2019/01/15 - 2019/01/15
72位(同エリア282件中)
SRさん
タクシーを降り、薄明りのコルカタを歩く。歩いていると定期的に鼻をつくアンモニア臭。カラスが独特の乾いた声でけたたましく鳴きわめき、渦を巻いて空を埋める。
明るくなると、もう少し様子が明らかになってくる。黒光りするような皮膚に、まるで骨と皮だけのような体のリクシャーワーラー。汲み取り式のポンプを引っ張って大胆に水浴びをする人も見られた。
街は生活というより、生存競争の場でもあるようにも見えた。心細さと睡眠不足も重なって、完全に雰囲気に飲まれる。そんな中を荷物を背負って彷徨うのは不安だったし、何より徹夜だったので、どこかの宿に飛び込んで早く寝てしまいたかった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 2.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- タイ・エアアジア
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
深夜1時過ぎにコルカタの空港へ到着。
入管のおじさんにパスポートを見せると、「おっビサか・・・」と意外な顔をした。
「インドは初めてかね?」と一言だけ質問をされた。もちろん初めてだ。ネータージー スバース チャンドラ ボース国際空港 (CCU) 空港
-
経験上、初めての国に入国したときは、どこかで買い物でもして一度コミュニケーションを成り立たせておくと、慣れが早まる(ことがある)。
そこで、スタンドでチャイを注文してみた。
紙コップのお湯にティーバックが浮いているだけのもので、60ルピー。 -
安全のために、空港のベンチで朝まで粘る。とはいえ、ただ座っているにも限度があり、朝5時に意を決して出発することにした。
そしてプリペイドタクシーのカウンターの男に、サダル・ストリートに行きたい旨を告げる。
「790ルピーだ」
「300ルピーで行けると聞いてますけど?(本当は290ルピー)」
「じゃ340ルピーだ」
やれやれ、と思い500ルピー紙幣を渡すと、戻ってきたのは60ルピー。
もう一枚、と促して残りの100ルピーが返ってきた。
・・・と納得しかけるも、よく見ると紙幣にボールペンの落書きが。今一度、ジェスチャーで紙幣を交換してもらう。
男に悪びれた様子は見られず、まるで旅行者を品定めするかのようだった。 -
チケットを持ってターミナルを出ると、もう後戻りはできない。
周囲から男たちがわらわらと集まって来る。
チケットを見せると、
「あの車だ」「おい、客が来たぞ」
と、該当する車内で寝ていた運転手を起こしてくれた。 -
安宿街のサダル・ストリートで宿探し。
一軒目は「Hotel Shams」。
値段は確かシングルで700、ホットシャワーつきで900ルピーとかそんな感じだったと思う。
ガイドブックでは一泊200ルピー位からあるらしいし、まだ最初なのでもう少し見て回ることにした。 -
朝7時。宿を探してうろうろしていると、路上の男からチャイの屋台に誘われた。
空港のを除けば、これが実質インドでの初チャイ。
男は英語が話せないようだったので、店に10ルピー支払うとそそくさと逃げてきてしまった。 -
朝9時前。
とりあえず両替所で10,000円を6,400ルピーと交換した。
レートも悪くないし、対応したサリーの女性は人を騙す気配もない。
空港での一件もあって、普通に取引できただけで得した気分になれる。 -
宿もすぐには見つからないし、とりあえず外国人向けの店で朝食をとることに。
サンドイッチとコーヒーで100ルピー。
Wi-Fiパスをもらって、ようやくネットにも接続。ブルー スカイ カフェ カフェ
-
日本人旅行者の間でパラゴンと並び有名らしいホテル・マリア。
部屋を見せてもらうと、重厚な雰囲気さえ感じる古い建物ながら、個室にぽつんとベッドが置いてあるだけの部屋は一泊500ルピー。
これ以上質素になりようがない施設なので、もう少し負けてもいいような気がしたが、それでも頑として値段は下がらなかった。
これは完全に、足元を見られているな・・・ホテル マリア ホテル
-
荷物を引きずって、もう何時間彷徨っただろうか。
もう時間は10時を過ぎている。
そして何度も同じ道を行き来するうち、男につきまとわれるようになった。
「俺についてこい、安いホテルがある」
普段なら全く相手にしたくない手合いなのだが、この時ばかりはこんな怪しいコーディネーターさえ頼りたいくらい、気力も判断力も失われていた。
が、結局彼について行っても高すぎたり、「フル」と言われたり。
最後に連れていかれたのがここ、「Central Inn」だった。
ベッドと壁の間に1メートルの隙間もない部屋、共同の水回り、もちろん水シャワー。
値段は500ルピー。
ホテル・マリアの余裕が分かったような気がした。
にしても、今から戻って部屋が空いているとも限らないし、戻るのも癪だ。
それに何より、目の前にとりあえずベッドがあるのだから、もう決めてしまいたかった。
チップを要求する男に100ルピーを渡し、出費は合わせて600ルピー。 -
ようやく手に入れた睡眠。
目が覚めたときには午後2時を回っていた。
そして睡眠の次は「シャワー問題」が待っていた。
タイと違って真冬のインドはそこそこ肌寒く、この日の気温も20度行くか、行かないか程度だったと思う。
ここは宿の従業員にならって、気温の高いお昼過ぎに水浴びをすることにしたが、やってみるとこれが意外と気持ち良い。 -
さっぱりしたところで、再び街歩きに出発する。
-
サダル・ストリート
-
サダル・ストリート東の突き当り。
-
遅い昼食をとりに、通りにあるプリンス・レストランへ。
プリンス その他の料理
-
フロアの奥に水道があって、店内に来た客はまず盛大に手を洗ってから席に着く。インド人、意外に清潔好きなのかも。
そしてインドで食べる初のカレー。
チキン・マサラ(110ルピー)とプレーン・ライス(25ルピー)。 -
折角なので現地式にカレーを手で食べてみる。
といっても最初からうまくできるわけもなく、
五本の指を器用に使うインド人の指さばきを見よう見まね。
箸を初めて使う外国人もこんな気分なのだろうか。 -
とりあえず近場から観光しようと思いニュー・マーケットへ。
入り口に近づくと、野良犬が二匹じゃれあっている。
と思ったら一匹がもう一匹に跨り・・・性交。
「見てみて、面白いね!」
と突然近寄ってきたのは、日本語はペラペラの若いインド人の男だった。
「横浜に住んでたことがあって、インドに帰ってきたばかりなんだ。近くに友達の店があるから見ていかない?」
あまり時間を取られたらやだな・・・と思いつつも、久々の日本語にペースをのまれ、マーケットの中へ。ニュー・マーケット 市場
-
チャイ飲んでいって!そう言われそのままじゅうたん屋に通されると、そこには他にも日本語ペラペラの男が何人もいた。
「コルカタの次はどこへ行く?」
と、太めの男が聞く。
「ブッダガヤに行きます」
「すばらしい、実は私の妻は日本人で、ブッダガヤでサクラ・ゲストハウスという宿を経営しているんだけど、明日車で帰るから、よかったら一緒に乗っていきなよ。もちろんタダでいいよ。日本人なら歓迎するよ!」
マジか、と思った。この厳しいインド社会、こんなうまい話があるのだろうか。
「まあ、旅は縁だから」
という彼の日本語は、なかなかに老練だった。
こういうときは即断は避けようと思い、
「考えときます、まあ、ガヤに行くときになったら連絡しますよ。」
と言って、Lineの交換だけしてとりあえずその場を離れることにした。 -
その後、先程声をかけてきた若者が、マーケットを案内してくれることになった。
というか、ついてこられたというべきなのかもしれない。
彼は携帯電話にぎっちり詰まっていた日本人の「友達」や、女性とのツーショット写真などでこちらを信用させつつ、マシンガントークを展開してきた。
「タカ〇タ・ユータ、知ってる?おれは一緒に旅したこともあるよ。彼は最高にいいやつだよ。でもみんなから誤解を受けてる。」
「コルカタは大きい街だからいっぱい防犯カメラがあるよ。一緒に写っているから、お金を取ってもみんなすぐわかるし、何もできないんだよ」
当たり前のことながら、自分はコルカタに関して何も知らず、彼の知識は豊富だった・・・チャイ一杯の値段から、どこかにあるという風俗街(名前は忘れた)の話まで。
そして、今夜飲みに行こうと誘われた。
でも・・・そもそも人を信用するかどうかは私の勝手なのに、彼がそこまでして自分を信用させようとしてくるのは、不自然だった。それに、彼が日本人と「多大な人脈がある」ように見せているのも、額面通り受け取ってよいものか・・・何か、ウラがあるかもしれない。
結局「今は見たい所があるから、後で連絡する」とかわして、再び一人になることにした。 -
辺りも暗くなってきたので夕食。結局、今日はインド人の対応で終わってしまったな・・・
「Khalsa Restaurant」はローカルな雰囲気満点の、安くておいしい食堂。
メインに注文したのはパニール・バター・マサラ(120ルピー)。
パニール(Puneer)はインドのチーズで、味は淡白、食感は豆腐よりやや硬い。
雑に言えば「おとうふカレー」という感じ。カルサ レストラン インド料理
-
マカイ・ロティ(22ルピー)
風味豊かなとうもろこしのロティ。
もう一枚注文して食べた。 -
ジンジャー・ミルクティー(15ルピー)
このお店でウェイターをしている髭のおじさん、料理を持ってくるときに「ジンジャーティー」と低音の美声を響かせるのがまたいい。
カレーとロティ2枚、チャイで179ルピー。インドの旅、食の不安はもう解消されたかな、と思う。
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