1996/10/27 - 1996/11/04
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今は昔。
旦那の用事にくっついてやって来たドイツから、数日間、自分だけの時間をもらって訪れてみたのはフランスの三つの街。
一つは、アルザス地方(2016年からはグラン・テスト地域圏)のコルマール。
二つめは、オーヴェルニュ地方(同じく2016年からはオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏)のル・ピュイ=アン=ヴレ。
そして三つめは、同じくオーヴェルニュ地方のアヌシー。
この内、一番楽しみにしていたのは、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の起点の一つになっているル・ピュイ=アン=ヴレ。
黒いマリア像が祀られているノートルダム・ド・アノンシアション大聖堂(ル・ピュイ大聖堂)や、尖った岩山の上に立つという赤いマリア像の姿をしたノートルダム・ド・フランス 、それにサン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂はどんな表情を見せてくれるだろう。
当時の旅のスタイルは、列車やバスでの移動が主だったんですが、ドイツのフランクフルトからこの三つの街への移動記録や宿泊記録は出て来ていないので、出土した紙焼き写真とネガ、記憶を追ってその風景だけでも思い起こしてみようと思います。
この頃は、デジカメはまだまだ無かった時代。
撮った写真も残っている写真も少ないのが残念です。
表紙の画像は、朝のアヌシーの街を歩いていて見つけたカンテラのある壁。
朝日の中、カンテラの静かな影が壁に落ちていたのが不思議に印象的でした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ドイツのフランクフルトから到着したコルマール。
表紙でも言ったように、この旅での移動記録や宿泊記録は出て来ていないので、どんな列車やバス、お宿を利用したのかは記憶の彼方。
コルマールは歴史ある古い街。
コルマールに言及した最古の文献は823年の物で、当時はコルンバリウムと呼ばれていたんだそう。
フランス領だったりドイツ領にもなった歴史があるコルマールが最終的にフランス領に落ち着いたのは1914年。
この1996年にはアルザス地方の一都市でしたが、2016年からはグラン・テスト地域圏の都市になっています。
グラン・テスト地域圏については、次のウィキペディアのページでどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/グラン・テスト地域圏 -
コルマールの見どころは旧市街地。
中世からルネッサンスにかけてのハーフティンバー様式の古い街並みが見られます。
この画像よりもっと凝った造りの建物が密集している地区もあるんですが、写真が行方不明になっていたりするのでお許しを。
昔は馬車が通っていたであろう道に車が停めてあるのはシュールな景色。
まだまだ人が住んでいるようだけど、住み心地はどうなんだろう。
一部屋貸してもらって、ちょっと滞在してみたくなる。 -
コルマールの古い町並みを見上げながら歩いて行くと、窓際の猫ちゃんに見下ろされてしまった。(笑)
-
10月下旬から11月にかけては紅葉や黄葉、それに落ち葉がきれいな季節。
この画像ではちょっと日が陰って寂しげですが、別の場所では黄金色に輝く木々も見られました。 -
コルマール観光の中心となるのは、ロシュ川の運河でプティット・ヴニーズ(小さなヴェニス)と呼ばれるあたり。
運河に面したハーフティンバー様式の家々やカフェが軒を連ねていていい風情。
運河を行く小舟に乗ってみるのもロマンチックでしょうね。
こんな町並みが広がるコルマールは、街歩きが楽しい場所。 -
10月下旬は、ワイン用のブドウ畑も一面の金色。
今年のブドウの出来は良かったんだろうな、と思わせる豊かな色!
どの画像からがお次のオーヴェルニュ地方(2016年からはオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏)にあるル・ピュイ=アン=ヴレの風景なのかが判然としないんですが、ちょうど切れ目のいいこのブドウ畑からという事にします。
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏については、下記のウィキペディアのページでどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オーヴェルニュ%EF%BC%9Dローヌ%EF%BC%9Dアルプ地域圏 -
緑の芝生に散り敷く落ち葉。
何だか日時計のよう。 -
上掲の画像と同じ木。
青い空に色とりどりの木の葉が映える。 -
イチオシ
ル・ピュイ=アン=ヴレの眩い黄葉。
こうして秋景色だけを並べると、この町の見どころは自然だけなのかとお思いでしょうが…、 -
…ル・ピュイ=アン=ヴレは先史時代には錫の道の中継点だったり、中世になってからはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の起点にもなったという歴史があります。
ル・ピュイ=アン=ヴレの詳しい歴史は下記のウィキペディアのページで見てみるといいと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ル・ピュイ%EF%BC%9Dアン%EF%BC%9Dヴレ
そんな街だと知らなかった旦那が、「ル・ピュイ? 聞いた事ないなぁ。そこって何があるの?」と聞いて来たのをよく覚えてる。
歴史ある街ル・ピュイ=アン=ヴレでSUR SHANGHAIが見たいと思っているのは…、 -
…まず、二つの尖った岩山の上にある赤いマリア像の姿をしたノートルダム・ド・フランス やサン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂。
この画像だと、ノートルダム・ド・フランスは、画像奥のコルネイユ岩と呼ばれる岩山の上に小さく見えています。
画像手前のサン・ミシェル岩山の上にあるのがサン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂。
これらの岩山はかつての火山の名残で、ル・ピュイと言う街の名も火山を表わしているんだそう。
どちらも、大地から急に立ち上がったような尖った岩山ですが…、 -
…近づいて行って周囲を歩いてみたところ、サン・ミシェル岩山の上にあるサン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂へは階段で上って行けると分かったので、翌日行ってみます。
こうして街並みの合間から見上げるとずいぶん高いように見えますが、岩山自体の高さは82m。
サン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂はロマネスク様式で創建は969年になるそうです。 -
ル・ピュイ=アン=ヴレに着いた日の夕暮れ。
サン・ミシェル岩山のサン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂も、コルネイユ岩の上のノートルダム・ド・フランスも黒いシルエット。
その上を駆けて行く飛行機雲があるのがシュール。
こうして見ると、俗世から一段高い場所に信仰の場を設けるのは、宗教が違っていても万国共通だな、と思う。
日本でも、人里離れた山の中に神社仏閣があったりするし。 -
翌日のお天気は上々とは言えなかったけれど、まず最初に上って行ったのは赤いマリア像ノートルダム・ド・フランスがあるコルネイユ岩。
これは、岩山から見下ろしたル・ピュイ=アン=ヴレの街とノートルダム・ド・アノンシアション大聖堂(ル・ピュイ大聖堂)。
この大聖堂は、『フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路』の一部として世界遺産の文化遺産に登録されているほか、黒いマリア像が祀られていることで有名なので、後で行ってみます。 -
これが、コルネイユ岩の上に立つ赤いマリア像ノートルダム・ド・フランス。
全長16m、重さは110トンと言うこの像は、クリミア戦争中に使用された213台もの大砲を溶かして1860年に造られ、ナポレオン三世から寄付されたそうです。
でも、どうして赤く塗られているんだろう? -
ノートルダム・ド・フランスの像が立つコルネイユ岩を去って、お次は麓のノートルダム・ド・アノンシアション大聖堂(ル・ピュイ大聖堂)へ。
-
イチオシ
これが、ノートルダム・ド・フランスの像が立つコルネイユ岩麓のノートルダム・ド・アノンシアション大聖堂(ル・ピュイ大聖堂)正面。
ロマネスク様式のファサードが美しい。
上の方で言ったように、この大聖堂はスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の始まりの一つ。
『フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路』の一部として世界遺産の文化遺産に登録されています。
この世界遺産に登録された他地域の教会などは、次のウィキペディアのページを参照してみるといいですよ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
ノートルダム・ド・アノンシアション大聖堂は、ルイ聖王から与えられたという黒いマリア像が祀られていることで有名。
SUR SHANGHAIもこの大聖堂内へ行ってみましたが、内部や黒いマリア像の写真が無いのは、内部が暗すぎたからだったような。
今なら、撮影禁止になっていない限り、デジカメできれいに撮れるでしょうね。 -
この旅行の写真を発掘して整理している時に不思議に思ったのは、サン・ミシェル岩山の上にあるサン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂へ行ってみた写真が無いこと。
手元に残っているネガを見てもそれらしい建物の姿は無し。
あれだけ行ってみたいと思っていた場所なんだから、行かなかったはずはないのに…。
この時には礼拝堂の補修か何かで、上って行けなかったのかな?
う~ん、記憶に無い。 -
ル・ピュイ=アン=ヴレの街の中も歩いてみた。
色合いの異なる葉の街路樹が交互に植えてあるのがオシャレ。 -
これはどこに上って撮った秋景色?
ル・ピュイ=アン=ヴレにある教会の塔の一つだったかも。 -
イチオシ
ル・ピュイ=アン=ヴレの街角。
ぴったりくっついている建物でも、独立した建物の寄せ集め。
よって、壁の色も、窓の位置や色もまちまちなのが面白い。 -
ル・ピュイ=アン=ヴレの街角。
一枚だけおかしな色になって出土したんですが、これはこれでいい雰囲気なのでアップしておこうと思います。(笑) -
ル・ピュイ=アン=ヴレの街角。
石壁の古い家並みにクラシックなスタイルの街灯が、いかにもフランス!の風情。 -
ル・ピュイ=アン=ヴレの街角。
ル・ピュイ=アン=ヴレでは、ボビンを使って編み上げるレース製造はフランス無形文化遺産。
お土産屋さんの店先にも大小さまざまなレース編み製品が並んでいます。
SUR SHANGHAIは、猫の形に編み上げたレースが写真立てに入っている物を購入。
今でも本棚の片隅に置いてあります。 -
この画像からがアヌシーの街。
アヌシーは、ル・ピュイ=アン=ヴレと同じく、オーヴェルニュ地方(2016年からはオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏)の街。
アヌシー湖北西岸にあって、湖水やアルプスの山並みが美しい観光地になっています。
アヌシー湖から引かれたティウー川が運河となって街の中を通っている風景は、『フランスのヴェネツィア』とも呼ばれているんだそう。 -
アヌシーの街角。
ティウー運河の中州に建つパレ・ド・リルは、12世紀に建てられたジュネーブ伯爵の宮殿。
宮殿と言うより、要塞と呼んだ方がぴったりなこの建物は、牢獄や裁判所としても使われたという歴史があるのだそう。 -
アヌシーの街角。
これからやって来る冬。
葉が落ちつくした街路樹と裸体の女性像が寒々しくも見えるんですが…、 -
…日本には無い木々の枝振りと街並みが風情あり。
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秋の日差しの中、まだ木々の葉が黄金色に輝く公園もあったアヌシーの街。
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落ち葉が散り敷いた地面に日が差すと、一面金色の絨毯。
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秋の日差しの中、ベンチで憩っていた地元の(?)カップル。
この二人も、その後幸せになっただろうか、と思う。 -
アヌシーの街角。
ティウー川を見下ろす小高い丘の上に立っているのはアヌシー城。
12~16世紀にかけてジュネーヴ伯によって建てられた居城で、今は博物館になっています。 -
アヌシーの街角。
ティウー川の段差の水面に映る街並みが溶けて小さな滝になり流れて行く。 -
アヌシーの街角。
お土産屋さんの中には、ずいぶんレトロなマネキンを店先に出している所もあった。
ちょっといい感じ。 -
イチオシ
今日はアヌシーを去るという日の早朝。
運河沿いの道を歩いていて見つけたランタンの影が落ちる壁。
うんうん、こんな色と構図の街角風景が好きなのよね。
次にこれらの街々を再訪することはあるかな。
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