2013/06/01 - 2013/06/01
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kojikojiさん
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今回の旅でジョグジャカルタに来たら絶対に見逃せないものがありました。ワヤン・クリッという影絵です。数年前に上野の国立博物館でその美しいシルエットを見て以来、絶対に本場で観たいと思っていました。クラトンの脇のガドリ・レストというスルタンの弟さんの自宅レストランで食事をした後にソノブドヨ博物館で毎晩開催される影絵を観に行きましたが、欧米人の観光客が十数人だけで観客が少なくてびっくりしました。それ以上の人数のガムラン演奏者や歌を謡う人がいるのですから申し訳なくなります。午後8時から10時と言う時間なので、眠くなる人もいるようで旅も2週間近くになり疲れも溜まった所にアルコールも入った満腹状態の妻は睡魔と闘いながら頑張って観ていました。またジャワ島のガムランの音楽も眠りを誘うように静かに流れます。人形の動きにも驚きましたがダランという演者の流れる様な語り口調と拍子木のような木片を叩く音…。郷愁を誘うような物悲しさがあり、私にとってはあっという間の2時間でした。ストーリーはラーマヤーナの物語を8日に分けて演じています。つまり全部観るには8日間で延べ16時間かかるという訳です。観に行った日は2晩目の演目で「ハヌマーンズ・ミッション」の1幕は「パンカワティ王国―猿の大国」2幕はアレンカのアルガソカの庭」でしたので分かり易い場面だったかもしれません。影絵人形も欲しくなりましたが、家でどう飾るかを考えて諦めました。翌日は博物館の見学にも行きましたが、この博物館の展示物も素晴らしくブダペストの民族博物館を思い出しました。フォークロアな物に興味を持ちだしてからこのような博物館にとても惹かれるようになりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- レンタカー タクシー 徒歩
- 航空会社
- ガルーダインドネシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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昨年カンボジアのシェムリアップでの最終日の晩にスパエク・トムという影絵を観に行きました。観光レストランのスパエク・トーイでは無く、トム(大きい)の方で、かがり火を焚いて見せる本格的なものです。アンコール小児病院の庭で寄付を集めるために行う不定期のもので、事前に調べてもありましたしシェムリアップには1週間以上も居たにも関わらず雨天で翌晩に順延になってしまい観られませんでした。旅の旅程で唯一思い通りにならなかったことで悔しかった想いを晴らす意味もありました。
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影を写す白い布のスクリーンはケリールと呼ばれます。巨大な団扇のような物はサンピンガンと呼ばれ、舞台で場面が変わる時の緞帳のような役目をします。
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1枚の水牛の皮を鞣し、皮に細かい穴を穿って模様を彫ってあります。裏から見るとこんな感じですが、裏からの方がカラーで綺麗です。もっともどっちが表で裏でとか無いようですが。
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細かい細工が施されています。
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人形も同じで演者側から見るとハヌマーンだとか色で判別できますが、影だけだとどの猿がハヌマーンか分かりません。
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3人の女性はシンデンという謡い手です。分かり易く言うとご詠歌のような調べです。
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さらにガムランのおじさん達が十数人スタンバイします。伝統楽器のサロンやグンデルやスレントゥムなどの鉄琴やクノンやボナンといったゴング類がメインです。おじさん達は適当に休んで飲み物を飲んだり、隠れて何か食べたりしています。まあ長丁場ですから仕方ないのかもしれません。その辺りはバリ島のガムランの方がストイックな感じがします。
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ダランという影絵の演者です。独特の節回しで謡うようにストーリーを進めます。拍子木のような木片を叩いて高揚感を煽ります。ちょっと講談師のようでもあります。
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スクリーンの裏から観るとシンプルな影絵です。
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シルエットの美しさはこちら側からの方が分かり易いです。
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でもこちらからの方が魅力的です。観客もこちら側で見学する人がほとんどです。
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ハヌマーンの登場です。
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登場人物はラーマ王子とラクシュマナ(ラーマの弟)と猿王のスグリワとアンガダとハヌマーンです。
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コーサラ王国の王子ラーマは腹違いの弟バラタ王子の母親ケカイの計略により14年間 国外追放されます。ダンダカの森で隠遁生活を送りますが、妻のシンタ(シータ)が魔王ラーワナの目にとまり、ラーワナの手によって誘拐されてしまいます。これが第1日目のストーリーです。
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この日2日目のストーリーは誘拐されたシンタを救出する為にラーマ王子は猿王スグリワの助けを受けるところから始まります。、
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スグリワの腹心の将軍がハヌマーンです。ラーマ王子の率いる軍勢とラーワナの軍隊の戦いはラーマ側の勝利に終わり、ラーマはシンタと共にコーサラ王国へ凱旋して王位につきます。
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1夜目:シンタ(シータ)の誘拐
2夜目:ハヌマーンの任務
3夜目:ラーマ
4夜目:ハンガダの任務
5夜目:プラハスタの死
6夜目:トリガンガは父を見つける
7夜目:クンバカルナの死
8夜目:ラーワナの死 -
暗い中に裸電球の照明が一灯だけ灯っています。
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サンピンガンが動くとそれ以上に影が迫力のある動きを見せます。
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ハヌマーンが悪魔軍団と戦います。
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ユーモラスな登場人物が次から次に出ては消えていきます。よっぽどストーリーを知っていても登場人物が合致しません。
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人形の動きよりも影に魅せられます。
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2日目のストーリーもそろそろ終わりです。
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あっという間の2時間が終わりました。滞在中にもう1日くらい見たかったです。それくらい面白い物でした。
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翌日もホテルのベチャでソノブドヨ博物館まで出掛けます。
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いつものマリオボロ通りを下って行きます。
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朝も早いので馬車は開店休業中です。
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中途半端な場所にいるベチャも暇そうです。
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ギリギリの車間距離で上手に行き交います。
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上手に馬力のある運転手を選ばないと他のベチャに追い抜かれてちょっと恥ずかしい思いをします。
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ナショナルやパナソニックの看板は30年から40年は変わっていないように思えました。
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ミロタ・ブティックも今日は通過します。
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昨晩は真っ暗な中を博物館に入ったので、日中だと同じ建物と思えませんでした。
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古いトッペンがたくさんありました。街中ではあまり見掛けませんでしたが、素晴らしい物ばかりです。
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空調などは整備されていないし、もう少し良い状態で展示したらよいのにと思いました。
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インドネシアの多彩な顔を感じさせます。
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仏教の儀式で使われた銀メッキのブロンズ製の鐘ですが、上部の装飾が素晴らしいです。
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巨大な銅鼓も非常に状態のよいものです。
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不思議なキャラクターです。
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金メッキの残るブロンズ製の仏陀の頭部。
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アラビア語は全く読めません。
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キリスト教の時祷書(中世装飾写本)もイスラム教も同じような美意識を持っていたのですね。
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こんな青地に金文字の仏教の経典もありますね。
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以外に簡素な建物ですが味のある展示部屋です。陶器類が少ないのが残念でした。
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アラビア文字の描かれた大皿。
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インドネシアのバティックは世界遺産だったのだと改めて知ります。
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不思議なデザインのバティックです。
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これと同じデザインのシャツを前日ミロタ・ブティックで買いました。50,000ルピアで、アブディダルム(クラトンの家臣)の着ている藍染の長袖シャツも買いましたがまだ着る機会がありません。
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一見お煎茶の道具かと思いましたが、バティックの蝋引きに使う鍋とチャンチンと炭を扇ぐ団扇でした。
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これがチャンチンですが、以前中国の貴州省で扱わせてもらったことがあります。絵心はあるつもりでしたが全く使いこなせませんでした。
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古いバティックの木型はそれだけで美しい美術品です。
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先日見学した工房では金型でしたが、昔は木彫りの方が一般的だったのでしょう。
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和菓子の木型のようにも見えます。
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ワヤン・クリッ(影絵人形)もたくさん展示されていました。
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影絵を構成する演者(ダラム)からガムランの配置図の模型が分かりやすいです。前の晩の配置を確認することが出来ました。
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孫悟空のモデルになったと言われるハヌマーンです。
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巨大なサンピンガンも見ていたら欲しくなりました。
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近くで見ると見事な造りです。
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人形も博物館で良い物を見てしまうと…。買いたくなってしまいます。
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と言ってもあまり大差はありません。お土産用の大きさは本物より小さめです。
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興味深かったのはワヤン・クリッがキリスト教と融合したものです。
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Malaikatは大天使ガブリエルのことでしょうか。横には東方三賢人の1人バルタザールの姿もありました。
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幼子イエス。Bayi Yesusuと書かれてありました。
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Bunda Maria Yusefは聖母マリアと養父ヨセフですが不思議な感じがします。
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キリスト教も東南アジアでは土着の文化と融合していったのですね。
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ワヤン・ゴレックの人形も見事ですが、今回この木製人形の劇が観られなかったのが残念です。
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オランダの衣装を着た人形もありますが、よく見ると短剣はクリスだし、サロンはバティック柄です。
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こちらはリアルにオランダ人ですね。安土桃山時代の日本人が見たオランダ人も同じような絵で残っています。東洋人が初めて欧米人を見ると同じような表現になるのだなと思いました。
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不思議な雰囲気を持った人形です。
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そしてまたトッペン(影絵)がたくさん並びます。
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バリ島の仮面とはまた違ったジャワ島の仮面です。
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RAGIL KUNING
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PRABU LEMBU AMILUHUR
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PRABU LEMBU AMIJAYA
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NARAWANGSA
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KARTALA
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PRABU KELANA
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中庭にはバリ島でも見られないような彫刻の細かい割れ門が置かれてあります。
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バリの木彫も良い物がたくさん置かれてあります。
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バリ島で買ったバロンの木像に似ていたのでうれしくなりました。
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ベトナム風の木彫がありました。こうやって見ると中国からインドシナ半島からインドとアジアは繋がっているのだと感じます。
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ブスン(椰子の葉)で作られたお供え飾り。
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ヴィシュヌとラクシュミー(美と豊穣の女神)。
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ドゥルガはシヴァの神妃で、10本の腕を持つ美女でシヴァの三叉戟、ヴィシュヌのチャクラム、アグニの投げ槍、ヴァーユの弓、ヴァルナの法螺貝、 インドラのヴァジュラなど様々な武器を持っています。
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同じくドゥルガです。
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シンプルな煉瓦の門も移築されています。
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一対の巨大なクベラ像。
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日本人には金剛力士像に見えてしまいます。
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Aksobyaは梵名アクショブヤで阿くしゅ如来と呼ばれます。
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Awalokiteswaraは梵名アヴァローキテーシュヴァラで観世音菩薩を表します。
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Amitabhaは梵字アミダーバで阿弥陀仏です。これは読んだままなので分かり易いです。梵名の「アミターバ」は「無限の光をもつもの」「アミターユス」は「無限の寿命をもつもの」の意味で、これを漢訳して・無量光仏、無量寿仏ともいうそうです。無明の現世をあまねく照らす光の仏にして、空間と時間の制約を受けない仏であることをしめす。(ウィキペディア)
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Padmapiniは梵字パドマパニで蓮華手観音菩薩です。前日に見学したプランパナンに近いプラオサン寺院の中にあった仏様と同じデザインです。
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Kinariは緊那羅(キンナラ)と書き、音楽の神で特に美しい歌を謡うといわれる。ヤクシャ(夜叉)と共にブラフマーの爪先から生まれ、カイラス山にあるクベーラの天界で楽師として音楽を奏でるそうです。
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この辺りではドゥルガが人気があるのでしょうか?
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久し振りにクルクルを見た気がしました。バリ島のウブドで滞在していたチャンプアンホテルのコテージの軒先に吊られていましたっけ。ほんの2週間の旅なのに遠い昔のようです。博物館の最後の方はバリの美術品が展示してあるので懐かしくなりました。
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