2011/04/28 - 2011/09/03
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DavePerthさん
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2011年にオーストラリアの永住権取得記念として、夢だったシルクロードを中心とした旅の記録。
4か月以上に渡る旅で、シンガポールからスタートし、ベトナムから陸路で中国に渡り、中国の南部から広東省・北京を経て中国横断を開始し、そのまま中央アジアのカザフスタン・キルギスタン・ウズベキスタンと続いて行った旅だった。
この旅がスマホや翻訳・地図アプリなどに一切頼らない、最後の時だったと思うので、自分にとっても本当に貴重な体験が多かった、最後の聖戦でした。
《ちょうど2011年はスマホへの移り変わりが加速していく変換期だったと思いますが(自分は2012年からスマホを使用)、この旅ではスマホを使用していなかったので、最後のネット情報にも一切頼らない、その場で切り開いていくスタイルの旅だったのでかなり行き当たりばったりで、それが故に色んなハプニングやローカルの人達・他の色々な国の旅人達との濃~~いエピソードに溢れまくってます。》
出会った人達との、楽しかったり迷惑だったり恥ずかしかったりした色々なハプニングやエピソードのことなども折角なので隠さず赤裸々に書いて行きたいと思います。(最近あまりそういう旅行記無いと思うので。。。)
今となっては自分のスマホにも地図アプリの他にも宿予約サイト・翻訳アプリなどが詰まっている。。。
今は安宿まで予約を入れてしまう時代となり、どんどん自分達で旅の可能性を狭めていってしまっているのかも知れない。。。ネットが発達したからって便利になれど、希少な体験が増えたり行動範囲が特に広がっているとも思えないし。。
なので、この旅行記はそういう旅を心底楽しんでいた自分へのレクイエムと、これからの時代には中々味わえない先の分からないワクワク感の強い旅を、読んでくれた人がヴァーチャル・リアリティ的に楽しんでもらえれば幸いです。
旅の内容は一人旅で非常に濃く、前半の中国入国から西安まではおとなし目の普通の個人旅行といった感じですが、敦煌辺りの中国の後半から中央アジアに入ると旅はドンドン波乱に満ちてきて、ヒッチハイクからの縁を中心に名も知らぬ村でのローカル民家滞在や山奥でのキャンプ、荒野で食べ物・飲み物なくなり遊牧民に助けられたり、どこかの結婚式にいきなり合流、などの出来事の連続でローカル文化との濃~~~い触れ合いの連続で延々と終わらないジェットコースターに乗ってしまったような非現実感の強い空間をフワフワしてました。
旅中に出会い一緒に行動し、色んなハプニングや漫画のような体験を沢山共にした、濃~~いキャラクターの色んな国の旅人達も多々登場?
そんな人生の大きな思い出の旅の軌跡を少しずつアップして行きたいと思います。
旅の始めはウォーミングアップとしてシンガポールに3泊して、ベトナムに渡り日本からの友人と数日過ごした後中国に渡りそこから本格的な一人旅が始まったので、今回はシンガポールとベトナムは省きます。
第3回は、中国・雲南省の歴史的古城地区で有名な麗江付近での、中国人だらけの完全アウェー・ハイキングツアーに潜入
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
朝、部屋のドアをドンドンと叩く音で目が覚めてドアを開けると、プリスが準備が出来たらすぐ出発しよう、とのたまう。
そう、この日はプリスが前日に申し込んだ虎跳狭のハイキングツアーに参加予定だが、何でも昨晩夜遅くに旅行会社から電話があって出発時間が早まったらしい。
急いで支度をして集合場所の広場に向かったが、人もバスも多すぎてどのバスに乗るのか分からない。。
プリスが我がガイドと思われる、サッカー元日本代表の野人・岡野をちょっと小太りにして極端に凶悪にしたような顔の奴にバスを確認して乗り込むと、やはり乗っていたのは中国人しかいない。。。
そう、本日俺は、“中国人の、中国人による中国人のためのツアー”に潜入したのだ?
どんなツアーになって、皆どんな感じなんだろうとワクワク半分、それとプリスの通訳なしには何一つ分からないであろう、完全アウェーの居心地の悪さ半分といった所か。
そしてやはりこのツアーのガイドはさっきの“野人”で、ものすごく横柄で偉そうにふるまっているのだが、元々中国人のサービスの観点は違うのかと思ってしばらく様子を見ていたが、プリス曰くどうも本当に非常に態度が悪いだけの男らしく、中国人の彼女でも信じられないといった様子。
何かよくわからんが、道中このガイドはまくしてるようにしゃべってたかと思ったら、急に客を怒鳴りつけてふてくされて黙ってしまった。。。?
何事かとプリスに聞くと、後方の席の客が何人か寝てしまいガイディングを聞いていないので、
怒ってもうガイディングはしない!
と黙ってしまったらしい。。
何を言いさらしてんだ、この野人は?
では他の聞いている客の事はいいのだろうか?
そもそも話は面白かったのか?
びっくりなのは中国人客の態度である。。。
そんなキチ○イ野人ガイドに誰も文句を言わず、黙っておとなしく従っている。これが欧米人相手の英語ツアーだったらこの時点でツアーは無茶苦茶、そして全額返金だろう。。。
こんなんでもおとなしくついて行くのは、やはり元々の共産圏のサービスの在り方もあるだろうが、中国の人達のツアー=レジャーに対する経験が浅いからか、知らない場所に現地の慣れた人に連れて行って頂く、という感覚が強いのであろうか、、、?と想像する。
なのでまだそこが発展途上なのか、サービスの供給者>消費者という関係がまだまだこういったアクティビティでは根強そうだ。これはこれで面白いものが経験出来ているのかも。。。
う~~ん、中々興味深いな、、、このアウェーツアー潜入は。。 -
バスは途中博物館や大きな河沿いで休憩したが、そこが地理の授業で習ったかの有名な長江である事を知った。
本当に何も調べてないな、俺は。。長江と黄河とあとなんだっけ?中国の大きな河って?
*写真の河川がかの有名な“長江”であるとはここに来て初めて知った -
隣接した博物館にあった雲南省のトンパ文字と言われる象形文字。
西洋人から見たらこの昔の象形文字も今現在の漢字も全部似たような物なんだろうか。。。 -
山の中腹のレストランでランチを食べた後、バスは崖の切り立った山道を行き、目的地のTiger Leaping Gorge(トラが跳ねる谷)についた。
ここは標高いくらかだか知らないが、周りは高い山に囲まれて、景色は抜群だ。 -
このトレッキングは行きが下りで谷の一番下まで降り、そして帰りが上りで出発地点まで登る行程だ。道は舗装されておらず、ちょっとデコボコでそんなに歩きやすいわけではないので、運動不足気味の中国人観光客達にはきつそうに見える。
-
雄大な自然に囲まれてのハイキングは久しぶりなので、気持ちいい~~~😁🏔
-
段々畑が眼下に望める
-
登山道を下っていると、深い谷底が見えてきた。
あれが“虎が跳ねる谷”に見える時が来るのだろうか。。。今のところ俺の想像力はそこまで達していない。。 -
我がバスの他にも何台か来てるので、コースは渋滞して歩く人の行列が出来てプリスのペースも遅いので、俺はのんびりと写真を取りながら歩いた。
-
途中皆ペースがばらつき出したので、歩きやすくなった。
この国は歩く時まで渋滞するのかと人口密度の高さに辟易した。
どんどんペースが上がり下に降り続けていると、谷底がようやく見えてきた!
あともうちょっとで下のゴールだ -
トレッキングのゴールである一番底の谷底は、すぐ眼下に迫力ある長江の激流を見下ろし、また見上げれば切り立った峻険な山々がそびえたつ、という大迫力。この激流に落ちたらすぐさま超大型洗濯機に飲み込まれ生きて帰れないだろうな。。
ここで落ちた人間は今まで何人いたのであろうか。。考えたくない。。。 -
ようやく一番下の谷底に到着し、皆思い思いに時間を過ごす。
上を見上げれば峻嶮な山々が神々しい。
今回はただ中国人ツアーに面白がって参加しただけだが、また別に機会にこの辺にこられたら、更に奥地に個人で数日掛けてトレッキングとかをしたら面白そうだな、この時思った。
近辺の村には少数民族が住む村とかも多いだろうから、そういう村を巡る数日間のトレッキングとかがいいかもしれない -
どこに虎が跳ねているんだ。。。❓
よく岩とかを動物の形とかに例えられている場所が世界中にあるが、俺は想像力が乏しいのか、正直殆どそういう所でピンと来たことがない。。。
ただ、景色は素晴らしい。。。それでいいじゃないか -
目の前に迫る激流に飲み込まれそうになる。
しばらくこの谷底で時間を過ごし、帰りの時間になった時、あの“野人”は上半身裸で、脱いだTシャツを頭の上で振り回し口笛を吹いて客に合図をし登り始めるよう促していた。。。
客は家畜か。。
(プリスに聞いて分かったが、彼はこの辺の山奥の山岳部族の出身で、動物と共に育ったらしい。雲南省のターザンといったところか。) -
帰り急こう配の登りが続くので、皆きつそうでフラフラになりながら登っていた。
プリスも途中までは気丈にふるまっていたが、どうやらやせ我慢だったらしく、最後は腰砕けで這いつくばるようにゴールした。。。
お疲れさん。 -
いやしかしガイドは理解を超えた頭の回路を持つ現代人からかけ離れた野蛮人だったが、トレッキングは景色も良く爽快だったし、何より中国人による中国人の為の中国語ツアーを体験して色々観察出来て面白かった!
-
ツアー帰宅時が夜7:00頃だったので、そのまま近くの賑わうレストランで食べた。ここもローカルフードを扱うレストランらしく、ヌードル・混ぜご飯・コンニャクみたいな物・マーボーに似た豆腐料理などどれも美味しく、中国来て今の所一番美味しかったかも。
となりのテーブルでは日本人の年配男性2人組が日本語を話す中国人ガイドと飯を食いながら、政治の事などを語っていた。久々に聞いた日本語だったが、何故か今回の旅では有名所も行ってるんだけど、日本人を殆ど見かけない気がする。やはり若年層の旅行者、とくにバックパッカーが減ってるんだろうか?
これはこの年の3月に起きた東日本大震災の影響だけではない気がする。。
-
翌日は午後からプリスと行動する約束をしていたので、朝はゆっくりとインターネットをやったり一人で担々麺を食べたりして過ごした。
ちょうどこの日で旅に出て2週間で、たった2週間しか立っていないのに、ケアンズで過ごしていた日常が遠い昔みたいだ。
でも2週間でこんなにもケアンズの事がすっかり遠のいてしまうのは、やはり旅のこの2週間に色んな事が有り、充実していたからだろう。
人生もいつもこんなにいろんな事があってエキサイティングだったらさぞかし充実して長いものになるのだろうに、なかなかはそうはいかないね、、、などと少しこの2週間を感傷的に振り返ってみたりした。
プリスと合流し、この日はまだ訪れていない、旧市街の丘の上のほうにある寺や塔などを見て回ることにした。
それにしても中国のこういった場所の入場料は異様に高い、そしてつまらない。普通の生活を見たり町を歩いたりした方がよっぽど楽しい。この昼間の観光で唯一良かったのは塔に上って町を見下ろすと、見事に旧市街と新市街がくっきりと分かれているのが見えた事だった。 -
これが塔の上から見下ろした、旧市街側。
-
そして新市街側。
このコントラストは見事❕としか言いようのない程ハッキリと分かれていた。 -
付近にあった、小さな寺院の中の部屋。
やはり日本の仏塔とは感覚が違うようだ。。。
ありがたみが。。 -
ちょっと一休み。。。
白雪茶とメニューに書いてあったのを注文。
香りもパンチが効いていなくて、微妙な風味なのを曖昧に爽やかな名前でごまかされている気がした。。。 -
昆明の街にも吉野家は見たのだが、そっちはちゃんと本家と同じようなメニューだった。
しかし、、、ここの吉野家はメニューが一段と風変りというか、オリジナリティ溢れていると言ったら良いのか。。。もはや本家と何も関係ない気が。。。これはもしやこの国のお家芸である、パ〇リ店舗か😱❓❓
、、、いや、何も見なかったことにしよう。。翌日には俺の記憶からは飛んでいるはずだ。。。 -
町に戻ると適当なこぢんまりした食堂でまつたけのスープ・ライスソーセージ・魚の揚げ物などのディナーを満喫(まつたけのスープは味がうすく微妙だったけど。。)
*麗江最後の晩餐
見た目はあれだが、黒いソーセージの味は中々だった。 -
今日が2人共麗江最後の夜なので出会った記念に2人でお揃いの物を買おうという話になった。
結局何がいいか決まらずに、それでは指輪を買おうと提案するとプリスは、
"指輪は普通恋人同士がペアで買うものだと思うけど、、、でも私は気にしないけど”
と、実は非常に気にした感じで戸惑っていた様子だったが、とりあえず他の案も無いので店を回り探してみる事にした。
なかなかサイズや気に入ったものが見つからず、何件か探してようやくペアの物を買った(これはすぐにのちの旅中に割れてしまうというオチだったが)。そしてまだ行っていない旧市街の南端の方まで足を延ばし最後の散策を心残りが無いように楽しんだ。
帰り際にこの雰囲気に気分も俺の中だけ勝手に盛り上がり、ちょっと調子に乗って勇気を出してさりげなく手をつないでみたが、プリスの方がそれはちょっと、と軽く拒否感があったので手をひっこめた情けない俺。。。
あ~、恥ずかしい。。😳いい歳して。。。 -
そして宿に戻り夜が遅かったので、少し話してそれぞれの部屋に戻って寝た。
今回はこのプリスと出会ったおかげでこのハネムーンカップルだらけの麗江を一人寂しい思いをせずに十分満喫出来、色々ハイキングや中国人の中に入ってツアーを体験出来たり、通訳など助けてもらって本当に感謝している。
何より彼女の人柄が良く、軽いロマンチックなシチュエーション(俺が思っているだけか?)の中でいい時間を過ごせた。またいつか是非再会出来たらと思う。
謝謝、プリス。
せめて俺の事は一年くらいは覚えていて欲しい。。
そして、観光地には普段あまり心が引っ張られない俺も、ここ麗江では何か昔から探していたような、懐かしさと新鮮な刺激が同居した不思議な興奮の中で印象に残る滞在が出来た。
さあ、明日からどんな旅が待っているのか。。?楽しみだ??、、、、、
と言いたいところだけど、もう翌日広州に行く事が決まっており、そこに行ってお世話になる人が問題と言うか、出来れば今からでもキャンセルしたいくらい会う事が面倒で、非常に不安な予感がするのであった。。。
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