2018/07/13 - 2018/07/18
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binchanさん
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15日日曜日。
花蓮から台東へ、海岸沿いを走るバスで移動しています。
移動するだけではもったいないので、途中下車して観光します。沿線に見どころはたくさんあるのですが、とりあえず静浦は越えておきたいところ。なぜなら静浦から台東は花蓮客運だけでなく鼎東客運の路線も走っているから。寄り道後の乗り継が楽です。
今回途中下車の場所に選んだのは漢人の商家跡がある成廣澳(現在は成功鎮忠孝里小港)。遺跡となっている商家が建てられたのは日本時代の1916年ですが、この地で清代から漢人が貿易を行ってきたことと深くかかわりがあります。漢人がこの時代に建てたものが台東に残っているのは珍しいです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
14:55
花蓮から乗ってきた花蓮客運1145バスを台東縣の小港バス停で下車。
バス停前にあった大きなレストラン。実はこの隣に台東で最も古い天后宮「成廣澳天后宮」があったのですが、意外と小さな宮ですっかり見落としてしまいました。 -
向かいにあったお店でしぼりたてレモンジュースを購入。
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お店には素敵なお庭がありました。隣に民宿があるのできっと同じ経営なんですね。
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ヤシの実から芽が出てる。
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お庭から海側に出ることができました。台東の海だあ。
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小港漁港。
清末に漢人が東部海岸に開いた最初の港はここで、成功の港が開かれるまで、このあたりが政治経済の中心地でした。成功は新しい港だったので当初は「新港」と呼ばれていましたが、第二次世界大戦後、台湾各地にある新港と紛らわしいため改名されました。小港漁港 ビーチ・海
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今は静かな漁港です。
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港の地形が蟹がハサミを構えた形に似ていたので、古くは「蟳廣澳」(蟳:ジンはワタリガニの意)といいました。
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花蓮方面へ200mほど歩いたところに商家「廣恆發商號」の遺跡があります。
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遺跡の目の前に「北小港」という鼎東客運のバス停がありますが、花蓮客運はここには停車しません。
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遺跡は小港の旧地名から「成廣澳文化地景」と名付けられています。
成廣澳文化地景 (廣恒發商號遺跡) 史跡・遺跡
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東部海岸への漢人移住最初の地ということが記された碑。
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このあたりに古くから住む阿美族はこの地をFolalacayと呼んでおり、漢人は「蟳廣澳」→「成廣澳」→「小港」と呼び方を変遷させてきたんですね。
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商家の遺跡を見る前に周辺を散策。
煉瓦のベンチのようなものがありますが、これは遺跡ではないようです。 -
井戸かと思ったけれど違うか。
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2017年建立の観音(?)像。
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観音様の視線の先に公園のようなものがありますが…
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橋が古そうで渡るのは怖い。
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15:22
遺跡を見てみます。 -
天然の良港であったこの地は古くから東部海岸貿易の中枢で、清代には漢人の東部海岸開拓の重要拠点となっていました。屏東内埔から来た温泰坤(1861-1947)が1916年に「廣恆發」という商店を建設。それは東海岸で最も早く建てられた店舗で、西洋式の建築もまた東海岸初のものでした。隣には温家の邸宅もあったそうです。
1921年には行政の中心が成功(新港)へと移され、1932年、成功の港が完成しすると経済の中心も次第にそちらに移行。成廣澳は次第に没落し温家の人々も続々と外の地に移住していきました。商店も邸宅も次第に荒れ果て、草木に埋もれていきました。(文は写真の説明書き内容ではありません。文化資産局のサイトの文を抜粋私訳しました) -
現在残るのは三拱式の門(拱はアーチの意)とバロック式騎楼の一部だけです。
これが三拱式の門。成廣澳文化地景 (廣恒發商號遺跡) 史跡・遺跡
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以前に撮影されたバロック式騎楼。1996年に台11号線の拡幅工事が行われた際、一部が取り壊されてしまいました。
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これが現在の姿。一番いいところが壊されちゃってます。当時は経済発展の方が大事だったんですよね。道路や鉄道が整備されているからこそ観光にも行けるんです。
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騎楼部分はもうボロボロ。
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説明板も結構ボロボロ。
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隣にあったという温家の邸宅は現在跡形もないそうです。
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この地は1911年に起こった抗日事件の舞台でもあります。日本側はそれを成廣澳事件と呼び、現地では麻荖漏事件と呼びます。麻荖漏は成功の旧地名(というか阿美族にとっての地名)。
これらの柱に事件の概要が書かれています。 -
柱の碑文による事件の概要は、日本当局による課役、武器の没収に阿美族が反攻。1911年5月に都歴社副頭目のRawronが立ち上がったのが発端らしいですが、翻訳力が足りずちょっとあいまい。ほかの部落(社)の頭目も賛同。麻荖漏社は頭目TanamuLikaruの指導のもと派出所と学校を襲撃。8月1日日本側は都歴社を大砲で攻撃し火を放った。主導した頭目らは刑罰による怪我がもとで亡くなった。
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柱の碑文がすべて読み取れたわけではないので、ウィキペディアでも調べてみます。麻荖漏事件は項目がありましたが、日本での事件名「成廣澳事件」はありませんでした。
日本が台湾を統治して以降、東部の阿美族は帰順し日本が課す道路や鉄道敷設の労役に従っていました。武器の没収にも応じ、そのかわりに農耕に必要な資金を給付されたとのこと。武器の没収が完了したころ、頭目らに支給されていた手当を停止すると通告されたそうです。農耕生活への移行、度重なる労役に不服だった各社の頭目は力を合わせて日本人を追い出そうと話し合いました。7月25日、日本側がさらなる道路工事の労役を課し、それに反対した都歴社の副頭目が殴られます。それに怒った各社頭目が警官を殺害。行政機関や日本人宿舎を次々と襲撃し、日本人の衣類や家具を強奪。日本側は台湾各地からの応援を得るものの48日間経っても鎮圧できず、馬蘭社頭目の説得の後ようやく終息。日本側は事件のことが広がるのを恐れあまり追及はしませんでしたが、報復として麻荖漏と都歴の村を焼き家畜を没収しました。主導した頭目らが大けがを負う刑罰を科されそれが原因で亡くなったことは、ウィキペディアにはありませんでしたが、外部リンクの資料には詳細が記述されていました。
日本語での情報は台北ナビにありました。結構詳しいです。
https://www.taipeinavi.com/play/506/ -
破損している柱。これらの柱は近年に再現されたもののようですね。
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15:43
そろそろ次のバスに乗りますか。
次のバスは鼎東客運なので北小港からも乗れるんですが、周りにコンビニすらないバス停で待つのもね。まだ10分くらいは来そうにないので次のバス停まで歩こうかな。 -
15:46
二つ先の忠孝國小バス停。
バス停2つ分歩いてしまった…。荷物もあるからめちゃくちゃ疲れた。
嘉義も台北も日本よりはましな暑さだったけれど、東側はものすごく蒸し暑いです。 -
小学校の隣に「成功花海」なる観光スポットがあるらしい。
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この季節は花がないようですが、冬には様々な花が植えられて花畑になるようです。
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この辺りはサーフィン客向けの民宿も多く、欧米人観光客が多い。
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15:54
鼎東客運8101バスに乗車。
もう一か所、日本時代の1929年に完成したトンネル「泰源隧道」で下車観光を予定していました。こういうのを作るのに阿美族が動員されてたんですよね~。今でも現役の歩車用トンネルで、文化資産指定されています。しかし、先ほど荷物をしょって歩きまわって懲りました。暑すぎるんです。 -
というわけで、目的地変更。東河で下車して肉まん食べます。
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