2024/10/10 - 2024/10/12
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まつじゅんさん
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初めての立山・黒部アルペンルートの旅、Ver.3は室堂から扇沢の後半です。
室堂で素晴らしい景色に癒され、小腹も満ちて後半戦に臨みます。
ここからは今年(2024年)がラストランとなる、立山直下を走るトロリーバスで大観峰に出て、立山ロープウェイで黒部平へ移動し、黒部ケーブルカーで黒部湖、黒部ダムの堰堤を歩き、最後は赤沢岳を貫く、関電トンネル内を電気バスで扇沢に向かいます。
ここまでを含めて各乗り物は、全て何某かの特徴があり、黒部ダムや各ターミナルでは絶景にも出会え、凄く充実した2日目となりました。
今回は、全5部作となっています。
・Ver.1 富山・高岡市内観光 編↓
https://4travel.jp/travelogue/11942974
・Ver.2 立山 ~ 室堂 編↓
https://4travel.jp/travelogue/11965282
・Ver.4 白馬アルプスホテル ~ 岩岳ノア ~ 宇奈月温泉 編↓
https://4travel.jp/travelogue/11965320
・Ver.5 黒部峡谷トロッコ列車 編↓
https://4travel.jp/travelogue/11965328
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 観光バス 新幹線 JR特急 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
-
室堂駅は、トロリーバスの始発駅となっていて、標高2,450mは(ロープウェイを除く)鉄道では、日本で最も標高の高い駅です。
ケーブルカー・トロリーバス・モノレール・リフト等を特殊鉄道と呼ぶらしいですが、線路上で動力を用いて車両が運転される駅としては、日本最高所でしたが、2024年12月1日のトロリーバスの廃止により、大観峰駅と共に鉄道駅としては廃止となるため、日本最高所の鉄道駅は、現在3位の黒部平駅(標高1,828m)となります。
いずれにしても、立山・黒部アルペンルートの乗り物ですが・・・・。
因みに、日本一高所の普通鉄道の駅は、JR東日本小海線の野辺山駅で、標高は1,345.67mだそうです。室堂駅 駅
-
室堂駅はアルペンルート最大のターミナルらしく、施設は充実しています。
郵便局では、こちらの消印を押した郵便物を出すことが出来て人気のようです。
黒部ダムに向かう立山トンネルトロリーバスは、室堂駅から大観峰駅まで3.7kmを10分で結ぶ、正式名称を「立山黒部貫光無軌条電車線」というバス路線で、全区間を立山連峰直下の立山トンネル内を通っています。
黒四ダムの難工事は、「黒部の太陽」等の映画でも紹介されていて有名ですが、富山県側の立山を貫いた「立山トンネル」でも多くの苦難があったようで、トロリーバスの廃止という今年、様々な工事やバスについて展示が行われていました。室堂ターミナル 自然・景勝地
-
2024年が最後となる、日本唯一のトロリーバスですが、1996年の立山トンネルバスのトロリーバス転換までは、鉄道駅では無かったそうです。
立山黒部貫光会社が5年の歳月をかけ、1971年6月1日の、立山黒部アルペンルート全線開通のに合わせて貫通しましたが、山岳観光ルートの中でも、困難を極めた工事が、立山の主峰 雄山の直下を貫く「立山トンネル」だったそうです。
最大の難所が立山断層破砕帯で、設計上の大きなカーブの他、緩く迂回しているところが3カ所あるそうです。
幾度も現れた、破砕帯を避けながら工事を進めた証で、結果45m進むのに13カ月を要した難工事でした。
2025年3月25追記:
1996年4月23日の運行開始から29年間無事故で、日本最後のトロリーバスとして、2024年11月30日の最終運行まで1,992万4千人を運んだそうです。 -
2025年春から、電気バスになります。
立山トンネルトロリーバス諸元:
駅数2駅(起、終点駅)
中間点に信号場、全線単線
直流600V、最高速度は40km/h
到着台数をチェックして、区間開通を確認する自動信号式(出発時に、一定時間進行信号を現示し、その間に出発させて台数をカウントする。)立山トンネルトロリーバス 乗り物
-
座席が一番前だったので、記念に走行動画を撮ってみました。↓
https://youtu.be/bxRwXOoRrQg
途中、破砕帯の表示も確認できました。 -
大観峰に到着、次のロープウェイ出発まで、展望台から黒部ダムを眺めてきました。
断崖にそびえ立つような大観峰は、標高2,316mにあり、黒部湖や後立山連峰の絶景を見下ろすことができます。大観峰 (大観峰展望台) 名所・史跡
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眼下に黒部ダム、北陸地方屈指の人造湖である黒部湖を見ていると、こんな場所によく造ったな、と実感します。
黒部ダムは、ダム湖百選に選定されているようです。
(財)ダム水源池環境整備センターが選定したもので、2005年に全国の65ダム湖を選定されています。(100と違うんかい!) -
春のアルペンルートで有名な「雪の大谷」をバックに、臨場感あふれる写真を撮影できるパネルがありました。
ただ、直ぐ偽物とわかりますね。
・大観峰←室堂じゃない
・10月11日←雪が無い -
ここから、立山ロープウェイで黒部平に向かいます。
本当に、アルペンルートは、様々な特色ある乗り物を乗り継いで進みます。
このロープウェイも、景観と環境保全の観点から、大観峰と黒部平の間には支柱が1本も無く、360度のパノラマが展望できる「動く展望台」と呼ばれているそうです。
大きな窓からは、大斜面の大観峰、後立山連峰の絶景が広がります。立山ロープウェイ 乗り物
-
立山ロープウェイ諸元表:
大観峰(2,316m)~黒部平(1,828m)、駅間標高差 488m
移動距離 1.7Kmの日本最大ワンスパンロープウェイ
定員 80名。 -
少し色付き始めた紅葉を眺めながら、7分間の空中散歩。
真下に広がる黒部湖に向かって進んでいきます。 -
標高1,828mにある白い建物が黒部平駅です。
次の黒部ケーブルカー乗車まで、20分程の時間があったので、周辺を散策。
圧倒的な自然に、圧倒されました。黒部平 自然・景勝地
-
駅の屋上にはパノラマテラスがあり、山と湖、黒部ダムの景観を楽しめます。
こんな山の中に、よくダムを造ろうと考えたな、と改めて思いました。 -
時間が来たので、黒部ケーブルカーに向かいます。
黒部ダムまでの標高差約400m、最大勾配31度の急斜面を走るケーブルカーです。
自然保護と雪害防止から、日本で唯一の全線地下トンネル式となっています。
立山ケーブルカーと同じ「つるべ式」で、トンネルの中間地点で2台のケーブルカーがすれ違うようになっています。黒部ケーブルカー 乗り物
-
1969年開業時から、一度も車輌は更新されておらず、開業当初の客車が現在でも使用されているようです。
諸元表:
黒部平(1,828m)~ 黒部湖(1,455m)、駅間標高差 373m
移動距離 0.8Km、所要時間 5分
定員は130名です。 -
黒部ケーブルカーの黒部湖駅に到着。
ここから地中トンネルを歩き、黒部ダムの堰堤に向かいます。
このトンネルも、こんな場所に良く造ったなぁ、と思いますね。 -
トンネル内を歩く事10分弱、目の前がパッと開けると、そこは黒部ダムの堰堤です。
黒部ダムは、北アルプス3,000m級の山々が連なる、立山連峰と後立山連峰に挟まれた黒部峡谷にあって、黒部市からは南東約40km、長野県大町市から西約20kmの県境付近にあり、県境から約3km西側、標高1,454mの富山県中新川郡立山町芦峅寺にあります。 -
黒部ダムの名物である観光放水は、黒部峡谷の景観維持を目的に、毎年決まった時期に放水が行なわれています。
今年は6月26日~10月15日という事で、残り4日でギリギリで間に合いました。
毎秒10t以上の水を、霧状にして放水しています。
これは放水の勢いで、川底が削れてしまうのを防ぐためとの事ですが、圧巻の景色でした。
写真では良く解らない(技術力の問題?)ですが、虹が架かっていました。黒部ダム 名所・史跡
-
堰堤の中央部から、下を覗き込むオッサンを、高所恐怖症の奥様が写しています。
私も実は高所は好きでは無いのですが、職業柄か、ある程度の高さ(&安全設備)までは、耐性が出来た気がしています。
ダム湖の水の水温は、平均4℃との事ですので、冷たいですね。 -
放水された水は、下部の取水口から山中の専用導水トンネルを通って、約10km下流の地下に建設された、黒部川第四発電所(略称:黒四)に送られ、ダムとの高低差545.5mを利用して発電されています。
発電所の名前から、黒四ダムとも呼ばれていますが、あくまでダムは黒部ダムです。
黒部ダムは、水力発電の専用ダムで、東京ドーム160個分の約2億m3を貯水しています。
また、堰堤の高さ186m、堤頂長492mの、日本で最も堤高の高いダムであり、富山県で最も高い構築物のようです。黒部ダム観光放水~ダイナミックな放水と大自然のパノラマ~ 祭り・イベント
-
富山県は北陸電力のエリアですが、黒部ダムは関西電力の建設で、電気も関西電力エリアに送電されています。
黒部ダム建設の動きは、第二次世界大戦後の復興期における、関西地方での深刻な電力不足が要因のようです。
この地は、大正時代から黒部川の水量も多く、水力発電所設置に適している事は知られていましたが、国立公園内である事、過酷な自然に阻まれ、何度も失敗を繰り返してきました。
1956年当時、日本の電力需要の殆どは、水力発電所により賄われており、渇水になると各地で停電が相次いでいました。
関西地方でも、復興の遅れや慢性的な計画停電が続いていて、停電による死亡事故等も発生する程、深刻な社会問題となっていました。
そのような中、黒部峡谷での水力発電以外の選択肢を見出せず、関西の消費電力を一気に賄えるダムを、人が足を踏み入れること自体が困難で、命がけのこの地に建設する決断をしたようです。
そこには、「工期は7年、それが遅れれば、関西の電力は破綻する」という、強い思いがあり、資本金の5倍となる、総工費 513億円を掛けて挑んだ、世紀の大事業でした。黒部ダム展望台 名所・史跡
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建設云々より、現地に到達する事自体が、命がけだった黒部峡谷でのダム建設。
その困難さは凄まじく、1956年当時は「電力開発は1万kW生むごとに死者が1人出る」と言われていた時代だったようです。
完成直後の1963年に、NHKがヘコプターによる空中撮影も交え、生中継を行った事で、黒部ダムのスケールの大きさと、技術者の偉業を伝え、1968年の三船プロ、石原プロ製作の映画「黒部の太陽」の大ヒットや、数度のTVドラマ化等で、難事業の様子が日本中に知れ渡る事となりました。
新展望広場に、難事業に挑んだ記録を、展示した特設コーナーがあり、トンネル工事の現場を再現し、パネルや映像等で湯治の状況等、難工事に挑んだ技術者達の姿を伝えていました。
ここには、石原裕次郎記念館から移設された映画「黒部の太陽」のトンネルセットのレプリカを展示しており、ダム建設に関する映像やパネルを見ることができます。
石原裕次郎が、独立してどうしても作りたかったという黒部の太陽、3時間16分もの大作で、人間と自然との凄まじい戦いに圧倒されました。
1968年公開、動員数733万人という、大ヒット映画となりました。 -
完成当時は、京都府の80%と大阪府の電力需要20%を賄える、25万kWの発電量で、重工業産業への転換期の力となりました。
25万kWの発電量は、現在は電力会社にとって、経営収支への貢献度はそれほど高くないようですが、黒部ダムは日本を代表するダムであり、周辺の中部山岳国立公園を貫通する、立山・黒部アルペンルートのハイライトの一つで、観光地としての魅力が大きいようです。 -
黒部ダムの当初計画では、単純な円弧状のアーチダムでしたが、1959年のマルパッセダム決壊事故を受けて、両岸の基礎となる岩盤を調査したところ亀裂が見つかり、予想以上に脆いことが判明した為、設計変更により、両側がウイング状に変更されていて、ウイング部はアーチダムではなく重力式ダムに分類されるようです。
黒部ダム諸元
ダム型式:コンバインダム ( アーチ式コンクリートダム + 重力式コンクリートダム )
堤高:186.0 m
堤頂長:492.0 m
堤体積:1,582,000 m3
流域面積:188.5 km2
湛水面積:349.0 ha
総貯水容量:199,285,000 m3
有効貯水容量:148,843,000 m3
発電所:黒部川第四発電所(337,000kW)
施工業者:間組・鹿島建設・熊谷組・大成建設・佐藤工業
日本の全ダム中1位となるもの:堤高、堤頂長・堤体積(アーチ式ダム中) -
特に、資材を長野県大町市から建設現場に運ぶ5.4kmの大町トンネル(関電トンネル)建設は、毎秒660?もの湧水が工事現場を襲う、大破砕帯に翻弄された最大の難工事で、日本建設史に残るトンネル建設は、1年9ヵ月を掛けて、熊谷組の施工により完成しました。
この工事が、黒部の太陽のモデルとなっています。
この事業は1956年に着工、1963年6月5日に完成しましたが、その間に171人(墜落事故60名、落盤事故48名)の殉職者が出ています。
こちらが、殉職者慰霊碑、彫刻家 松田尚之氏による「六体の人物像」で、犠牲になられた方々の名前を刻んだプレートと、レリーフが掲げられています。 -
黒部ダムと黒部ダム駅を結ぶ、連絡通路です。
ここから、最後の電気バスで扇沢に向かいます。
黒部ダム建設時に、資材搬送用に掘削された関電トンネルを走るバスで、2018年11月30日までは、トロリーバスが運行していました。
電気バスは、往復毎に約10分間の超急速充電で運行していいう、電池性能の向上、充電器の高速化等、近年の技術進歩によって生まれた車両です。
破砕帯が青い看板、照明で表示されていました。
黒部の太陽のモデルとなった、苦闘の末に突破した現在も、まだ流れ続けている、破砕帯の水の状態も良く解ります。 -
扇沢駅と黒部ダム駅を結ぶ関電トンネル、平均斜度10度、最大13度の急勾配のトンネルは、夏でも気温は10℃前後で、黒部ダム(標高1,470m)~扇沢(標高1,433m)の、駅間標高差37m、6.1kmを16分で走行します。
距離わずか80mの破砕帯を、突破するのにかかった7ヶ月があるからこそ、今があるんですね。関電トンネル電気バス 乗り物
-
無事、扇沢ターミナルに到着。
立山駅から回送されていた観光バスに乗り換え、本日のホテルがある白馬村に向かって出発です。 -
陽も落ちて、夕闇が迫ってきています。
6つの乗り物を乗り継いできた、今日の旅も無事終了です。
立山~扇沢のアルペンルートに、黒部峡谷鉄道 欅平駅出発で、黒部ダムに到着する新しいルートが出来るようです。
黒部宇奈月キャニオンルートと名付けられた、このルートは2024年からの予定でしたが、令和6年 能登半島地震の影響で、黒部峡谷鉄道が被害を受け、開始は2026年以降になるようです。
その時は、新しいルートを通ってみたいと思います。
Ver.3、立山・黒部アルペンルート完走です。扇沢 自然・景勝地
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