2025年日本の冬巡り(11）イヨボヤの故郷で新多久の絶品料理→仙台へ

2025/02/13 - 2025/02/14

日本の冬巡りもいよいよ最終盤、この日は秋田から新潟の村上へ向かいます。本来は直行の予定でしたが、新幹線車内に忘れ物をしてしまっていたので、まずはそれを回収に新青森駅へ。

大雪で運休の列車も出る中、無事に忘れ物を回収し、村上にも（予定よりは遅れたものの）無事到着。そして大雪は嬉しい結果ももたらしてくれました。

エリア 村上・岩船(新潟)

• 旅行の満足度: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: タクシー 新幹線 JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝一番に秋田駅へ。

秋田駅 駅

6時09分発こまち6号に乗車。そういえば2024年9月に連結がはずれたのってこれでしたね。

見事な雪景色を堪能しました。

盛岡駅にはもう10回以上来てますが、今さらながらの写真撮影です。東北新幹線の盛岡～大宮間の開業は1982年6月23日、これはそれを記念したものですね。

盛岡駅 駅

先日車内に忘れたイヤホンを引き取りに行ってきました。車内の忘れ物がちゃんと届けられているのはさすが日本です。

しかしかなり時間を無駄にしたのでお昼はこんなもので済ませる羽目になりました。まぁトラベルにトラブルはつきもの、これもまた経験です。

秋田駅から新潟駅までは、鉄道での移動距離が約270km。盛岡・大宮経由にしたせいで移動距離が３倍以上になってしまいましたが、それでもなんとか新潟に到着しました。

特急いなほ、雪の影響で一部に運休が出ていましたが、幸いなことに私たちが乗る列車は運行していました。

無事に村上駅に到着しました。

村上駅 駅

村上駅前歓迎塔です。2022年末に大規模修繕され、2023年1月にお披露目されたのだそうですが、「瀬波温泉の温泉櫓」をモチーフにした木造風の構造で下部には、村上大祭で使われる「おしゃぎり（山車）」の車輪が装飾されています。そして何よりおしゃれなのが、「村上駅」の文字に隠された「JR」の緑の2文字。

無事に宿の人と合流、迎えの車に。

せなみ温泉には、四川飯店があります。料理長の斎藤広光さんは陳建民さんの直弟子、つまり鉄人・陳建一さんの兄弟子。陳建一さんは毎年ここにやってきて腕を振るっていました。そのうち食べに行きたいお店です。

四川飯店 村上 グルメ・レストラン

今回の宿は、大観荘せなみの湯。前回ひとりで来たときは別のホテルに泊まったのですが、空港からの瀬波温泉直行ライナーはまずここに停車したのを思い出しました。軒先に吊されたイヨボヤが目を引きます。
https://4travel.jp/travelogue/11574469

瀬波温泉は1904年に石油試削中に見つかった温泉です。

新潟県瀬波温泉 大観荘 せなみの湯 宿・ホテル

部屋にはすでに布団が敷かれていました。人手不足対策なんでしょうね。部屋食プランの客室ではできませんが、うちは夕食はなしなので何ら問題はありません。部屋のつくりはごく一般的な昔ながらのものです。

何はともあれお風呂へ。貸切でした。

以前泊まったビューホテル同様、ここも瀬波海岸に面しています。ときは真冬、日本海の荒波が見えます。

海も大荒れ、雪が降る中をトボトボとバス停まで歩きました。バス停はほんの250ｍ先、雪と寒さがなければ楽勝なんですが・・・

村上駅でバスを降りてタクシーに。

到着した先は、お庭も立派そうな（まだゆっくり拝見したことはありません）料亭。

我が家が村上に来る唯一の理由、それがこの新多久さんです。今現在、日本で一番好きな日本料理のお店です。

割烹 新多久 グルメ・レストラン

なんとなんと、この夜の客は私たち二人だけ。もともとが２月は「にっぱち」と呼ばれる飲食業界の閑散期、しかも木曜日、おまけにこの大雪ですから用心深い人なら数日前にキャンセルしてもおかしくありません。

お店にとっては、たった二人の客なんて、正直休んでしまいたいくらいでしょう。飛行機なら間違いなくフライトキャンセル。でも部屋を暖かくして待っていて下さいました。

私たちにとっては大変ありがたい状況です。ここのご主人は話し上手で話題も豊富ですが相客がいると自分達ばかり話す訳にもいきませんし、そもそも調理でお忙しい。でも今日は・・・・

というわけで写真をしっかり撮らせて戴きました。料理は２万2千円のコース、お酒はお任せで。ワインでも日本酒でも品揃えが良いお店ならペアリングが一番です。

新多久さんでは客ごとに名前を入れたお品書きを用意してくれます。

カウンターで相客がいるときは基本的に料理写真を撮らないのですが、何しろこの日は貸切り。了解を戴いて写真取り放題。

といいつつ、何しろ食いしん坊二人なので料理が出て来て説明が終わるなりぱくりと食べてしまい、あ、写真撮ってない、なんてこともしばしばでした。

この日の驚きはこちら、なんと「ちんげん菜茶碗蒸し」です。

オーストラリア、それもアデレードなどという地方都市で本当に素晴らしい日本酒を飲むのはまず不可能なので、日本にいる間はとにかく日本酒を飲みたい。そんな私たちにとってこの店は天国ですね。

悲しいことに、もうおしまいです。

お食事に添えられたこの鮭が絶品。

残ったご飯は当然ながらお夜食に。このおむすびには具も海苔も不要です。

この旅館の朝食はビュッフェスタイルですが、村上らしい料理が豊富に揃えられていました。村上牛入りのすき鍋は大人気でした。

私はこちら派。岩船産の鮃に、粟島産の鯛のお造りです。

まだまだ食べられますが、何しろお昼にもう一度新多久なので控えめに。ご飯は前回のホテルの方が美味しかったですが、ここもまずまずでした。

部屋のベランダからの景色です。

ロビーからも日本海を眺める事ができます。前回のホテルもそうですが、こちらも村上駅までの送迎バスがあります。

そして前回のホテル同様、駅までのお客を降ろしたあと、私たちの目的地まで乗せていって下さいました。とてもありがたいサービスです。温泉があって部屋からの眺めもよし、朝食もまずまず、二人で二万ちょいと納得のお宿でした。

千年鮭 きっかわ／きっかわ グルメ・レストラン

千年鮭きっかわ、村上の至宝イヨボヤの専門店です。

鮭の塩引き、村上の鮭料理の中の王様ですね。使いやすくスライスした上で元の形に並べ直してある贈答用。他にも自宅用簡易包装や、スライスしていないものもありました。日本に住んでたら1尾買っちゃうところですが、オーストラリアにこんなものは持ち込めません。kirinの実家に小さな塩引き鮭を送り、自分達用は持ち込み可能な瓶詰めのフレークを買いました。

村上に来るたびに見せて貰ってますが、飽きない眺めです。

材料は鮭と天然の粗塩、北西の冷たい風の中に3週間さらされてゆっくり乾きながら、発酵、熟成し、旨みを凝縮させます。新巻鮭や塩鮭とは違い、鮭自身が持つ酵素の働きで熟成させて作ります。

お店の前には懐かしいこんなものが。ただの飾りではなくちゃんと働いている現役選手でした。

さて、再びの新多久さんです。

この日も貸切です。すみませんねぇ・・・
お昼ご飯ですからお酒はこれだけにしておきました。

なんで夜昼と続けて来たかというと、ジビエを食べるため。

新多久さんが村上の食材だけで料理を提供しはじめて15年がたったそうです。近年、イノシシの農家への被害が増加し、害獣として駆除されることが多くなってきたため、罠猟の免許を取得し食肉処理施設を設立して、１，２月限定で出しているそうです。

冬ごもりを控えた野生の動物は脂をたっぷりと蓄えているのでしょう。私には少しばかり脂がきつすぎるものもありました。

真鴨やいのししといったこれまで食べた事のあるジビエも、これまでとは全く違う料理方法で、驚きの連続でした。ジビエ担当の弟さんも加えて、昨夜同様楽しい会話で大いに盛り上がり・・・気がつけば、貸切で写真撮り放題だったというのに、料理写真はたったの３枚しか撮っていませんでした。喋って笑って食べて飲んで、あっという間の１時間半。

ごちそうさまでした。また来ます。

お店からタクシーで村上駅に向かい、特急いなほに乗り込みました。

とき324号で仙台へ。

仙台駅 (JR) 駅

ホテルは駅近くのJALシティ仙台にしました。一人一泊5415円はお安い。駅から一番近いアーケード街、ハピナ名掛丁というそうです。名掛丁は、伊達藩が誇った「御名懸組」という武士団の組屋敷があった通りだそうです。

ハピナって何だろう、まさかhappyな、じゃないだろうな、と思って調べたらその通りでした。由緒ある名に冠するにはどうなんだろう・・

夕食は予約しておいたこちらで。横浜家系ラーメンではなくて、その左にある階段を二階へ。

この店名通りだといいのですが・・・

魚がうまい店と申します グルメ・レストラン

こういう黒板メニューのある店が好きです。

突き出しです、と出て来たのはもう立派な一品料理。私は牡蠣を食べられないのでそう言ったら、なんと別のものを出して下さいました。申し訳ないやら、ありがたいやら。お酒の種類も豊富です。

店内はかなり狭く、お店の人もとおるのに一苦労。仕事帰りの方達が多く、とても賑やかでした。なにしろ昼にあれだけ食べたので、それほど食べられそうにはありませんが、刺身五点盛を頼んでみました。これで２人前というのもびっくりですが、2300円という御値段にもびっくりです。

△油揚げ500円も頼んでみました。有名な定義とうふなのかな？？？
地元の人で活気溢れる楽しいお店でした。