2013夏、中国旅行記23(21/22：補遺)：香港歴史博物館2：民間信仰、獅子舞、龍舞、林則徐像、アヘン戦争

2013/07/19 - 2013/07/22

香港歴史博物館の展示品の紹介です。香港歴史博物館は、1962年に開館した『香港博物美術館』を前身とし、その後1975年に美術館と分割、移転などを経て、現在地には、1998年に移転しました。

エリア 香港(香港)

民間信仰や儀式や行事などの紹介コーナーです。『玉霊宮』の文字が記された祠堂の光景です。その下の文字は、『廟貌・荘厳』、屋根の上には龍の飾りがありました。

村のお祭りの時の飾りと、獅子舞のようです。獅子舞は獅子と龍が対決する場面を演じるようです。イメージ的には、左が竜舞、右が獅子舞のようです。

『香港の獅子舞』でネット検索した情報の一つです。『香港等、中国南方のライオンダンスや、ドラゴンダンスは中国の拳法、功夫（カンフー）を基にした激しい動きや技を使って演じられおり、香港のカンフー道場やサークルがライオンダンスやドラゴンダンスの演技指導をしています。』と紹介されていました。激しい動きをするようです。

人形劇の舞台の紹介のようです。随分と顔の大きな人形が、刀を携えています。説明文では、宋時代（960～1279年）を舞台にしているようです。

詳しいことは分かりませんでしたが、三人並んだ守護神のようです。関羽や張飛などの三国志時代の英雄のようにも見えます。

水牛に横坐りをした子供さんの後ろに、棒を担いだ黒服の若い男性が歩く光景です。色彩などのイメージからは、葬式の場面のようです。頭を剃った小僧さんの手には笛がありました。

『民間玩具販子』のタイトルがあった展示です。各種のお面や、団扇が並べられていました。販売意欲をそそるような、赤い照明と敷布です。

結構、観光客などの見学者が多かった香港歴史博物館の館内光景です。香港返還までの時間を下りながらの見学です。

『林則徐（1785～1950年）の立像です。清代の官僚で政治家だった人です。欽差大臣を2回務めました。特定の事柄について皇帝の全権委任を得て対処する臨時の官を欽差官と呼び、その中で三品以上の者が欽差大臣と呼ばれます。林則徐は、1838年の1回目に、アヘン問題解決のためイギリスとの交渉を担当、1850年の2回目に太平天国鎮圧を担当（途中病死）しました。福建省の生まれで、1811年（嘉慶16年）、27歳の時に科挙に合格し進士となりました。

『林則徐』の像のズームアップ光景です。1837年（道光17年）に湖広総督（現在の湖北省と湖南省）になりました。この時に管内での阿片根絶に実績を上げ、その実績と議論の精密さが道光帝に評価され、1838年の阿片禁輸の欽差大臣に任命されました。1839年（道光19年）、広東に到着した林則徐は、イギリス商人が持っていた阿片を全て没収し、処分しました。これが、第1次阿片戦争（1840～1842年）を引き起こすきっかけとなりました。後に英・仏連合軍とのアロー戦争（1856～1860年）が起きましたので、こちらを第二次アヘン戦争とも呼びます。

第1次アヘン戦争の講和条約として1842年に締結された南京条約により、英国は、清国に対し、従来の広東(広州)に加え厦門、福州、寧波、上海の計5港を開港させ、それぞれに領事を置くこと、さらには香港の割譲も認めさせました。写真は、アヘン戦争当時の大砲のようです。

『中英在九龍的衝突』のタイトルがあった説明パネルです。第1次アヘン戦争が始まるきっかけとなった、1939年6月からの出来事が略述されていました。

『第一次鴉片戦争爆発』のタイトルがあった説明パネルです。第1次アヘン戦争は、1840年6月28日に始まり、1842年8月29日に中英両国は南京条約に調印し、第1次アヘン戦争は終結しました。イギリス国内では、『不義の戦争』とする批判があり、清に対する出兵に関する予算案は賛成271票、反対262票の僅差で承認されていました。

アヘン戦争を描いた絵画の展示です。右が清軍、左が英軍です。第1次アヘン戦争の結果、英国と清国との不平等条約の他に、アメリカ合衆国との望厦条約（1944年）、フランスとの黄埔条約（1944年）が結ばれました。

『虎門硝煙的模型』のタイトルがあったジオラマ展示です。林則徐が押収させた1425トンのアヘンを無害化させる場面です。彼は虎門の海岸に50メートル四方の人工池を二つ作らせました。人工池に水を引き大量の塩を投じ、球状の阿片を池に投げ込ませました。焼石灰の塊を大量に投入すると化学反応が起こり、煙を上げて沸騰するように見えたとされます。

移動式の小型の大砲と、その砲弾の展示です。日本的な表現にすれば、明治の大砲です。あるいはもっと古い大砲かも知れません。中国で鋳造されたことは表示してありましたが、年代は不明でした。

白い二枚の帆を張ったジャンクの模型です。その展示の前に、『中英軍力的比較』の説明パネルがありました。その概要は、アヘン戦争時の中国側の戦力は10万人、英国側は2万人ですが、火力や機動力で大幅な差がありました。

綺麗に再現された、乾物屋さんのお店の光景です。天井から、タイやヒラメやイカの干物がつり下がっていました。

『噴泉円拱（The Art　of Fountain）』のタイトルがあった展示品です。直訳すれば『噴水池のアーチ』です。1841年1月に英国軍によって香港島に持ち込まれました。1987年に移送され、香港歴史観に展示されました。

上に『晋源』、その下に大きな『押』の文字が記された衝立のような置物の光景です。その背後には、煌々と明かりが灯った、鉄格子の部屋がありました。

『晋暁萬寶』の文字が揮毫された看板です。（暁の文字は、正しくは食偏です。詠み方は、じょう、ゆたかです）『萬寶』の日本語での意味は、『様々な物事に重宝すること』や『多くの宝』を意味しますが、中国語では、少しニュアンスが違うかもしれません。脇道に逸れますが、日本人の名字で『萬寶』さんは、全国で20名ほど見えます。ビルや、雑誌の名前にも使われています。上の二文字の『晋暁』は意味が分かりませんでした。

右から読んで、『雲裳裁縫店』の屋号を記した看板です。縫製の専門店のようです。

『雲裳裁縫店』の屋号のお店の店内光景です。正面に、当時のスタッフらしい6名の方の記念写真が飾ってありました。男性は辮髪姿のようでした。

左手に見えるセピア写真は、第二次大戦前後の香港の街角光景のようです。右手には再現されたレトロな街角光景がありました。

戦後の香港の街角光景のようです。赤い柱に赤い提灯と、車いすに乗った年配の女性の姿です。

現在、香港市街を走っている二階建ての路面電車にそっくりです。実際に走っていた電車が、引退した後に展示されたのかも知れません。『堂教・仔湾』の行き先名らしい表示もありました。

ビジュアル・コーナーの光景です。赤ん坊を背負った女性のモノクロの画面です。

古い切手の拡大写真です。イギリス人らしい肖像のほかに『香港』、『30セント＝3角』や、『1941～1945』の年号も記されていました。

『現代都市及香港回帰』のタイトルがあった展示室の光景です。『香港回帰』には『リターン・ツー・チャイナ』の英文字が当てられていました。

第二次大戦中の、日本の占領時代の宣伝ポスターのようです。『勝ち抜くために・節約だ!』、『市民諸君！防空準備妥当了馬!』などのスローガンがありました。
（注）了馬の馬は、正しくは口偏があります。