2016/03/03 - 2016/03/17
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motogenさん
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ニンビンの市街を歩きます。
市街といってもお洒落なショッピングストリートなんかではなく、ごたごたした庶民の生活する場所が私は好きです。
オークンさんのニンビンの旅行記に、市場が出てきます。
さて、どの付近なんだろう?
探検してみます。
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町中を流れている川の東側地域、旧鉄道駅周辺は、総じて庶民の町です。
車は少なく、バイクと自転車、ときに牛車が通るという、至って平穏で地味な区画なのです。 -
朝のこんな光景を見ていると、行商人がやってきた遠い昔の日本を思い出します。
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街路樹の下では、朝からお茶を飲んでいる人たちに出会います。
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子どもたちも親しげに近寄ってきます。
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川沿いを歩いていると、歩行者とバイク専用の橋がありました。
向こう側の大きな建物は何だろう? -
渡ってみると、市場があるではありませんか。
大きな建物は市場の中心だったのです。
ここが旅行記にあった市場なのか?
勇んで足を踏み入れます。 -
入り口付近にバイクの駐車場があります。
入ってくるバイクに紙切れを渡し、出て行くときに料金を徴収しています。
1台2000ドン(10円)。
庶民価格です。 -
真っ先に目が行くのは、こんなものです。
気持ち悪さと好奇心が混ざった、怖いもの見たさです。 -
生きたアヒルと茹だったアヒルが、隣り合わせに並んでいます。
生きたアヒルにもう少し知能があったなら、死刑執行を待つ立場が自覚され、こんなにのんびりしてはいられないでしょう。
何も知らないアヒルを見ていると、胸にこみ上げてくるものがあります。
しかし茹だったアヒルの姿の奇妙なこと!
顔に目やくちばしがありません。
のっぺら坊の鯉の頭みたいです。
しげしげと観察していて、はっとなりました。
前と後を間違えていて、頭は後方にあったのです。
私の様子を見ていた店のおばさんが、アヒルの首を持ち上げたり、くちばしを開いたりして、私をからかって遊んでくれました。 -
真におじけづいたのが、犬の丸焼きです。
信じられない思いです。
ネズミもコウモリは見たことありますが、犬の丸焼きは初めてです。
しっぽもちゃんと付いています。
歯だってあります。 -
頭だけにしたもの、足だけのもの、腹を割ったものもあります。
絶句・・・本当に絶句です。
数日前まで庭で遊んだり、しっぽを振って甘えていた犬がこんな姿に・・・ -
犬を売ってるおばちゃんは、私がカメラなんか構えてうろうろしてるもんだから、ふざけて犬の頭を抱え、私の目の前にどんとそれを置いて笑いました。
市場のおばちゃんは、悪ふざけが大好きです。 -
雑穀売り場は精肉売り場に比べると、安心して見ていられます。
黒い穀物、黄色の穀物、とび色の穀物と、こんなにたくさんの種類があるのかとびっくりします。
米に比べると粒は小さく、形もさまざまです。
健康意識を深めている私は、雑穀については非常に興味があるのです。 -
「これ、何て言うの?」
言葉は通じませんが、黄色の穀物を指差すと、おばちゃんは「ミー」と教えてくれます。
黒の穀物を指すと、それも「ミー」です。
あっちこっちと指を動かしますが、みんな「ミー」です。
笑ってしまいました。
おばちゃんも笑います。 -
ミーはミーでも穀物の種類によって、ミー××、ミー△△、ミー□□と呼ぶことが分かりました。
色々教えてくれますが、たくさんあり過ぎて、とても覚えることができません。
筆記用具でも持ってくれば良かったと後悔します。 -
日本の雑穀の値段は米の5倍も10倍もしています。
今では雑穀は宝なのです。
ところがここの雑穀は信じがたいほど安く、種類も多く、美しいのですからもうたまりません。
これを輸入できたら大儲けできるでしょう。
ベトナム農民も喜ぶ、日本の雑穀愛好者も喜ぶ、病気が減って厚生労働省も喜びます。
日本の農民は雑穀なんて育てていませんから、農民に被害は少ない。
いいことだらけです。 -
市場の華は魚屋さんでしょうか。
個人的には苦手ですが、この生臭さがなければ市場とは言えません。
おばちゃんたちのスゴ技をじっと見ていました。
大きな魚の尾をぐっと握ると、分厚い包丁でザザッザザッと鱗を削り落としていきます。
次に腹をドバっとかっさばくと、内臓をつかみ出してポイッと相方に投げ渡します。 -
内臓の筋膜や腹膜がハサミでチョキチョキと切られ、腸は腸、その他の内臓はその他の内臓としてバラバラになっていきます。
大きなかたまりだった内臓は、見る間に体裁を整えていきます。 -
本体の魚を扱っているおばちゃんの方は、ナタのような包丁で頭を落とし、尾を落とし、ひれを落とし、最後は気持ちよく本体をぶった切っていきます。
一匹済ますと、次の魚、次の魚と、それはもう見事なものです。
プロの手際の良さに、大きな拍手を送りたくなってしまいます。 -
大きなポリ袋に、ぶった切った魚を放り込み、体裁を整えた内蔵も入れ、そして頭や尻尾も入れてお客さんに渡します。
お客はそれをバイクのハンドルにぶら下げて、大きな野菜の袋と一緒に家路に走ります。
みんな逞ししく生きています。 -
福原愛ちゃん似のこの笑顔、本当に頼もしいおばちゃんです。
水槽の中の魚が飛び跳ねて、私の前に脱走し、元気良く暴れています。
触るのは気味悪いし、おばちゃんは魚を戻してくれと合図するし、どうしたものやら?
-
美味そうな匂いに誘われて、屋台の前を歩いていると、不意に腕をからめられ、引っ張り込まれました。
-
引っ張ったのはこの女性。
「コーヒー、飲むでしょ。コーヒー、美味しいよ。」
そんなことを言っています。
誘いが強引と言うより悪ふざけ気味で、ちょっと可愛い女性だったので、そのまま逃げずに座っていました。 -
「おっ、日本人なのか!」
「日本? じゃ東京か? 違う? じゃ大阪?」
「浜松? どこ? 知らないなあ。」
「ニンビンには、いつまでいるんだ?」
店にいた人までが、親しげに話しかけてきます。
話しかけられた内容が分かるってのも不思議ですが、仕草や視線、表情や言葉の調子で言わんとしていることは分かるものなのです。 -
お客の一人が近くの肉屋から、分厚い肉の塊をもらって来ました。
缶のコンロに乗せてあぶります。
こんな厚い肉の内部にまで、熱が通るのでしょうか。 -
肉から落ちる油に火がついて炎が出ると、男性はすばやく肉をひっくり返して、丸こげにならないよう気をつかいます。
-
どの顔も肉が焼けるのを、わくわくしながら待っています。
コーヒーをすすりながら見ていると、香ばしい匂いと共に肉が焼きあがり、その一片が私にも回ってきました。
その肉が犬ではないことを確かめて、ありがたく頂戴しました。
コーヒーは3in1のインスタントで、過度に甘いものでしたが、少し焦げ気味の焼肉とマッチして、のどを潤しました。 -
川に沿った道路の道端には、野外理髪店がが並んでいて、けっこう繁盛しています。
どの店もカットは30000ドン(160円)です。 -
理髪店に混ざって、野外喫茶店も並んでいます。
ベトナム人は野外喫茶店が大好きで、朝から晩まで一杯のお茶で長々とお喋りしたり、ぼんやりしています。 -
「お茶でも飲んでくかい?」
紫帽子おばさんに、そんな口調で呼び止められて、その気になりました。
「どこから来たの?」 「日本から」
「どこに行って来たの?」「あそこの市場だよ。」
おばさんの言葉を勝手に解釈して受け答えしますが、勝手な解釈もわりと当を得ていて、ちぐはぐしていても何とか会話は成立していくものです。 -
それを耳にしていた女性が声をかけてきました。
「こんにちは」
久々の日本語です。
この女性、ほんのわずかですが、日本語ができるのです。
日本に行きたくて、日本語を勉強していると言い、日本人に会ったことを喜んでくれます。
ナップの中から指差し会話帳を取り出して、ベトナム語を教えてもらうことになりました。
この指差し会話帳を使うのは初めてで、やっと役に立つことができます。 -
「こんにちは」は「シンチャオ」
「ありがとう」は「カモン」
「日本人」は「グォイニャ」
発音が難しくて、なかなかOKが出ませんが、本ではできない本物のベトナム語が学べます。
女性のお父さんが私たちの様子を眺め、日本語の挨拶言葉や生活用語を聞いてきます。
1時間もこうしていたでしょうか。
楽しい時間もあっという間に過ぎ、二人は家に帰ります。
私がおばさんにお茶代を払おうとすると、「もう頂いてあるよ。」でした。
お父さんが私の分まで払ってくれてあったのです。
現地の人からおごられたのは初めてで、嬉しさは人一倍です。 -
泊まっているホテルの近くには零細修理工場があります。
通りかかると3人の若者と親方が、油まみれになって働いていました。
色々な道具が散らかっています。
メカ好きの私は興味をひかれ、遠慮もなくじっと目を凝らして見つめていました。 -
大型車の発電機(セルモーター?)を解体して、新品同様に改修しています。
使っている工具も、発電機の内部構造も、熟練工の卓越した技も、面白そうなものばかりです。
「日本人?・・中国人?・・」
親方に聞かれました。
日本人だと答えると、「中国人は大嫌いだけど、日本人は大好きだ。」と大きな両手で握手されました。
「見ろ。これはみんな日本のものだ。」
工場の中にある機械や道具を指差します。 -
おかみさんがお茶と果物を持ってきて、しばし休憩です。
仕事熱心な職人たちは仕事をやめず、ばらばらにやって来てはお茶を飲み、ぶどうやみかんをついばんでいきます。
親方は私にも果物を勧めてくれ、よく見ていくようにと椅子まで出してくれました。 -
古いコイルを取り去って、新しいコイルに取り替えています。
自作のプラスチックペーパーやヘラなどを使って、狭い溝にコイルの束を納めていきます。
忍耐と労力が必要な作業ですが、熟練工の仕事は完璧です。
なるほど、こうすればうまくできるんだ。
うなってしまいます。 -
小学生だった頃は、私の村にも鍛冶屋や粉引き工場や自転車修理屋などがあって、学校帰りには大人たちの仕事ぶりを見ながら帰ったものです。
それがいつしか、古いものを修理するよりも、新しく買った方が安いという時代となり、地域から職人の働く姿は消えてしまいました。
ベトナムやタイには今もって、古いものを修理して使うという生活が残っています。
日本とどこが違うのでしょうか? -
筋向いの修理屋はバイクを主に扱っています。
若いお兄さん4人と、ちょっと年配のおやじさんが黙々と働いています。
そばに寄って見ていても、邪魔だとも言わず、迷惑顔も見せません。 -
こちらでは変速機のプーリー周辺をを分解していますが、カバーを取り去った動力伝達装置を見て、びっくりです。
こんな頼りないベルトが担っていたのか・・・
へえ〜、ここが閉じたり開いたりするんだね・・・
無段変速機のしくみをじっくり観察させていただきます。
プーリー軸のベアリングが故障していたようで、二つのベアリングを交換して修理完成。
待っていたお客は勇んで走っていきました。 -
こっちの若者は車輪が真円になるように、スポークの長さを調整しています。
もういいのではないかと私は見るのですが、この若者は頑固者で、いつまでもこの車輪に取り組んでいます。
その後ここを通りかかるたびに、このお兄ちゃん方は声をかけてくれるようになりました。 -
公園のステージでは、若者がマイケルジャクソンになろうと、跳ねたり回転したり、逆立ちしたりしていて・・・
-
アイドルになろうと踊っている女の子たちもいて・・・
-
路地を歩けば街角に、牛と一緒にがれきを運んでいるおじさんがいて・・・
何とも楽しいニンビンの町です。
通るたびにめずらしいものに出会えるのです。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2016/04/21 10:40:09
- 食文化は中国に近いね。
- って言うか大昔は中国の支配下だった時が有るしね。
むしろ驚くべきは毎日消化されていく市場の食品の量じゃないかしら、生ものなんか特にその日勝負でしょ。
その形じゃあ元の動物は判らない、でもベトナムコーヒー+焼肉はgooみたいね。
機械されすぎた日本は部品の交換屋だけど本当の修理屋さんはこうでなくちゃあ!
でもマイケルに憧れる若者たちが日本化しそうだね。
Ps.5月17日の夕方から深夜にかけてノイバイで10時間
過ごすよ〜。
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