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ブレス地方は、とびきりおいしい鶏で有名な土地。<br />リヨンから鉄道で1時間ぐらい、<br />一度は行ってみたいと思っていました。<br /><br />最初は鶏だけばお目当てだったのですが、<br />ここ、ブール・ガン・ブレスのブルー修道院は、<br />建築や装飾の面でも、歴史の面でも、とても興味深いところであることがわかり、<br />ますます行ってみたくなりました。<br /><br />リヨンからの日帰り旅行にはぴったり!

鶏の町、ブール・ガン・ブレス

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2015/09/23 - 2015/09/23

1位(同エリア1件中)

旅行記グループ 33 フランス

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redchilipadi

redchilipadiさん

ブレス地方は、とびきりおいしい鶏で有名な土地。
リヨンから鉄道で1時間ぐらい、
一度は行ってみたいと思っていました。

最初は鶏だけばお目当てだったのですが、
ここ、ブール・ガン・ブレスのブルー修道院は、
建築や装飾の面でも、歴史の面でも、とても興味深いところであることがわかり、
ますます行ってみたくなりました。

リヨンからの日帰り旅行にはぴったり!

旅行の満足度
4.5
観光
5.0
グルメ
5.0
交通
4.5
交通手段
徒歩
  • リヨンの北東(右斜上)方向、約60kmに位置する<br />ブール・ガン・ブレス(Bourg en Bresse)<br />ブレス地方、アン県の県庁所在地。<br /><br />この辺り一帯は、「ブレス鶏」の産地で有名で、<br />フランスの食品の品質保証制度A.O.C.(原産地名規制呼称)にも登録されています。<br /><br />

    リヨンの北東(右斜上)方向、約60kmに位置する
    ブール・ガン・ブレス(Bourg en Bresse)
    ブレス地方、アン県の県庁所在地。

    この辺り一帯は、「ブレス鶏」の産地で有名で、
    フランスの食品の品質保証制度A.O.C.(原産地名規制呼称)にも登録されています。

  • ブール・ガン・ブレスの観光の目玉は、ブルー王立修道院。<br /><br />15世紀はじめ(日本でいえば織田信長が生まれるちょっと前ぐらい)<br />マルグリット・ドートリッシュ妃が、亡き夫のために建てた修道院。<br /><br />屋根瓦は、ブルゴーニュ地方によくみられる色鮮やかなモザイクタイル。<br /><br />マルグリットはオーストリア出身ですが、祖先のブルゴーニュ公の伝統に倣い、<br />権威の象徴として立派な墓の建立を計画したのだそうです。

    ブール・ガン・ブレスの観光の目玉は、ブルー王立修道院。

    15世紀はじめ(日本でいえば織田信長が生まれるちょっと前ぐらい)
    マルグリット・ドートリッシュ妃が、亡き夫のために建てた修道院。

    屋根瓦は、ブルゴーニュ地方によくみられる色鮮やかなモザイクタイル。

    マルグリットはオーストリア出身ですが、祖先のブルゴーニュ公の伝統に倣い、
    権威の象徴として立派な墓の建立を計画したのだそうです。

  • 先ほどの写真は、建物の裏側なのですが、<br />修道院の教会の正面にまわると、こんな感じ。<br /><br />均整の取れた美しい建物。<br />フランボワイヤン・ゴシック装飾の傑作、といわれているそうです。

    先ほどの写真は、建物の裏側なのですが、
    修道院の教会の正面にまわると、こんな感じ。

    均整の取れた美しい建物。
    フランボワイヤン・ゴシック装飾の傑作、といわれているそうです。

    ブルー修道院 寺院・教会

    町外れに堂々たる建物。カラフルな屋根が印象的 by redchilipadiさん
  • 教会の正面に飾られた聖人の腕には、<br />「X」の十字架がしっかりと抱えられています。<br /><br />ブルゴーニュ公国の紋章、ブルゴーニュ十字でしょうか。

    教会の正面に飾られた聖人の腕には、
    「X」の十字架がしっかりと抱えられています。

    ブルゴーニュ公国の紋章、ブルゴーニュ十字でしょうか。

  • 正面の扉上部には、<br />この修道院を建てた、マルグリッドと、その夫サヴォイア公フィリベルト2世が、<br />中央のキリストに、跪いて祈っている姿が彫られています。<br />写真の左上には、PとMをデザインした装飾。<br />夫のフィリベルトのP、マルグリッドのM<br /><br />よく見ると、いろいろなところで凝っています。

    正面の扉上部には、
    この修道院を建てた、マルグリッドと、その夫サヴォイア公フィリベルト2世が、
    中央のキリストに、跪いて祈っている姿が彫られています。
    写真の左上には、PとMをデザインした装飾。
    夫のフィリベルトのP、マルグリッドのM

    よく見ると、いろいろなところで凝っています。

  • 教会の内陣の手前に、入り口が設けられています。<br />植物のモチーフの彫刻で飾られています。

    教会の内陣の手前に、入り口が設けられています。
    植物のモチーフの彫刻で飾られています。

  • さらに奥へ進むと、<br /><br />内陣の中央に、夫フィリベルト2世の棺、<br />向かって右側の壁に、彼の母、マルグリッド・ド・メディシスの棺<br />左側の壁に、マルグリッド・ド・ドートリッシュの棺

    さらに奥へ進むと、

    内陣の中央に、夫フィリベルト2世の棺、
    向かって右側の壁に、彼の母、マルグリッド・ド・メディシスの棺
    左側の壁に、マルグリッド・ド・ドートリッシュの棺

  • 棺の上の横臥像は二階建てになっていて、上部には写実的な臨終肖像を、<br />下部には、復活を願って、美化された顔を東側に向けた像を飾ったのだそうです。

    棺の上の横臥像は二階建てになっていて、上部には写実的な臨終肖像を、
    下部には、復活を願って、美化された顔を東側に向けた像を飾ったのだそうです。

  • 妻の棺も同じく二階建て。<br /><br />美しいマルグリッド・ド・ドートリッシュ<br /><br />ドートリッシュとは、オーストリアの、という意味です。<br />神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世とブルゴーニュ女公マリーの長女。<br />そして、サヴォイア公フィリベルト2世の妻。

    妻の棺も同じく二階建て。

    美しいマルグリッド・ド・ドートリッシュ

    ドートリッシュとは、オーストリアの、という意味です。
    神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世とブルゴーニュ女公マリーの長女。
    そして、サヴォイア公フィリベルト2世の妻。

  • 教会のステンドグラス<br />左側にはフィリベール公、<br />右側には、マルグリッド・ド・ドートリッシュ。<br /><br />二人の家系の、サヴォア家とブルボン家の紋章と、<br />ハプスブルグ家とブルゴーニュ家の紋章が描かれているのだそうです。<br /><br />二人の仲は円満だったとのこと、この修道院は権威の象徴であるとともに、<br />「永遠の愛の証」といわれていますが、<br />政略結婚のたえない時代、二人の背負っていたものは大変なものがあったのだな、としみじみ感じます。<br />ちなみに夫のフィリベール公は、狩の途中の生水が原因で死亡。<br />夫も妃も24歳のときのこと。

    教会のステンドグラス
    左側にはフィリベール公、
    右側には、マルグリッド・ド・ドートリッシュ。

    二人の家系の、サヴォア家とブルボン家の紋章と、
    ハプスブルグ家とブルゴーニュ家の紋章が描かれているのだそうです。

    二人の仲は円満だったとのこと、この修道院は権威の象徴であるとともに、
    「永遠の愛の証」といわれていますが、
    政略結婚のたえない時代、二人の背負っていたものは大変なものがあったのだな、としみじみ感じます。
    ちなみに夫のフィリベール公は、狩の途中の生水が原因で死亡。
    夫も妃も24歳のときのこと。

  • 教会の奥に、修道院が広がっていて、<br /><br />今は美術館として使われています。

    教会の奥に、修道院が広がっていて、

    今は美術館として使われています。

  • 教会をあとに、修道院のほうに向かいます。<br /><br />こんなに広い敷地に、わずか十数名の修道士が暮らしていたのだそうです。

    教会をあとに、修道院のほうに向かいます。

    こんなに広い敷地に、わずか十数名の修道士が暮らしていたのだそうです。

  • 修道院の中には、バラをモチーフとした飾りつけがありました。<br /><br />教会を後に、王妃のことを想い、感慨深い気持ちで歩いていると、<br />この現実離れした異次元空間から、ますます夢の中へ誘いこまれそうでした。

    修道院の中には、バラをモチーフとした飾りつけがありました。

    教会を後に、王妃のことを想い、感慨深い気持ちで歩いていると、
    この現実離れした異次元空間から、ますます夢の中へ誘いこまれそうでした。

  • さて、修道院をあとにして・・・<br />ブール・ガン・ブレスのもうひとつのお目当ては、ブレス鶏。<br />レストランは、ブルー修道院の正面にあるオーベルジュ、<br />Auberge Bressane がお薦めとか。<br /><br />でも、ディナーの場合は、修道院閉館18時で、その後すぐに食事、<br />というわけにいかず、、、、実はまだお腹もすいておらず、、<br />今回は町の中心部にふらふら歩いてみました。<br /><br />ブルー修道院だけでなく、<br />町の中心にも、美しい建物があります。これは大聖堂

    さて、修道院をあとにして・・・
    ブール・ガン・ブレスのもうひとつのお目当ては、ブレス鶏。
    レストランは、ブルー修道院の正面にあるオーベルジュ、
    Auberge Bressane がお薦めとか。

    でも、ディナーの場合は、修道院閉館18時で、その後すぐに食事、
    というわけにいかず、、、、実はまだお腹もすいておらず、、
    今回は町の中心部にふらふら歩いてみました。

    ブルー修道院だけでなく、
    町の中心にも、美しい建物があります。これは大聖堂

  • 町の役所も立派です。<br /><br />正面左上部に日時計があります。<br /><br />

    町の役所も立派です。

    正面左上部に日時計があります。

  • おいしいブレス鶏を出すレストランは、こんなマークが目印。<br />ブレスの鶏は、真っ白な羽毛、立派なトサカ、青い足が特徴なのだそうです。<br /><br />今回は、市の中心、大聖堂裏のベストウェスタン系ホテルの一階、<br />Restaurant Place Bernard<br />テラスのあるカジュアルなブラッセリーでいただきました。

    おいしいブレス鶏を出すレストランは、こんなマークが目印。
    ブレスの鶏は、真っ白な羽毛、立派なトサカ、青い足が特徴なのだそうです。

    今回は、市の中心、大聖堂裏のベストウェスタン系ホテルの一階、
    Restaurant Place Bernard
    テラスのあるカジュアルなブラッセリーでいただきました。

  • ブレス鶏は、<br />シンプルなローストでいただくのが一番、<br />とのことではありますが、<br /><br />この界隈は、乳製品もおいしい。<br />ブレスバターもA.O.C.です。<br />今日は、クリームソースでいただきました。

    ブレス鶏は、
    シンプルなローストでいただくのが一番、
    とのことではありますが、

    この界隈は、乳製品もおいしい。
    ブレスバターもA.O.C.です。
    今日は、クリームソースでいただきました。

  • とってもやわらかくてジューシー。<br /><br />でもやわらかすぎることなく、もちろん水っぽいこともなく。<br />鶏の滋味がしっかり味わえました。<br />味がしっかりしているので、クリームソースにも負けません。<br /><br />ちなみにソースはバターの芳しい風味、さらっとした軽いものでした。

    とってもやわらかくてジューシー。

    でもやわらかすぎることなく、もちろん水っぽいこともなく。
    鶏の滋味がしっかり味わえました。
    味がしっかりしているので、クリームソースにも負けません。

    ちなみにソースはバターの芳しい風味、さらっとした軽いものでした。

  • この写真は、リヨンのマルシェで。<br /><br />左側のブレスの鶏は、普通の鶏と比較して、倍以上のお値段がついています。

    この写真は、リヨンのマルシェで。

    左側のブレスの鶏は、普通の鶏と比較して、倍以上のお値段がついています。

  • ブレス地方には、ブレス・ド・ブルーというちょっと変わった青カビチーズがあります。<br /><br />昔、イタリアのゴルゴンゾーラから青カビのチーズが輸入できなくなってしまった時期に、この辺りの人が独自に作った青カビチーズ。<br />外側は白カビチーズで、中が青カビチーズ、という風変わりなチーズです。

    ブレス地方には、ブレス・ド・ブルーというちょっと変わった青カビチーズがあります。

    昔、イタリアのゴルゴンゾーラから青カビのチーズが輸入できなくなってしまった時期に、この辺りの人が独自に作った青カビチーズ。
    外側は白カビチーズで、中が青カビチーズ、という風変わりなチーズです。

  • ブレス地方のブルーチーズ

    ブレス地方のブルーチーズ

  • 外観は、白カビチーズ。<br />カットすると、中からブルーチーズ。

    外観は、白カビチーズ。
    カットすると、中からブルーチーズ。

  • 最後に、<br />今回の旅の拠点、リヨンからの移動について。<br /><br />リヨンの鉄道駅、パール・デュー駅から、ブレス・ガン・ブレス行きに乗車。<br />一時間に1本。所要時間も1時間ぐらい。<br />今日は、プラットフォームAから出発。<br />ローカル線で、1等はありません。(2等車で十分快適です)<br /><br />今回は、1泊する予定で、午後の列車に乗りましたが、<br />朝リヨンを出て、ブールガンブレスのマルシェを散策し、ランチにブレス鶏をいただき、<br />午後、修道院を観光し、リヨンへ戻る、<br />なんていうプランも良いのではないでしょうか。<br /><br />マルシェは、大聖堂の横、シアター前の広場で朝開かれます。<br />チーズやフルーツが並ぶ曜日を確かめて!(ミシュランのグリーンガイドとかで)

    最後に、
    今回の旅の拠点、リヨンからの移動について。

    リヨンの鉄道駅、パール・デュー駅から、ブレス・ガン・ブレス行きに乗車。
    一時間に1本。所要時間も1時間ぐらい。
    今日は、プラットフォームAから出発。
    ローカル線で、1等はありません。(2等車で十分快適です)

    今回は、1泊する予定で、午後の列車に乗りましたが、
    朝リヨンを出て、ブールガンブレスのマルシェを散策し、ランチにブレス鶏をいただき、
    午後、修道院を観光し、リヨンへ戻る、
    なんていうプランも良いのではないでしょうか。

    マルシェは、大聖堂の横、シアター前の広場で朝開かれます。
    チーズやフルーツが並ぶ曜日を確かめて!(ミシュランのグリーンガイドとかで)

  • SNCF(Société Nationale des Chemins de fer Français)フランス国有鉄道<br />のローヌ・アルプローカル鉄道

    SNCF(Société Nationale des Chemins de fer Français)フランス国有鉄道
    のローヌ・アルプローカル鉄道

  • 日に何本かは、TGVも停車するようです。<br /><br />リヨンからではなく、ディジョンからスイス方面へ行くTGV。<br /><br />私が乗ったのは、TER(Transport express régional)地域圏急行輸送の列車。

    日に何本かは、TGVも停車するようです。

    リヨンからではなく、ディジョンからスイス方面へ行くTGV。

    私が乗ったのは、TER(Transport express régional)地域圏急行輸送の列車。

  • ブール・ガン・ブレス駅。<br />明るい黄色の建物は、ハプスブルグ家のマリアテレジアを思わせますね。<br /><br />マリアテレジア・イエローと関係あるかどうかわからないけど、ブルー修道院を建てた王妃の出身はオーストリア。

    ブール・ガン・ブレス駅。
    明るい黄色の建物は、ハプスブルグ家のマリアテレジアを思わせますね。

    マリアテレジア・イエローと関係あるかどうかわからないけど、ブルー修道院を建てた王妃の出身はオーストリア。

  • リヨンからブール・ガン・ブレスへ向かう途中、<br />ドンブ(Dombes)地方を通っていくのですが、<br /><br />この辺り、地図で見ると、<br />なんと、湖沼だらけなのです。<br />

    リヨンからブール・ガン・ブレスへ向かう途中、
    ドンブ(Dombes)地方を通っていくのですが、

    この辺り、地図で見ると、
    なんと、湖沼だらけなのです。

  • 鉄道も、湖や沼や池、ぎりぎりのところを通りぬけていきます。<br /><br />淡水魚料理も有名なのだそうですよ。

    鉄道も、湖や沼や池、ぎりぎりのところを通りぬけていきます。

    淡水魚料理も有名なのだそうですよ。

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