2018.05 GWに巡るイタリア三都物語（18）寝台列車でローマに向かい、ヴァチカン美術館へやってきた（前編）。

2018/04/30 - 2018/05/06

ベネチアサンタルチア駅を寝台列車で出発し、一眠りしたらローマへと戻ってきました。今日はイタリア最終日。バチカン美術館を観光します。

610冊目　2021/05/30投稿

エリア バチカン(バチカン)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

前回の旅行記で書きましたように

サンタ ルチア駅 駅

ベネチア観光を満喫したあとは

ベネチア・サンタルチア駅から

トレニタリア (イタリア国鉄) 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

夜行列車で

1晩揺られて

起きたらローマ周辺の丘陵を走っていました。

ローマ近郊の駅を通過中。

もうすぐ終点なので、皆さん降りる支度中。

6時50分に

ローマ・テルミニ駅へ到着。

それでは降りましょう。クシェットでの一晩、快適でした。

それではホームへ。

こちらの機関車に一晩中牽かれてきたのかな。

黒が入ると寝台列車にイメージが強くなりますね。

列車に乗ってきたお客さんたち。

夜行列車だけあって、大きな荷物持ってる人も多いかな。

で、隣に停まっているのは……

テルミニ駅 駅

ちょっとカラーリングが違うなあ。

塗装違うけれども、こちらもトレニタリアの客車みたいです。

インターシティだって。

イタロも入ってきました。

さてそろそろ駅を出発しましょうかね。

ちょっと駅の地下通路にあるパン屋さんで

エスプレッソとクロワッサンで簡単な朝食を頂いたら

地下鉄のテルミニ駅へ。

早速ローマ観光、といきたいところなのですが、

午前中はちょっと人と会う約束になっていたので

地下鉄で移動して

バスに乗ってローマ市の郊外エリア（？）へ行っていました。

バス バス系

まあ、そのあたりの詳細は省きますが、

マップアプリで現在地を確認しながらバスに乗車して移動したりと楽しかったです（笑）。

ただ、車内では切符を買えないのは、日本での「その場で運賃支払」に慣れているとちょっと不便ですねえ。乗り降りに時間がかからないのはすごくいいんだけど。

で、用事を済ませてバスに乗り込み

ローマ市街地に戻ってきて地下鉄です。

地下鉄 (メトロポリターナ) 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

午前中に時間が余れば、地下鉄の博物館にでも行こうかなと思いましたが、ちょっと無理そうだな。

午後の予定、バチカン美術館を訪れるため、地下鉄のOttaviano駅へやってきました。

オッタヴィアーノ駅 駅

さて、お昼ごはんどうしようかな、どこか適当なお店は……。

L'Angoletto ai Musei

さてと、なに頼もうかなあ……。よし、まずはデカンタで赤ワインや。

よし、ピザにしよう。シンプルにマルゲリータ。

あと、何だったか忘れたけれど、小さなコロッケみたいなやつも頼みました。

美味しかった。ごちそうさまでした～。
お値段、おいくらだったかしら。ちょっとメモしてなかったかも。

さてと、

それではバチカン市国の城壁沿いに歩いていくと

バチカン市国 史跡・遺跡

ここがバチカン美術館への入り口ですね。

バチカン美術館 博物館・美術館・ギャラリー

まわりを歩いている客引きには目もくれずに列に並び

無事に入館。

お値段は17ユーロ。事前予約料金です。

事前に時間予約していましたので、入口の前に着いてから15分ほどで中に入ることができました。

それでは荷物を預けて展示室へ向かいましょう。エスカレーターで登っていくと

オーディオガイドはちょっと迷いましたが、どうせ気になる解説を片っ端から聞いていれば時間がなくなることはウフィツィ美術館でよくわかりましたし、なしでいいや。

ここがベルヴェデーレの中庭かな？って雨降ってるな。午前中はちょうど降ってなくてラッキーだったかな。　

さて入口から曲がって順に見ていきましょう。

なんか色々置いてあります（なんて適当なコメント……

お、ここがぴな……ピナコテカか。絵画館だそうです。

それでは絵画館観ていきますかね。

お、ピエタ像。本物はサン・ピエトロ大聖堂の中にあるそうですが。ミケランジェロが25歳の時に手掛けた傑作のレプリカ。

中に入ると早速宗教画のオンパレード。これとか、結構古いものっぽいですよね。遠目に見ると、日本のお寺なんかに飾ってあっても気づかなさそうです。

こちらは「ステファネスキの祭壇画」。1330年代のジョットの作品だそうです。ジョットの鐘楼、フィレンツェで登ったぞ。

キリスト教の宗教画のよくあるモチーフ、受胎告知。

これは紋章かなにかでしょうか。

これはなんか華やかな感じですねえ。

いろんな絵を眺めていきます。

うん？ここは人が集まっていますねえ。

ああ、これはガイドブックとかに載ってたなあ。

ラファエロ作の「キリストの変容」
ラファエロの遺作だそうですが、工夫された構図でキリストの2つの奇跡が描かれています。

結構な見どころの絵ということで、どうやらバチカン美術館作品100選といったものにも選ばれているようですね。

こちらは「聖ヒエロニムス」。ダ・ヴィンチの作品なのだそうです。なんか偉人の作品ばかり出てきて感覚が麻痺するな。

こちらは「キリストの埋葬」。カラヴァッジョだそうです。カラヴァッジョ……どこかで……ああ、ローマでぶらりと入った教会に飾ってあった絵だ（まあ、旅行記書くときに知ったのですが…）。

こうした彫刻なんかもあります。

これは天使？

なにがモチーフなんでしょうかね。

おお、なんか綺麗な風景ですねえ。

アダムとイブって読めるので、聖書の一番最初、創世記のエピソードを描いたものでしょう。禁断の果実。気に入った一枚でした。

さて、絵画館を観終わったので

雨がちょうどやんだタイミングでピーニャの中庭を通って

あ、これがビーニャこと松ぼっくりのオブジェか。コンスタンティヌス帝の大聖堂の玄関を飾っていたというこの松ぼっくり。
あ、左側の建物の横に見えるやつですよ。松ぼっくりを大きく写した写真がないのは、見学当時は全く気づいておらず、あとから写真を見返して気づいたからにほかなりません。

ここは次はエジプト美術館のようですね。

さっきまでの

キリスト教宗教画コーナーとは

全然違う作品が並んでいます。

このあたり、キリスト教からすれば完全に異教の神々ですよね。

こちらは何の画面の壁画というかレリーフでしょうかね。

正直、カトリックの総本山であるバチカン美術館に、こうしたエジプト美術館があるとは意外でした。

さて、回廊に出てきて

お次はピオ・クレメンティーノ美術館かな。

展示されているのは、古代ギリシャ・ローマの彫刻だそうですよ。これはギリシャ時代の彫刻だとか。

お！
なんか彫刻が並ぶ中庭に出てきました。
ここは「八角形の中庭」と言われる場所だそう。

「ベルヴェデーレのアポロン」
古代ギリシャ・紀元前4世紀の彫刻家レオカレスの青銅像を、ローマ時代・2世紀ごろに模刻したと考えられているもの。が、15世紀にイタリアで再発見されたとのこと。

教皇ユリウス2世の最初の収集美術品で、この像が中庭に設置されたのがバチカン美術館の前身なのだとか。元々は右手に矢を、左手に弓を持っていたと言われているそうです。

壁に沿って歩きながら、

様々な彫刻を観て歩いていきます。

あの奥にちらりと見えているのは「チグリス河」。一部は復元らしいですが、復元したのがミケランジェロとかいうね。

おや、あれはそう言えばウフィツィ美術館でも見かけたような……「ラオコーン」ですね。なんでもウフィツィ美術館にあったやつは、こちらのバチカン美術館のものを模刻したものだそうです。それでも16世紀の模刻品なら充分な芸術品だとおもいますが

このオリジナルの像は1505年にローマのエスクィリーヌスの丘で発掘されたもので、アポロ神官のラオコーンが女神アテナの怒りを買ってしまい、二人の息子と共に二匹の大蛇に締め殺されてしまったという神話・トロイア戦争の一場面を表現したもの。

いやあ、なかなかなエピソードですね。
彫刻自体は紀元前2世紀頃のものだとか。目を潰されて大蛇に締め殺されかけているラオコーンの表情。

解説、読める人はどうぞ。って一部薄れちゃってますね。

次の動物の間を経て

次のミューズの間へ。

ミューズって薬用石鹸ではありません。ギリシャ神話・最高神ゼウスの娘たちである女神のことです。このミューズの間にはその9人中7人の女神が飾られているので……え～っと、そちらのお嬢さん、なにを手にぶら下げているんですかね？

で、そうした女神たちに囲まれているのが、「ベルヴェデーレのトルソー」

アテネの彫刻家、アポロニオスが制作したと言われている大理石の彫刻。15世紀初頭に発掘されたそうで、四肢がなくともダイナミックさが伝わってきます。

そして円形の間。

ネロの宮殿から発掘されたという大水盤を中央に、多数の像が並んでいます。
3体写っている像のなかで一番右の像が、2世紀末につくられたヘラクレス像だとか。

最後のギリシャ十字の間では様々なギリシャ彫刻もさることながら

床のモザイク画が目を引きます。

解説もあったところをみると有名なもののようで、女神アテナを描いた3世紀頃の作品だとか。

バチカン美術館っててっきりキリスト教系のものばかりかと思っていたら、そんあの関係なくエジプトやギリシャ・ローマ由来の芸術品もいっぱい収蔵しているんですね。

長くなったので、バチカン美術館編の続きは後編に。