2015/09/23 - 2015/09/23
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redchilipadiさん
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ブレス地方は、とびきりおいしい鶏で有名な土地。
リヨンから鉄道で1時間ぐらい、
一度は行ってみたいと思っていました。
最初は鶏だけばお目当てだったのですが、
ここ、ブール・ガン・ブレスのブルー修道院は、
建築や装飾の面でも、歴史の面でも、とても興味深いところであることがわかり、
ますます行ってみたくなりました。
リヨンからの日帰り旅行にはぴったり!
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 交通手段
- 徒歩
-
リヨンの北東(右斜上)方向、約60kmに位置する
ブール・ガン・ブレス(Bourg en Bresse)
ブレス地方、アン県の県庁所在地。
この辺り一帯は、「ブレス鶏」の産地で有名で、
フランスの食品の品質保証制度A.O.C.(原産地名規制呼称)にも登録されています。 -
ブール・ガン・ブレスの観光の目玉は、ブルー王立修道院。
15世紀はじめ(日本でいえば織田信長が生まれるちょっと前ぐらい)
マルグリット・ドートリッシュ妃が、亡き夫のために建てた修道院。
屋根瓦は、ブルゴーニュ地方によくみられる色鮮やかなモザイクタイル。
マルグリットはオーストリア出身ですが、祖先のブルゴーニュ公の伝統に倣い、
権威の象徴として立派な墓の建立を計画したのだそうです。 -
先ほどの写真は、建物の裏側なのですが、
修道院の教会の正面にまわると、こんな感じ。
均整の取れた美しい建物。
フランボワイヤン・ゴシック装飾の傑作、といわれているそうです。町外れに堂々たる建物。カラフルな屋根が印象的 by redchilipadiさんブルー修道院 寺院・教会
-
教会の正面に飾られた聖人の腕には、
「X」の十字架がしっかりと抱えられています。
ブルゴーニュ公国の紋章、ブルゴーニュ十字でしょうか。 -
正面の扉上部には、
この修道院を建てた、マルグリッドと、その夫サヴォイア公フィリベルト2世が、
中央のキリストに、跪いて祈っている姿が彫られています。
写真の左上には、PとMをデザインした装飾。
夫のフィリベルトのP、マルグリッドのM
よく見ると、いろいろなところで凝っています。 -
教会の内陣の手前に、入り口が設けられています。
植物のモチーフの彫刻で飾られています。 -
さらに奥へ進むと、
内陣の中央に、夫フィリベルト2世の棺、
向かって右側の壁に、彼の母、マルグリッド・ド・メディシスの棺
左側の壁に、マルグリッド・ド・ドートリッシュの棺 -
棺の上の横臥像は二階建てになっていて、上部には写実的な臨終肖像を、
下部には、復活を願って、美化された顔を東側に向けた像を飾ったのだそうです。 -
妻の棺も同じく二階建て。
美しいマルグリッド・ド・ドートリッシュ
ドートリッシュとは、オーストリアの、という意味です。
神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世とブルゴーニュ女公マリーの長女。
そして、サヴォイア公フィリベルト2世の妻。 -
教会のステンドグラス
左側にはフィリベール公、
右側には、マルグリッド・ド・ドートリッシュ。
二人の家系の、サヴォア家とブルボン家の紋章と、
ハプスブルグ家とブルゴーニュ家の紋章が描かれているのだそうです。
二人の仲は円満だったとのこと、この修道院は権威の象徴であるとともに、
「永遠の愛の証」といわれていますが、
政略結婚のたえない時代、二人の背負っていたものは大変なものがあったのだな、としみじみ感じます。
ちなみに夫のフィリベール公は、狩の途中の生水が原因で死亡。
夫も妃も24歳のときのこと。 -
教会の奥に、修道院が広がっていて、
今は美術館として使われています。 -
教会をあとに、修道院のほうに向かいます。
こんなに広い敷地に、わずか十数名の修道士が暮らしていたのだそうです。 -
修道院の中には、バラをモチーフとした飾りつけがありました。
教会を後に、王妃のことを想い、感慨深い気持ちで歩いていると、
この現実離れした異次元空間から、ますます夢の中へ誘いこまれそうでした。 -
さて、修道院をあとにして・・・
ブール・ガン・ブレスのもうひとつのお目当ては、ブレス鶏。
レストランは、ブルー修道院の正面にあるオーベルジュ、
Auberge Bressane がお薦めとか。
でも、ディナーの場合は、修道院閉館18時で、その後すぐに食事、
というわけにいかず、、、、実はまだお腹もすいておらず、、
今回は町の中心部にふらふら歩いてみました。
ブルー修道院だけでなく、
町の中心にも、美しい建物があります。これは大聖堂 -
町の役所も立派です。
正面左上部に日時計があります。 -
おいしいブレス鶏を出すレストランは、こんなマークが目印。
ブレスの鶏は、真っ白な羽毛、立派なトサカ、青い足が特徴なのだそうです。
今回は、市の中心、大聖堂裏のベストウェスタン系ホテルの一階、
Restaurant Place Bernard
テラスのあるカジュアルなブラッセリーでいただきました。 -
ブレス鶏は、
シンプルなローストでいただくのが一番、
とのことではありますが、
この界隈は、乳製品もおいしい。
ブレスバターもA.O.C.です。
今日は、クリームソースでいただきました。 -
とってもやわらかくてジューシー。
でもやわらかすぎることなく、もちろん水っぽいこともなく。
鶏の滋味がしっかり味わえました。
味がしっかりしているので、クリームソースにも負けません。
ちなみにソースはバターの芳しい風味、さらっとした軽いものでした。 -
この写真は、リヨンのマルシェで。
左側のブレスの鶏は、普通の鶏と比較して、倍以上のお値段がついています。 -
ブレス地方には、ブレス・ド・ブルーというちょっと変わった青カビチーズがあります。
昔、イタリアのゴルゴンゾーラから青カビのチーズが輸入できなくなってしまった時期に、この辺りの人が独自に作った青カビチーズ。
外側は白カビチーズで、中が青カビチーズ、という風変わりなチーズです。 -
ブレス地方のブルーチーズ
-
外観は、白カビチーズ。
カットすると、中からブルーチーズ。 -
最後に、
今回の旅の拠点、リヨンからの移動について。
リヨンの鉄道駅、パール・デュー駅から、ブレス・ガン・ブレス行きに乗車。
一時間に1本。所要時間も1時間ぐらい。
今日は、プラットフォームAから出発。
ローカル線で、1等はありません。(2等車で十分快適です)
今回は、1泊する予定で、午後の列車に乗りましたが、
朝リヨンを出て、ブールガンブレスのマルシェを散策し、ランチにブレス鶏をいただき、
午後、修道院を観光し、リヨンへ戻る、
なんていうプランも良いのではないでしょうか。
マルシェは、大聖堂の横、シアター前の広場で朝開かれます。
チーズやフルーツが並ぶ曜日を確かめて!(ミシュランのグリーンガイドとかで) -
SNCF(Société Nationale des Chemins de fer Français)フランス国有鉄道
のローヌ・アルプローカル鉄道 -
日に何本かは、TGVも停車するようです。
リヨンからではなく、ディジョンからスイス方面へ行くTGV。
私が乗ったのは、TER(Transport express régional)地域圏急行輸送の列車。 -
ブール・ガン・ブレス駅。
明るい黄色の建物は、ハプスブルグ家のマリアテレジアを思わせますね。
マリアテレジア・イエローと関係あるかどうかわからないけど、ブルー修道院を建てた王妃の出身はオーストリア。 -
リヨンからブール・ガン・ブレスへ向かう途中、
ドンブ(Dombes)地方を通っていくのですが、
この辺り、地図で見ると、
なんと、湖沼だらけなのです。 -
鉄道も、湖や沼や池、ぎりぎりのところを通りぬけていきます。
淡水魚料理も有名なのだそうですよ。
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