ニューヨーク市のブロンクスは、一時期アメリカ国内のみならず、国際的にも治安が悪い所として知られていました。ニューヨーク市内の中では、近年治安が改善されてきたマンハッタンと比べると、まだ治安がよくない方だと思われますが、それでも一時期に比べると大分よくなってきています。<br /><br />ブロンクスの中でもハドソン川沿いに位置するリバデールは、昔からブロンクスの中でも緑が多く、比較的安全で、住みやすい地域として人気があり、1960年代～1980年代にかけ、日系企業の駐在員が多く住んでいました。リバデールには多くのユダヤ系の人が住んでいますが、1950年代、1960年代あたりまでは、ブロンクス全域に多くのユダヤ系の人が住んでいました。リバデールの小学校では過半数を占めるユダヤ系のJewsと日本人のJapaneseの生徒の略称として、「J.J.」と言われていたのを聞いたことがあります。<br /><br />ニューヨークへ旅行をして街歩きをされた方ならば、マンハッタンでユダヤ系デリカテッセンを目にしたことがあるかもしれません。ユダヤ系デリカテッセンの由来は、19世紀後半から20世紀前半に主に東ヨーロッパ各地からニューヨークに渡ってきたユダヤ系の人が持ってきた食文化にあります。様々なユダヤ系コミュニティの食文化が融合し、コーシャーデリと言われるレストランのかたちで、ユダヤ教の戒律・慣習に沿って調理された食品を提供するところに特徴があります。<br /><br />1950年にはブロンクス区だけで、100店を超えるユダヤ系デリカテッセンが存在しましたが、今では2店しか残っていません。そのうちの一つがリバデールにある「Liebman’s Deli」です。たくさんのお店が閉店してしまった中でなぜこのお店が今でも支持されている理由ですが、昔ながらのメニューや食品の調理方法を変えていないところにあるとネットで読んだことがあります。この点は、ニューヨークのイーストビレッジにある同じく老舗のKatz’s Deliとも通じるところがあり興味深いですね。

ニューヨーク・ブロンクス発の老舗デリカテッセン「Liebman’s Deli」～ブロンクスのリバデールに残る数少ないユダヤ系デリカテッセン～

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2017/10/22 - 2017/10/22

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Antonioさん

ニューヨーク市のブロンクスは、一時期アメリカ国内のみならず、国際的にも治安が悪い所として知られていました。ニューヨーク市内の中では、近年治安が改善されてきたマンハッタンと比べると、まだ治安がよくない方だと思われますが、それでも一時期に比べると大分よくなってきています。

ブロンクスの中でもハドソン川沿いに位置するリバデールは、昔からブロンクスの中でも緑が多く、比較的安全で、住みやすい地域として人気があり、1960年代～1980年代にかけ、日系企業の駐在員が多く住んでいました。リバデールには多くのユダヤ系の人が住んでいますが、1950年代、1960年代あたりまでは、ブロンクス全域に多くのユダヤ系の人が住んでいました。リバデールの小学校では過半数を占めるユダヤ系のJewsと日本人のJapaneseの生徒の略称として、「J.J.」と言われていたのを聞いたことがあります。

ニューヨークへ旅行をして街歩きをされた方ならば、マンハッタンでユダヤ系デリカテッセンを目にしたことがあるかもしれません。ユダヤ系デリカテッセンの由来は、19世紀後半から20世紀前半に主に東ヨーロッパ各地からニューヨークに渡ってきたユダヤ系の人が持ってきた食文化にあります。様々なユダヤ系コミュニティの食文化が融合し、コーシャーデリと言われるレストランのかたちで、ユダヤ教の戒律・慣習に沿って調理された食品を提供するところに特徴があります。

1950年にはブロンクス区だけで、100店を超えるユダヤ系デリカテッセンが存在しましたが、今では2店しか残っていません。そのうちの一つがリバデールにある「Liebman’s Deli」です。たくさんのお店が閉店してしまった中でなぜこのお店が今でも支持されている理由ですが、昔ながらのメニューや食品の調理方法を変えていないところにあるとネットで読んだことがあります。この点は、ニューヨークのイーストビレッジにある同じく老舗のKatz’s Deliとも通じるところがあり興味深いですね。

エリア

ブロンクス(アメリカ)

旅行の満足度: 5.0

「Liebman's Deli」はリバデールの中では、ちょっとした商店街を構成するJohnson AvenueとW235 St.の交差点のすぐ近くに位置しています。

土地感がない人は、事前に少し下調べをしてから、ここまで来ることをお勧めします。まあ、今の時代、Uberを利用したら、簡単に辿りつくことは出来ますが、地下鉄を利用して歩く場合は、少し迷うかもしれません。
この店構えは、ニューヨークの老舗感をたっぷり出しています。
このボットドッグのソーセージもコーシャーの戒律に従って、作られたものです。

ちなみにアメリカのホットドッグのソーセージはコーシャーの影響からか、ポークではなく、ビーフソーセージが主流です。
店内の雰囲気もタイムスリップをしたかのようで、いいですね。食事をしている周りのテーブルの人の会話を聞いていると、リバデールに住むユダヤ系の人であることは何となく察しがつきました。ただ、皆が話す言葉は英語です。これが例えば、1920年代、1930年代ならば、東ヨーロッパの言葉で話したり、訛った英語で話す人ばかりなのかと思われます。
メニューの表紙もいいですね。
メニューを見ると、サンドイッチやホットドッグ等、今でもニューヨークで食べられているものがずらりと並んでいます。

ただ、最近はやはり健康志向になってきているので、昔に比べると、ニューヨークではヘルシーな品揃えが増えてきていると思います。
ニューヨークのダイナーでもよく扱っているものがあるのに気づきました。
60年を超えて、飲食店を継続するのはかなり大変で、Liebman'sも昔ながらのこの業態を継続していくことに情熱を捧げられる人がいたからこそ、今でも営業しているのだと思います。
さて、この日注文したのは、Katz Deliでも有名で、ニューヨーク名物として知られているパストラミサンドです。
コールスローです。

何もコーシャーに限らず、アメリカで一般的に食べられている食べ物です。日本だと、KFCのメニューで知っている人が多いのではと思います。
このようなかたちでピクルスが出されるのは、コーシャーデリでは一般的です。

浅漬けとそうでないものの二種が出されました。
パストラミサンドはコーシャーデリでは定番ですが、ニューヨーク名物のひとつと言ってもよい食べ物です。

パストラミは、冷蔵庫がない時代にユダヤ系の人がお肉を塩漬けにして保存食として扱っていたのが由来です。
サンドイッチというよりも、肉をがっつり食べる感じです。

パストラミサンドでは、ライ麦のパンを使うのが一般的です。パンには普通マスタードが塗られています。

がっつりお肉を食べたい時には食事としていい選択だと思います。
光の反射により、いいショットを撮れませんでした。
リバデールの街は数回歩きましたが、別の日にもLiebman'sで食事をしました。
今でもデリカテッセンと称する飲食店はニューヨークにありますが、KatzやLiebman'sのように老舗感を維持しているところは数少ないと言えます。
前菜のように出されるコールスローとピクルスは毎回同じです。
この日注文したのは、ビーフブリスケットのオープンサンドです。

ライ麦パンの上にお肉がのっています。マッシュポテトとグレービーソースが付きます。

お腹はパンパンになり、残念ながら完食出来ませんでした。
近辺の商店街に入居しているお店の外観は昔から大きく変わっていないと思いますが、テナントは何度も入れ替わっているのではと思います。