2015/12/29 - 2015/12/30
13位(同エリア375件中)
琉球熱さん
2015年の登り納めはどこにしよう?
せっかくだから雪のあるところ、ある程度勝手がわかるところ、という基準で選んだのが谷川岳。
秋の初登攀が絶好のコンディションに恵まれ好印象だったこともあり、アクセスが比較的容易なのも決め手の一つになった。
仕事納めの翌日、まずは一ノ倉沢の氷壁を拝み、翌日は天神平から行けるところまでと言うプラン。
往路は新幹線、復路はのんびり在来線でコストカット(笑)
天気予報ではまずまずであったが・・・
- 旅行の満足度
- 4.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
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-
12/29、初日は雪上ハイキングということで出発ものんびり。
上毛高原駅に9時少し前に到着し、バスで谷川岳ロープウェイまで約45分。
既に小雨というコンディション。予報は見事に外れた。上毛高原駅 駅
-
ロープウェイ山麓駅であるベースプラザからスタート。
一ノ倉沢へのハイキングルートは既にこんな状態。下に見えるのは谷川岳山岳資料館。
麓では小雨だが、ここまで来るとやはり雪。谷川岳山岳資料館 美術館・博物館
-
そんなわけで今回は新兵器、『ワカン』。
シーズン初期にはアイゼンよりも威力を発揮するからだ。 -
一ノ倉沢への道は林道、つまり車が通れるほど整備された道のはずだが、それはもちろん無雪期の話。
昨日までスキー場のオープンも危ぶまれるほどだったのに、昨夜からの雪だけでここまでの積雪。
さすが、関東随一の豪雪地帯・・・ -
こんな日にここを歩く酔狂者はいないのか、誰もいない。
途中、西黒尾根を森林限界まで行ってきたという二人組に出会っただけ。
西黒尾根の入口までは、彼らが付けたトレースが辛うじてあるのみ。 -
そのトレースも、降り積もる雪と風で消えかかっている部分もあり、妙に緊張する。
-
西黒尾根入口を過ぎると、完璧にラッセル状態。
ようやくマチガ沢に到着。
無雪期は30分程度で来れる場所、1時間以上かかってしまった。 -
水墨画のような世界
-
マチガ沢
山は見えない・・・
トレースなし -
そのまま掛け軸になりそうだ
-
ここまでのラッセルで、気温-4℃にもかかわらず汗だく(笑)
-
晴れていたら、見事な岩稜を見ることができたのか?
-
マチガ沢の入口に立つ碑
安全登山と書かれた標柱のようだが、、、 -
その裏にはこの記述。
昭和55年に発生した遭難の慰霊碑なのだ。
ヒマラヤ遠征隊が訓練中に雪崩に巻き込まれて全員死亡した事故。遺体収容は過酷を極めたそうだ。
最後まで発見されなかった小林清美さんはメンバー最年少で、当時20歳代前半、彼女の遺体が発見されたのは、翌年の秋だったという。 -
マチガ沢園地正面には白毛門
やはり山頂部分は見えない。
初めての場所で、人がいない、荒天というのは不安だ。
登山道ではないとは言え、天候回復の兆しもなく、今回はここで撤退することに。 -
依然として雪は降り続け、時折吹く強い風で雪が巻き上げられると、ホワイトアウトに近い状態に。
-
これはヤバイでしょ、というわけで急いで戻る。
ゲートが見え、山岳資料館に到着した時はほっとした。
帰りはラッセルがない分、少し早かったとはいえ、往復わずか3.8kmに2時間半かかった。 -
ベースプラザで雪を落とし身支度を整え、今宵の宿へ。
土合と水上の間にある湯桧曽温泉郷。
こじんまりした林屋旅館に投宿。清風かおる湯宿 林屋旅館 宿・ホテル
-
2階の廊下に掛けられた、与謝野晶子直筆の掛け軸。
大正時代から続く老舗らしいモニュメント。 -
廊下の所々に気の利いた飾り付け。
-
部屋のドアにも正月らしい飾り付けが。
小さなことだが、ゲストへの気配りがあちこちに見受けられ、気持ちがなごむ。 -
湯桧曽川に面した部屋からはこんな雪景色が。
夏になると、部屋の窓から自然豊かな光景が見られるそうだ。
猿や鹿はもちろん、熊を見ることもあるという。 -
大浴場は総タイル張りのレトロな雰囲気。
熱めの源泉かけ流し、24時間入浴可能。
気持ちの良い風呂だった。
この宿の心地よさは、食事の質もさることながら、とにかく隅々まで清掃が行き届いていること。
「おもてなし」と言うのは簡単だが、それを常に体現することは容易なことではないだろう。 -
【今回の記録】
歩行距離:3.8km
最大標高:840m
積算標高:236m -
2日目、再び谷川岳へ
久しぶりに良い宿に出会えたおかげで、ゆっくり寛いで、贅沢な朝食を取って、始発のバスに乗る。
その前に、湯桧曽川にかかる上越線の鉄橋越しの温泉街。
歴史を感じさせる橋桁に感心する。湯檜曽駅 駅
-
ロープウェイで天神平へ。
スキー場はめでたくオープン、しかし昨日に引き続き曇天。
予報では晴れだったのに・・・谷川岳天神平スキー場 スキー場
-
絶景を誇る天神平の景観もこの通り。
何も見えない・・・(涙)天神平 自然・景勝地
-
9月に来た時は快晴、雄大な景色が拝めたのだが・・・
-
さて、きょうはまがりなりにも山登り。
傾斜のあるところも歩くのでアイゼン装着、そしてワカン。 -
天神平から一登りして拝む山頂方面。
双耳はどこだ!? -
雪の深さは昨日に負けず劣らず。
ただ、こちらはさすがに人が入っているおかげで、トレースはバッチリ。 -
熊穴沢小屋から山頂方面
何が何だか、さっぱりわからず
でも、こんなコンディションの中、黙々と山頂目指して登る人影が見える。 -
少々角度は違うが、無雪期の様子。
この格段の違いは、雪の有無ではなくやはり天候…。 -
避難小屋も半分ほど埋まっていた。
ここまでの所要時間、50分。無雪期は30分強だった。
この先、山頂を目指しても眺望は期待できず、帰りのバスの時刻もあるので、ここで撤退。 -
一ノ倉岳、茂倉岳方面も視界は全くダメ。
-
視界が良ければこんなきれいな稜線が見られるはずだが・・・
-
帰りは景色も見ずに黙々と下る。
スタート地点に戻り天神平からの眺め。
心持ち朝よりも視界が良くなってはいるが、一時的なものか?
ラッセルはなかったが、途中それなりに慎重に歩かなければならない場所もあり、往復で2時間かかった。通常の倍である。天神平 自然・景勝地
-
ロープウェイで下山し、バス待ちのベースプラザから。
おいおい、晴れて来たぞ(涙)
というわけで、この後天候はぐんぐんと快方に向かい、水上駅に着く頃にはきれいな青空が・・・ -
水上駅の待合室にて
「おいでちゃん」と吊るし雛
ちなみに、おいでちゃんは身長185cmという長身の24歳だそうだ(笑)
頭上に広がる青空を恨めしげに眺め、下山が一緒だった人と苦笑い・・・水上駅 駅
-
【今回の記録】
歩行距離:2.9km
最大標高:1475m
積算標高:252m
考えようによっては、これが谷川岳。
前回の好天はレア中のレアだったかもしれない。
また、この時期の雪はまだ締まっていないため、とても歩き難く非常に時間がかかる。
雪山と一口に言っても、時期によって状況が違うことを実感した山行となった。
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この旅行記へのコメント (9)
-
- batfishさん 2016/01/05 23:01:31
- 今年もよろしくお願いします。
- 琉球熱さん こんばんは!
登り納めは谷川岳だったのですね。
水墨画のようなお写真、冬山らしくて好きです。
人のいない静かな雪山に触れたようで羨ましいです。
(私は寒さに弱いので旅行記拝見するだけですが…^^;)
12月29日はこんなお天気だったのですね。
私はこの日の午後、横浜ランドマークタワーにいたのですが
北西方面に雪山がぼんやりと見えて(例によって双眼鏡持参)
谷川岳かなぁと話していたのでした。
でも、こんな感じだととても見えそうにないですね。
夫は平標あたりじゃないかと言っていたのですが…
雪山を歩いた後での温泉は最高ですね。
また次なる山行記も楽しみにしています。
batfish
- 琉球熱さん からの返信 2016/01/05 23:44:00
- RE: 今年もよろしくお願いします。
- batfishさん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
水墨画は好きですが、水墨画のような景観はやはりがっかりです(笑)
威圧されるような氷壁を期待していたんですが…
初日のマチガ沢までの行程では、腿辺りまで埋まるようなラッセルでした。
さすがの豪雪地帯です。
それに人がいない。雪も降ってあたりは薄暗い。とても「静かな山を味わう」という感じではありませんでした。誰かいないか?と声を出したくなるくらい(笑)
翌30日も天候は回復しませんでしたが、さすがの谷川岳。登山者はそこそこいて、皆山頂を目指していましたよ。凄い根性ですね〜
横浜から谷川が見えるんですか?!
私も今度、ランドマークから見てみよう!
懲りずに雪山、あと2〜3座。
でもピッケルを使うような山には行かない軟弱登山です。
-
- jun1さん 2016/01/04 23:24:57
- 残念でしたね。
- 琉球熱さん
あけまして、おめでとうございます。
スキー場は雪が降らなくて嘆いてたのに、琉球熱さんが行く頃には雪が積もってましたね。
ホワイトアウトじゃ、氷壁も見れず残念。
アイゼンとワカンが着けられるですか。
知らなかったです。
ラッセルは大変だー。
スノーシューは大きく重く、疲れそうだから、これ良い考えだわ。
今年もよろしくお願いします。
jun1
- 琉球熱さん からの返信 2016/01/04 23:42:08
- RE: 残念でしたね。
- jun1さん、明けましておめでとうございます。
今年の冬は雪が少ないと聞いていたのに、天神平のスキー場も直前まで雪がないと悲鳴を上げていたのに、これです。
積雪はこちらもありがたいのですが、今回のように雪が降っていると空も灰色になってしまうので、「絵」としては全く面白味がなくなってしまいますね。
ラッセルは初めてじゃありませんが、今回は疲れました(笑)
アイゼンの爪がワカンの紐を踏まないように着けます。
スノーシューは一部の機種を除いて、併用ができませんよね。そんな点もワカンの方が使い勝手が良いかなと思います。
第一、重いし高いし(笑)
今シーズンはあと2〜3、このパターンで攻める予定です。
今年もよろしくお願いします。
-
- notchさん 2016/01/04 16:50:04
- あけましておめでとうございます。
- 琉球熱さん,あけましておめでとうございます。
昨年末は冬山の谷川岳で締めくくられたのですね!
ずいぶん昔にロープウェイを使って秋の谷川岳を訪れたことがあるのですが,冬はまさに風景が一変しますね。この水墨画のような色のない山の姿もまた魅力的ですね。
琉球熱さんの山行記には,同一地点の違う季節の写真を挟んでくださるので,山のいろいろな表情が見られて,いつも興味深く拝見しています。
今年もまたよい旅をなさってください。今年もどうぞよろしくお願いします。
notch
- 琉球熱さん からの返信 2016/01/04 23:29:43
- RE: あけましておめでとうございます。
- notchさん、明けましておめでとうございます。
早速投票、ありがとうございました。
全編水墨画のような「色」のない旅行記になってしまいました(笑)
これが晴天なら、白一色でももっと違う絵になったはずです。
やはり山は(海も)晴れないとつまらないですね。
晴天下の雪山の景観は、夏山では味わえないものがあるので、懲りずに今シーズンも山に行く予定です(笑)
こちらこそ今年もよろしくお願いします。
-
- mayたんさん 2016/01/03 22:59:50
- ラッセルお疲れ様でした!
- ホワイトアウト…
まさに雪山の世界ですね。
ワタシも赤岳の前に、ワカン初挑戦しました♪
冬山でも登りはあっと言う間に、身体熱くなりますよね。
ヒマラヤ遠征隊に、その当時で若き女性も名を連ねていたとは…
また素敵な雪山の世界に出会いたいですね。
- 琉球熱さん からの返信 2016/01/03 23:32:53
- RE: ラッセルお疲れ様でした!
- mayたんさん、いつもありがとうございます。
冬の赤岳から比べれば、今回の谷川は楽勝です(笑)
私がワカンを選択したのは、スノーシューは重い・デカイ・高いからです(笑)
今回は天候が悪く、終始一貫水墨画の世界で、かつ必死のラッセルで写真を撮る余裕もなく…
結果、「色」に乏しい旅行記になってしまいました。
そうそう、mayたんさんは赤岳挑戦でアイゼンはもちろん、ピッケル等一式そろえたんですよね? 一財産飛びませんでしたか?(笑)
冬靴は泣きたくなるほど高価ですね。でも、あれがないと指先が間違いなく凍傷になるだろうし…
今月も懲りずに東北やら上信越やら挑戦してきます。
- mayたんさん からの返信 2016/01/06 18:26:08
- 実は・・・
- 琉球熱さん、よくぞ聞いてくれました!
アイゼン、ピッケルは、実は父が山登りしていたので、譲り受けたんですよ〜
そして一番お金のかかる、冬靴。
これもラッキーなことに、山仲間の方のお古を頂いたんです♪
これがなかったら、私の冬山デビューはなかったかもしれません(笑)
あとはテント担げる体力をつけねば〜
それでは♪
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