2016/05/29 - 2016/05/30
16位(同エリア799件中)
琉球熱さん
ある登山サイトで「今年は尾瀬のミズバショウが例年より早い」との情報を見つけ、居ても立ってもいられなくなり、ほぼ衝動的に尾瀬行き決定。
“初尾瀬”はこんなことから突然決まった。
しかし、予備知識も不充分なままの衝動旅行にも拘らず、やはり尾瀬は「ハイキングの王道」だった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
日曜日の新宿発大清水行きバスはさすがにガラガラ。
我々含めて乗客はわずか8人!
日帰りする人は少ないのか?
バスタ新宿はそれなりに混雑していたが・・・ -
関越自動車道で2回の休憩の後、一般道に降りてから終点大清水の一つ手前で他の乗客は全員下車。そこから再びバスに乗り継いで鳩待峠に行くらしい。
我々2人だけになったバスは木立ちの中を終点に向けて走る。
新緑がキレイだ。 -
終点大清水に到着。10:56
『尾瀬』の看板に心躍る。これもお初だからか? -
バスは大清水休憩所の真ん前に停まる。
ここは食事処のほか、土産物売り場、無料休憩所があって便利。大清水休憩所 名所・史跡
-
さて、いよいよ尾瀬沼へ向けて出発。11:20
ここからしばらく林道歩き。 -
一般車は通行禁止だが、シーズンになると低公害車仕様のバスが一ノ瀬休憩所まで運行されるそうだ。
小型のバスが通れるくらいの幅が確保された林道を行く。
ほとんど勾配はないが、これが長い。 -
一ノ瀬休憩所 到着。12:30
約1時間の林道歩きも、ここで終わりである。
ここも売店がある。隣にはチップ制のトイレ。
湧水で冷やしたトマトときゅうり・・・一の瀬休憩所 グルメ・レストラン
-
休憩所を過ぎ、小さな橋を渡るといよいよ登山道。
きれいな川が傍らを流れる。
奥の方は滝。茂みが邪魔をしてその姿を写真に収められないのが残念。 -
新緑、清流
気持ちイイ〜 -
ちょろっと滝が見える。
-
岩清水 12:59
当然飲んでみる。冷たくて喉に心地よい。 -
岩清水を過ぎた陽当たりの良い道に水溜り。
よくよく見ると、黒い物体は全てオタマジャクシ。
湧き水が道の窪みに溜まり、干上がることなくカエルたちの産卵場になっているのだろう。 -
三平峠 13:31
大清水ルートの最高地点だが、樹木に囲まれ眺望は無し。
ベンチがあるので一息入れる人多し。 -
三平峠を過ぎるとあとは沼に向かってゆるゆると下って行くだけ。
木々の間から尾瀬沼が見え始めると、テンションも必然的に上がって来る。 -
切り株の上の盆栽
-
花を見ながら下り、突然目の前が開けたと思うと、この景観!
三平下 13:57三平下 自然・景勝地
-
目の前に尾瀬沼と燧ヶ岳。
思わず声が出てしまう眺め! -
尾瀬沼側から見るとこんな感じ。
左手が尾瀬沼休憩所。右手は尾瀬沼山荘。
このベンチに腰掛け、尾瀬沼を眺めながらの休憩…なんと贅沢な場所だろう尾瀬沼山荘 宿・ホテル
-
この休憩所にも売店があり、土産物のほか、軽食も可能になっている。
周囲の風景と調和した造りが心憎い。尾瀬沼休憩所 グルメ・レストラン
-
足元にはイチリンソウ。
ここはついつい長逗留してしまいそうな場所だが、本日の目的地までもう一歩きしなければならない。
少しばかりの未練を残し、出発。 -
この木道を見た途端にテンションはマックスに!
尾瀬だ〜〜
それ以外の言葉が出て来ない。尾瀬沼 自然・景勝地
-
尾瀬沼越しの燧ヶ岳。
わずかに湖面にその影を映す。
もっとはっきりと晴れていたら、さそかし・・・尾瀬のハイキングコース 公園・植物園
-
尾瀬と言えば、やっぱりこれかな。
すでに終盤に入りつつあると聞いたが、まだまだ見頃の株も多い。 -
湿原に広がる、上品な淡い紫の花。
タテヤマリンドウ。
確か八方尾根が初見だったと思うが、これほどの群生は初めて。
溜息が出るほど美しい。 -
湿原に広がる、上品な淡い紫の花。
タテヤマリンドウ。
確か八方尾根が初見だったと思うが、これほどの群生は初めて。
溜息が出るほど美しい。 -
そしてまたミズバショウ。
♪ 夏がくれば 思い出す〜 ♪
あまりに有名な歌だが、尾瀬のミズバショウの開花時期は5月下旬から。
ミズバショウ自体は夏の季語らしいが、尾瀬においてはまるっきり見当外れと言うことになる。もっとも、二十四節気で考えれば一応「夏」ということになるが・・・
ミズバショウは群落を遠景で見るのが良い・・・と思うのは私だけ?
こんな風景を見ると、あぁ尾瀬だなぁ、、、などと尾瀬初心者は思ってしまう。
ちなみに少々無粋な話になるが、ミズバショウの葉から出る汁に触れるとかゆみや水ぶくれを起こすことがあるという。
根には吐き気や脈拍の低下を引き起こす成分が含まれているというから、けっこうな危険植物なのだ。 -
春の訪れと夏の兆しを伝えるのは、ミズバショウばかりではない。
イチリンソウが健気に咲いていた。 -
イチオシ
このリュウキンカも今が盛り。
濃い黄色で存在感を誇示していた -
湿地帯に咲く花を楽しみながら、気付けば長蔵小屋。14:52
三平下から20分ほど。
尾瀬で最も歴史のある小屋にふさわしく、木造で威厳のある建物。長蔵小屋 宿・ホテル
-
玄関前には豊富な水量の湧水。
-
荷物を部屋に置き、周辺散策。
目の前に尾瀬沼ビジターセンター。
登山道の状況はもちろん、尾瀬沼のことならここで情報収集。尾瀬沼ビジターセンター 名所・史跡
-
ビジターセンターの隣には長蔵小屋の売店。
品揃えの豊富さは、さすが尾瀬。
残念ながら、これはと思うデザインの手ぬぐいは全て売切れ。長蔵小屋 休憩所 グルメ・レストラン
-
売店のデッキで一休み。
珈琲とチーズケーキ。珈琲の味は・・・普通でした(笑) -
売店の裏手にあるこの立派な建物。
なんとトイレ!
きれいです。 -
湿原の方へ行ってみる。
遥か彼方まで伸びる木道。広大な湿原。
尾瀬の典型的な情景。 -
イチオシ
青空が出てきた。
やはり陽光が差した方が美しさが映える。 -
それにしても、山頂でもないのに、この開放感。
-
長蔵小屋の屋根が見える。
右手にわずかに見えるのは、湖畔の休憩所だろう。 -
木道は人工物なのに、ここでは全く違和感がなく風景に溶け込んでいる。
-
う〜む、美しいミズバショウも、最後はこうなるのか・・・
群落は美しいが、ピークが終わればこの姿の群落になってしまうわけで・・・ -
今回は計画に入れていない燧ヶ岳。
この時期はまだピッケルが必要。
雪がない時期に登ってみたい。 -
大江湿原方面
再訪の機会があれば、今度は沼山峠から来てみよう。 -
さて、宿に戻る。
この長蔵小屋、非常に古い小屋にも拘らず、設備が充実。
何と言っても、個室対応と風呂が嬉しい。
左上:食堂 広くてきれい(奥には売店)
右上:夕食 味も量も充分
左下:洗面所 大きい 水は滅法冷たい
右下:風呂 石鹸は使えないとは言え、汗を流せるというのは大きい。 -
左上:玄関 古民家の風情
右上:談話室 本がいっぱい。朝夕には珈琲の提供もある。
左下:夜、小屋全景
右下:客室 こたつがあるのには驚いた。
コンセントもあり、携帯やデジカメの充電には困らない。 -
今回は敢えて歯ブラシではなく、こんなものを使ってみた。
名前の通り、直に歯を「拭く」のである。
まぁ、清涼感はある。しかしやはり緊急事態用だ。 -
翌日、予報通り朝から雨。
これもまた良し。
久しぶりにレインウェアの出番。
何より、人が少ないのが嬉しい。 -
ワタスゲ
カメラの防水ケースに水滴が付いてしまった。
おまけにケース外側から細かい操作ができないので、どうにもならん。 -
霧に煙る森
-
尾瀬沼の北岸を沼尻に向けて歩く。
この一帯は立派な巨木も多く、森の力強さを感じるエリア。
ガスがかかり幻想的、静寂、なんとも言えぬ雰囲気だ。
しかし木道に残された明らかに主がわかる“落し物”を見つけるに至り、そんな能天気な気持ちは吹っ飛んだ。
必要以上に熊鈴をじゃらんじゃらん鳴らす。 -
霧の摩周湖・・・古過ぎ
-
ここにもミズバショウの群落が・・・
見頃は過ぎて終盤、とは言われるが、まだまだ -
湖面の靄が幽玄な雰囲気を醸し出す
-
自然の水路にそってミズバショウ
-
雨のおかげで、瑞々しく見える。
雨も悪いことばかりじゃない。 -
沼尻到着 8:20
長蔵小屋からざっと1時間。
長蔵小屋が運営していた沼尻休憩所は、2015年に火災により焼失。
今は土台部分だけが無残な姿を晒している。
ここは燧ヶ岳に登る道、尾瀬ヶ原へ続く道、尾瀬沼を周回する道の交差点。
我々は周回ルートを進む。 -
尾瀬沼の南岸の道を行く。
「雨も悪いことばかりじゃない。」とは言ったものの、こうなると・・・ -
山中で見かけるツツジ科の木。
何がなんだかさっぱりだが、これはムラサキヤシオとのこと。
濡れた花びらも良いもんだ。 -
南岸の至る所に、ミズバショウの小さな群落があった。
さて、雨は相変わらずしとしと。
尾瀬沼を一周し、三平下で小休止した後は脇目もふらず(?)スタート地点である大清水へ。 -
不思議なもので、三平峠を越えると雨はほとんど止み、一ノ瀬休憩所の手前まで来るとレインウェアもいらないくらいになっていた。
渓谷の緑も心なしか活き活き。 -
このあと、一ノ瀬休憩所で昼食を取りながら、レインウェアを片付け、最後の林道歩きへ。
-
沼尻ですれ違ったシニア夫婦が「大清水はアプローチが長いから最近は敬遠されている。沼山峠が主流になりつつある」と。
確かにこの長い林道歩きはちょっと退屈ではある。 -
今回は手ぬぐいを入手できず。代わりにバンダナ。
山バッジは未踏の燧ヶ岳は我慢して「尾瀬」。
2点とも長蔵小屋にて
急遽決行した尾瀬行きだったが、ミズバショウも見ることができたし、高山植物も多数観察できた。
二日目は天候に恵まれなかったものの、幽玄な尾瀬沼の姿を拝むことができたし、強行して正解だった。
ここはできれば3〜4日かけて楽しみたい場所である。
何から何までが「さすが尾瀬」と思わせる、魅力的な場所だった。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- ムロろ~んさん 2016/06/14 21:00:58
- 大自然に癒されて!
- 琉球熱さん
ご無沙汰です、ムロろ〜んです。
尾瀬に行かれた旅行記を拝見しました。
ミズバショウに毒あるなんて知らなかったです(^_^;)。
遠くから眺めるときれいに見えます。
他の山に咲いている花も実際に毒の持っているものも多いと聞いています。知っている知らないとでは大違いですね。
本当に風景が素晴らしいです。いつか行ってみたい旅先です。
ムロろ〜ん(-人-)
- 琉球熱さん からの返信 2016/06/15 22:34:50
- RE: 大自然に癒されて!
- ムロろ〜んさん、書き込みありがとうございます。
> 他の山に咲いている花も実際に毒の持っているものも多いと聞いています。
薬として使われてきたものも、同じように多いんですね。
山野草は、その姿かたちもさることながら、毒があったり薬になったりと、“中身”もまた非常に興味深いですね。
-
- rokoさん 2016/06/13 21:56:45
- 遥かなる尾瀬の旅
- 琉球熱さん こんばんは
ミス芭蕉咲く尾瀬 いいですね〜♪
大清水から入られて長蔵小屋泊まり
3年前に同じコースで行きました。
ルンルンで見せていただいていたんですが、大ショック!
沼尻休憩所が火事で全焼したんですか、知らなかったです。
ここはとてもいいロケーションに建ち沼を見る絶景ポイント
大好きな私の中では尾瀬の中で一番落ち着く場所と言えるほど
木のベンチに座り珈琲を飲みながら眺めた景色、
忘れられません。
その後、山の鼻小屋に泊まり至仏山に登り鳩待峠から帰路につきました。
秋だったので草紅葉がきれいでしたが、琉球熱さんが行かれた時期にも歩いてみたいなと思いながら拝見させていただきました。
- 琉球熱さん からの返信 2016/06/13 22:11:12
- RE: 遥かなる尾瀬の旅
- > 琉球熱さん こんばんは
>
>
rokoさん、こんにちは
投票&書き込みありがとうございます。
初尾瀬でしたが、人気の理由がわかりました。
あの風景の中に身を置くだけで、とても落ち着きますね。穏やかな気持ちになれます。
本当に素晴らしい。
同じコースと言うことは、あの長い林道も歩いたんですね?(笑)
長蔵小屋もいい宿でした。
沼尻休憩所は残念ですね。来シーズンの再開を目指しているそうです。
> その後、山の鼻小屋に泊まり至仏山に登り鳩待峠から帰路につきました。
正にゴールデンコースではないですか!
私も、尾瀬沼・燧ケ岳、尾瀬ヶ原・至仏山と周りたくなりました。4〜5日必要ですが(笑)
ここは是非再訪したいです。できれば平日の空いている時(笑)
- rokoさん からの返信 2016/06/13 22:31:20
- RE: RE: 遥かなる尾瀬の旅
- 琉球熱さん
早速の返信ありがとうございます。
> あの風景の中に身を置くだけで、とても落ち着きますね。穏やかな気持ちになれます。
> 本当に素晴らしい。
ですね〜♪
> 同じコースと言うことは、あの長い林道も歩いたんですね?(笑)
> 長蔵小屋もいい宿でした。
>
> 沼尻休憩所は残念ですね。来シーズンの再開を目指しているそうです。
来シーズンに再開される予定があるんですか!
嬉しい限りです。
沼尻休憩所からの画像を見直していたんですが
(途中まで小屋番の方に見送っていただいて・・・
尾瀬に魅せられ、尾瀬に移り住んだというお話を聞かせていただき
この小屋終いの頃が一番寂しいと言われてたのが印象に残りました。
またぜひ初夏のころにも訪れたいな・・・)
とコメントしてました。
実は沼山峠へ間違って歩いてしまい、3時間もロスしてしまって
焦り気味で歩いていたら、この休憩所が
ホッとしました。200円払ってトイレもお借りして、長蔵小屋のスタッフの方とのおしゃべりが楽しかったものです。
> 私も、尾瀬沼・燧ケ岳、尾瀬ヶ原・至仏山と周りたくなりました。4〜5日必要ですが(笑)
>
> ここは是非再訪したいです。できれば平日の空いている時(笑)
燧ケ岳も至仏山もぜひぜひ旅記で見せてくださいね。
待ってます。
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