の分からぬ俺にジェスチャーを何度も繰り返しただ蚊の事を心配してくれ、伝わるまでひたすらジェスチャーを繰り返すその心意気。
ここは本当に親切な人ばかりで、今日一緒に行ったドライバー、同乗者共に皆いい人達でいい所だなーとつくづく思った。今日は中国に来てから一番幸せな日だったな。
またここにはいつか来たい。。 -
《宿のすぐ隣に幻想的な光景が広がっていた》
翌朝はのんびりと昼までネットしたりして過ごした。そしてチェックアウトした後、歩いて宿のすぐ隣の砂漠にある、月牙泉という観光スポットにいった。
120元という高い金を払って中に入ると、そこはイキナリ一面白砂の砂漠地帯が広がってた。ここの場所を有名にしている理由は、この砂漠地帯にポツンとある三日月型の自然の泉である。
実際になぜこんな乾いた砂漠の中にそこだけポツンと水があり、また何万年も乾かずそして全く形を変えずに泉が存在するのか、未だに謎は解明されていないらしい。
中国に来るまでその存在すら知らなかったが、写真で見るとインパクトは有りそうだったので興味を持っていた。
さぁ、実際はどうなんだろう。とりあえず砂漠に入り月牙泉の方向に向かって歩いて行く。途中砂山を何か所か越えて行かなきゃならない。ここではラクダに乗って観光出来るらしく、ラクダの陳列が砂漠をゆったりと行く様はなかなか風情がある。 -
歩いていると一際大きな砂山に登って行く人達がいたので俺もそれに習いその山を登って行った。今日は雲一つない快晴で、その下に延々と広がる砂漠とのコントラストがヤバい。
昨日とはまた違った砂漠の風景に引き込まれながら登って行ると、右側の眼下にあの月牙泉が目に入ってきた。なるほどこれか。
確かに何もない砂漠にポツンと不自然に三日月方の泉があり何とも不思議な光景だ。そしてそのとなりに寺院が立っている。やはり見るならこの上からの角度が良く見下ろせていいな。
*写真:上から見た月牙泉。
こんな砂漠の中に、何故永遠に枯れない泉があるのかは誰も知れない。。 -
ここまで来たのでこの山の頂上までいってやろうと進んでいくが、徐々に角度が切り立ってきて、左側を見るとものすごい鋭角な角度で山肌が下に伸びていて、砂とは分かっていてもその鋭角さに高所恐怖症の俺はビビって足がすくんだ。
-
下に戻るのも怖いし、上にこのまま上り続けるのも怖い。どうしようか軽くパニックになりかけたが、頂上にはさっき自分が登る前に登ってるのを見たカップルがいるので自分を落ち着かせそのカップルを目指してゆっくりとペースを崩さずにひたすら頂上だけを見て登っていった。
上の方に行くと徐々に崖が緩やかになっていったので上りやすくなり恐怖心も消えた。
そしてようやく登り切り達成感と恐怖心を乗り越えた自分をほめたくなったが、ふと我に返るとこんな大した高さもないしかも砂山に何ビビってんだ!というもう一人の自分の叱咤する声も聞こえてきた。。 -
《砂漠の真ん中にポツンと浮かぶオアシスの、不思議な湖の眺め》
ただ周りを見渡すと一面砂漠と青空が広がり、また西の方向には町まではっきりと見えこれは絶景だ。頑張って登ってよかったと思い写真を撮りまくってしまった。
そして帰りは来た道ではなく、月牙泉方面にショートカットしようと右側のゆるやかな崖を一気に降りていったら、砂が思ったより柔らかくどんどん体が沈んでいき、下に降り切る前に体が埋まってしまうんじゃないかというまた別の恐怖感が襲ってきた。中々下に辿り着かず、必死に埋まらないように足を持ち上げ早く回転させ最後は足がもつれて殆ど這いつくばりながらようやく下に降りる時が出来た。
そして思わず倒れこんでしまった。何やってんだ、俺。。
*砂山の頂上から見た景色。う~~~ん、、、広い❕ -
パンツにまで入り込んだ砂を全て出し、仰向けに寝転んで見上げた砂漠の山と青空のコントラストは最高に素晴らしい。
しばらく見入ってしまった。しばらくボーっとして砂漠と青空を眺めていると本当に敦煌に来て良かったな、と思った。ここは本当にゆったりした時間が過ごせる。
*テーマは、"砂・空・人" -
そして今度は歩いて月牙泉を近くから見てみた。間近でみると水は思ったより綺麗ではなく、濁ってはいるが小魚も泳いでいたりする。この湖は少し離れた所から見るのが一番美しい。
心行くまで砂漠と空とオアシスを堪能して、大満足で宿に戻った。
写真:この~木、何だっけ?? 何か歴史的に意味があったような無かったような。。 -
間近で見た月牙泉の水。離れて見るのが一番❕❕
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やっぱりこのくらいの距離が一番綺麗😍
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《再び移動? ついに中国西の果て・ウィグル地区へ? 駅への道中道がひど過ぎて、DSを失くす》
宿に荷物を取りに戻ると、新たにチェックインした外国人の旅行者が一人いた。
アクセントからフランス人(のちに実際はイスラエル人と判明)だと思われるやつで、こいつもこれからウルムチ経由で中央アジアに向かうらしい。
ただこいつは月牙泉にもフェンス乗り越えて金を払わず入ったり、しゃべり方からも現地人にリスペクトがなかったりして、典型的なダメなタイプの欧米人パックパッカーだと思った。
(のちにこいつとウルムチで再会し、また更にその先二人で2週間弱も一緒にキルギスで奇妙な経験を共にし、ディープな旅をすることになるとはこの時は想像だにしてなかった。。)
そして夜7時になったので宿を出てバス乗り場まで行った。
今日はまた寝台でウルムチまで向かうのだが、駅までは大分距離があるのでバスにのろうとしたらタクシーか乗合いのミニバスしかなかったので、とりあえずミニバスに乗る事にした。
まだ客が俺しかおらずもう少し他の客が集まるまで待つらしい。確かに一回車を動かすのに一人では大赤字なので、待つのはこういう国のシステムではしょうがないけど、果たしてそんなすぐ集まるのかな?
案の定9時まで待たされたが誰もこないので俺一人で出発し、途中で4人組をつかまえて向かっていった。道路はものすごいラフロードをかなりのスピードで飛ばして行くので冗談抜きに大きな穴にぶつかる度に体が5㎝程浮き上がり頭も天井に打ちまくる。なんて乱暴な道と運転なんだ。。
駅に着くころには荷物の中身が散乱しまくっていて危うく眼鏡をなくすところだった。(後で気づいたが、長距離移動に重宝していたDSをこの移動で紛失してしまった。おそらく車の中ではなく空いていた窓の外に吹っ飛んで行ったと思われる。。)
今までと違いここの駅は田舎の駅といった感じで外国人も殆どいなく、どこのホームに行っていいのかもよく分からず地べたに人が座ってたりしている。ここには埃っぽくごみごみした、従来の発展途上国の姿があった。自分のベッドは中段だったが、やはり狭い。上か下がいいな、やっぱり。
この電車が終点に着いた時には、そこはウルムチだ?
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スマホ無しの冒険 中国~中央アジア行き当たりばったり旅⑨~カオスな国境越え 中国からカザフスタンへ
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑩~カザフスタン・アルマティ~ ローカルライフ体験
2011/04/28~
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑪~カザフスタン・東部山岳地帯 旅人に会わない山奥
2011/04/28~
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑫カザフスタン・ヒッチハイク~遊牧民テント突撃訪問
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑬カザフスタンからキルギス入国して小さな楽園を発見
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり⑭キルギス編~カラコル・まさかのホテルをヒッチハイク
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イシククル湖周辺
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり⑮キルギス編アルティン・アラシャン~桃源郷と波乱の旅
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑯キルギス・超ローカルな名も知らぬ村を彷徨い~民泊
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑰キルギス最後の怪しい宿を経てウズベキスタン国境へ
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑱ ウズベキスタン入国❕ ガラッと変わる世界...
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑲ 寝台列車で古代都市・ブハラへタイムスリップ
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ブハラ
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅⑳ 砂漠のオアシス・ブハラの旧市街を満喫
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅㉑ ウズベキスタン随一の名所・青の都サマルカ...
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サマルカンド
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅㉒ウズベキスタン~天国への階段&奇妙な結婚式...
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅23・ウズベキスタン~城壁で囲まれた城塞都市ヒバへ
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅㉔ウズベキスタン~荒野にそびえる砂漠の要塞を...
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スマホ無しの冒険 シルクロード行き当たりばったり旅㉕最終章ウズベキスタン~旅の終わりがやって来...
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