2018/05/30 - 2018/05/31
257位(同エリア568件中)
河内温泉大学名誉教授さん
- 河内温泉大学名誉教授さんTOP
- 旅行記254冊
- クチコミ897件
- Q&A回答101件
- 343,024アクセス
- フォロワー18人
丹後半島の西の付け根にある「木津」の木津温泉へは何時から通っているか・・・記録を紐解くと06年7月13日というのが一番古い。しかし、記憶とは少々ズレている、もう少し古い記憶があるのだが記録として残していないので遡るのはここまででしょう。こうも木津温泉「ゑびすや」に拘るのは泉質が一番で当然だが、気が向いて空いていると何時でも気楽に利用できる所謂「貸切」風呂があったのもその一つです。加えて古風で今では大正館と呼ぶ木質棟が安く利用できたことがその理由でした。
そんな木津も暫く行っていないな・・・と家人と話す内に予約へと進み急遽久しぶりにうかがうこととなりました。昔は、直通する高速もなく中国道から播但道、豊岡経由で久美浜辺りで日本海に出て丹後木津への道中でした。しかし、今では河内から第二京阪、京滋バイパス、京都縦貫道から山陰近畿自動車道を利用するとナビの計算では2時間少々で行けます。随分便利になったもので、従前の半分近い短縮です。浮いた時間の有効利用と云うことで、初日の30日は与謝天橋立ICで高速を降りて「加悦鉄道」鉄道敷跡を暫し輪行、加悦鉄道についてもお勉強をして参りました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
蒸気機関車も並びます。
-
丹後の加悦一帯では今も地場産業としての丹後ちりめん作りが盛んで、そのちりめんを輸送する手段としての加悦鉄道というお話しが頭にこびり付いていました。しかし、当日の勉強によって鬼退治民話の大江山でニッケル鉱山が発見され、その輸送のため路線を延長して宮津湾にある冶金工場へ鉱石を運んでいたようです。しかし、敗戦でニッケル輸送は途絶えその後は人や物の移動の自動車化の進展で利用客が衰退、昭和60年4月30日のさよなら列車運転を最後に鉄道事業を廃止。今では旧鉱山駅跡地に施設を建設し「加悦SL広場」を設けて機関車などを展示公開しています。
説明板。 -
客車も。
-
軌道敷跡ですが京都府道「加悦岩滝自転車道線」として加悦SL広場から12キロ程輪行できるが、この日は利用したという証拠写真程度に留めました。余り待たせると家人のお怒りを受けそうですので。鉄道敷自転車道の常として、緩やかな緩斜面で何時までも走っていたくなるようなコースであります。また、SL広場も多種の蒸気機関車、気動車に客車、貨車が並んでいて男の児でも連れてきてあげたら喜ぶことでしょう。あれこれ遊んで時間を潰した後京都丹後鉄道宮豊線沿いを木津温泉へと向かいます。近年は近くの夕日ヶ浦海岸とその温泉街が人気となっているようです。その煽りか木津温泉駅も「夕日ヶ浦木津温泉」駅となっていて、固有名詞をこうも簡単に変えて良いのかと寂しい気分になります。夕日ヶ浦温泉の湯は木津温泉からパイプラインで送っているのですが。
-
トレンクル号で暫し輪行。
-
ニッケル鉱石を乾燥させた煙突らしい。
-
旧木津温泉駅です。
-
木津温泉「ゑびすや」旅館は木津駅から徒歩3分ほどの線路脇にあります。この3分で温泉街の外れに到着します。要は温泉街と云うほどの街区を形成していませんが、昔はこれでも賑やかだったのでしょう。松本清張が「Dの複合」をこの宿で二ヶ月逗留して執筆し、作品中でも「浦島館」として登場します。その頃の館を「大正館」として現在でも利用なさっている。我々が往き来しだした頃は、新館と称していた鉄筋立ての館が主体で、当時は本館と云っていた大正館は利用者も無く値段もお安い設定でした。
大正館玄関。 -
しかし、近年のアンティークブームというのか、古民家風が良いというのか大正館の人気が上昇し値段も逆転している。そこで、究極の逆張りか世を拗ねているというのか今は「万葉」と呼んでいる新館に泊まることとしました。大正館に泊まる理由の一つに、先にも書きましたが大正館内にある個室風呂を自由に利用できたのも理由の一つでした。しかし、宿によると自由に使わせるともめ事も多く発生した為、今では予約制として管理されていて特に大正館に泊まる理由も無くなったことも理由の一つです。本学の調査範囲では、関西で個室風呂を自由に利用できる温泉宿は、三朝温泉木屋旅館のみとなった。
昔は自由に「使用中」に出来ました。 -
ごんすけの湯です。
-
今回は大正館でないので個室風呂は利用しないつもりであったが、宿に着くと女中頭が是非と進めてくれたので「ごんすけの湯」という比較的大きい方を使用させて頂いた。大きい方をと云う計らいにも拘わらず家人は「露天風呂が良い・・・」と共同湯の方へ行く、是非にも及ばす。一人では広すぎる湯で目線の先に坪庭風の設えがあり、天井を見上げるとステンドグラスがはまっている。昭和初期の建物にしては館内や玄関も含めてモダンです。今は亡き温泉仲間のN医博に当館を紹介しましたところ、大変お気に入りの上「何故玄関も使わないのか」と嘆いておられた。当時と比べたら同じ価値観を持った方が増えたと喜ぶべきなのでしょうか。
大正館と万葉との通路です。 -
温泉ブーム、松本清張(2010年生誕100年)ブーム等々に後押しされて大正館の価値が上がったようですが、ゑびすや全体も非常に高く評価されるべき旅館です。玄関や食堂から眺められる手入れの行き届いた竹庭。「行基の湯」と「橘の湯」二つの共同浴場も竹庭続きの築山の中で湯浴みをする様な設えは上出来です。勿論先に紹介した女中頭始めスタッフの心配りも見事、大正館内の「静の湯」と「ごんすけの湯」もお見事です。
竹庭です。 -
行基の湯です。
-
上善如水とはお酒の褒め言葉の一つ。良い酒は水のように喉を通っていくという、いわゆる癖が無いピュアーな味と云うのでしょうか。同じ評価を温泉にもするとしたら「木津の湯」がこれにはまると思います。色も匂いも無く、公称40度と云うが少しひんやりする湯は首まで漬かっていないと真冬では風邪を引きそうだが、湯から上がった後数時間経っても身体の芯からホクホクとしてくる。そんな木津の湯を再認識した今回の温泉行でありました。
行基菩薩様に見つめられて? -
大正館ロビー。
-
夜半からの雨が続く朝、女将さんはこれで梅雨に入りましたと「梅雨入り宣言」。玄関先の田圃には植えたばかりの苗が、北西からの風に吹かれていました。以前は合鴨が放たれて、稲と稲の列の間を器用に動き回っていました。合鴨農法は他所ではまだやっていますとのこと。そう言えば、前夜は蛙の合唱の喧しかったことを思い出します。
玄関から竹庭。 -
宿の近くにある「橘商店」という海産物屋に行く以外に当てが無い我々です。女中頭に意見を問うと「私はまだ行っていないが・・・」と云う変な意見で「和久傅」という京都の料理屋さんの女将が、出身地への貢献として「和久傅の森」という安野光雅の絵本の展示と小洒落たレストランを開設した(2017年6月)。これが評判が良いとのこと。場所も近い、ではそこへ・・・と簡単に決まるところが主体性の無さを現しています。
和久傅の森イラスト地図。 -
旅館を出て橘商店で岩牡蠣、烏賊の干物、ゲソ、エテガレイの干物等々を。向かいの無人販売所では梅干しと豆を購入して和久傅の森へと急ぎます。行く先のお洒落な絵画とレストランに比して、ラゲッジスペースに収まる土産の生臭さは人には言えない取り合わせです。固有名詞が沢山あるので整理しますと、やや広大な敷地を「和久傅の森」と呼んでいる、その一角に森の中の家「安野光雅館」という作品展示施設。その展示施設の設計は安藤忠雄と云うこと。和久傅の工房と云っているのが、菓子工場。脇にあるのが工房レストランwakudenMORI(モーリ)と云うことらしい。
-
喫茶から庭を眺める。
-
chiffonケーキとアイスクリーム。蜜は珈琲とケーキにも使用しました。上品な味でした。
-
いろいろな思いが重なりすぎた結果の様だが、町外れの工業団地の一角にしては良く出来た施設だと思います。菓子業界にあっては叶匠壽庵「寿長生の郷」やたねやが経営する「ラコリーナ近江八幡」等先人が切り開いた分野、和久傅においてはどの様な展開になるか今後を見守りましょう。普段あまり珈琲を飲まない我々にしては高評価を与えたい味でありました。特に砂糖代わりにとだされた和三盆で作られた蜜(写真)が大変美味、しかし売り物ではないと購入希望を却下されました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
河内河内温泉大学講座
-
前の旅行記
ぼっこう効く温泉からラジウム泉そして、てっぺんの蕎麦まで
2018/04/16~
三朝温泉
-
次の旅行記
奥吉野 湯盛温泉から吉野行宮へ 歴史と紅葉をおって
2018/11/16~
川上・東吉野
-
九州遠征の帰路広島庄原で活気溢れるかんぽの郷(宿)に出会う
2012/12/12~
庄原
-
日本三名泉下呂温泉を「湯之島館」で優雅なひととき
2013/03/13~
下呂温泉
-
隠れた京都の名湯 丹後「木津温泉」へ湖西鯖街道から
2013/04/05~
丹後半島
-
有馬温泉 中の坊瑞苑で極上の贅をくつろぐ・・・
2013/06/27~
有馬温泉
-
かんぽの宿赤穂 万葉の岬 雪彦温泉へも立ち寄りつつ
2013/08/01~
赤穂
-
山頭火の後援者河本緑石の子孫が経営する三朝温泉木屋旅館を巡る小旅行
2013/09/02~
三朝温泉
-
<新説>有間皇子が悲劇の結末の現場で見た夢とは そして有馬温泉湯主となった
2013/11/24~
海南
-
ふるさと納税でもらった旅館利用券で三朝温泉 名旅館大橋を楽しむ
2014/03/10~
三朝温泉
-
まっとうな温泉誌の付録で入湯する、関西屈指の濃厚温泉花山温泉
2014/04/02~
和歌山市
-
河内温泉大学キャンパス周辺の旅 ホルモン、キムチ等の味覚を求めてコリアンタウンまで
2014/09/06~
東大阪市
-
泉州の秘湯犬鳴山温泉 部屋食は不動口館+源泉は山乃湯
2014/09/21~
関西空港・泉佐野
-
墓参帰りに塩田温泉行
2014/10/29~
神河・姫路北部(塩田)
-
往古の時代から鳥取は、豊かな國。温泉や砂丘と美味に遊ぶ
2015/02/23~
三朝温泉
-
春は紀州路から「花山温泉・白浜温泉そして友にも迎えられ」
2015/03/16~
南紀白浜
-
OSAKAの温泉銭湯と大阪城の知られざる遺跡
2015/05/22~
大阪城・京橋
-
墓参を口実に播州「塩田温泉他」
2015/06/12~
備前・日生
-
播州温泉紀行 よい温泉から塩田温泉の源泉「上山旅館」で温泉粥を楽しむ
2015/07/22~
神河・姫路北部(塩田)
-
九州修行の旅「坊津から吹上温泉、大宰府そして耶馬溪の後藤又兵衛の墓に参る」
2015/11/09~
出水・伊佐
-
島根、鳥取そして岡山の眺望・温泉そして美味をのんびりと
2017/06/22~
大山周辺
-
山陰ジオパーク海岸「浜坂温泉と歴史」の旅
2017/08/30~
浜坂
-
秋の南アルプスから中央アルプスを楽チン登山と温泉&銀輪行
2017/10/26~
伊那
-
ぼっこう効く温泉からラジウム泉そして、てっぺんの蕎麦まで
2018/04/16~
三朝温泉
-
丹後 木津温泉「ゑびすや」へ行こう
2018/05/30~
丹後半島
-
奥吉野 湯盛温泉から吉野行宮へ 歴史と紅葉をおって
2018/11/16~
川上・東吉野
-
今年のお正月は史上最長の作戦 二の陣はKz君と木津川の流れ橋・石清水八幡宮を見分
2022/01/07~
八幡・城陽
-
湖北の旅前編 23年梅雨季 小谷城周辺
2023/06/15~
浅井・湖北・高月
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったホテル
-
えびすや
3.13
この旅行で行ったスポット
この旅行で行ったグルメ・レストラン
丹後半島(京都) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 河内河内温泉大学講座
0
21