2013/09/02 - 2013/09/04
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河内温泉大学名誉教授さん
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山頭火については、旅日記の最初の方で記しました。彼が放浪の旅を続けられたのは、彼の生き方と俳句に共感して応援しようとした多くの後援者のお陰でもあります。今回の旅の目的地、木屋旅館女将の祖父河本緑石と山頭火とのご縁を記して、山頭火を偲ぶ行乞の旅としたい。
河本緑石は盛岡高等農林学校で宮沢賢治と出会いました、緑石は郷里に帰って県立倉吉農学校の教師をされていますが、賢治との文学的交流は続きます。緑石は、倉吉中学在学中から荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)の自由律俳句に親しみ、その後、井泉水の主宰する句誌『層雲』にも参加しています。ここで山頭火と緑石の接点が生じます。
山頭火の句の個展を開催した収益を、仕送りしていたようです。そんな緑石が、昭和八年に無念の事故で急死します。大山の宿坊で緑石の来訪を待っていた、山頭火はその報を聞いて、「緑石はまだ見ぬ友の中では最も親しい最も好きな友であった。一度来訪してもらう約束であったし、一度往訪する心組でもあった。それがすべて空になってしまった。どんなに惜しんでも惜しみきれない緑石である。あゝ。」?昭和8年7月21日山頭火日記「其中庵」から? と死を悼んでいる。
緑石の死から2ヶ月後、賢治もこの世を去りますが、賢治の遺作『銀河鉄道の夜』の中で、溺れる友を救って亡くなる“カムパネルラ”は緑石がモデルではないかと賢治研究家の中でよく言われているのです。そう緑石は水泳訓練でおぼれる生徒を救って自ら没しました。
一気に山頭火、河本緑石そして宮沢賢治が繋がったという所で、旅の出だしです。 時間がたっぷりあるので、中国縦貫から鳥取自動車道へ脇入ることにします。鳥取県にも高速を・・・との悲願道路でありますが、全て共用されていないとかで無料で利用できます。その分、SAやPAは一般道に設置して沿道の住民にも利用できる仕掛けです。これが正解だと思います。着いたのは粟倉温泉、中国縦貫から少し脇に逸れるため、中々拝湯が敵わなかった。国民宿舎、道の駅などの強敵の一番奥に目的の「黄金泉」があります。いわゆるヘルスセンターですね。宿泊も安価に出来るようです。温泉は、これと入った特徴も無い、単純泉だと思います。しかし、露天からの景色は素晴らしいし、何故か水車もあって楽しいが、子どもの事故になるような気もします。
湯上がりに、食堂で蕎麦とお握り。蕎麦は、良い蕎麦が沢山ある地域にあっては「製麺所出身」らしい蕎麦で不可だがお握りは美味しかった。湯郷へはおばさんにお聞きした国道429号と云うワインディンロードを楽しんだ。緩やかなアップダウンとバンクの効いたカーブは真に走りよい。ゆっくりと景色を眺めながら、時間つぶしのような走行です。途中には武蔵の里とある。よく見ると宮本武蔵出生の地らしい。
美作市内に近づくと、昔プレイしたことがある「作州武蔵GG」の看板がある、数十年ぶりにコース名の由来が解けた。過去を振り返っている内に、美作市内へ、市内を通過して吉野川沿いの市営露天風呂。ここは昨年訪れていますが、今年は雨中露天と相成りました。それでも、地元の人々で賑わっておりましたが、写真は諦め昨年の写真のみ掲載。
それでは、今宵の宿でありますかんぽの宿湯郷へと向かいます。温泉街を突き抜けた小高い岡の上にあります。遠望が利くのですが、温泉街は残念ながらブラインド。真に古い建物ですが、メンテナンスで持たせているようです。室内も清掃が行き届いている。
少々風呂疲れしておりますので部屋でKindleで読書、その後食堂に移り遅めの夕食です。我々年金生活者にとっては、斯様な旅行も生活の華。あちらこちらで写真を撮られている。連泊してショートステイ風の利用をなさっているようです。良いアイデアですね。風呂は、清掃のおじさんが自慢していただけ有って、市営露天よりさっぱりして良い。館で井戸を持っていると言うことです。障害者対応浴室もあるそうだ。
二日目です。湯郷を出立して前日の午後と同様に国道を湯原を目指します。湯原では郷緑温泉が目的ですが、ここは風呂桶が源泉の上に設えているため、結果として一つしか無いので先客があると時間待ちです。そこで、到着直前に電話することとして、ドライブを楽しみます。
国道181号から313号と分岐する所が真庭市勝山地区。歴史的町並みの美しい町です。ここでは、寅さんのロケ地の標識を探します。以前も目にしたのですが、何作の映画かという点を見逃していました。結果は写真の通り、最終作「紅の花」、浅丘ルリ子さんとの共演作で、ロケ地の関係者が演者を招待するのだが、寅さんも病を押して出席したという逸話のある作品です。彼の気遣いが見てとれます。
さらに北上しますと、左手に幕湯で有名な真賀温泉、右手に足温泉の館が見えます。湯原IC辺りで郷緑温泉に架電。何度架けても出ませんので諦めて湯原温泉のひまわりの湯を目指します。ここは、お気に入りの蕎麦があって、食事兼用なら利便性が高い所です。
さて、旅に出て初日から滝のような雨に何度も出会っています。予報では、本日も雨が続くと言うこともあって、ひまわりの湯も番台のおばさん曰く「さっぱり」とのこと。これは雨を押してきた者にとっては非常に好都合です。写真でご覧の通り貸し切りでした。蕎麦を食った胃の腑を休めるには寝転んだり泳いだり(うそ)。
次に蒜山・大山をかすめて鳥取県に入ります。関金温泉の関の湯はご覧の通り、風呂桶を二分して男女に分けています。このタイプは古い地元湯に多く見られます。ここは、「まっとうな温泉」(南々社)の付録を使用して無料とさせていただきました。受付のおばさん曰く「本持参者は本日朝から三人目」とか、広く利用されているようですね。三湯目ですっかり出来上がって、三朝を目指しました。
外湯も沢山ありますが、木屋旅館での楽しみの一番は館中央地下にある楽泉の湯。湯船の底から熱湯に近い湯がわき上がってきますので、入る時はホースで調節しないと、人間ゆで卵になります。脇には、湯壺があって柄杓ですくって飲泉もできます。床に転がれば岩盤浴にもなります。
さて、夕食は一般的なコースでしたがそれぞれ板前さんの創意工夫が見てとれます。今回気に掛かったのが鮎の焼き物に海苔などを挟み込んだ一品です。その供し方に職人さんの修行の跡とこだわりを見ました。「海腹川背」と云いまして、海の魚は腹側に旨味が、川の魚は背に旨味がと云い、お出しする時も旨い側を客に向けるという習いです。
美味しい料理と腕の良いマッサージさんに夢の世界へ引き込んでいただいた翌朝は更に豪雨。鳥取市内の河川は氾濫している所もあるという。本日の予定では、市内にある因幡国庁跡を見学する予定で有りましたが、翌朝は豪雨で断念せざるえません。因幡守であった大伴家持が「新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」と新年の挨拶を国庁で詠った短歌で、自らが編纂した万葉集の幕としております。
私のお気に入りのこの短歌が作られた場所に立ち、偐家持になるつもりでありましたが、叶わぬ事となりました。また、時期を改めて鳥取を目指すこととして、今回の旅の目的でありました、山頭火と関わりが深い河本緑石を忍ぶ、木屋旅館が運営する喫茶店「茶房 木木」の一角の「カムパネルラの館」で亭主の入れるコーヒーで旅の幕としました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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